本記事では、伊達市職員採用試験の面接対策で必要な、伊達市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

伊達市役所の面接試験では、「なぜ伊達市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

伊達市は採用試験の実施要項で求める人物像を明確に公表しているため、市が職員に何を期待しているのかを事前に読み解けます。その分、準備の差がそのまま回答の具体性に表れます。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と伊達市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

伊達市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは伊達市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 北海道の胆振総合振興局管内に位置し、人口30,283人(令和8年3月31日現在の住民基本台帳)の市である。
  • 室蘭市・登別市と隣接する。市域には大滝区があり、この区域は石狩振興局側の千歳市とも接している
  • 市役所は伊達市鹿島町20番地1にあり、職員採用試験の第2次試験もここで行われる。
  • 人口の内訳は男性14,030人・女性16,253人で、女性が男性を2,223人上回る(令和8年3月31日現在)。
  • 世帯数は17,192世帯で、1世帯当たりの人員は約1.8人(同日現在)。
  • 令和8年度の職員採用試験は前期日程・後期日程・カムバック採用の3区分で実施され、第1次試験はSPI試験、第2次試験は面接試験等となっている。
  • 求める人物像を「~進化し続けるまちであるために~」という言葉で公表している
  • 北海道全体では人口・世帯数がともに減少局面に入っており、伊達市の市政を考えるうえでもこれが前提になる。

伊達市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「伊達市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、世帯の状況、市の位置づけなど、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。伊達市の数字だけを眺めても多い少ないは判断しにくいので、比較の物差しとして北海道全体の人口・世帯の数値もあわせて示します。

項目内容
総人口30,283人(令和8年3月31日現在・住民基本台帳)
男女別人口男性14,030人/女性16,253人
総世帯数17,192世帯(1世帯当たり約1.8人)
所属振興局胆振総合振興局
隣接自治体室蘭市・登別市ほか(大滝区の側では千歳市とも接する)
市役所所在地伊達市鹿島町20番地1
(参考)北海道の総人口約498万5千人(令和7年10月1日現在)
(参考)北海道の1世帯当たり人員2.02人(同日現在)

伊達市の人口・世帯数は市が公表する住民基本台帳の数値(令和8年3月31日現在)、北海道の総人口・1世帯当たり人員は令和7年国勢調査の速報値(令和7年10月1日現在)です。隣接自治体は自治体の公表値によります。なお、伊達市は福島県にも同名の市があります。統計や受験案内を調べる際は、北海道伊達市のものかどうかを必ず確認してください。

数字から考えられる市政課題

伊達市の1世帯当たり人員は約1.8人で、北海道全体の2.02人を下回ります。

住民基本台帳と国勢調査という基準の違いがあるため単純な比較はできませんが、ひとり暮らしや2人暮らしが中心の地域であることは読み取れます(出典:伊達市の人口・世帯数|令和8年3月31日現在

世帯の人数が少ないほど、除雪や通院、買い物、日々の見守りといった暮らしの場面で、家族の中だけでは解決しにくいことが増えていきます

男女別にみると、女性が男性を2,223人上回っています(令和8年3月31日現在)。

人口3万人規模の市で2千人を超える差は小さくなく、住民の暮らしぶりを思い描くときの前提のひとつになります。たとえば面接では、市の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「伊達市は人口が3万人ほどで、世帯の人数を見ると1世帯あたり2人を切っているとうかがいました。ひとり暮らしや二人暮らしのご家庭が多いぶん、除雪や通院といった日々の困りごとを、行政が早めに拾える体制が大事になるのではと感じています」

伊達市の経済・産業

北海道の産業構造の中での位置づけ

伊達市単独の市内総生産や事業所統計は、公表されている資料が限られます。そこで手がかりになるのが、伊達市が属する北海道全体の産業構造です。

まずは道全体の輪郭から、地域経済の成り立ちを整理します。

  • 北海道全体の道内総生産は20兆5,409億円(令和3年度)。産業別の構成比は第1次産業3.9%・第2次産業17.8%・第3次産業77.0%で、全国(第1次1.0%・第2次26.5%・第3次71.9%)と比べ第1次産業と第3次産業の割合が高い。
  • 北海道の農業産出額は1兆3,478億円で全国の14.1%を占め全国第1位。生乳・ばれいしょ・たまねぎ・小麦など多くの品目が全国第1位で、カロリーベースの食料自給率は218%(令和4年度概算値)。
  • 1経営体当たりの経営耕地面積は34.1haと都府県の13.6倍で、大規模で専業的な農業経営が展開されている。

つまり、「第1次産業の比重が全国平均より高い北海道の中に位置する市」という構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。伊達市自体の主要産業や事業所の実態は、市の公式サイトや広報紙、統計のページであわせて確認しておきましょう(出典:北海道の農林水産業の概要|令和7年版

観光と、外から地域に関わる人

令和6年度の北海道の観光入込客数(実人数)は4,964万人で前年比3.9%増、うち道外客は527万人でした。訪日外国人来道者数は約283万人(同20.7%増)と、過去最高だった平成30年度に次ぐ水準です。

宿泊客の延べ数は4,045万人泊(前年度比9.4%増)で過去最高を更新しました(出典:北海道観光入込客数調査|令和6年度

伊達市ほどの規模の市が、定住人口の減少そのものを押しとどめるのは簡単ではありません。

だからこそ、観光やふるさと納税、二地域居住のように、外から地域に関わる人(交流人口・関係人口)をどう増やすかという視点が、産業と雇用を考える際の現実的な選択肢になります。

志望動機でにぎわいづくりに触れるなら、道全体の観光が伸びている流れの中で、伊達市がその人の流れをどう受け止めるか、というところまで考えておきたいところです。

人口構成からみる地域経済の課題

北海道の将来推計人口(令和5年推計)では、2050年の総人口は2020年比で約27%減の382万人となる見通しです。

65歳以上人口の割合は2020年の32.1%から2050年には42.6%へ上昇し、生産年齢人口(15〜64歳)の割合は57.2%から48.9%へ低下すると推計されています(出典:日本の地域別将来推計人口(北海道)|令和5年推計

働き手が細っていく前提のもとで、地域の商店や医療、介護、建設といった暮らしを支える仕事の担い手をどう確保するかは、伊達市の産業を考えるうえでも避けて通れない論点です。

伊達市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、伊達市が市政運営で向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

人口減少局面と、伊達市の将来

令和7年国勢調査の速報値では、北海道の人口は前回調査(令和2年)から23万9,195人(4.6%)減少しました。この減少数・減少率はいずれも調査開始以来最大です。

さらに世帯数が調査開始以来はじめて減少に転じた点も見逃せません(同調査で前回比0.5%減)(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計|北海道

世帯数はこれまで、人口が減っても世帯の細分化によって増え続けてきた指標です。その反転は、行政サービスの利用者数そのものが減り始めたことを意味します。

令和5年推計では、2050年には道内すべての市町村で人口が減少し、人口5千人未満の市町村数は2020年の84から122に増える見通しが示されています。人口3万人あまりの伊達市にとっては、この先も一定の規模を保ちながら、行政サービスの水準をどう維持していくかが市政運営の中心的な課題になります。

高齢化の進行と生活基盤の維持

先にみた将来推計(令和5年推計)では、道内の65歳以上人口の割合は2050年に42.6%まで上昇する見通しでした。

高齢化が進むと、医療・介護・保健の需要が増える一方で、それを担う人材の確保はいっそう難しくなります

伊達市も令和8年度の採用で保健師の枠を設けています。

福祉や保健の分野を志望する場合は、窓口での相談や地域に出向く仕事の具体像まで思い描いたうえで、自分のやりたいことを話せるようにしておきましょう。

厳しい財政環境の中での行政運営

北海道全体の財政状況をみると、令和6年度の実質公債費比率は20.0%で全国最下位、将来負担比率は307.0%で全国46位、経常収支比率は99.8%で全国47位と、いずれも厳しい水準が続いています。財政力指数は0.46(全国25位)です(出典:都道府県別主な財政指標一覧|令和6年度

道内の市町村もまた、限られた財源の中で行政サービスを維持していく必要があります。何かを新しく始めるには何かを見直す、という判断が日常的に求められる環境だと理解しておきましょう。

大規模地震への備え

北海道の防災上の大きな論点が、令和4年に公表された日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定です。

早期避難率が低い場合、道内の死者数は最大約14万9千人、建物全壊棟数は最大約13万4千棟と想定されています。

一方で、早期の避難の呼びかけを行った場合には死者数を大きく減らせるとも示されており、逃げる行動をどれだけ早く起こせるかが被害の分かれ目になります(出典:日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定|令和4年

伊達市域について想定される揺れや浸水の範囲は、市が公表するハザードマップや地域防災計画で確認できます。面接で防災に触れるなら、道全体の数字と、自分が住む地区の想定の両方を見ておくと話に厚みが出ます。

伊達市の重点政策|「進化し続けるまち」と北海道の方針

伊達市が市政の方向性をもっとも直接的な言葉で示しているのが、職員採用試験の実施要項に掲げた求める人物像です。総合計画の名称や体系まで踏み込んだ公表資料は限られますが、この言葉と、伊達市が置かれている北海道全体の状況を組み合わせれば、市政運営を理解する土台は十分につくれます。

「進化し続けるまちであるために」という方向性

令和8年度の実施要項は、求める人物像を「~進化し続けるまちであるために~」という一文で束ね、〈自発的に〉〈自ら挑戦する〉〈伊達の未来をつくる〉の3点を挙げています(出典:令和8年度伊達市職員採用試験実施要項。3点それぞれの中身は、第2部の「伊達市役所が求める人物像」で扱います。

注目したいのは、人口減少が前提になった時代にあって、伊達市が「維持」ではなく「進化」という言葉を選んでいることです。

守りの言葉ではなく攻めの言葉を掲げている以上、面接で語る内容も「現状を維持したい」で止めないほうが伝わります。自分が何を変えたいのか、そのために何から始めるのかまで用意しておきましょう。

北海道全体の財政運営と、小規模自治体の位置づけ

令和8年度の北海道一般会計当初予算は3兆1,681億9百万円(前年度比103.9%)、特別会計を含む当初予算総額は4兆2,058億3,838万円(同102.4%)です。

道財政は今後も多額の収支不足額が見込まれ、実質公債費比率も高い水準で推移するなど厳しい状況が続く見通しにあり、持続可能な財政構造の確立に向け財政の健全化に不断に取り組む必要があるとされています(出典:財政状況の公表|令和8年度当初予算

伊達市の令和8年度の採用予定数は、一般事務が10名程度、保健師2名程度、土木技術員2名程度です。

限られた人員で市民生活のすべての分野を受け持つ体制だからこそ、一人ひとりの職員が担う範囲は広くなります。配属先が読めない前提で「どの部署でも通用する自分の強み」を語れるようにしておくと、規模の小さい市の面接では効いてきます。

POINT|計画名を言えなくても自治体研究はできる

計画の名称を暗記することが自治体研究の目的ではありません。①伊達市の人口規模と課題を知る→②求める人物像の3つの言葉のどれに自分が重なるかを決める→③その言葉で説明できる自分の行動を用意する→④伊達市の仕事のどこでそれを発揮できるかを考える、という順で準備しましょう。

悪い例「伊達市の活性化に貢献したいです」

改善例「まずは窓口の仕事で、市民の方の困りごとを直接うかがうところから覚えたいです。その上で、伊達市は求める人物像に『伊達愛』という言葉を掲げていますので、住んでいる方が地元を人にすすめたくなるような取り組みに、いずれ関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 令和8年度伊達市職員採用試験の実施要項(求める人物像・職種・受験資格・試験の流れ)
  • 伊達市公式サイトの市政情報・広報紙・人口統計のページ
  • 伊達市のハザードマップ・地域防災計画(防災分野に関心がある場合)
  • 北海道の当初予算・統計資料(道内における伊達市の位置づけを知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、伊達市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。伊達市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

伊達市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

伊達市役所の面接の概要

ここからは、伊達市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

伊達市役所の採用試験の流れ

令和8年度の職員採用試験は、前期日程・後期日程・カムバック採用の3区分で実施されます。前期・後期日程は書類審査を経て第1次試験のSPI試験、第2次試験の面接試験等へと進み、カムバック採用は随時実施の書類審査が第1次試験、面接試験等が第2次試験という構成です(出典:令和8年度伊達市職員採用試験について

項目内容(令和8年度・令和9年4月1日採用)
試験の区分前期日程/後期日程/カムバック採用の3区分
段階構成(前期・後期)書類審査 → 第1次試験(SPI試験)→ 第2次試験(面接試験等)
段階構成(カムバック採用)第1次試験(書類審査・随時実施)→ 第2次試験(面接試験等)
第1次試験の内容SPI試験。能力検査(時事、社会及び人文に関する一般知識、文章理解、判断・数的推理、資料解釈)と性格検査で、検査時間は65分程度。会場は全国各都市のテストセンター(自宅等でのWEB受験を含む)
第2次試験の内容面接試験等。会場は伊達市役所(伊達市鹿島町20番地1)
面接の形式・回数・配点実施要項および採用案内に記載がなく、公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。最新の受験案内でご確認ください
採用職種・予定人数一般事務員A(大学卒業程度)・B(短大卒業程度)・C(高校卒業程度)・D(障がいのある方)の一般事務10名程度、保健師2名程度、土木技術員2名程度
受験資格の考え方一般事務員A〜Cと土木技術員は年齢の上限を設けず学歴区分で分かれる(令和9年3月卒業見込みの方を含む)。一般事務員Dは昭和62年4月2日以降に生まれた方、保健師は資格取得者(令和9年春までの取得見込みを含む)
併願の可否受験資格を満たす職種が複数ある場合は併願可能。ただし一般事務の複数併願はできません
提出書類受験カード(自筆)。Web申込フォームで必要事項を入力・アップロードしたうえで、受験カードを郵送または窓口で提出

上記の試験構成は、令和8年度(令和9年4月1日採用)の伊達市職員採用試験実施要項および市の採用案内ページによるものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

この構成で押さえておきたいのは2点です。1つは、第1次試験が65分程度のSPI試験であること。

教養試験を何時間もかけて解く型の試験ではないため、受験者の人物を確かめる場は第2次試験に集中すると考えられます

もう1つは、第2次試験が「面接試験等」とだけ示され、形式や回数、配点が公表されていないことです。個別面接だけを想定して準備するのではなく、複数人で臨む場面や、面接以外の課題が加わる可能性も含めて備えておくほうが安全です。

あわせて意識したいのが、提出書類が自筆の受験カードである点です。手書きで書いた志望動機や自己PRは、そのまま面接での質問の入口になります。

書き上げたら必ず控えを取り、その1行1行について「なぜそう書いたのか」を口頭で説明できる状態にしてから本番に臨みましょう。

伊達市役所が求める人物像

伊達市は、実施要項の中で求める人物像を「~進化し続けるまちであるために~」という言葉のもとに3点示しています。ここは公表されている数少ない評価の手がかりですので、そのまま押さえておきましょう。

  • 自発的に
    前例にとらわれることなく新しい発想を持ち、自ら意欲的に学び成長し続けることができる人物
  • 自ら挑戦する
    前例のないことにも果敢に挑戦して最後までやり切る力を持ち、自ら課題を発見して問題解決を目指し積極的に行動できる人物
  • 伊達の未来をつくる
    「伊達愛」を持ち、新たな発想・アイデアでまちの未来を創造・デザインすることができる人物

3つを並べると、共通しているのは「指示を待つ前に、自分から動いたか」という一点だとわかります。

自己PRで「主体性があります」と述べるだけでは、この人物像に応えたことになりません。自分で気づき、自分で始め、途中でやり方を変えながら続けた場面を、順を追って話せるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。伊達市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどうやって市役所まで来ましたか受け答えの間の取り方と表情。用意していない一言に自然に返せるか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか民間でもできる動機で止まっていないか。職業の選び方が自分の経験とつながっているか
③ 自己理解あなたの長所と短所を教えてください自分を客観的に見られているか。短所とどう付き合ってきたかまで語れるか
④ 経験・行動これまでで最も力を入れて取り組んだことを教えてください成果の大きさではなく、その場面で何を考え、どう動いたかという中身
⑤ 学業・経歴学校で学んだことを、専門外の人にもわかるように説明してください相手に合わせて言葉を選び直す力。学びを仕事につなげる視点
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか市の仕事への理解の解像度。希望どおりの配属でなくても働ける柔軟さ
⑦ 公共性・社会性最近気になったニュースを教えてください社会の動きへの関心と、それについて自分の意見を一言で述べられるか

ただし、この7カテゴリーは伊達市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「伊達市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「伊達市役所ならでは」の質問

「なぜ北海道庁ではなく、伊達市役所なのですか」
「伊達市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも伊達市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「伊達市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい伊達市の事実答え方のヒント
人口と世帯のスケール感人口30,283人・世帯数17,192世帯(令和8年3月31日現在の住民基本台帳)。1世帯当たりは約1.8人で、女性が男性を2,223人上回る「3万人の市です」で止めず、世帯の小ささや男女の差という内訳まで触れると、伊達市の暮らしを具体的に見ている印象になります
なぜ道庁ではなく市役所か令和8年度の採用予定は一般事務10名程度・保健師2名程度・土木技術員2名程度。少人数の体制で市民生活の各分野を受け持つ採用人数の少なさを「一人が受け持つ範囲の広さ」と読み替え、広域の政策ではなく目の前の暮らしに関わりたい理由を自分の経験に結び付けます
求める人物像との接続実施要項が掲げる〈自発的に〉〈自ら挑戦する〉〈伊達の未来をつくる〉の3点。全体が「~進化し続けるまちであるために~」という言葉で束ねられている3点のうち最も語れるものを1つ選び、その言葉に当てはまる自分の行動を1つ用意しておくと、志望動機と自己PRが同じ方向を向きます
北海道全体の人口減少令和7年国勢調査速報で道の人口は前回比23万9,195人(4.6%)減と調査開始以来最大。世帯数も調査開始以来はじめて減少に転じた「減っていて大変です」で終えず、伊達市で何を残すために何を選ぶかという、優先順位の話まで進めます
防災・危機管理日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の道内被害想定(令和4年)では、早期避難率が低い場合の死者数を最大約14万9千人と見込む一方、早期の避難の呼びかけで大きく減らせるとされる数字を紹介するだけでなく、伊達市のハザードマップで自分の生活圏の想定を調べたうえで、避難の呼びかけをどう届けるかまで話せると強いです

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、公表されている求める人物像に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
自ら学び、成長し続ける姿勢誰かに言われる前に自分で調べ、身につけてきたものがあるか実施要項の言葉は「自ら意欲的に学び成長し続ける」です。資格の勉強でも部活動でも構いませんので、教わる前に自分から調べ始めた場面と、そこで何ができるようになったかをセットで用意しておきましょう
最後までやり切る力と課題発見答えの決まっていない場面で、何を課題ととらえ、どこまで続けたかうまくいかなかった過程も含めて振り返り、そのとき何を優先して判断したのかを自分の言葉にしておきましょう
「伊達愛」につながる地域への関心まちや人への関心が、見聞きするだけでなく行動として表れたことがあるか伊達市に住んだ経験がなくても構いません。地域の行事や身近な人の困りごとに関わった場面を1つ用意し、同じことを伊達市でやるならどうするかまで考えておきましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。伊達市は第2次試験の形式が公表されていないぶん、どんな聞かれ方をしても崩れないよう、自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の実施要項を読み、受験する区分(前期日程・後期日程・カムバック採用)と職種、併願の可否、受験カードの記入項目を確認する
  2. SPIの能力検査と性格検査に一度触れ、65分程度という検査時間の感覚をつかむ。性格検査で答えた自分像と、面接で話す自分像がずれないように意識する
  3. 高校・大学生活やアルバイト等の経験を棚卸しし、自分から始めた経験と、最後まで続けた経験を1つずつ用意する
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、限られた時間で面接の準備を仕上げたい場合は、伊達市役所専用の面接想定問答集を使う方法もあります。

伊達市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しています。第2次試験の形式が公表されていないぶん、どんな聞かれ方をしても答えの芯がぶれない状態にしておきたい方は、必要に応じてご活用ください。

伊達市役所の想定問答集を見る

さいごに

伊達市の採用試験は、第1次がSPI試験、第2次が面接試験等という組み立てで、面接の形式や配点までは公表されていません。

裏を返せば、どんな聞かれ方をしても答えられる状態にしておくことが、そのまま最も確実な対策になります。

実施要項が掲げる〈自発的に〉〈自ら挑戦する〉〈伊達の未来をつくる〉という3つの言葉に、自分のどの経験が重なるのか。人口3万人あまり、1世帯の人数が2人に満たないまちで、市職員として誰のどんな一日を支えたいのか。この2つを言い切れるようになったとき、準備は形になっています。

自筆で書く受験カードの1行から本番の受け答えまでを一本の線でつなげて、当日を迎えてください。