解答例を読む
2025(令和7)年度
我が国では、高齢化の進行に伴い、ビジネスケアラー(*)の数が増加している。ビジネスケアラーの抱える問題は、仕事と介護の両立だけでなく、生活面や心理面など様々な面において、介護者や被介護者の人生に影響を及ぼすものである。2030年には、家族介護者のうち約4割(約318万人)がビジネスケアラーになる見込みとなっており、ビジネスケアラーの抱える問題を各家庭だけの問題とするのではなく、社会全体で解決することが求められている。このことについて、次の(1)、(2)の問いに答えなさい。
*ビジネスケアラーとは、仕事をしながら家族等の介護をする人をいう。
- ビジネスケアラーに関する課題について、介護者、雇用企業、社会全体など、多角的な視点からあなたの考えを具体的に述べなさい。
- ビジネスケアラーが抱える課題を解消していくために、雇用企業や社会全体でどのような支援が求められるか、あなたの考えを述べなさい。
2024(令和6)年度
我が国においては、令和5年3月に「第4期がん対策推進基本計画」が閣議決定され、この新たな基本計画では、「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す。」が全体目標として掲げられている。小児期及びAYA世代(※)においても、がんは病死の主な原因の一つであるが、これらの世代のがんは、時に診断や治療が困難な希少がんをはじめ、多種多様ながん種を多く含むことや、乳幼児から思春期前の小児期、活動性の高い思春期や若年成人世代といった特徴あるライフステージで発症することから、成人のがんとは異なる対策が求められる。このことについて、次の(1)、(2)の問いに答えなさい。
※ AYA世代とは、「Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)」の頭文字をとったもので、主に15歳から39歳の世代を指し示す。
- 小児期及びAYA世代のがん患者(治療を終了した人を含む。)が抱える課題について、それぞれのライフステージにも触れながら、あなたの考えを述べなさい。
- (1)を踏まえ、こうした小児期及びAYA世代のがん患者、その家族、医療機関等に対して社会的にどのような支援が求められるか、あなたの考えを述べなさい。
2023(令和5)年度
深刻な自然災害・異常気象など、気候変動問題への対応を背景として、カーボンニュートラル目標を表明する国・地域が増加し、世界的に脱炭素の機運が高まる中、我が国においても、2030年度の温室効果ガス49%削減、2050年カーボンニュートラル実現という国際公約を掲げており、事業活動においてもカーボンニュートラル実現の重要性が高まっている。この国際公約を達成するためには、大企業のみならず、日本の温室効果ガス排出量の約2割程度を占める中小企業においても脱炭素化を進めていくことが必要である。これらについて、次の(1)、(2)の問いに答えなさい。
- 脱炭素経営によってもたらされる中小企業側のメリットに触れつつ、中小企業がカーボンニュートラルに取り組む意義について、あなたの考えを述べなさい。
- 中小企業がカーボンニュートラルの取組みを進めるにあたり、行政として企業の取組み段階に応じてどのように支援できるか、あなたの考えを具体的に述べなさい。
2022(令和4)年度
令和2年度の我が国における育児休業取得率は、女性81.6%、男性12.65%となっており、男性の取得率は上昇傾向にあるものの女性に比べ低い水準となっている。こうしたなか、男性の育児休業取得をこれまで以上に促進するとともに、職場全体の雇用環境整備を進めるため、令和3年に育児・介護休業法が改正された。この改正により、子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みとして、出生時育児休業(産後パパ育休)が創設されるとともに、事業主に対しては、本人または配偶者の妊娠・出産の申し出をした労働者に対し、育児休業制度に関する周知と休業取得の意向確認を個別に行うことなどが義務づけられた。そこで、次の(1)、(2)の問いに答えなさい。
- 男性の育児休業取得率が女性と比べて低い背景に触れつつ、男性の育児休業取得を促進することの意義について、あなたの考えを述べなさい。
- 男女がともに希望に応じて仕事と子育てを両立できる社会の実現に向け、どのような取組みが必要か、あなたの考えを述べなさい。
2021(令和3)年度
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、国民一人一人が「新しい生活様式」を実践し、中長期に渡って感染症対策と向き合うことが求められている。一方で、感染を恐れて、外出を控えることにより生じる運動不足やストレスが、健康に及ぼす影響が危惧されている。特に高齢者については、「動かない」(生活が不活発な)状態が続くことにより、フレイル(※)が進むことが懸念されている。このことについて、次の(1)、(2)の問いに答えなさい。
※ フレイル:加齢に伴い、心身の活力が低下し、生活機能障害や要介護状態などの危険性が高くなった状態
- 高齢者のフレイル予防の必要性について、あなたの考えを述べなさい。
- (1)を踏まえ高齢者のフレイルを予防していくためには、高齢者自身やその家族等も含め、社会全体としてどのような取組みが必要か、あなたの考えを述べなさい。
2020(令和2)年度
新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、舞台公演や美術展など多くのイベントが中止や延期となったほか、人や物の動きの停滞は、経済のみならず文化芸術に大きな影響を与えた。音楽や演劇、美術をはじめアニメーションやコンピュータ等を利用したメディア芸術、我が国古来の伝統芸能など文化芸術には様々なものがあり、文化芸術は、人々の心を癒し、明日への希望を与えるなど、心豊かな社会の形成にとって重要な役割をはたすものである。
- 文化芸術が人々の生活や社会に与える効用について、あなたの考えを述べなさい。
- 文化芸術の魅力をいかし、より活力ある社会を創出するため、文化芸術の振興に向けてどのような取組みが必要か、あなたの考えを述べなさい。
2019(令和元)年度
道路・港湾・河川などの社会資本は、現在及び未来の国土・地域を形づくる礎であり、長期間にわたって、幅広い国民生活や社会経済活動を支えています。社会資本は、高度成長期を経て、成熟社会を目指す中で、その時々の社会経済状況に応じ、我が国の発展を支える基盤として脈々と積み重ねられてきました。これについて、次の(1)から(3)の問いに答えなさい。
- 社会資本の例を一つ以上あげ、その社会資本を整備することにより得られる効果について、述べなさい。
- 我が国の社会経済状況の変化をふまえ、社会資本を整備する上での課題を述べなさい。
- 今後の社会資本整備をどのように進めていけばよいか、あなたの考えを述べなさい。
2018(平成30)年度
我が国の社会保障制度は、戦後、公的年金、社会保険、公的扶助など様々な制度が創設され、それぞれの制度の給付内容等を充実させながら発展し、生涯にわたる生活を支援する制度として国民生活に不可欠なものとなっています。これについて、次の(1)から(3)の問いに答えなさい。
- 社会保障制度が持つ役割や機能について、説明しなさい。
- 我が国の人口構成、就業構造、家族構成や地域社会の状況は、戦後どのように変化してきたか、それぞれ具体的に説明しなさい。
- (2)で述べた状況をふまえたうえで、社会保障制度が今後も持続可能な制度であり続けるために必要な取組みについて、あなたの考えを述べなさい。
2017(平成29)年度
農林水産省が公表した「平成28年度食料・農業・農村の動向」によると、平成27年の販売農家における基幹的農業従事者数は175万人で、10年前の224万人から22%減少しました。また、平成28年の農地面積は447万1千haで、10年前の467万1千haから4.3%減少しました。わが国の農業は、農業の担い手の減少、耕作放棄地の増大などにより、持続的な生産活動や維持管理活動が低下することで農業・農空間が持つ様々な機能が失われつつあることが懸念されています。これについて、次の(1)から(3)の問いに答えなさい。
- 農業の担い手の減少、耕作放棄地の増大の背景として、どのようなことが考えられるか、あなたの考えを説明しなさい。
- すでに多くの市街地が形成されている都市部に存在する農業・農空間が、農産物の生産以外に持つ機能や役割にはどのようなものがあるか、説明しなさい。
- こうした都市部における農業を持続的に発展させるためには、どのような取組みが必要か、あなたの考えを述べなさい。
2016(平成28)年度
わが国の人口は、2008年をピークとして人口減少局面に入りました。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、現状のままのペースでは、2050年には人口が1億人を割り込み、2100年には約5,000万人まで減少するとも推計されています。これについて、次の(1)から(3)の問いに答えなさい。
- 人口減少の大きな要因である少子化をもたらすもののひとつに、未婚化・晩婚化の進行があげられます。未婚化・晩婚化が進行している背景としてどのようなことが考えられるか、具体的に3つ挙げ、説明しなさい。
- このような人口減少の動きは、わが国の社会経済にどのような影響を与えていくと考えられるか、具体的に説明しなさい。
- 人口減少に歯止めをかけるためにどのような取組みが必要か、あなたの考えを具体的に述べなさい。
2015(平成27)年度
2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることが決定しており、また、スポーツに関する施策を総合的に推進するためスポーツ庁が本年10月に発足する見通しであることなど、わが国においてはスポーツ振興に関する気運が高まっています。これについて、次の(1)から(3)の問いに答えなさい。
- スポーツが個人や社会にとってどのような意義を有しているかについて、あなたの考えを述べなさい。
- スポーツを通じて明るく活力に満ちた社会の創出を目指していくことが必要とされていますが、わが国において、スポーツを推進するにあたっての課題にはどのようなものがあるか、具体的に述べなさい。
- (2)で述べた課題をふまえたうえで、わが国における一層のスポーツ振興のためにどのような取組みが必要か、具体的に述べなさい。
2014(平成26)年度
1990年代のバブル経済の崩壊により、日本経済は「失われた20年」と後に呼ばれるような長期にわたる景気低迷期にはいりました。この間の社会状況の変化により、2000年代中ごろから、「ワーキングプア」と呼ばれる、働いても貧困から抜け出せない低賃金労働者の問題がクローズアップされるようになり、今日もなお大きな社会問題として、解決に向けた取組みの強化が求められています。この問題について、次の(1)から(3)の問いに答えなさい。
- 働いているのに貧困であるワーキングプアという新しい形の貧困が登場した背景について述べなさい。
- こうした働く貧困層の増加が、わが国の社会にどのような問題を引き起こすか述べなさい。
- 働く貧困層の問題に対処するための具体的な方策を述べなさい。
2013(平成25)年度
わが国では人口減少・超高齢社会を迎え、これまでのまちづくりが見直されてきている。このような中、様々な都市機能がコンパクトに集積し、アクセスしやすい「歩いて暮らせる」まちをつくろうとするコンパクトシティの考え方がある。これについて、次の(1)から(3)の問いに答えなさい。
- コンパクトシティが必要とされる背景について述べなさい。
- コンパクトシティの実現で得られるメリットについて述べなさい。
- コンパクトシティを実現するための課題とその対応策についてあなたの考えを述べなさい。
2012(平成24)年度
食育基本法では、「食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められている」とされている。近年、わが国において求められている食育の推進について、次の(1)から(3)の問いに答えなさい。
- わが国の食をめぐる環境の変化について述べなさい。
- (1)で述べた環境の変化に伴う影響について述べなさい。
- 食育を推進するために具体的にどのように取り組んでいくべきか、あなたの考えを述べなさい。
2011(平成23)年度
わが国において急速に進展する「少子化」について、次の(1)から(3)の問いに答えなさい。
- 少子化が進展している背景を述べなさい。
- 少子化が進むと、わが国の社会にどのような影響を与えるかを述べなさい。
- 少子化に対処するための方策を述べなさい。
2010(平成22)年度
近年、我が国では、留学生・研究者・技術者・技能労働者など、海外からの人材の受け入れが重要な課題となってきています。その社会的な背景について述べるとともに、海外からの人材の受け入れについて、今後どのように取り組んでいくべきか、具体的な例をあげて、あなたの考えを述べてください。
2009(平成21)年度
未来に希望を持ち、日本に限らず世界に活躍の場を広げている若者がいる一方、不安定就労の増加など日本の社会環境には厳しいものがあり、若者の目的意識が喪失しているなどとも言われています。近年の若者のあり方について、あなた自身のことも含め、考えるところを述べてください。
2008(平成20)年度
21世紀にはいり、海外で日本文化への関心が顕著になってきた。マンガ、アニメ、ゲーム、Jポップなどのポピュラーカルチャーがアジア、欧米の若者をひきつけ、さらに歌舞伎や文楽、落語などにいたる日本の文化が「ジャパンクール」(かっこいい日本)として、注目を集めている。ファッション、料理や食材にも日本ブームが起こっている。本物に接したいという観光客は、日本でオリジナルのビデオやDVDを買い求め、フィギュアやアニメの専門店、相撲や盆栽、温泉をたずねて日本にやってくる。日本はもはや「経済は一流とはいえない」という評価がある一方、日本の「GNC(グロスナショナルクール : 一国のもつかっこよさ)」は高いという評価もある。最近の海外での日本ブームをどのように受けとめるべきか、また、こうしたトレンドをこれからの日本にどのように活かしていけるか、あなたの考えを述べなさい。