小樽市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴基礎データ管轄地域の特性消防課題重点方針)と、面接本番の流れ想定される質問評価の観点を、1ページに整理しました。

小樽市消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ小樽市消防本部なのか」「消防吏員として何に取り組みたいのか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。採用試験が前期・後期の2系統に分かれている点や、港町ならではの地域特性を知っておくことで、他の消防本部と混同しない、小樽固有の準備がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と小樽市消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。試験の仕組みが独特な本部だからこそ、正確な理解そのものが準備の第一歩になります。

第1部|組織研究編

小樽市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは小樽市消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 小樽市消防本部は、人口102,385人の小樽市を単独で管轄する消防本部で、消防吏員は小樽市の職員として採用される。北海道の中でも歴史のある港町を、単独の市消防本部として守り続けている。
  • 現場を担う消防吏員(消防士などの階級を持つ職員)は、249人が在籍している(うち女性4人。総務省消防庁の本部別データ)。この人数で、市内全域の火災・救急・救助に対応する。
  • 出動件数は、火災39件・救急7,666件・救助192件(同)。ここでも救急の件数が突出しており、日々の活動の中心を占めている。
  • 消防吏員の採用試験は前期・後期の2回実施され、前期は小樽市総務部職員課、後期は小樽市消防本部総務課がそれぞれ所管するという2系統の仕組みを持つ。
  • 職務は「予防業務」(事業所や一般家庭の火気設備等の検査、危険物の取扱いの指導、消防用設備等の検査等)「警防業務」(火災や地震・台風等の災害時の現場活動、消火栓の点検等)「救急業務」(急病人や負傷者の搬送)の3区分で説明されており、火災予防の検査・指導から現場活動、救急搬送まで幅広い業務を担う。この3区分は、消防吏員として配属される先の幅広さも意味している
  • 採用後は北海道消防学校に入校し(入校期間中の給与・入校費用は支給)、消防吏員として必要な基礎的な知識・技術を修得したうえで、適性に応じた業務に従事する。
  • 勤務形態は、午前8時50分から午後5時20分までの毎日勤務と、午前8時50分から翌日の午前8時50分まで続く交替勤務の2種類がある。本部の所在地は小樽市花園2丁目12番1号(消防庁舎4階に総務課がある)である。

小樽市消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「小樽市消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

管内の人口、職員の数、出動の件数、そして前期・後期に分かれた採用の枠組みまで、小樽の消防を説明するときに使える項目を並べました。

項目内容
管内人口102,385人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
消防吏員数(うち女性)249人(うち女性4人)※総務省消防庁の本部別データ
出動件数(火災/救急/救助)39件/7,666件/192件(同。集計期間は明記されていない)
試験の実施主体(後期)小樽市消防本部総務課
試験の段階(後期)第1次=SPI3検査、第2次=個人面接及び体力検査
初任給(消防吏員)大学卒242,900円・短大高専卒233,700円・高校卒219,400円(令和8年4月1日現在)
居住条件小樽市内に居住可能であること

消防吏員数と出動件数は、総務省消防庁・本部別データによります(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁ほか)。管内人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の値です。試験構成は令和8年度後期の採用試験案内にもとづきます(出典:小樽市消防吏員採用試験(後期)案内|令和8年度)。

数字から考えられる小樽消防の課題

この表で最初に注目したいのは、火災と救急の件数の落差です。火災39件に対して救急は7,666件と、200倍近い開きがあります。

249人という体制のなかで、日々の活動の中心が救急にあるという実態が、この数字からうかがえます。

もう一つ押さえておきたいのが、採用試験の仕組みです。

前期は市の職員課、後期は消防本部総務課という別々の窓口で試験が実施されるため、志望する回によって、確認すべき受験案内そのものが異なります。

窓口が変わるということは、案内に書かれている内容や更新のタイミングも別々になるということです。志望する回を早めに決め、対応する受験案内を継続して確認する姿勢が欠かせません。

「小樽市消防本部では、火災に比べて救急の出動が200倍近くにのぼると知りました。250人ほどの体制でこの件数を支えていることを考えると、限られた人員で市民の命を守る現場の大変さを感じています」

管轄地域の特性と災害リスク

港町・小樽の地理的特徴

  • 小樽市は日本海に面する港湾都市で、小樽港を中心に発展してきた歴史を持つ。坂の多い地形や、市街地が海と山に挟まれた狭い土地に広がっている点も特徴である。
  • 小樽運河をはじめとする歴史的な建造物や街並みが残ることで知られ、多くの観光客が訪れる観光都市としての一面も持つ。観光シーズンには市内を訪れる人の数そのものが増え、日常の管内人口だけでは測れない需要が生まれる。
  • 市街地は狭い平地に密集し、坂道や石畳の路地が入り組む地区も多い。こうした地形は、緊急車両の進入や資機材の搬送に独特の難しさをもたらし、現場に応じた判断力が求められる。
  • 住民基本台帳(令和8年1月1日現在)による総人口は102,385人。高齢化率は41.9%、75歳以上率は26.1%にのぼる。
  • 令和5年推計による北海道全体の見通しでは、65歳以上の割合は2050年に42.6%まで上昇するとされる(出典:日本の地域別将来推計人口(北海道)|令和5年推計住民基本台帳ベースの小樽市の41.9%は、統計の基礎が異なるとはいえ、この2050年の見通しに迫る高さである。

つまり小樽市消防本部は、坂の多い港町という地形の条件と、道内でも高い水準にある高齢化を、同時に抱える管内を守る消防本部だと整理できます。地形と高齢化という2つの条件は、なぜ小樽かを説明するときの手がかりになります。

大規模災害への備え

坂道や狭い路地が多い市街地では、大雪や路面凍結の時期に緊急車両の通行そのものが難しくなる場面も想定されます。観光地としての性格上、平常時とは異なる人出の多さに対応する場面も想定しておく必要があります。

冬場は積雪や低温が続く北海道の気候の中で、除雪の遅れや路面の凍結が事故や救急要請につながりやすい季節でもあります。大規模な地震などの突発的な災害への備えも欠かせません。

緊急消防援助隊への登録は全国718本部にのぼり、これは消防本部全体の約99%にあたります(令和6年4月1日現在)。小樽市消防本部のような単独の市消防本部も、この広域応援の枠組みの一角を担う存在です(出典:緊急消防援助隊|消防白書

小樽市の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、小樽市消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

令和6年中の全国の救急出動は771万8,380件にのぼり、集計開始以降の最多を更新しました(出典:令和7年版 救急・救助の現況。全国の搬送人員に占める65歳以上の割合は63.3%(令和6年中)にのぼり、高齢化の進行が救急需要を押し上げていると指摘されています。

小樽市消防本部の年間7,666件という救急件数も、この全国的な増加傾向の中にあります。

高齢化率が41.9%に達する管内では、今後もこの傾向が続くと考えられます。

人口減少・高齢化と管内の体制維持

高齢化率41.9%、75歳以上率26.1%という数字は、消防・救急の需要が今後も高い水準で推移する可能性を示しています。北海道全体でも、2050年には高齢者人口の割合が42.6%まで上昇すると推計されており、小樽市はこの水準にすでに近づいています。

人口が減っても、坂の多い市街地を守り続ける体制をどう維持していくかは、小樽市消防本部にとって避けて通れない課題です。

管内の人口が減少局面にあるからこそ、限られた人員でどう対応力を保つかが、これから消防に加わる職員にも問われることになります。

予防業務と幅広い職務対応

小樽市消防本部の職務は予防業務・警防業務・救急業務の3区分で説明されています。

事業所や一般家庭の火気設備の検査、危険物取扱いの指導なども消防吏員の仕事であり、現場活動だけが消防の役割ではないことが、この区分から読み取れます。

歴史的な建造物が多く残る街並みや、観光客でにぎわう地区での火災予防は、この本部ならではの取組が求められる分野だといえます。

人材確保と女性消防吏員の活躍

消防吏員249人のうち、女性は4人です。令和7年4月1日現在、全国の消防吏員168,230人のうち女性は6,386人で約3.8%にとどまり、国はこれを「令和8年度当初までに5%」へ引き上げる目標を掲げています(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁

小樽市消防本部の女性比率はおよそ1.6%で、全国平均を下回る水準にあります。

人口減少が進む地方都市では、採用の母数そのものが限られやすく、幅広い層に応募してもらう工夫も課題の一つになります。誰もが長く働き続けられる職場をどうつくるかは、これから小樽の消防に加わる人自身のテーマでもあります。

重点方針|全国の消防行政の動きから読み解く

小樽市消防本部固有の重点方針や基本理念を示す文書は、確認できた公式資料からは見当たりません。こうした本部を志望する場合、消防庁が示す全国的な消防行政の方向性を、面接準備の判断材料として整理しておくのが有効です。

全国的に進む主な取組

取組内容
女性職員の活躍推進国が掲げる目標は「令和8年度当初までに5%」。全国の消防吏員のうち女性の割合は約3.8%にとどまる(168,230人中6,386人、令和7年4月1日現在)
緊急消防援助隊としての広域応援登録は全国718本部・6,661隊で、消防本部全体の約99%にあたる(令和6年4月1日現在)。単独市の本部でも、応援に出る側・受け入れる側の双方で役割を担う
消防のデジタル化・省力化限られた人員を補うため、ドローンの活用推進など全国の消防本部でデジタル化の取組が進められている

個別の施策名を覚えることよりも、全国の消防が向き合う共通課題を理解し、それを小樽という港町の管轄にどう当てはめて話せるかが、面接では評価につながりやすい面があります。人口減少と高齢化が同時に進む地方都市では、全国的な取組をどう実情に合わせて取り入れていくかという視点も、あわせて持っておくと厚みが出ます。

POINT|方針名を探すより、課題から組み立てる

本部独自の方針が見つからないときは、①全国の消防が抱える課題は何か ②それは小樽という港町でどう現れるか ③自分ならそこにどう関わりたいか、という順序で考えをつないでいきましょう。

悪い例「人の命を守りたいので、消防官になりたいです」

改善例「消防士として、まずは現場で確実に動ける力を身につけたいと考えています。そのうえで、小樽市は高齢化率が4割を超えていると知りましたので、増え続ける救急需要を支える一員として、坂の多いこのまちで暮らす方々の安心につながる仕事をしていきたいです」

あわせて確認したい公式資料

小樽市消防本部の採用試験は前期・後期で所管窓口が異なるため、志望する回に対応した受験案内を必ず確認しましょう。

  • 小樽市消防吏員採用試験(後期)案内(小樽市消防本部総務課)
  • 小樽市職員採用試験【前期日程】の案内(小樽市総務部職員課)
  • 総務省消防庁「女性職員の活躍推進」本部別データ検索
  • 総務省消防庁「消防白書」(全国の消防行政の動向)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、小樽市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。小樽市消防本部の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

小樽市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

小樽市消防本部の面接の概要

ここからは、小樽市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

小樽市消防本部の面接の流れ

小樽市の消防吏員採用試験は前期・後期の年2回実施され、前期は総務部職員課、後期は消防本部総務課がそれぞれ所管します。試験の具体的な内容は回によって異なる可能性があるため、ここでは消防本部が直接所管する後期の内容を中心に整理します。

項目内容(令和8年度・消防吏員後期)
実施主体小樽市消防本部総務課(前期は総務部職員課が別途所管)
第1次試験SPI3検査(テストセンターまたは自宅等のオンライン会場)
第2次試験個人面接及び体力検査(状況に応じて内容を変更する場合あり)
面接の回数後期案内には回数の記載なし。最新の受験案内でご確認ください
身体条件視力は矯正を含み両眼0.7以上・一眼0.3以上、色覚は赤色・青色・黄色の識別可、聴力は左右とも正常
居住条件小樽市内に居住可能であること

注目してほしいのは、後期の案内に挙げられている試験種目に集団討論が入っていない点です。第1次がSPI3検査のみ、第2次が個人面接と体力検査という2段階構成のため、面接1回にかける準備の比重が、集団討論を課す試験区分に比べて相対的に大きくなります。

第1次試験はテストセンターまたは自宅等のオンライン会場で受験でき、性格検査を自宅で受けたうえで能力検査に進む方式が採られています。

会場や日程の融通が利きやすい一方、パソコンでの受検に慣れておく準備も欠かせません。

受験申込みはインターネットのみで、専用の申込フォームから、申込前6か月以内に撮影した顔写真を添付して行います。第1次試験の合格発表は、消防本部の正面玄関への掲示とホームページへの受験番号掲載という、対面とオンラインを組み合わせた方式が採られています。

上記の試験構成は、小樽市消防本部が公表する令和8年度後期の消防吏員採用試験案内にもとづくものです。各試験種目の配点は公表されていません。試験の構成・日程等は、年度や実施回(前期・後期)によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身が志望する回の最新の試験情報をご確認ください。前期・後期のどちらで受験するかによって、準備すべき内容にも違いが出てきます。

小樽市消防本部が求める人材

消防吏員採用試験(後期)案内を確認する限り、「求める人物像」が明文で示されている箇所は見当たりません(2026年8月時点・当研究会調べ)。

市の職員採用試験全体では別途、求める人物像を示す文言が公表されていますが、これは前期の市職員採用試験の概要に掲載されたものであり、後期の消防吏員採用試験案内には記載がないため、本記事では引用を控えます。

手がかりになるのが、249人という体制で予防・警防・救急という幅広い業務を担う、この本部の性格そのものです。

そこから読み取れるのは、現場での活動と、事業所への検査・指導といった行政的な業務の両方に対応できる適性が問われやすい、ということです。

増え続ける救急需要という構造的な課題への理解、そして防火・救急の啓発などで住民や観光客と直接接する機会も多いことから、地域の方々と丁寧に向き合っていく力も評価につながりやすい要素だといえます。

後期日程では体力検査が個人面接と同じ第2次に置かれています。

体力は検査で測られる以上、面接の持ち時間は相手に合わせて説明の仕方を変えた経験に使うほうが効果的です。予防業務では専門的な内容を分かりやすく伝える力が日常的に要りますから、この種のエピソードは志望動機とも自然につながります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。小樽市消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ消防官を、それも小樽市消防本部を志望するのですか?消防官という仕事とこの地域を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。壁にぶつかったときの対処が現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴学校生活やアルバイトで、力を入れて取り組んだことは何ですか?経験の中身と、そこでの役割・行動を具体的に語れるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務と現場活動を長く続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

7つの枠組みそのものは、市の職員採用試験でも消防吏員の試験でも大きくは変わりません。ここから先、小樽ならではの理解が問われるのが、次に挙げる固有の質問です。

合否を分けるのは小樽市消防本部に固有の質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官として小樽市消防本部を志望するのですか?」
「小樽市消防本部の採用試験には前期と後期があると知っていますか?」

警察官や自衛官との違いを自分の言葉で説明できるか。そして、前期と後期という年2回の入り口を持つ試験の形を知っているか。ここではその2点が見られています。

後半の問いは、募集の入り口を自分で確かめた人だけが具体的に答えられる質問です。

同じ小樽市の職員でも、事務系の職種と消防吏員では所管窓口や試験の中身が異なるという点まで理解しておくと、質問された際に落ち着いて答えられます。面接で使いやすい「小樽市消防本部の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい小樽市消防本部の事実答え方のヒント
前期・後期の2系統採用試験は前期(総務部職員課)・後期(消防本部総務課)の年2回実施(第1部1章・第2部1章)志望する回の窓口と試験構成を正確に説明できると、準備の丁寧さが伝わります
救急需要年間7,666件の救急出動があり、全国的にも救急需要は増加傾向(第1部2・4章)件数の大きさに加えて、249人という体制でどう対応するかという視点まで話せると評価につながります
高齢化と管内の特性高齢化率41.9%・75歳以上率26.1%(第1部3・4章)高齢化と救急需要の関係に触れつつ、自分がどう関わりたいかまで具体的に話せると印象に残ります
人材確保・女性吏員消防吏員249人のうち女性は4人にとどまる(全国平均は約3.8%、国の目標は5%。詳細は第1部4章)採用の母数が限られる地方都市で、どうすれば人が集まり定着するかまで踏み込めると印象に残ります

使い方のコツは、4つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防官としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

小樽市消防本部は、試験の段階と種目は公表していますが、配点は明らかにしていません。「求める人物像」も明文の公表がないため、観点は、249人という体制と予防・警防・救急という業務の幅を手がかりに、一般論として整理します。

こうした場合に手がかりとなるのが、公務員の採用面接で広く用いられるコンピテンシー評価という考え方です。

過去にとった行動の事実から、採用後にも同じように動けるかという再現性を確かめる方法で、第1次がSPI3検査、第2次が個人面接と体力検査という2段階しかない分、限られた面接の機会でどれだけ具体的に自分を語れるかが、より重く見られると考えられます。

評価の観点(一般論)面接でどう確かめられるか準備のポイント
現場活動と行政的業務の両立体を動かす活動と、地道な確認・指導の両方に取り組んだ経験があるか体力面だけでなく、検査や指導のような細やかな作業への適性も伝えられる出来事を選ぶ
地域住民との向き合い方相手の立場に立って、丁寧に説明・対応した経験があるか予防業務では住民や事業者、観光客など多様な相手と直接やり取りする場面が多いことを踏まえ、相手に合わせた対応の経験を語る
変化する状況への対応力想定と違う場面でどう考え、行動したかという経験の具体性坂道や狭い路地のように条件が一定でない現場を思い浮かべ、自分で判断して動いた場面を具体的に語る

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 志望する回(前期・後期)を決め、対応する受験案内を読んで試験構成と提出書類を確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、現場的な行動と地道な作業の両方に取り組んだ具体例、周囲と協力して物事を進めた具体例、相手に合わせて説明の仕方を工夫した具体例をそれぞれ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。体力検査に向けたトレーニングと、SPI3検査を見据えたパソコン操作への慣れも並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で小樽の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、小樽市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

小樽市消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。

後期日程はSPI3検査を通過すると個人面接と体力検査が続きます。筆記の対策と面接の準備を並行させたい方ほど、回答例を軸にすると進めやすくなります。

小樽市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

小樽市消防本部は、坂の多い港町・小樽で暮らす102,385人を、249人の消防吏員が支える組織です。

採用試験が前期・後期の2系統に分かれ、所管窓口も異なるという点は、志望動機を語る前に正確に押さえておきたいところです。

火災に比べて200倍近い規模の救急需要と、4割を超える高齢化率という管内の実態を押さえたうえで、自分の経験のどこがこのまちで生かせるのかを言葉にしていってください。

歴史ある街並みと坂の多い地形、多くの人が訪れる観光地としての顔まで含めて、この港町を守る側に立つ日を目指してください。