函館市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴基礎データ管轄地域の特性と災害リスク消防課題重点方針)と、面接本番の流れ想定される質問評価の観点を、1ページに整理しました。

函館市消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ函館市消防本部なのか」「消防士として何に取り組みたいのか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。函館市消防本部は函館市が単独で設置する消防本部で、市の一般事務等の採用試験とは別枠・別日程の独立した試験として実施されており、その実施のされ方自体も押さえておきたい前提知識です。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と函館市消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

函館市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは函館市消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 函館市消防本部は、函館市が単独で設置・運営する消防本部で、管轄は函館市の1市のみ。近隣の北斗市・七飯町・鹿部町は南渡島消防事務組合、八雲町・森町・長万部町はそれぞれの町が単独で消防本部を設けており、函館市消防本部とは別の組織である。
  • 本部の所在地は函館市東雲町5番9号。市の中心部に位置し、第2次試験もこの本部庁舎で実施される。
  • 消防吏員数は396人(うち女性9人)で、地方の中核都市級の体制を持つ。
  • 出動件数は火災57件・救助263件に対し、救急は19,117件にのぼり、桁の違いが際立つ(消防庁公表データによる)。
  • 採用試験は「函館市消防士採用試験」として、函館市の一般事務等の職員採用試験とは別枠・別日程で独立して実施される。試験案内には「他の地方公共団体に勤務する消防士の採用試験ではありません」と明記されており、近隣本部の試験と混同しないよう注意したい。
  • 令和8年度(2026年度)採用では、申込96人に対して受験82人、最終合格者は12人と、応募から採用までの実数が実施状況として公表されている。
  • 試験案内では女性職員の活躍推進が明文で掲げられ、仮眠室の個室化や女性専用エリアの整備、指揮隊・消防隊・救急隊など幅広い部署での女性職員の活躍が紹介されている。

函館市消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「函館市消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、管内人口、職員体制、出動件数、採用試験の実施状況など、本部の規模と仕事量を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
管内人口232,760人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
高齢化率(65歳以上)37.5%
75歳以上人口の割合22.1%
消防吏員数(うち女性)396人(うち女性9人)
出動件数(火災/救急/救助)57件/19,117件/263件
採用試験の実施状況(令和8年度採用)申込96人・受験82人・第1次試験合格65人・最終合格12人

管内人口・高齢化率は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在によります。消防吏員数と3種類の出動件数は、総務省消防庁が公表するデータを2026年5月31日時点で取得した値で、対象期間の記載はありません。採用試験の実施状況は函館市消防本部が公表する令和8年度(2026年度)採用の実績です。

数字から考えられる函館消防の課題

函館の表を読むときは、まず火災57件と救急19,117件を並べてみてください。300倍以上という開きがあります。消防の仕事は消火だけでなく、救急が活動量の大部分を占めるという実態を、業務理解の前提として押さえておきましょう。

また、函館市は高齢化率37.5%、75歳以上人口の割合も22.1%(いずれも令和8年1月1日現在)と、市民の3人に1人以上が65歳以上という年齢構成です。高齢化が進むほど救急の出動は増えやすくなるため、この人口構成を出動件数と結び付けて理解しておくと、面接での説明に厚みが出ます。

この関係を面接向けの言葉にすると、次のようになります。

「函館市消防本部では、火災の件数に比べて救急の出動がとても多いと聞きました。函館市は高齢化率が3割を超えていますので、これからも救急の需要は増えていくと思いますし、地域のみなさんが安心して暮らせるように、救急の体制を支える一員になりたいと考えています」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 函館市は津軽海峡に面する港湾都市で、本州と北海道を結ぶ玄関口としての歴史を持つ。北海道新幹線の道南側の駅である新函館北斗駅を擁し、道南地域の中心的な役割を担ってきた。
  • 管轄は函館市の1市のみだが、市街地から郊外・沿岸部まで幅広い地形を1本部でカバーしており、地域内でも守るべき環境は一様ではない。
  • 北海道全体では、令和7年国勢調査速報の総人口が前回調査から23万9,195人(4.6%)減少しており、この減少数・減少率はいずれも調査開始以来最大となった(出典:令和7年国勢調査 速報|北海道

こうした北海道全体の人口減少・高齢化の流れは、函館市の消防体制を考えるうえでも無視できない背景です。つまり函館市消防本部は、港湾都市としての人の往来と、人口減少・高齢化が進む地方都市としての一面を、あわせ持つ管轄を守る本部だと整理できます。この二面性は、志望動機や「管轄の特徴」を問われたときに、そのまま説明の骨組みとして使えます。

大規模地震のリスク

北海道は、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震について道が被害想定を公表しています。早期避難率が低い場合、死者数は日本海溝モデルの冬の夕方で最大約149,000人、千島海溝モデルでも冬の夕方で約106,000人にのぼり、建物の全壊棟数も最大約134,000棟(日本海溝モデル)と想定されています。

一方、早期避難の呼びかけが行き届いた場合、千島海溝モデル冬の深夜の死者数は約50,000人まで抑えられるとされており、日頃の備えと早期避難の意識が被害の大小を左右することがうかがえます(出典:日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定|北海道

これは北海道全体の被害想定であり、函館市に限定した数値ではありませんが、津軽海峡に面する港湾都市である函館市も、この巨大地震への備えと無縁ではありません。管轄内で想定される災害を問われた際は、こうした道全体の想定を出発点に、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

函館市の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、函館市消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

全国的に救急出動は増加を続けており、令和6年中は771万8,380件と集計開始以降の最多を更新しました。搬送人員に占める65歳以上の割合は63.3%、軽症の割合は46.8%にのぼります(いずれも令和6年中・出典:令和7年版 救急・救助の現況)。函館市消防本部の年間19,117件という救急出動も、こうした全国的な流れの中にあります。

北海道全体の高齢者人口(65歳以上)の割合は、道が示す将来推計で2020年時点32.1%とされています。推計と住民基本台帳では統計の取り方が異なるものの、函館市の37.5%(令和8年1月1日現在)はこれを大きく上回る水準です。

高齢化率37.5%という函館市の年齢構成を踏まえると、救急需要はこれからも高い水準で続くと見込まれ、限られた人員と車両をどう配置し続けるかが問われています。

大規模災害への備え

津軽海峡に面する函館市も、前章で見た日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の想定圏内にあり、被害が広い範囲に及ぶ災害への備えが欠かせません。全国の消防本部の約99%にあたる718本部が緊急消防援助隊に登録しており(令和6年4月1日現在)、大規模災害が起きた際には、被災地への応援出動、あるいは応援の受け入れという形で、地方都市の消防本部もこの広域応援体制の一翼を担うことになります(出典:緊急消防援助隊|消防白書

港湾都市として観光客や来訪者を多く迎える函館市消防本部では、平時から人の出入りが多いという土地柄も、災害への備えを考えるうえでの視点になります。

予防と住宅防火

函館市消防本部の火災出動は57件(消防庁公表データ)と、救急に比べれば件数自体は抑えられています。ただし、この水準を保ち続けるためには、住宅用火災警報器の普及や地域での防火指導といった予防の取組を継続する必要があります。

火災は一度発生すれば人命や住まいに直結する被害をもたらすため、件数の少なさに安心せず、日頃からの査察・啓発を積み重ねることが欠かせません。件数の少なさを予防活動の成果として語れるかどうかは、消防の仕事理解の深さを示す視点の一つです。

人材確保と女性職員の活躍

函館市消防本部の消防吏員396人のうち、女性は9人で、割合は2.3%です。全国の消防吏員に占める女性の割合は約3.8%(168,230人中6,386人、令和7年4月1日現在)で、国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げています(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁。函館市消防本部は試験案内の中で、仮眠室の個室化や女性専用エリアの整備を進めていること、女性職員が指揮隊・消防隊・救急隊など幅広い部署で活躍していることを明文で示し、「試験の合否に性別は関係ありません」と明記しています。

性別を問わず力を発揮できる職場づくりは、これから消防に入る受験者自身にも関わるテーマです。

重点方針|女性職員の活躍推進と全国の消防行政の方向性

函館市消防本部は、都市部の大きな消防本部のように独自の戦略文書を毎年度公表しているわけではありません。そこで軸になるのが、試験案内で女性職員の活躍推進の取組として明文化されている内容と、全国の消防行政が向き合う方向性です。

函館市消防本部が明文で示す取組

取組内容
働き続けられる環境整備仮眠室の個室化、女性専用エリアの整備
女性職員の活躍実績指揮隊・消防隊・救急隊など幅広い部署で女性職員が活躍
採用選考の姿勢「試験の合否に性別は関係ありません。(成績主義で平等に行われます。)」と明記

全国の消防行政に共通する方向性

消防庁は、全国の消防本部に共通する方向性として、女性職員の活躍推進のほか、マイナンバーカードを活用した救急業務の効率化(マイナ救急)の全国展開や、ドローンなど新しい技術の活用推進を掲げています。函館市消防本部を含む全国の消防本部は、こうした方向性の中で日々の業務にあたっていると理解しておくと、消防行政全体の課題を説明する際の材料になります。

POINT|独自の戦略文書がなくても困らない

函館市消防本部には独自の戦略文書がありませんが、女性職員の活躍推進という明文の姿勢と、救急19,117件という管内の実態は公表されています。①この2つのうち自分の関心に近いのはどちらか ②それは全国の消防が抱える課題のどこにつながるか ③自分は何を担いたいか、の順で考えを整理しましょう。

悪い例「男女関係なく活躍できる職場だと聞いたので、志望しました」

改善例「函館市消防本部の試験案内に、合否に性別は関係ないと明記されていたことが強く印象に残りました。指揮隊や救急隊にまで女性職員が広がっている本部で、年間2万件近い救急に向き合う持ち場ですので、私も誰と組んでも同じ動きができる隊員になるところから始めたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

函館市消防本部の受験案内には受験区分・試験内容・提出書類がまとまっています。手続きの確認に使う資料と、志望動機の材料になる資料は性質が異なるため、分けて目を通すと準備が進めやすくなります。

  • 函館市消防士採用試験案内(受験資格・試験内容・提出書類)
  • 函館市消防士採用試験の実施状況(申込者数・受験者数・合格者数の推移)
  • 総務省消防庁「女性消防吏員の活躍推進」
  • 総務省消防庁「消防白書」(全国の消防行政の動向)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、函館市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。函館市消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

函館市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

函館市消防本部の面接の概要

ここからは、函館市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

函館市消防本部の面接の流れ

函館市の一般事務等の職員採用試験とは別枠・別日程で実施される、消防本部独自の試験です。試験案内には「この試験は、函館市消防士の採用試験であって、他の地方公共団体に勤務する消防士の採用試験ではありません」と明記されており、実施主体は函館市消防本部そのものです。

項目内容(令和9年度〈2027年度〉採用)
受験区分大学卒以上・高校卒以上の2区分(いずれも採用予定人数は若干名)
第1次試験テストセンター方式による総合適性検査(学力・知能に関する択一式、性格検査を含む)の1種目
第2次試験面接試験(口頭試問等)・作文試験・体力検査の3種目
面接の種類試験案内に個別面接・集団討論等の形式や回数の明記なし
成績開示第1次試験は本人の順位を開示、第2次試験は非開示

注目したいのは、第1次試験が総合適性検査のみという構成です。教養試験のような専門知識を問う筆記試験は課されておらず、受験者がテストセンターで日時・会場を選んで受験します。

1次を通過した先の第2次試験に、面接・作文・体力検査という人物・適性を確かめる要素が集まっており、後半の試験に比重が置かれていることがうかがえます(出典:函館市消防士採用試験案内|令和9年度(2027年度)採用

上記の試験構成は、函館市消防本部が公表する令和9年度(2027年度)採用の試験案内にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

実施状況の推移からわかること

函館市消防本部は、直近4年分の採用試験の実施状況を公表しています。申込者数・受験者数・合格者数の推移を見ると、年度によって選考の厳しさが変わっていることがわかります。

採用年度申込者数受験者数第1次試験合格者数最終合格者数
令和8年度96人82人65人12人
令和7年度126人108人44人12人
令和6年度115人76人43人12人
令和5年度105人67人38人14人

最終合格者数はどの年度も12〜14人とほぼ一定である一方、第1次試験の合格者数は年度によって38人から65人まで幅があることがわかります。とりわけ令和7年度は受験者108人に対し第1次合格者44人と、他の年度に比べて絞り込みが厳しかったことがうかがえます。

最終合格者数を受験者数で割ると、倍率はおおむね5〜9倍で推移しており、楽な選考ではないことが数字からも読み取れます(出典:函館市消防士採用試験の実施状況|令和5〜8年度

函館市消防本部が求める人材

函館市消防本部は、採用向けの「求める人物像」を明文では公表していません(2026年8月時点・当研究会調べ)。ここで手がかりになるのが、396人規模で救急を中心に幅広い出動をこなす、地方の中核都市級の消防本部という体制です。この規模・形態の本部では、専任の救助隊・予防部門を持ちながらも救急が業務量の大半を占めるため、現場活動と予防・査察など行政的な業務の両面に対応できる姿勢が重視される場面が多いと当研究会ではとらえています。

函館市消防本部の場合はこれに加えて、女性職員の活躍推進が明文で掲げられていることから、性別を問わず力を発揮しようとする姿勢も、あわせて意識しておきたいところです。

函館の第2次試験では面接・作文・体力検査が同じ段階に並び、体力そのものは検査の側で測られます。面接の持ち時間で語るべきなのは、その体力を日々どう保ち、部活動や仕事の場で何に使ってきたかという中身のほうです。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。函館市消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ函館市消防本部を志望するのですか?消防官という仕事と函館という土地を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。壁にぶつかったときの対処が現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴高校・大学生活で力を入れて取り組んだことは何ですか?経験の中身と、そこでの役割・行動を具体的に語れるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務と現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

7つの枠組み自体は、どの消防本部を受けても共通して備えておきたい土台です。函館市消防本部ならではの視点が問われるのは、ここから先の固有の質問です。

合否を分けるのは函館市消防本部に固有の質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官を志望するのですか?」
「函館市消防本部を志望した理由を教えてください」

この2問に共通しているのは、答えの中身が事前の調べ物の量で決まるという点です。函館市の一般事務等とは別枠・別日程で「函館市消防士採用試験」が組まれている点は、市役所の試験と同じつもりで準備していた受験者ほど答えに詰まります

面接で使いやすい「函館市の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい函館市の事実答え方のヒント
救急需要の増加火災57件に対し救急19,117件、高齢化率37.5%(第1部2〜4章)件数の桁の違いと高齢化を結び付けて、救急への理解の深さを示す
独自の採用試験函館市の一般事務等とは別枠・別日程の「函館市消防士採用試験」(第1部1章・第2部1章)市役所の試験と混同せず、消防本部独自の試験であることを正確に説明できるようにする
女性職員の活躍推進仮眠室の個室化、女性専用エリア整備、「試験の合否に性別は関係ありません」の明記(第1部4章)性別を問わず活躍できる職場づくりについて、自分なりの考えを一言添える
大規模災害への備え日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定(第1部3章)港湾都市としての立地を踏まえ、防災・広域応援体制への関心を示す

使い方のコツは、4つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防官としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

函館市消防本部は、試験の種目と段階は公表していますが、各種目の配点や評価語までは明らかにしていません。そのため観点は、公表されている試験構成から読める範囲と、一般的な考え方を手がかりに組み立てることになります。

構成から言えるのは、第1次試験が適性検査のみで、第2次試験に面接・作文・体力検査という人物・適性を見る要素が集中しているという点です。1次を通過した先の2次試験で、人物面の評価に重心が置かれる構造だと読み取れます。

あわせて、一般論として知っておくと役に立つ考え方があります。公務員の採用面接で広く用いられるコンピテンシー評価、つまり実際にとった行動を手がかりに、採用後も同じように動けるかを判断する見方です。

函館市消防本部が評価方法として公表しているわけではありませんが、面接・作文・体力検査という複数の視点から人物を見る第2次試験では、この見方が助けになります。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
現場対応力・体力交替制勤務と現場活動を支える体力・生活習慣が備わっているか「体力があります」で終わらせず、日頃の取組と成果を具体的に語る
状況に応じた行動力想定外の場面で自分から考え、行動した経験があるか手順どおりに動いた話より、自分で判断して動いた場面を選ぶ
チームでの協調性集団の中で自分の役割を果たし、周囲と協力できたか現場は隊単位で動く。手柄の話より、隊列のどこに立ってどう動いたかを説明できる出来事を選ぶ

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和9年度の受験案内を読み、受験区分(大学卒以上・高校卒以上)と提出書類を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、体力や粘り強さを発揮した具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。体力検査に向けたトレーニングと生活リズムづくりも並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で函館市消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、函館市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

函館市消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。第2次試験に面接・作文・体力検査が集まる函館の日程では、限られた期間で面接の答えを固めたい方ほど、回答例を出発点にする進め方が効いてきます。

函館市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

函館市消防本部の採用試験は、函館市の一般事務等とは別枠で実施される、消防本部独自の試験です。第1次試験は適性検査のみとシンプルですが、第2次試験には面接・作文・体力検査が集まっており、直近4年の実施状況を見ても、最終合格までの倍率はおおむね5〜9倍で推移しています。

火災に比べて救急の出動が桁違いに多いという実態と、女性職員の活躍推進という組織の姿勢を、自分の言葉に置き換えておきましょう。津軽海峡に面するこの港町の安全を守る側へ、皆さまが回る日を楽しみにしています。