本記事では、岩見沢市職員採用試験の面接対策で必要な、岩見沢市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
岩見沢市役所の面接試験では、「なぜ岩見沢市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。岩見沢市の採用試験は前期日程と後期日程の2日程制で、後期日程では第1次試験の段階から集団面接が組み込まれ、早い段階で人物を確かめる構成がとられています。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と岩見沢市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
岩見沢市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは岩見沢市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 北海道の空知総合振興局管内に位置し、人口72,771人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)と、管内10市のなかで最も人口の多い市である。
- 総面積は481.02km²、人口密度は151人/km²で、北海道全体の人口密度(約67人/km²・2020年時点)と比べると2倍以上の水準にある。
- 隣接する自治体は9市町村におよび、空知総合振興局の三笠市・美唄市・夕張市・栗山町・長沼町・月形町・南幌町に加え、石狩振興局の江別市・新篠津村とも接している。
- 市役所は岩見沢市鳩が丘に置かれ、市の花はバラ、市の木はコブシと定められている。
- 職員採用試験は前期日程と後期日程の2日程制で実施され、事務職・技術職に加えて消防職も同じ実施要領のなかで募集される。
- 受験案内には求められる職員像が掲げられ、あわせて自ら市内に居住し、本市のまちづくりに積極的に参加してくれる方を募集するという方針が明記されている。
- 北海道全体では、令和7年国勢調査の速報値で人口が前回調査から4.6%減となり、減少数・減少率はいずれも調査開始以来最大となった。岩見沢市もこの流れのなかにある。
岩見沢市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「岩見沢市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、振興局管内での位置づけなど、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。年齢別人口や市の財政指標は、市の公表資料で確認できたものだけを扱う方針のため本表では扱っていません。
かわりに、規模感をつかむ物差しとして北海道全体の人口と人口密度をあわせて示します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 72,771人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 約481.02km² |
| 人口密度 | 151人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 所属振興局 | 空知総合振興局(管内10市のうち人口最多) |
| 隣接自治体 | 9市町村(三笠市・美唄市・夕張市・栗山町・長沼町・月形町・南幌町・江別市・新篠津村) |
| 市役所所在地 | 岩見沢市鳩が丘1丁目 |
| (参考)北海道の総人口 | 約498万5千人(令和7年10月1日現在) |
| (参考)北海道の人口密度 | 約67人/km²(2020年時点、全国で最も低い水準) |
岩見沢市の面積・隣接自治体・市役所所在地は、自治体データベース(2026年4月30日時点)による数値です。振興局管内の順位は、同データベースに収録された空知総合振興局管内10市の人口を比較したものです。北海道の総人口は令和7年国勢調査速報、人口密度は北海道データブック2025による数値です。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。
数字から考えられる市政課題
岩見沢市の人口密度151人/km²は、北海道全体の水準(約67人/km²・2020年時点)の2倍以上です(出典:北海道データブック2025|人口統計)。
広い市域に人がまとまって暮らしている市だと読み替えられます。
空知総合振興局管内の市を人口の多い順に並べると、岩見沢市の72,771人に次ぐのは滝川市の35,851人で、管内では2番目の市の2倍を超える人口を抱えていることになります。
一方、北海道全体では令和7年国勢調査の速報値で人口が前回調査(令和2年)から239,195人(4.6%)減少し、この減少数・減少率はいずれも調査開始以来最大となりました。
世帯数も11,432世帯(0.5%)減り、世帯数が減ったのは調査開始以来はじめてです(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計|北海道)。
管内で最も大きい市であることと、道全体の縮小が同時に進んでいることの両方を押さえておくと、市の現在地を落ち着いて説明できます。
たとえば面接では、次のように数字と課題を結び付けられます。
岩見沢市の経済・産業
経済構造の概観
岩見沢市単独の市内総生産や事業所統計について、当研究会が確認できる公式資料は限られています。ここでは、岩見沢市が属する北海道全体の産業構造を手がかりに、地域経済の位置づけを整理します。
- 北海道全体の道内総生産は20兆5,409億円(令和3年度)。産業別の構成比は第1次産業3.9%、第2次産業17.8%、第3次産業77.0%で、全国と比べて第1次・第3次産業の割合が高い。
- 農業産出額は1兆3,478億円で全国の14.1%を占め全国第1位。生乳・ばれいしょ・たまねぎ・小麦など多くの品目が全国第1位の産地となっている。
- 1経営体当たりの経営耕地面積は34.1haと都府県の13.6倍で、大規模かつ専業的な農業経営が展開されている。
つまり、「全国と比べて第1次産業の比重が高く、大規模な農業経営が地域の土台になっている」という構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。
岩見沢市自体の主要産業や事業所の実態は、市の公式サイトや広報紙であわせて確認しておきましょう。(出典:北海道の農林水産業の概要|令和7年版)
人口構造からみる地域の担い手
北海道の将来推計人口(令和5年推計)では、2050年の総人口は2020年比で約27%減の382万人となる見通しです。
65歳以上人口の割合は2020年の32.1%から2050年に42.6%へ上昇し、生産年齢人口(15〜64歳)の割合は57.2%から48.9%へ低下すると推計されています(出典:日本の地域別将来推計人口(北海道)|令和5年推計)。
働き手が細っていく前提のもとで、農業や医療、福祉といった暮らしを支える仕事の担い手をどう確保するかは、岩見沢市を含む道内自治体に共通する経済課題です。
産業振興を語るときは、企業を呼ぶ話だけでなく、そこで働く人をどう確保するかまで視野に入れておきましょう。
観光と交流人口
令和6年度の北海道の観光入込客数(実人数)は4,964万人で前年度比3.9%増、うち宿泊客は1,589万人でした。訪日外国人来道者数は約283万人(前年度比20.7%増)と、過去最高だった平成30年度に次ぐ水準まで戻っています(出典:北海道観光入込客数調査|令和6年度)。
定住人口が減っていく局面では、観光やイベントを通じて外から地域に関わる人をどう増やすかが、市町村の経済を支えるもう一つの軸になります。
観光を話題にするなら、名所の紹介ではなく、訪れた人の消費をどうやって地域に残すかという視点まで踏み込みましょう。
岩見沢市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、岩見沢市が空知総合振興局管内で最も人口の多い市として向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。
人口減少と管内での役割
岩見沢市の人口は72,771人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、空知総合振興局管内の10市では最多です。
しかし北海道全体では、令和7年国勢調査の速報値で人口が前回比4.6%減という過去最大の減少幅を記録しました。
将来推計(令和5年推計)では、2050年には道内すべての市町村で人口が減少し、2020年比で50%以上減る市町村は67に達すると見込まれています。
周辺の市町村がさらに小さくなっていくなかで、管内で最も人口規模の大きい岩見沢市が、買い物や医療、行政サービスの面でどのような役割を担うのかは、市政の中心的な論点になります。
高齢化の進行と暮らしの基盤の維持
北海道の65歳以上人口の割合は、2020年の32.1%から2050年には42.6%まで上昇すると推計されています(令和5年推計)。
高齢化が進めば、医療や介護に加えて、冬季の除雪や移動手段の確保といった生活基盤の維持が重くなります。
人口5千人未満の市町村数も2020年の84から2050年には122に増える見通しで、小さな自治体が単独では担いきれなくなるサービスを圏域全体でどう支えるかという広域の視点が必要になります。
厳しい財政環境の中での優先順位づけ
北海道全体の財政指標をみると、令和6年度の実質公債費比率は20.0%で全国最下位、将来負担比率は307.0%で全国46位、経常収支比率は99.8%で全国47位と、いずれも厳しい水準です(出典:都道府県別主な財政指標一覧|令和6年度)。
道内の市町村もこうした環境のなかで行政サービスを維持していく必要があり、「何を先にやるか」を根拠を持って判断する力が、職員一人ひとりにも求められます。
予算がふんだんにある前提の提案は、面接でも現実味を欠いて聞こえます。
大規模災害への備え
北海道の防災上の想定としては、令和4年に公表された日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定があります。
早期避難率が低い場合の死者数は最大約14万9千人、建物全壊棟数は最大約13万4千棟と想定される一方、早期避難の呼びかけが行われれば被害を大きく減らせるとも示されています(出典:日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定|令和4年)。
内陸に位置する岩見沢市では津波の直接的な被害想定は限られますが、地震そのものへの備えや、雪の多い地域ならではの冬季の災害対応は市民生活に直結します。
岩見沢市が消防職を市の採用試験で募集していることからも、災害や救急への対応が市役所の仕事と地続きであることが読み取れます。
職員の確保と市内居住というメッセージ
岩見沢市の受験案内には、求められる職員像に続けて「地域社会の課題に的確に対応するため、自ら市内に居住し、本市のまちづくりに積極的に参加してくれる方を募集します」という一文が置かれています。
消防職では「職員に採用後、岩見沢市内に居住が可能な方」であることが受験資格に含まれます(出典:岩見沢市職員採用候補者試験実施要領|令和9年度後期日程)。
人口が減り担い手が細っていく地域では、職員自身が住民として地域に関わることが行政の力になるという考え方が読み取れます。志望動機を組み立てるうえで、この一文は外せません。
重点政策|岩見沢市を取り巻く政策環境
岩見沢市独自の総合計画や重点施策の名称について、当研究会が確認できる公式資料は限られています。ここでは、岩見沢市が置かれている北海道の政策環境と、市自身が採用の場で公表しているメッセージを整理し、市政を理解する土台とします。
北海道全体の財政運営の方針
令和8年度の北海道一般会計当初予算は3兆1,681億9百万円(前年度比103.9%)で、特別会計を含む当初予算総額は4兆2,058億3,838万円(同102.4%)です。
道財政は今後も多額の収支不足額が見込まれ、実質公債費比率も高い水準で推移する見通しにあることから、持続可能な財政構造の確立に向けて財政の健全化に不断に取り組む必要があるとされています(出典:財政状況の公表|令和8年度当初予算)。
市町村への支援や補助のあり方もこの制約のなかで決まるため、市の事業を考えるときの前提として押さえておきましょう。
岩見沢市が採用の場で示している方向性
岩見沢市は受験案内の冒頭で、新しい時代の行政を担う職員として求められる職員像を掲げ、人材育成の方策のなかでその実現を目指していると説明しています。
掲げられているのは「市民に信頼され親しまれる職員」「目標の実現に向け果敢に行動する意識の高い職員」「専門的知識・経験等を備えた時代に即応した職員」の3項目です。
計画名を探し当てることよりも、この3項目が市政のどんな場面で必要になるかを想像しておくほうが、志望動機にも自己PRにも一本の筋が通ります。
POINT|計画名がわからなくても自治体研究はできる
公表資料が限られる市では、次の順で準備するほうが効きます。①岩見沢市の人口規模と管内での位置づけを知る → ②市が公表している求められる職員像を読む → ③自分が携わりたい仕事を具体的に決める → ④その仕事に自分の経験がどう生きるかを言葉にする。
悪い例「岩見沢市の地域活性化に貢献したいです」
改善例「まずは窓口で、市民の方に信頼していただける受け答えを身につけたいです。その上で、受験案内に市内に住んでまちづくりに参加してほしいと書かれていましたので、自分も住民として地域の行事に顔を出して、そこで聞いた声を仕事に持ち帰れる職員になっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 岩見沢市職員採用候補者試験の実施要領(最新年度・志望する日程と区分のもの)
- 岩見沢市公式サイトの市政情報・広報紙・予算に関する資料
- 北海道の当初予算・統計資料(道内における岩見沢市の位置づけを知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、岩見沢市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。岩見沢市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
岩見沢市役所の面接の概要
ここからは、岩見沢市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
岩見沢市役所の面接の流れ
岩見沢市の職員採用候補者試験は、前期日程と後期日程の2日程制です。令和9年度の後期日程では、第1次試験①(基礎能力検査・性格検査)、第1次試験②(集団面接)、第2次試験(個別面接)という3段階で構成されています。
第1次試験の段階ですでに集団面接が課され、面接は集団と個別で合計2回にわたります。
| 項目 | 内容(令和9年度・後期日程) |
|---|---|
| 試験の日程 | 前期日程・後期日程の2日程制。前期日程の第1次試験に合格した方は後期日程を受験できません(前期日程で不合格となった方は受験できます) |
| 試験の段階 | 第1次試験①(基礎能力検査・性格検査)→ 第1次試験②(集団面接)→ 第2次試験(個別面接)の3段階 |
| 試験区分 | 事務職(大学・短大・高校・障がいのある方)、技術職(土木・電気/大学・短大・高校・民間企業等経験)、消防職(大学・短大・高校) |
| 筆記試験 | 基礎能力検査(SCOA)と性格検査(SCOA)。出題範囲は言語・数理・論理の3尺度で、実施要領には「一般的な公務員試験対策は不要です。」と明記されています |
| 受験会場 | 第1次試験①は岩見沢会場(マークシート式)と全国約350か所のテストセンター会場の選択制。高校を卒業見込みの方は岩見沢会場のみでの受験となります |
| 面接の種類 | 集団面接(第1次試験②・会場は岩見沢市コミュニティプラザ)と個別面接(第2次試験)の2回 |
| 集団討論 | 実施要領に記載はありません |
| 配点 | 実施要領に記載はありません。不合格者は請求により、第1次試験・第2次試験の得点及び順位の開示を受けられます |
| 提出書類 | インターネットの申込フォームから申込み、顔写真データを提出します。面接カードやエントリーシートに関する記載はありません |
注目したいのは、筆記の位置づけです。基礎能力検査は言語・数理・論理を測る択一式で、実施要領は一般的な公務員試験対策が不要だと明言しています。
そのうえで、3段階のうち2段階が面接に充てられています。配点は公表されていないため比重を断定することはできませんが、人物面の確認に時間をかける構成であることは読み取れます。
集団面接では他の受験者と同じ場で話す以上、答えの中身に加えて、話の長さや他の人の発言を受けた反応まで見られる前提で準備しておきましょう。
第2次試験の内容は合格者に通知される方式で、実施要領にはこれ以上の情報は答えられない旨が明記されています。
事前に手に入る情報が限られる分、どの質問が来ても自分の経験から話せる状態を作ることが対策の中心になります(出典:岩見沢市職員採用候補者試験実施要領|令和9年度後期日程)。
上記の試験構成は、令和9年度岩見沢市職員採用候補者試験(後期日程)の実施要領にもとづくものです。前期日程の試験構成は公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。また、消防職には視力等の身体要件や第2次試験時の健康診断があるなど、区分によって内容が異なります。試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の実施要領でご自身の区分の情報をご確認ください。
岩見沢市役所が求める人物像
先に触れた3項目は、面接の評価軸そのものと考えてよいでしょう。面接対策の言葉に翻訳すると、「市民から信頼される誠実さ」「目標に向かって自分から動く力」「学び続けて仕事に生かす姿勢」の3つになります。
さらに、市内に居住してまちづくりに参加してほしいという方針が示されている以上、岩見沢で暮らしながら働く自分を具体的に描けているかも問われると考えておきましょう。
自己PRでは強みの名前を挙げるだけでなく、その強みを使って何を行い、周りがどう変わったのかまで説明してください。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。岩見沢市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日は少し緊張していますか | 受け答えの自然さと、場の空気に合わせて言葉を選べるかどうか |
| ② 動機・志望 | なぜ民間企業ではなく公務員を選んだのですか | 職業選択の理由が、自分の経験や価値観と結びついているか |
| ③ 自己理解 | 自分で直したいと思っている点は何ですか | 自分を客観的に見られているか、弱さとどう付き合ってきたか |
| ④ 経験・行動 | これまでで一番苦労した経験を教えてください | 困難そのものより、状況をどう捉え、何から手をつけたか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学校で力を入れて学んだことを説明してください | 専門外の相手に伝わる言葉へ置き換える力 |
| ⑥ 適性・将来 | 採用されたら、どんな仕事に取り組みたいですか | 市役所の仕事への理解の深さと、配属先が希望どおりでない場合の柔軟さ |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近気になった出来事を一つ挙げてください | 社会の動きへの関心と、自分の考えを短くまとめて述べられるか |
ただし、この7カテゴリーは岩見沢市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「岩見沢市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「岩見沢市ならでは」の質問
集団面接では、同じ質問が受験者に順番に投げられることもあります。似たような答えが続いたあとに自分の番が回ってくる場面を想像すると、岩見沢市の事実を一つ持っているかどうかは大きな差になります。
どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
こうした質問に答えるための「岩見沢市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい岩見沢市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 人口規模と管内での位置づけ | 人口は72,771人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、空知総合振興局管内の10市では最多。2番目の滝川市は35,851人 | 管内で突出した規模だという事実から、市域の中だけで完結しない圏域規模の役割へ話をつなげる |
| なぜ道庁ではなく市役所か | 北海道庁が広域の政策を担うのに対し、岩見沢市役所は住民に最も近い窓口を担う。消防職まで市の採用試験で募集している | 制度の比較で終えず、消防のように市民の安全へ直接届く仕事まで市が抱えている点を挙げて、身近さの中身を説明する |
| 市内居住とまちづくりへの参加 | 受験案内に「自ら市内に居住し、本市のまちづくりに積極的に参加してくれる方を募集します」と明記。消防職は市内居住が可能なことが受験資格 | 岩見沢で暮らす生活者としての視点を求められている質問だと捉え、休日の過ごし方や地域の行事への関わり方まで想像して答える |
| 北海道全体の人口減少と将来像 | 令和7年国勢調査速報で道の人口は前回比4.6%減と過去最大の減少幅。2050年には道内全市町村で人口が減り、50%以上減る市町村は67と推計 | 岩見沢市も例外ではない前提に立ち、限られた職員と財源のなかで何を優先するかという判断の話へ着地させる |
| 防災・危機管理 | 北海道の日本海溝・千島海溝地震の被害想定(令和4年)では、早期避難率が低い場合の死者数は最大約14万9千人。早期避難の呼びかけで被害は大きく減らせるとされる | 内陸の岩見沢市では津波の想定は限られる。地震と冬の気象災害を前提に、避難所の運営や情報の伝え方で自分に担える役割を語る |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、公表されている求められる職員像に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 市民に信頼され親しまれる | 初対面の相手と信頼関係をつくった経験があるか。話しかけやすい雰囲気をどう作ってきたか | 北海道の高齢者の割合は2050年に42.6%まで上がる見通し(令和5年推計)。年上の相手に伝わる言い方へ直した経験を用意しておく |
| 目標の実現に向け果敢に行動する | 自分で目標を決めて動いた経験。思うように進まない時期に何を変えたか | 人口減少という逆風のなかで市の仕事は進む。うまくいかない状況でも続けた経験を、始めた理由とセットで話せるようにしておく |
| 専門的知識・経験等を備え時代に即応する | 新しい知識を自分から学び、活動や仕事に生かした経験があるか | 岩見沢市の基礎能力検査は言語・数理・論理を測る試験。暗記ではなく考え方を身につけた学習の体験を、面接でも話せるようにしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
岩見沢市では集団面接を通過した先に個別面接が控えているため、集団の場で短く話した内容を、あらためて掘り下げられる可能性があります。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 志望する日程と区分の実施要領を読み、試験の段階と申込に必要な提出物を確認する(前期日程と後期日程で内容が異なる可能性があるため、志望する日程のものを確かめる)
- 高校・大学生活やアルバイト等の経験を棚卸しする。学業・課外活動・仕事から、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 集団面接を想定して1分ほどで話し終える長さに答えを整えたうえで、声に出して練習し、掘られたら何と返すかを書き足していく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2で自分の経験を洗い出し、それが岩見沢市役所のどの仕事で生きるのかを言葉にする作業を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、岩見沢市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
岩見沢市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
岩見沢市の採用試験は前期日程と後期日程に分かれ、後期日程では第1次試験の段階から集団面接が行われます。基礎能力検査については一般的な公務員試験対策は不要だと実施要領に書かれている一方、面接は集団と個別で2回組まれています。
準備の重心をどこに置くべきかは、この構成がはっきり示しているといえます。
受験案内に置かれた市内に居住してまちづくりに参加してほしいという一文も、岩見沢で暮らしながら働く自分を思い描いてほしいという市からのメッセージとして受け取れます。
空知でいちばん人口の多いまちで、あなたは何をしたいのか。その答えを、まずは自分自身の経験のなかから探すところから始めてみてください。