本記事では、鶴ヶ島市職員採用試験の面接対策で必要な、鶴ヶ島市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

鶴ヶ島市役所の面接試験では、「なぜ鶴ヶ島市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「これまでの経験を市政のどこで活かすのか」といった質問が想定されます。鶴ヶ島市の試験は第1次から第3次までの3段階で、第2次試験でグループワークと個人面接、第3次試験で個人面接が行われます。人物を見る場が二段階にわたって置かれている試験です。

本記事の掲載内容を参考に、自分の経験と鶴ヶ島市政の接点を整理し、面接での回答づくりに役立ててください。

第1部|自治体研究編

鶴ヶ島市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは鶴ヶ島市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口69,668人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積17.65km²・人口密度3,947人/km²の市である。
  • 面積17.65km²は埼玉県全体(約3,798km²)のおよそ0.5%にあたる一方、人口密度3,947人/km²は県全体を平均した密度の2倍を超える。狭い市域に人が集まっている。
  • 隣接するのは川越市、坂戸市、日高市の3市。このうち川越市は県内3番目の人口(354,793人)をもつ市である。
  • 市は「しあわせ共感 安心のまち つるがしま」という標語を公式サイトの全ページに掲げている。
  • 市役所は〒350-2292 鶴ヶ島市大字三ツ木16-1に置かれている(団体コード11241-1)。
  • 市の花はツツジ、市の木はマツである。
  • 令和9年4月1日付採用の職員採用試験では、合計22人程度の採用が予定されている。募集は一般行政職(事務・建築・土木・文化財)、保健師、職務経験者枠、障害者対象枠の8区分。
  • 埼玉県全体の人口は令和7年国勢調査の速報結果で7,287,169人となり、前回(令和2年)から57,596人(0.8%)減った。大正9年の調査開始以来はじめて前回を下回っている。

鶴ヶ島市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、「鶴ヶ島市の大体のスケール感」を押さえておくことは重要です。

鶴ヶ島市のように市域が狭く、接する市も3つという市では、人口と面積の関係を先に押さえておくと理解が早くなります。表はその関係が見える項目から並べました。規模を測るときの比較先として、埼玉県全体の数値もあわせて載せています。

項目内容
総人口69,668人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積17.65km²
人口密度3,947人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体川越市、坂戸市、日高市
市役所所在地〒350-2292 埼玉県鶴ヶ島市大字三ツ木16-1
市の花・市の木ツツジ・マツ
(参考)埼玉県の総人口7,287,169人(令和7年10月1日現在・国勢調査速報結果)
(参考)埼玉県の面積約3,798km²(47都道府県中第39位)
(参考)埼玉県の高齢化率27.0%(令和2年実績)/27.8%(令和7年推計)

鶴ヶ島市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理したものです。埼玉県の数値は埼玉県公式サイトの統計および計画資料によります。市の統計の最新値は、鶴ヶ島市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から読み取れる市政の論点

17.65km²という市域の広さは、市政の性格をよく表しています。埼玉県全体は約3,798km²に7,287,169人ですから、県全体をならせば1km²あたりおよそ1,900人。これに対して鶴ヶ島市は3,947人/km²です。面積あたりでは2倍を超える密度で人が暮らしています。

市域が狭くて密度が高いということは、道路も上下水道も公共施設も、比較的短い距離の中に必要な機能が収まるということです。行政サービスを届ける効率という意味では有利な条件だといえます。

裏返せば、新しく広い土地を確保しにくいという制約も同時に抱えることになります。

この条件を県全体の動きと重ねてみます。埼玉県の人口は令和7年国勢調査の速報結果で7,287,169人となり、調査開始以来はじめて前回を下回りました。人口が増えたのは10市町、減ったのは53市町村です(出典:令和7年国勢調査 速報結果|埼玉県

一方、世帯数は3,285,878世帯で前回比3.9%増、1世帯当たり人員は2.32人から2.22人へ下がりました。人が減りながら世帯が増えるという動きです。

家の数は減らないのに、そこに住む人数だけが少なくなっていきます。面接では、次のように規模と課題をつなげられます。

「鶴ヶ島市は面積が18平方キロほどで、人口は7万人ほどと聞きました。埼玉県の平均と比べても人口密度が2倍を超えていますので、狭い範囲に人が集まっているまちだと思います。県全体では人が減る一方で世帯の数は増えていますから、一人暮らしの方や高齢のご世帯を近い距離で支えられることが、この規模の市の強みではないかと感じています」

鶴ヶ島市の経済・産業

全国第5位の県内総生産と、ものづくりの厚み

埼玉県の県内総生産(名目)は令和4年度で24兆6,656億円、全国第5位で、この順位は20年連続です(出典:産業と雇用のすがた(県内総生産)|令和7年度版

製造品出荷額等は令和5年で15兆3,297億円(全国第6位)、製造業の事業所数は令和6年で13,159事業所(全国第4位)、従業者数は385,901人(同じく全国第4位)です(出典:産業と雇用のすがた(製造業)|令和7年度版

生産の規模でも事業所の数でも全国上位に並ぶ県の中に、鶴ヶ島市は位置しています。

この厚みを支えているのが土地と道路です。県は平地が総面積の約61%を占め、平地の割合は全国的にも高いとしています。

圏央道の県内区間は入間市から幸手市までの延長58.4kmで全区間が供用済みで、東北自動車道・関越自動車道・常磐自動車道・東京外環自動車道といった高速道路が県内を通ります。鶴ヶ島市が接する川越市・坂戸市・日高市も、この交通の骨格の内側にあります。

産業や企業誘致の話題に触れるなら、県のこうした立地条件を土台に置いて考えると筋が通ります。

募集職種から見える市の仕事の幅

市の産業構造を語る統計は市単位では限られますが、市がどんな仕事を抱えているかは、募集職種の並びからも読み取れます。令和9年4月1日付採用の募集は、一般行政職の事務のほかに建築・土木・文化財という3つの専門区分、そして保健師を置いています。

加えて職務経験者枠(事務・建築・土木および保健師)と障害者対象枠があり、合計22人程度という採用予定です。

人口7万人規模の市が文化財の専門職を単独の区分として募集しているという事実は、それだけで市の仕事の幅を示しています。事務職を志望する場合でも、こうした専門職と組んで一つの事業を進めるのが市役所の仕事です。

面接で「入庁後にやりたい仕事」を語るときは、自分ひとりで完結する話ではなく、誰とどう組んで進めるのかまで思い描いておくと、答えに厚みが出ます。

鶴ヶ島市の主な行政課題

ここまでの内容を踏まえると、鶴ヶ島市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

減っていく県の中で、7万人規模をどう保つか

埼玉県の人口は令和7年国勢調査で初めて減少に転じ、県内で人口が増えたのは10市町にとどまりました。県人口の93.6%は市部に住んでいます

県全体が減少局面に入った以上、市の側は「増やす」よりも「選ばれ続ける」ことを問われる段階に入ります。県の推計人口は令和8年6月1日現在で7,291,615人、世帯数は3,323,676世帯です(出典:埼玉県の推計人口|令和8年6月1日現在

志望動機で定住や子育てに触れるなら、施策名を並べるのではなく、密度の高い市域という鶴ヶ島市の条件が、住む人にとってどんな利点になるのかという角度から考えてみてください。

3人に1人が高齢者になる社会への備え

埼玉県の高齢化率は令和2年で27.0%、令和7年で27.8%、令和22年(2040年)には33.3%となる見込みで、県の5か年計画は「2040年には県民の3人に1人が高齢者」と記しています。75歳以上人口は令和7年に約121万人、令和32年(2050年)には約146万人に達する見込みです(出典:埼玉県の高齢化の状況|令和7年

一方で生産年齢人口は平成12年(2000年)の501万人をピークに、令和22年には380万人へ減る見込みです。支えられる人が増え、支える人が減るという構図がはっきりしています。

狭い市域で移動距離が短いという鶴ヶ島市の条件は、見守りや通いの場をつくるうえでは追い風になります。

県の推計だけでなく、鶴ヶ島市自身の現在地も押さえておきましょう。住民基本台帳をもとにした集計では、令和8年1月1日現在の鶴ヶ島市の高齢化率は29.8%、75歳以上の割合は18.0%で、同じ集計による埼玉県全体の27.0%・16.0%をどちらも上回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在

なお、この住民基本台帳による数値は、前の段落で挙げた国勢調査をもとにした県の高齢化率とは調査そのものが異なるため、並べてそのまま比べることはできません。

県が2040年に見込む「3人に1人」という水準へ、鶴ヶ島市は県平均より一歩先を歩いているということです。人口7万人規模で、市域は17.65km²。

歩いて行ける距離に人が集まっているという条件は、高齢化が先行する市にとっては強みに変わります。面接で高齢化に触れるなら、県の推計を引くだけで終わらせず、市がすでにその段階に入っていること、そして狭さがここでは有利に働くことまで踏み込んで話してください。

大規模地震への備え

埼玉県の地震被害想定調査では、関東平野北西縁断層帯地震(深谷断層と綾瀬川断層を一体として想定)が5つの想定地震のうち最大の被害となり、建物全壊は揺れによるものが53,013棟・液状化によるものが2,116棟、死者3,599人、避難所避難者144,968人と想定されています(30年以内の発生確率は0.008%以下)。

もう一つの東京湾北部地震(M7.3)は、県南東部を中心に建物全壊が揺れ8,127棟・液状化5,253棟、死者585人、避難所避難者54,180人という想定です(南関東でのM7級地震の30年以内発生確率は70%)(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度

被害が最も大きい想定は発生確率が低く、確率が高い想定は被害が相対的に小さいという関係です。防災を語るなら、この二つを混ぜずに区別して話せると、資料を自分で読んだことが伝わります。

限られた人数で市域全体を担う体制

令和9年4月1日付採用の受験資格を見ると、一般行政職(事務・建築・土木・文化財)と保健師の年齢上限は昭和61年4月2日以降に生まれた人(40歳まで)、職務経験者枠は昭和56年4月2日以降に生まれた人(45歳まで)、障害者対象枠は平成8年4月2日以降に生まれた人(30歳まで)とされています。一般行政職の上限を40歳、職務経験者枠を45歳に置いているのは、新卒だけに頼らず、社会で働いてきた人材も含めて幅広く採るという設計です。

初任給は地域手当10%を含めて大学卒261,360円、短大卒248,160円、高校卒234,410円(令和8年4月1日現在)となっています。長く働き続ける前提をどう考えているかを問われたときに、こうした採用の設計を踏まえて答えられると、市の事情を分かっている受験者だと伝わります。

鶴ヶ島市の重点政策|市の標語と埼玉県5か年計画

鶴ヶ島市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。取り上げるのは、市が公式サイトの全ページに置いている標語と、市政の背後にある県の計画です。標語のほうから入ると、鶴ヶ島市が市民との間にどんな距離を置こうとしているのかが読み取れます。

「しあわせ共感 安心のまち つるがしま」という標語

鶴ヶ島市は、公式サイトのすべてのページに「しあわせ共感 安心のまち つるがしま」という標語を掲げています(参考:鶴ヶ島市の職員採用情報。短い言葉ですが、「しあわせ」「共感」「安心」という3つの語が並んでいます。

しあわせという到達点があり、それを行政が一方的に配るのではなく共感でつなぐ。そして土台に安心を置く。読み方はいくつもありますが、市民との距離の近さを前提にした言葉であることは共通しています。

志望動機を組み立てるときは、この3語のうちどれに自分の経験が引っかかるかを先に決めると入りやすくなります。人の話を聞いて動いた経験があるなら共感、困りごとを取り除いた経験があるなら安心、という具合です。

標語をそのまま繰り返すのではなく、自分の経験を置いてみて、はじめて言葉が自分のものになります。

埼玉県5か年計画との関係

県の最上位計画は埼玉県5か年計画(令和4年度から令和8年度・「日本一暮らしやすい埼玉へ」)です。県が直面する最大の課題を「人類が経験したことのない超少子高齢社会への対応」と位置づけ、2040年を見据えて3つの将来像・12の針路・54の分野別施策を設定しています。

あわせて、感染症の拡大や激甚化する自然災害といった危機への対応も「待ったなし」の課題として明記しています(出典:埼玉県5か年計画|令和4〜8年度

財政の面では、県の令和7年度一般会計当初予算は2兆2,308億9,000万円(前年度比5.2%増)で過去最大となる一方、令和5年度決算の経常収支比率は96.2%、財政力指数は0.73です。決まって入る収入の大半が決まって出ていく支出で埋まる状態であることは、県も市も共通しています。

県が示すこれらの課題は、そのまま鶴ヶ島市の現場にも降りてきます。市の総合計画を読むときも、県が挙げる課題に市がどの順番で答えようとしているかという目線で見ると、理解が早くなります。

鶴ヶ島市の採用情報をどこで見るか

鶴ヶ島市の職員採用に関する情報は、市公式サイトの人事・採用のページにまとめられています。申込は電子申請の申込フォームで行いますが、この市の場合、入力項目そのものに記述式の設問が含まれます。

「鶴ヶ島市職員を志望した理由」(250字以内)、「あなたがやりたい仕事とその理由」(250字以内)、「あなたがこれまでに最も挑戦した経験とその経験から得られたこと」(400字以内)の3つです。申込の時点で、面接で語る内容の骨格を文章にして提出することになります。

提出物の段取りも先に押さえておきましょう。申込時には顔写真データ(上半身脱帽・背景無・正面向で3か月以内に撮影/縦横比4対3・jpg/jpeg/png形式・10MBまで)を添付します。

職務経験者枠の受験者は職務経歴書を第1次試験日の当日に、第1次試験の合格者は卒業証明書または卒業見込証明書・成績証明書・資格を証明するものを第2次試験日の当日に提出します(出典:鶴ヶ島市職員採用試験案内|令和9年4月1日付採用

POINT|250字と400字の設問を書きっぱなしにしない

申込フォームの3つの設問は、提出したら終わりではありません。面接官の手元にはその文章があり、質問はそこから出発します。書いた内容を暗記する必要はありませんが、「なぜそう書いたのか」「その場面で具体的に何をしたのか」を、書いた本人が口で説明できる状態にしておく必要があります。提出前に必ず控えを残してください。

悪い例「私は責任感が強く、最後までやり抜く性格です。鶴ヶ島市の一員として市民の皆様に貢献したいと考えています」

改善例「まずは窓口の仕事で、市民の方の相談を直接うかがうところから始めたいです。その上で、鶴ヶ島市は狭い市域に7万人ほどが暮らすまちですので、距離が近いからこそできる高齢の方の見守りや、地域の集まりを支える仕事にも関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 鶴ヶ島市職員採用試験の試験案内(自分が受ける職種・区分の最新のもの)
  • 鶴ヶ島市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
  • 鶴ヶ島市のハザードマップ(自分の関わる地区の想定を知る材料として)
  • 埼玉県5か年計画、埼玉県の統計資料(市政の背景を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、鶴ヶ島市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。鶴ヶ島市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

鶴ヶ島市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

鶴ヶ島市役所の面接の概要

ここからは、鶴ヶ島市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

第1次試験は「型」を選ぶところから始まる

令和9年4月1日付採用の鶴ヶ島市職員採用試験は、第1次試験の方式を「公務員試験型」と「SPI試験型」から申込時に選ぶ形式です。公務員試験型は教養試験(120分・択一式)と性格診断検査(20分)、SPI試験型はSPI3の基礎能力(70分・マークシート)と性格検査(40分・マークシート)で構成されます。

どちらを選ぶかは申込の段階で決まります。民間企業の選考と並行して受けている人にはSPI試験型、公務員試験の勉強を積み上げてきた人には公務員試験型という選び方が素直でしょう。

ただし、どちらを選んでも第2次試験から先は同じです。第1次試験で選べるのは入り口の形式だけであり、その先で問われるものは変わりません。

項目内容(令和9年4月1日付採用)
試験の段階第1次試験から第3次試験までの3段階
第1次試験申込時に選択。公務員試験型=教養試験(120分・択一式)と性格診断検査(20分)/SPI試験型=SPI3の基礎能力(70分・マークシート)と性格検査(40分・マークシート)
第2次試験「グループワーク及び個人面接による試験を行います。」と公表されている
第3次試験「個人面接による試験を行います。」と公表されている
申込時の提出物電子申請の申込フォームに記述式3設問(志望した理由250字以内/やりたい仕事とその理由250字以内/最も挑戦した経験とその経験から得られたこと400字以内)と顔写真データ
試験日当日の提出物職務経験者枠は職務経歴書を第1次試験日当日に提出。第1次試験の合格者は卒業証明書または卒業見込証明書・成績証明書・資格を証明するものを第2次試験日当日に提出
受験資格(年齢)一般行政職(事務・建築・土木・文化財)と保健師=昭和61年4月2日以降生まれ(40歳まで)/職務経験者枠=昭和56年4月2日以降生まれ(45歳まで)/一般行政職(障害者対象)=平成8年4月2日以降生まれ(30歳まで)
採用予定人数合計22人程度(8区分)
初任給大学卒261,360円、短大卒248,160円、高校卒234,410円(地域手当10%を含む・令和8年4月1日現在)

上記は令和9年4月1日付採用の鶴ヶ島市職員採用試験案内および市の職員採用情報ページに基づく内容です。各試験の配点は、確認した鶴ヶ島市の試験案内と採用情報ページの本文には記載がありません。試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の試験案内でご自身の区分の内容をご確認ください。

グループワークが置かれている意味

鶴ヶ島市の試験で押さえておきたいのが、第2次試験にグループワークが置かれている点です。個人面接が第2次と第3次で2回あるうえに、その手前に他の受験者と一緒に課題へ取り組む場が用意されています。

個人面接の練習だけでは、この場での振る舞いは身につきません

グループワークは発言量を競う場ではありません。話が散らかったときに論点を戻せるか、自分と違う意見をどう受け止めて形にするか、時間内に成果物をまとめる段取りを引き受けられるか。

市役所の仕事が一人で完結しない以上、そこを見るのは自然なことです。配点は公表されていませんが、第1次で筆記、第2次でグループワークと個人面接、第3次で個人面接という並びを見れば、後半の二段階が人物を見る場に充てられていることは構成そのものから読み取れます。

鶴ヶ島市役所が求める人物像

鶴ヶ島市の試験案内と採用情報ページの本文には、「求める人物像」として整理された一覧は置かれていません。代わりに目に入るのが、試験案内の表紙に掲げられた採用キャッチコピー、「この仕事は 甘くない。だから 面白い。」です。

短い言葉ですが、読み取れることはあります。「甘くない」を先に置いたうえで「面白い」と続けている。

やりがいだけを前面に出すのではなく、まず大変さを認めたうえで人を募っているということです。面接の言葉に翻訳すれば、思い通りにいかない場面でそれでも続けた経験を語れるかどうかが問われます。

市が公式サイトに掲げる標語「しあわせ共感 安心のまち つるがしま」と重ねれば、大変な仕事の先に市民の暮らしの安心があるという筋道になります。

ただし、この2つはいずれも「求める人物像」として公表されているものではありません。面接で人物像について正面から問われた場合は、公表文言を暗唱するのではなく、標語やキャッチコピーから自分が読み取ったことを自分の言葉で述べる形が実際的です。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。鶴ヶ島市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はここまでどのくらい時間がかかりましたか構えていない場面での表情と、話し出しの自然さ
② 動機・志望民間企業ではなく市役所を選んだ理由を教えてください待遇や安定以外の言葉で職業選択を説明できるか
③ 自己理解周囲の人からはどんな性格だと言われますか自己認識と他者からの見え方を突き合わせられているか
④ 経験・行動思うようにいかなかった経験を一つ教えてくださいうまくいかない場面で何を変え、どこまで続けたか
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れて学んだことを説明してください前提を知らない相手に伝わる言葉へ言い換えられるか
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたらどうしますか異動のある組織で働くことへの理解と、姿勢の現実味
⑦ 公共性・社会性最近の出来事で関心を持ったことを教えてください社会の動きへの関心と、それを一言で述べる整理力

ただし、この7カテゴリーは鶴ヶ島市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「鶴ヶ島市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「鶴ヶ島市役所ならでは」の質問

「なぜ埼玉県庁ではなく、鶴ヶ島市役所なのですか」
「鶴ヶ島市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも鶴ヶ島市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、申込書に書いた内容を裏づける事実を持っているかどうかが表れる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「鶴ヶ島市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい鶴ヶ島市の事実答え方のヒント
市の規模と密度人口69,668人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積17.65km²、人口密度3,947人/km²。県全体を平均した密度の2倍を超える「小さい市」で終わらせず、狭い市域に人が集まっている条件が行政サービスの届けやすさにどう効くのかまで言い直します
なぜ県庁ではなく市役所か県は5か年計画で県全体の針路を示し、鶴ヶ島市は「しあわせ共感 安心のまち つるがしま」を掲げて22人程度の採用で市域の仕事を担う規模の大小で語らず、標語の3語のうち自分が関わりたい部分を名指しして、市の窓口や現場で何をしたいかへ話を降ろします
市が募集する職種令和9年4月1日付採用の募集は一般行政職(事務・建築・土木・文化財)、保健師、職務経験者枠、障害者対象枠の8区分で合計22人程度7万人規模の市が文化財や保健師まで単独で募集していることに触れ、事務職として他の専門職とどう組んで仕事を進めたいかを語ります
高齢化住民基本台帳ベースで鶴ヶ島市の高齢化率は29.8%、75歳以上は18.0%(令和8年1月1日現在)で、同じ集計の埼玉県全体(27.0%・16.0%)を上回る。県5か年計画は「2040年には県民の3人に1人が高齢者」と記す県の見通しより市が先を行っていることに触れ、移動距離の短い市域だからこそできる見守りや通いの場という、鶴ヶ島市の条件に引きつけた話へつなげます
防災県の被害想定では関東平野北西縁断層帯地震が5つの想定地震のうち最大で、死者3,599人・避難所避難者144,968人。東京湾北部地震(M7.3)は死者585人・避難所避難者54,180人被害が最大の想定は確率が低く、確率が高い想定は被害が小さいという関係に触れ、市のハザードマップで自分の地区の想定まで確かめた話につなげます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1つか2つに絞り、事実から自分の問題意識、そして市職員として関わりたい仕事までを一息で話せる形にしておくことです。

想定される評価の観点

面接は、市が掲げる標語やキャッチコピーに照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
大変さを引き受ける姿勢採用キャッチコピーが「甘くない」を先に置いている以上、うまくいかない場面での粘りは確かめられる成功談ではなく、投げ出しそうになった場面を一つ選び、そこで何を変えて続けたのかまで話せるようにしておく
集団の中での動き方第2次試験のグループワークは、他の受験者と課題に取り組む姿から人物を見る場になる結論を通す練習ではなく、話が止まったときに論点を戻す役、意見の違いを整理する役を実際に試しておく
申込書と面接の一貫性志望した理由・やりたい仕事・最も挑戦した経験の3つを、申込の時点で文章にして提出している提出した文章の控えを必ず残し、同じ話を口でより詳しく語れる状態にしておく。書いた内容と話す内容がずれると、そこが深掘りの入口になる

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。鶴ヶ島市は個人面接が2回ある分、同じ話題を別の面接官から角度を変えて問われる前提で準備しておきましょう。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを用意しておけば、聞き手が代わっても答えの中身は揺れません。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 鶴ヶ島市の最新の試験案内を読み、第1次試験を公務員試験型とSPI試験型のどちらで受けるかを先に決める。ここが決まらないと勉強の中身が決まらない
  2. 申込フォームの3つの設問(志望した理由250字、やりたい仕事250字、最も挑戦した経験400字)の下書きを作り、提出前に必ず控えを残す
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、市の標語と市域の条件から、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、事実から問題意識、やりたい仕事までを一続きの話に編む
  6. グループワークの練習を予定に入れる。第2次試験に置かれている以上、個人面接の練習だけでは足りない

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の申込書づくりとステップ6のグループワークの練習を優先してください。申込書に書いた400字は、面接の場で必ず戻ってくる材料です

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、鶴ヶ島市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

鶴ヶ島市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

鶴ヶ島市役所の想定問答集を見る

さいごに

鶴ヶ島市の試験は、第1次試験の方式を自分で選ぶところから始まり、第2次試験でグループワークと個人面接、第3次試験で個人面接と、人物を見る場が二段階に分けて置かれています。配点は公表されていませんが、後半の二段階に何が置かれているかを見れば、どこで差がつくのかは構成そのものが語っています

加えて鶴ヶ島市では、申込の時点で志望した理由とやりたい仕事、そして最も挑戦した経験を、250字・250字・400字で書いて提出します。面接はその文章の続きから始まると考えてよいでしょう。

面積17.65平方キロメートルに7万人ほどが暮らし、県全体の平均を大きく超える密度の中で、市は「しあわせ共感 安心のまち つるがしま」を掲げています。距離が近いからこそ届けられる安心とは何か。

試験案内の表紙にある「この仕事は 甘くない。だから 面白い。」という言葉に、自分なりの答えを重ねられるところまで準備を進めてください