本記事では、芦別市職員採用試験の面接対策で必要な、芦別市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
芦別市役所の面接試験では、「なぜ芦別市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。
公表されている試験案内では、人物試験は個別面接で、集団討論の記載はありません。助け舟の入らない場で、自分の考えを一人で説明しきる準備が要ります。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と芦別市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
芦別市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは芦別市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 北海道空知総合振興局の管内に位置し、人口10,859人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)が暮らす市である。
- 総面積は865.04km²、人口密度は12.6人/km²。隣接する旭川市(312,209人・747.66km²)よりも広い市域に、その30分の1ほどの人が住んでいる。
- 境を接するのは8市5町の計13自治体。空知総合振興局の深川市・赤平市・歌志内市・美唄市・三笠市・夕張市と上砂川町・奈井江町に加え、上川総合振興局の旭川市・富良野市と美瑛町・南富良野町・中富良野町にも接している。
- 市公式サイトは全ページのヘッダーに「星の降る里 あしべつ」というキャッチフレーズを掲出している。市の花はユリ、市の木はミズナラ。
- 市役所は芦別市北1条東1丁目3番地に置かれ、採用試験を所管するのは総務部総務防災課職員係である。
- 芦別市が属する北海道は、農業産出額1兆3,478億円と全国の14.1%を占める国内最大の農業地帯(農林水産省「北海道の農林水産業の概要」令和7年版による)であり、芦別市はその内陸部に位置する。
- 職員採用は年1回の一斉日程ではなく「随時採用」の方式で、受付は随時、第1次試験も随時実施される。受付から第1次試験までは約1か月後が目安と公表されている。
- 市の総合計画や市内の統計、直近の事業の動きは、市公式サイトの市政情報と広報紙で公表されている。志望する分野に近いものから読んでおきたい。
芦別市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「芦別市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、隣接自治体の構成など、芦別市のプロフィールを説明できる項目を整理しました。スケール感をつかみやすくするため、比較の物差しとして北海道全体の数値もあわせて示します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 10,859人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 865.04km² |
| 人口密度 | 12.6人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 所属振興局 | 空知総合振興局 |
| 隣接自治体 | 深川市・赤平市・歌志内市・美唄市・三笠市・夕張市・旭川市・富良野市の8市と、美瑛町・上砂川町・奈井江町・南富良野町・中富良野町の5町 |
| 市役所所在地 | 芦別市北1条東1丁目3番地 |
| 市の花・市の木 | ユリ・ミズナラ |
| (参考)北海道の総人口 | 約498万5千人(令和7年10月1日現在) |
| (参考)北海道の人口密度 | 約67人/km²(2020年。全国平均は338人/km²) |
芦別市の面積・所在地・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整備する自治体基礎データによります。北海道の総人口は令和7年国勢調査の速報値、人口密度は北海道データブック2025による数値です。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。
数字から考えられる市政課題
芦別市の人口密度12.6人/km²は、全国平均338人/km²(2020年)のおよそ27分の1です。北海道全体の約67人/km²と比べても5分の1ほどの水準にとどまります(出典:北海道データブック2025|人口)。
同じ1万人が住むまちでも、市街地に集まって暮らす1万人と、865.04km²に分かれて暮らす1万人とでは、道路の維持も、除雪も、通院や買い物の足の確保も、必要な手間がまるで違ってきます。
その北海道全体も、令和7年国勢調査の速報値では前回(令和2年)から239,195人の減少(4.6%減)となり、減少数・減少率とも調査開始以来最大を記録しました(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計|北海道)。
つまり、人口の少なさそのものより、暮らしを支えるために動く距離が長いという条件が芦別市政の出発点になります。たとえば面接では、市の現状を説明する際に、次のように数字と課題を結び付けられます。
芦別市の経済・産業
地域経済の輪郭をどこに見るか
芦別市の産業を考えるときの出発点は、市が置かれている北海道全体の産業の姿です。まず道全体の構造で輪郭をつかみ、そのうえで芦別市の求人や地域の姿へ引き寄せていきます。
- 北海道の道内総生産は20兆5,409億円(令和3年度)。産業別の構成比は第1次産業3.9%・第2次産業17.8%・第3次産業77.0%で、全国(第1次1.0%・第2次26.5%・第3次71.9%)と比べて第1次産業の比重が高い。
- 農業産出額は1兆3,478億円で全国の14.1%を占め全国第1位。生乳・ばれいしょ・たまねぎ・軽種馬・小麦など、多くの品目で産出額が全国第1位となっている。
- 1経営体当たりの経営耕地面積は34.1haと都府県の13.6倍で、大規模で専業的な農業経営が展開されている。カロリーベースの食料自給率は218%(令和4年度概算値)。
つまり、「第1次産業の比重が全国平均を大きく上回る、食料生産の基地」という構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。
芦別市自身の主要産業や事業所の実態については、市の公式サイトの統計・広報とあわせて確認しておきましょう。(出典:北海道の農林水産業の概要|令和7年版)
農業を支える仕事が、市の求人に表れている
この産業構造は、芦別市の職員募集にもそのまま表れています。令和8年度中採用で公表された技術職(農業支援)は、採用予定人員1名・試験区分は社会人で、職務内容は「農業担当部門に勤務し、農業施策の企画・立案、農業の担い手の育成・確保、農業者への技術・経営に係る指導のほか、一般行政事務に従事します」と示されています。
受験資格にも、農業支援等に関する実務経験が3年以上あることが求められています(出典:芦別市職員採用試験 受験案内|令和8年度採用 技術職(農業支援))。
産業振興を語るなら、産地としての強みを並べるのではなく、担い手をどう増やし、技術をどう次の世代へ渡すかという市役所側の仕事に引きつけて話しましょう。
外から関わる人をどう増やすか
令和6年度の北海道全体の観光入込客数(実人数)は4,964万人で前年比3.9%増、うち道外客は527万人でした。訪日外国人来道者数は約283万人(同20.7%増)、宿泊客の延べ数は4,045万人泊(前年度比9.4%増)で過去最高を更新しています(出典:北海道観光入込客数調査|令和6年度)。
住む人が減っていく地域にとって、訪れる人や地域に関わり続ける人をどれだけ増やせるかは、現実的な打ち手のひとつです。面接で芦別市の魅力を問われたときは、観光地の名前を挙げて終わらせず、一度来てくれた人ともう一度つながるための仕掛けまで話せると、市の立場に立った答えになります。
芦別市の主な行政課題
ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、芦別市が北海道内の小規模な市として向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。
1万人規模の市として、機能をどう保つか
日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)では、2050年には道内すべての市町村で人口が減少すると見込まれ、2020年比で50%以上減少する市町村は67に上るとされています(出典:日本の地域別将来推計人口(北海道)|令和5年推計)。
芦別市もこの流れの外にはありません。住む人の数を増やすことだけを目標に据えると打ち手が細りますので、市外から通う人や、離れて暮らしながら地域に関わり続ける人まで含めて考える発想が要ります。
学校・医療・交通といった機能をどの水準で保ち、何を近隣と分け合うのか。この判断は、これから市職員が日常的に迫られる仕事です。
高齢化と、冬が長い地域の暮らしを支える基盤
北海道全体では、65歳以上人口の割合が2020年の32.1%から2050年には42.6%へ上昇し、生産年齢人口(15〜64歳)の割合は57.2%から48.9%へ低下すると推計されています(令和5年推計)。高齢化が進むほど重くなるのが、通院や買い物の足の確保と、雪の季節の暮らしの支えです。
令和8年度採用の試験案内では、芦別市の職員の寒冷地手当が単身者で年額72,500円と示されており、冬の長さが給与制度にまで織り込まれています。人が広く分散している芦別市では、そうした支えを届けるまでの距離そのものが課題になります。
限られた財源のもとでの優先順位づけ
北海道の令和6年度の実質公債費比率は20.0%で全国最下位、経常収支比率は99.8%で同47位、財政力指数は0.46(全国25位)です(出典:都道府県別主な財政指標一覧|令和6年度)。
道内の市町村も、この環境の中で行政サービスを組み立てています。新しいことを始めるには何かを見直すという前提で、限られた財源をどこに振り向けるかを説明できる力は、職員数の限られた市ほど一人ひとりに求められます。
災害への備えと、13自治体と接する立地
令和4年に示された日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定では、早期避難率が低い場合の道内の死者数は日本海溝モデルの冬の夕で最大約14万9千人に上るとされる一方、早期避難率が高く呼びかけを行う場合には千島海溝モデルの冬の深夜で約5万人まで減らせるとされ、避難行動そのものの効果が数字で示されました(出典:日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定|令和4年)。
内陸にある芦別市で津波の直接の影響は考えにくいものの、地震への備えや避難所の運営、雪の季節の避難の難しさは共通の課題です。採用試験を所管する部署が総務部総務防災課であることからも、小規模な市では防災と総務が地続きであることが読み取れます。
8市5町と境を接する立地からは、単独では抱えきれない場面で近隣とどう助け合うかという視点も持てます。
専門分野の担い手を、市役所自身がどう迎えるか
令和8年度中採用で募集された職種は、技術職(建築)・技術職(デジタル)・技術職(農業支援)と、資格免許職(保育士)でした。建物を建てる人、行政のデジタル化を進める人、農業を支える人、こどもを預かる人。いずれも代わりのききにくい専門であり、募集職種がここに絞られていること自体が、市の抱える人材確保の切実さを示しています。技術職を志望する人は、自分の専門が市のどの機能を支えるのかまで理解しておくと、志望動機に厚みが出ます。
重点政策|北海道の行財政環境と芦別市
芦別市の総合計画については、最新版を市の公式サイトで直接確認するのが確実です。本記事では、市政の外枠となる北海道全体の財政運営と人口の見通しを整理し、芦別市の行政運営を読み解く土台とします。市の計画を読むときも、この背景を知っているかどうかで理解の深さが変わります。
北海道全体の財政運営の方針
令和8年度の北海道一般会計当初予算は3兆1,681億9百万円(令和7年度比103.9%)、特別会計を含む当初予算総額は4兆2,058億3,838万円(同102.4%)です。
道は、今後も多額の収支不足額が見込まれ実質公債費比率も高い水準で推移するとしたうえで、持続可能な財政構造の確立に向けて財政の健全化に不断に取り組む必要があるとしています(出典:財政状況の公表|令和8年度当初予算)。道の補助や交付の動きは市町村の事業に直結しますので、面接で財政の話題に触れるときの前提として押さえておきましょう。
2050年の道内像と、芦別市の立ち位置
日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)では、2050年の道内総人口は2020年から約27%減の382万人と見込まれ、人口5千人未満の市町村数は2020年の84から2050年には122へ増えるとされています。
北海道の市町村の姿そのものが変わっていく見通しの中で、1万人規模の芦別市が、8市5町という多くの自治体と接する立地をどう活かし、何を自前で担い続けるのか。面接では、この道内全体の見取り図を踏まえたうえで、自分がその中でどんな役割を担いたいかを語れると、その場しのぎではない志望動機として伝わります。
POINT|計画名を覚えることが自治体研究ではない
名称の暗記が目的ではありません。①自分が受ける職種で何をするのかを職務内容から具体化する→②芦別市の公式サイトや広報紙から、その分野で今動いている取り組みを2つほど拾う→③その取り組みが、人口1万人・865km²という条件の下でどんな意味を持つかを考える→④自分の経験や強みがどこに接続するかを言葉にする、という順で準備しましょう。
悪い例「芦別市のまちづくりに貢献したいです」
改善例「まずは目の前の窓口や事務の仕事を正確に覚えることから始めたいです。その上で、芦別市は800平方キロメートルを超える広さに1万人ほどが暮らしていますので、市街地から離れて住んでいる方にも必要な情報や支援が届く形をつくる仕事に、いずれ関わっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 芦別市職員採用案内のページ
随時採用のため募集の内容が入れ替わります。志望する職種の試験案内が出ているかを、定期的に見にいく - 志望する職種の試験案内
職種ごとに別々のPDFが公表されています。受験資格・試験の種目・提出書類は必ず自分の職種のものを読む - 芦別市の広報紙・市政情報
関心のある分野で今どんな事業が動いているかを2つほど拾っておく - 北海道の統計・当初予算資料
道内における芦別市の位置づけや、財政環境を知るための参考として
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、芦別市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。芦別市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
芦別市役所の面接の概要
ここからは、芦別市役所の採用試験の構成と、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
芦別市役所の採用試験の流れ
芦別市の職員採用でまず押さえたいのは、募集の形そのものが多くの自治体と違うという点です。受付は随時募集、第1次試験も随時実施で、全区分に共通する固定の試験日は設定されていません。
受付から第1次試験までは約1か月後が目安と公表されており、志望する職種の募集が出てから準備を始めたのでは間に合わない構成になっています。
| 項目 | 内容(令和8年度中採用・技術職(農業支援)) |
|---|---|
| 募集の方式 | 随時採用(令和8年度中)。受付は随時募集、第1次試験は随時実施で、受付から約1か月後の実施が目安。第2次試験は第1次試験合格者へ別途通知 |
| 募集職種 | 技術職(建築)・技術職(デジタル)・技術職(農業支援)・資格免許職(保育士)。職種ごとに別々の試験案内が公表されます |
| 試験の段階 | 第1次試験 → 第2次試験の2段階 |
| 第1次試験 | 性格特性検査(150題・20分)と小論文(60分・800字以上1,200字以内。課題は試験当日発表)の2種目。教養試験・専門試験・適性検査の記載はありません |
| 第2次試験 | 個別面接(試験案内には「第1次試験合格者に対し、個別面接」と記載) |
| 集団面接・集団討論 | 技術職(農業支援)の試験案内に記載はありません |
| 配点・合格基準 | 各種目の配点、人物試験の比重、合格基準はいずれも公表されていません。最新の受験案内でご確認ください |
| 提出書類 | 受験申込書と別紙。第1次試験合格後に「面接試験用シート」を提出(様式が公表されています)。いずれも専用フォームによる電子提出にも対応 |
| 受験の制限 | 令和8年度中に芦別市の採用試験を受験したことがある方は受験できません |
| 合格発表 | 第1次・第2次とも試験後1週間程度。受験者へ文書で直接通知され、電話での合否照会には応じられません |
| 試験会場 | 芦別市役所第1会議室(予定)。他の公共施設に変更される場合があります |
この構成から読み取れることは3つあります。ひとつは、第1次試験の2種目のうちひとつが小論文だということ。
課題は当日発表ですから、市の話題について自分の考えを60分で組み立てる訓練が、そのまま第1次の備えになります。
ふたつめは、「面接試験用シート」を提出するのが第1次試験の合格後だという点です。他の自治体で申込時に出す面接カードとは、書くタイミングも、面接官が読む前提も違います。
3つめは、同じ年度に二度受験できないという制限です。準備が整わないまま出願する余地がないぶん、志望動機を練る時間は自分で先に確保しておく必要があります(出典:芦別市職員採用案内)。
上記の試験構成は、芦別市の令和8年度中採用・技術職(農業支援)の試験案内および職員採用案内のページにもとづくものです。一般事務職など他の職種では、試験の種目や面接の形式が異なる可能性があります。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。
芦別市役所が求める人物像
芦別市の採用案内には、他の自治体でみられる定型の「求める人物像」の掲示は見当たりません。手がかりになるのは第1次試験の性格特性検査の説明で、試験案内は「公務員に求められる六つの資質について、性格特性をみます。」としていますが、その六つの内訳までは公表されていません。
内訳を推し量るより、公表されている試験の構成と職務内容から評価されやすい資質を読み解くほうが確かです。
第1次に小論文、第2次に個別面接が置かれ、職務内容には専門分野の仕事と「一般行政事務」の両方が明記されています。この形からは、考えを筋道立てて書く力、一人で説明しきる力、専門と一般行政の両方を引き受ける幅の3点が重く見られていると考えられます。
自己PRでは「責任感があります」と述べて終わらせず、その力を実際にどこで使い、相手や周囲がどう変わったのかまで説明しましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。芦別市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどちらからお越しになりましたか | 面接の入口の一言に、身構えずに言葉を返せるか。答えの中身より受け答えの自然さ |
| ② 動機・志望 | 数ある自治体の中で、なぜ芦別市なのですか | 他のまちに置き換えても成り立つ説明で止まっていないか |
| ③ 自己理解 | ご自身の短所を、これまでどう補ってきましたか | 弱みを認めたうえで、その付き合い方を自分で工夫してきたか |
| ④ 経験・行動 | 相談できる相手がいない場面で、自分で判断した経験を教えてください | 職員数の限られた職場で、判断を引き受けられる人かどうか |
| ⑤ 学業・経歴 | これまでの学びや職務経験のうち、市の仕事に生きそうなものはどれですか | 専門外の相手に伝わる言葉へ置き換える力と、仕事へつなげる視点 |
| ⑥ 適性・将来 | 専門の分野以外の業務を任されることもありますが、どう受け止めますか | 職務内容に一般行政事務が含まれることへの理解と、受け止め方の柔軟さ |
| ⑦ 公共性・社会性 | 人口が減っていく地域で、行政が最後まで守るべきものは何だと思いますか | 社会の動きへの関心と、それについて自分の意見を一言で述べられるか |
ただし、この7カテゴリーは芦別市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「芦別市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「芦別市ならでは」の質問
3問目のような問いは、規模の小さい市の面接では十分にありえます。
いずれも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「芦別市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい芦別市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と市域の広さ | 人口10,859人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)に対し面積は865.04km²、人口密度は12.6人/km²。隣接する旭川市より広い市域を持つ | 「小さいまち」という言い方で始めず、旭川市より広い市域に人が点在するという条件を先に置き、除雪や移動の足のように距離が費用と時間に直結する分野へ話を運ぶ |
| なぜ道庁ではなく市役所か | 技術職(農業支援)は採用予定人員1名で、職務内容には農業施策の企画・立案などの専門の仕事と「一般行政事務」の両方が書かれている | 広域を担う道庁との役割の違いに触れたうえで、専門の仕事と一般行政の両方を一人で引き受ける働き方に自分が向いている理由まで述べる |
| 芦別市の魅力 | 市公式サイトは「星の降る里 あしべつ」をキャッチフレーズに掲げる。北海道全体では令和6年度の観光入込客数が4,964万人(前年比3.9%増) | キャッチフレーズを引用して終わらせず、一度訪れた人にもう一度関わってもらう段階へどう進めるかという、市の側の打ち手まで話す |
| 産業と担い手 | 北海道の農業産出額は1兆3,478億円で全国の14.1%(令和7年版の概要による)。市は農業施策の企画・立案や担い手の育成・確保を担う技術職(農業支援)を募集している | 産地の豊かさを紹介するのではなく、担い手を増やし技術を次へ渡すという市役所の役割に絞り、自分の経験のどこが噛み合うかを述べる |
| 採用の進み方 | 随時募集で、受付から約1か月後を目安に第1次試験。令和8年度中に芦別市の採用試験を受けた人は、同じ年度内に再受験できない | 「募集が出ていたから受けた」と受け取られないよう、募集を見つける前から芦別市を調べていたと分かる具体(何を読み、どこを見に行ったか)を用意しておく |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、先ほど読み解いた「芦別市で評価されやすい資質」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 考えを筋道立てて書き、話す力 | 第1次の小論文(当日課題・60分)と第2次の個別面接の、両方から確かめられる | 人口減少・広い市域・担い手不足という芦別市の条件を題材に、800字以上を60分で書き切る練習を数本重ねておく |
| 一人で説明しきる力 | 試験案内に集団討論の記載はなく、人物試験は個別面接。他の受験者の発言に助けられる場面は想定しにくい | ひとつの経験を3分と1分の2通りの長さで話せるようにし、途中で言葉に詰まっても自分で立て直す形を作っておく |
| 専門と一般行政を引き受ける幅 | 職務内容に「ほか一般行政事務に従事します」と明記されており、専門外の仕事への構えまで問われうる | 自分の専門の話と、専門外の役割を引き受けた経験の話を、同じ具体さで語れるように材料を分けて用意しておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 志望する職種の試験案内を最新版で確認し、受験資格・第1次試験の種目・提出書類の様式を押さえる。随時募集のため、募集が出てから読み始めるのでは遅い
- これまでの経験を棚卸しする。学業・課外活動・仕事から、一人で判断した場面、人を巻き込んだ場面、続けた場面を1つずつ書き出す
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 小論文と面接をつないで仕上げる。書いた小論文の主張をそのまま声に出して3分で話し、第1次試験の合格後に提出する面接試験用シートの内容とずれがないかを確かめる
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、芦別市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
芦別市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
芦別市の採用試験は、性格特性検査と当日課題の小論文で第1次を通過し、第2次の個別面接で最終的に判断される流れです。配点は公表されていないため、どの種目がどれだけ効くのかを外から測ることはできませんが、書く力と、一人で話しきる力の両方が問われることははっきりしています。
しかも募集は随時で、同じ年度に二度受けることはできません。だからこそ、募集を見つけてから慌てて調べるのではなく、865平方キロメートルの市域に1万人余りが暮らすこのまちで、自分は誰の何を支えたいのかを、時間のあるうちに言葉にしておいてください。
星の降る里というキャッチフレーズの向こう側にある暮らしの現実まで見えてきたとき、志望動機は芦別市でしか成り立たない形になります。