本記事では、北海道警察・警察官採用試験の面接対策で必要な、北海道警察の特徴・基礎データ・道内の治安情勢・重点目標・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
北海道警察の面接試験では、「なぜ北海道警察を志望したのか」「警察官として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を警察の仕事でどう活かしたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。北海道の治安の現状と道警察の重点目標を知っておくことで、抽象的な回答を避け、北海道ならではの事情を踏まえた説明がしやすくなります。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と北海道警察の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|組織研究編
北海道警察の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは北海道警察という組織の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 北海道全域を管轄し、その面積は83,422km²で全国最大。国土のおよそ22%を1つの警察組織が受け持っており、都府県警察とは管轄のスケールがまったく異なる。(参考:北海道データブック2025(面積))
- 本部所在地は札幌市中央区。組織は本部(総務部・警務部・生活安全部・地域部・刑事部・交通部・警備部の7部)に、政令指定都市の札幌市を担当する札幌市警察部と、警察学校を加えて構成される。
- 広い道内をくまなくカバーするため、函館・旭川・釧路・北見に4つの方面本部を置く「方面本部制」を採っている。本部から遠い地域の警察活動を、方面本部が地域の実情に応じて統括する仕組みである。
- 第一線の拠点として58の警察署が置かれている(署の統廃合により、かつてより数は減っている)。1つの警察署が受け持つ管轄面積は全国で最も広く、地方部では1署が広大なエリアを担当する。(出典:北海道警察の組織と現況)
- 管内は、人口が集中する札幌などの都市部から、農業・酪農・漁業が盛んな地域、知床や富良野などの観光地、離島や山間部まで幅広い。都市型の犯罪への対応から、広域・過疎地での地域警察活動まで、求められる仕事の幅が非常に広い。
- 観光地が多く、令和6年度の観光入込客数は延べ1億人を超える規模にのぼる。人が集まる場所の安全を守る雑踏警備や、冬季の雪道・凍結路面での交通対策など、地域と季節に固有の警察需要がある。(参考:北海道観光入込客数調査|令和6年度)
北海道警察の基礎データ
面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「北海道警察の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、管轄区域、面積、警察署の数、本部の組織、犯罪情勢など、組織の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管轄区域 | 北海道全域(本部所在地:札幌市中央区) |
| 管轄人口 | 約498万人(令和7年国勢調査速報・令和7年10月1日現在) |
| 総面積 | 83,422km²(全国1位。国土の約22%) |
| 警察署数 | 58署(1署当たりの管轄面積は全国最大) |
| 本部の組織 | 7部(総務・警務・生活安全・地域・刑事・交通・警備)+札幌市警察部+函館・旭川・釧路・北見の4方面本部+警察学校 |
| 刑法犯認知件数 | 24,150件(令和7年・前年比6.3%増) |
| 刑法犯検挙率 | 52.3%(令和7年) |
警察署数・組織は北海道警察「北海道の警察」(組織と現況)、面積は北海道データブック2025、管轄人口は令和7年国勢調査速報(令和7年10月1日現在)、刑法犯認知件数(警察が発生を把握した犯罪の件数)・検挙率は北海道警察の犯罪統計(令和7年)にもとづく数値です。数値は毎年更新されるため、最新の公表値をご確認ください。
数字から考えられる治安課題
北海道警察を語るうえで外せないのは、広さと分散という条件です。約498万人が暮らす道内を1つの警察が受け持ちますが、その人口は日本一広い土地に散らばっています。
札幌のような大都市を抱える一方で、1つの警察署が県ひとつ分に匹敵するエリアを担当する地方部もあり、「都市部と地方部とでは、警察に求められる役割そのものが変わってくる」という前提を押さえておくことが大切です。
刑法犯の認知件数が増加に転じている点も含め、数字は単体ではなく地域差とセットで理解しておきましょう。
たとえば面接では、北海道の治安の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。
北海道の治安情勢
刑法犯認知件数の状況
北海道内の刑法犯認知件数は、令和7年に24,150件で前年比6.3%の増加となりました。全国的にも刑法犯の認知件数が増加に転じており、北海道もその流れの中にあります。
一方で刑法犯全体の検挙率は52.3%(令和7年)で、認知件数のおよそ半分は検挙に結び付いています。面接では、犯罪の発生を防ぐ抑止と、起きた犯罪を確実に検挙する捜査の、両輪で治安を語れると仕事理解の深さが伝わります。
| 主な罪種(令和7年) | 認知件数 |
|---|---|
| 侵入盗 | 1,015件 |
| 自動車盗 | 78件 |
| 強盗 | 47件 |
| 殺人 | 33件 |
| ひったくり | 13件 |
上表は主な罪種の認知件数(令和7年)で、刑法犯全体の内訳ではありません。住宅などを狙う侵入盗の多さは、身近な犯罪の抑止という課題に直結します。
交通事故の状況
交通の分野では、明るい変化も見えています。令和6年の交通事故死者は104人で、前年より27人少なく、統計を取り始めた昭和22年以降で最少となりました。ただし、亡くなった方の57.7%にあたる60人が65歳以上の高齢者で、年齢層別では最も多くなっています(令和6年)。
北海道は自動車への依存度が高く、走行距離が長いことに加え、冬季の雪道や凍結路面という固有のリスクを抱えています。交通死亡事故の抑止は、道警察が毎年の重点目標に掲げ続けているテーマです。(出典:交通事故発生状況|令和6年)
特殊詐欺と匿名・流動型犯罪
北海道警察が令和8年の重点目標の筆頭に特殊詐欺等の徹底検挙を掲げていることからも分かるとおり、電話やSNSを使って現金やキャッシュカードをだまし取る特殊詐欺は、道内でも大きな課題です。
近年の詐欺は、SNSなどで実行役を募って犯行を繰り返す匿名・流動型犯罪グループが背後にいる例が目立ちます(その構造は次章の治安課題で詳しく取り上げます)。
志望動機で詐欺対策に触れるなら、被害を防ぐ広報啓発と、組織的な取締りの両面から語れると説得力が増します。
北海道の主な治安課題
ここまでの数字と情勢を踏まえると、北海道警察が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「北海道の治安上の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。
広域・過疎地域における治安維持と「見せる活動」
北海道の最大の特徴は、日本一広い土地を守るという条件そのものです。1つの警察署が受け持つ管轄面積は全国で最も広く、地方部ではパトカーが現場に到着するまでの距離も時間も長くなります。
人口が減り続ける地域では、交番や駐在所の警察官の姿が見えること自体が住民の安心につながります。だからこそ道警察は、制服警察官による街頭活動を可視化する「見せる活動」の推進を重点目標に掲げ、限られた人員で広い地域の体感治安をどう守るかに取り組んでいます。
特殊詐欺と匿名・流動型犯罪グループ
特殊詐欺の被害を生み出す背後には、SNSなどで実行役を集めて犯行を繰り返す匿名・流動型犯罪グループの存在があります。指示役は匿名の陰に隠れ、末端の実行役だけが短期間で入れ替わっていくため、実行役の検挙だけでは被害の連鎖を断ち切れません。
犯罪組織の資金源を断つ取組や、安易に実行役の募集に応じてしまう若者を出さないための啓発までが、一続きの課題になっています。
高齢者の交通死者と交通死亡事故の抑止
交通死者数そのものは減少傾向にありますが、亡くなった方の半数以上が高齢者という構造は変わっていません(令和6年は57.7%)。高齢者は歩行中や運転中の事故に巻き込まれやすく、また運転する側としての安全対策も必要です。
取締りだけで解決できる段階ではなく、高齢の歩行者・運転者への働きかけや、冬季の雪道対策も含め、道路を使うすべての人の行動と意識にどう働きかけるかが問われています。
人身安全関連事案への対応
ストーカー、DV、児童・高齢者・障害者への虐待、行方不明事案など、人の生命や身体に危害が及ぶおそれのある事案は、人身安全関連事案と呼ばれます。
こうした事案は、対応が一歩遅れると取り返しのつかない被害につながるため、被害者等の安全確保を最優先に、本部と警察署が連携して組織的・継続的に対処することが求められます。道警察も重点目標の一つに位置づけている分野です。
大規模災害への備え
災害への備えも警察の重要な仕事です。北海道は、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震という深刻なリスクを抱えており、道の被害想定では、早期避難が遅れた場合の道内の死者数は最大でおよそ14万9千人と見積もられています(令和4年公表)。
津波からの避難誘導、救出救助、行方不明者の捜索など、災害時に警察が担う役割は大きく、災害やテロ等の緊急事態への実効的な備えは運営重点にも掲げられています。警備部門を志望する人だけでなく、すべての受験者が押さえておきたい前提です。(出典:日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定|令和4年)
重点方針|令和8年 北海道警察 重点目標等
北海道警察は、毎年の警察活動の方向性として「重点目標等」を策定・公表しています。これは基本理念・活動指針・重点目標の3層からなり、令和8年の基本理念は「犯罪や事故のない安心して暮らせる北海道の実現」です。(出典:令和8年 北海道警察 重点目標等)
方針を貫く考え方
基本理念の実現に向けて職員が保持すべき基本姿勢として掲げられているのが、活動指針「道民とともに 道民のために ~強く 正しく 誠実に~」です。道民とともに、道民のために働くという住民本位の姿勢と、「強く」「正しく」「誠実に」という3つの言葉に、道警察がどんな警察官であってほしいかが凝縮されています。
面接で「どんな警察官になりたいか」を考えるときも、この方向性は軸になります。
令和8年の5つの重点目標
令和8年の重点目標は次の5項目です。あわせて、それぞれが指す内容を受験生向けに当研究会の言葉でかみ砕きました。
| 重点目標(令和8年) | 受験生向けの解説 |
|---|---|
| ① 特殊詐欺等の徹底検挙 | 電話やSNSを使った特殊詐欺の取締り強化、被害を防ぐ広報啓発、背後にある匿名・流動型犯罪グループの実態解明と資金源対策 |
| ② 交通死亡事故の抑止 | 事故分析にもとづく街頭での指導取締り、高齢の歩行者・運転者への働きかけ、冬季の雪道・凍結路面対策など、道路を使う人の安全確保 |
| ③ 人身安全関連事案における被害者等の安全確保 | ストーカー・DV・児童や高齢者などへの虐待・行方不明事案に、被害者の安全を最優先に本部と警察署が連携して組織的に対処する |
| ④ 災害、テロ等緊急事態への実効的な備え | 巨大地震・津波などの大規模災害やテロを想定した資機材の整備と実践的訓練、避難誘導・救出救助といった災害対処能力の向上 |
| ⑤ 安全安心の確保に向けた見せる活動の推進 | 制服警察官によるパトロールや街頭活動を目に見える形で行い、地域の実情に合わせて犯罪を抑止し、住民の体感治安を高める |
面接では、自分の取り組みたい仕事がこの5つのどれに位置づくのかを一言添えられるだけで、組織の方向性を踏まえた志望だと伝わります。なお、道警察が公表しているのは各目標の項目名までで、細かな推進事項の文書までは示されていません。
名称の暗記に走らず、背景にある事情まで理解しておくことが大切です。
POINT|5つの重点目標をすべて覚えなくてよい
項目名を丸ごと覚えることが組織研究の目的ではありません。関心のある分野を1〜2つ選び、「①何が起きているか(数字や情勢) → ②道警察はどう対処しようとしているか(重点目標) → ③自分はどの現場で何をしたいか」の順で調べていきましょう。
悪い例「地域の安全を守れる警察官になりたいです」
改善例「北海道は交通事故で亡くなる方が全国的に見て減ってきていると聞きましたが、その半分以上が高齢者だそうです。将来は交通の分野で、お年寄りが被害に遭わない街づくりに関わっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の口で語れる状態に仕上げておきましょう。
- 警察官採用試験の受験案内(試験の種目・受験資格・申込方法)
- 採用案内・警察官募集ページ(仕事内容と職員の声)
- 令和8年 北海道警察 重点目標等(基本理念・活動指針・5つの重点目標)
- 犯罪統計・交通事故統計のページ(数字は毎年更新されるため最新値を確認)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、北海道警察専用の面接想定問答集をご用意しています。北海道警察の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
北海道警察の面接の概要
ここからは、北海道警察の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
北海道警察の面接の流れ
北海道警察・警察官採用試験は年2回、A区分・B区分に分けて実施され、いずれも第1次試験と第2次試験の2段階です。種目の全体像は、次の表のとおりです。
| 項目 | 内容(令和7年度・警察官A/B区分) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験 → 第2次試験の2段階(年2回、A区分・B区分に分けて実施) |
| 第1次試験 | 教養試験・論(作)文試験・適性検査 |
| 論(作)文試験 | 警察官A=論文、警察官B=作文(文字数は公表されていない) |
| 第2次試験 | 口述試験(個別面接)・体力試験・身体検査・健康診断 |
| 面接の種類 | 「警察官に適する人物かどうかについての個別面接試験」(集団討論・集団面接の実施記載はなし) |
| 配点・満点 | 各種目の配点・満点は公表されていない(最新の受験案内で要確認) |
| 受験資格・年齢 | A=大学などを卒業または卒業見込み、B=それ以外(短大卒・高校卒など)。年齢はA・Bとも18歳以上36歳未満(採用基準日現在) |
| 提出書類 | 第2次試験で健康診断の結果を提出(記載用紙は第1次試験の合格通知時に送付) |
注目してほしいのは、面接が第2次試験に置かれているという流れです。第1次試験で教養試験・論(作)文試験・適性検査を課し、それを通過した人に対して、体力・身体面の検査とあわせて個別面接を行います。
口述試験、すなわち個別面接が、人物面を見極める中心的な選考です。各種目の配点や満点は公表されていないため、筆記の手応えだけで合否を推し量ることはできず、第2次試験の面接まで気を抜けないと考えておきましょう。(参考:北海道警察官採用試験(試験の内容)|令和7年度)
上記の試験構成は、北海道警察の採用サイト(試験の内容・採用試験のページ)にもとづく警察官A・B区分のものです。各種目の配点・満点は公表されていません。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。
北海道警察が掲げる活動指針
北海道警察は、「求める人物像」といった定式化した文言を採用サイト上では公表していません。手がかりになるのは、活動指針の「強く」「正しく」「誠実に」という3つの言葉です。困難な現場でもひるまない強さ、規範を守る正しさ、道民に誠実に向き合う姿勢という、警察官として求められる基本の姿勢が示されており、面接で見られるポイントもここから読み解けます。
3つの言葉が求めているのは、特別な経歴や派手な実績ではありません。自己PRでは、任された役割を最後までやり通した経験、つらい状況から逃げずに向き合った経験、困っている人に自分から関わった経験など、活動指針に重なる自分の行動を具体的な場面で示すことが軸になります。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。北海道警察の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 試験会場までは、どうやって来ましたか? | 緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます |
| ② 動機・志望 | 民間企業ではなく、なぜ警察官なのですか? | 他の進路と比べたうえでの職業理解の深さと、選択の理由の一貫性 |
| ③ 自己理解 | あなたの強み(自己PR)を教えてください | 自分の強みを、警察の仕事の場面と結びつけて説明できているか |
| ④ 経験・行動 | 学生時代に最も力を入れたことは何ですか? | 実績の大きさではなく、実際にとった行動の事実と、そこから学ぶ姿勢 |
| ⑤ 学業・経歴 | 専攻分野(学科・コース)を選んだ理由を教えてください | 自分の選択を筋道立てて話せるか。意思決定の一貫性 |
| ⑥ 適性・将来 | 体力に自信はありますか? | 交替制勤務や訓練に耐える体力の裏づけと、日頃の健康管理の習慣 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 警察官に最も必要な資質は何だと思いますか? | 職業観の成熟度と、道民を守る仕事への当事者意識 |
ただし、この7カテゴリーは北海道警察に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者の多くが対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのが実情です。
なお、警察官の採用面接では、警察学校での集団生活への適応や、危険を伴う職務への覚悟を確かめる質問がされることがあります。そうした質問が存在すると知っておくだけでも、当日の落ち着きが変わります。
合否を分けるのは「北海道ならでは」の質問
どちらも、北海道の現状と道警察の重点目標を知らなければ、その場では答えようがない質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
こうした質問に答えるための「北海道警察の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい北海道警察の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 治安の現状 | 刑法犯認知件数は令和7年に24,150件で前年比6.3%増。検挙率は52.3%で、増加局面にある | 増加に転じている点と、都市部と地方部で犯罪の質が異なることをあわせて話すと、現状認識の確かさが伝わる |
| 志望動機・やりたい仕事 | 令和8年の重点目標は、特殊詐欺の徹底検挙・交通死亡事故の抑止・人身安全関連事案・災害等への備え・見せる活動の5つ | やりたい仕事が5つのどれに当たるかを一言添えると、組織研究の深さが伝わる |
| 広い北海道を守る規模感 | 面積は83,422km²で全国最大。58警察署で全域をカバーし、1署当たりの管轄面積は全国最大 | 広さを憧れで終わらせず、都市部でも地方でも働く覚悟を自分の言葉に変換する |
| 交通安全 | 令和6年の交通死者は104人で昭和22年以降最少。ただし57.7%が65歳以上の高齢者 | 減少傾向と高齢者に偏る現状の両面を押さえ、交通部門への関心と結びつける |
| 災害への備え | 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震で、道内の死者は最大でおよそ14万9千人と想定(令和4年) | 令和8年の重点目標にも災害等への備えが並ぶ。広大な道内を守る一員として、災害警備や救出救助の分野で力になりたいという思いを言葉にできると強い |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 警察官としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、前述の活動指針のような組織の価値観に照らして、「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 強く=困難にひるまない行動力 | つらい状況や苦手なことから逃げずに続けた経験があるか | 厳しい練習や投げ出したくなった役割をやり切った場面を、途中の気持ちの動きまで話せるようにする |
| 正しく=規範を守る誠実さ | ルールや約束を守り、周囲にも働きかけた経験があるか | 面倒でも正しい手順を通した経験や、集団の中で決まりを守る側に立った経験を言葉にする |
| 誠実に=相手に向き合う姿勢 | 困っている人や立場の違う相手に、自分から関わったか | 身近な人の相談に時間をかけて向き合った出来事など、飾らない実話を1つ選んでおく |
評価の観点の3項目は、北海道警察の活動指針「強く 正しく 誠実に」をもとに、当研究会が面接対策用に翻訳したものです。
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新の受験案内を読み、A区分・B区分の別、試験の種目と日程、受験資格(18歳以上36歳未満)と申込方法を確認する
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学校行事から、行動の事実を話せる出来事を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。あわせて、第2次試験の体力試験と警察学校での集団生活に備え、日頃から体力づくりと規則正しい生活リズムを整えておく(体力試験の種目は受験案内で確認)
優先順位に注意
ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を警察の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で組織の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
面接対策を独学で、しかも短い準備期間で仕上げたい場合には、北海道警察に特化した面接想定問答集という選択肢もあります。
北海道警察の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。本番までの残り日数が限られている方は、こうした教材で仕上げを前倒しするのも一つの方法です。
さいごに
北海道警察の採用試験は、A区分・B区分それぞれに年2回の機会があり、筆記から体力、そして個別面接までを段階的に通過していく仕組みです。
各種目の配点は公表されていませんが、だからこそ、最後の第2次試験まで一つひとつの選考に丁寧に向き合う姿勢が問われます。面接で求められるのは、飾った実績ではなく、これまでの生活の中で自分がどう考え、どう動いてきたかという事実です。
日本一広い北海道の暮らしを支える仕事にふさわしいかどうかは、覚えた知識の量ではなく、自分の経験を落ち着いて語れるかどうかに表れます。この記事で整理した北海道の治安の現状と道警察の重点目標を土台に、あなた自身の言葉で志望の理由を組み立てて、当日を迎えてください。