本記事では、草加市職員採用試験の面接対策で必要な、草加市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

草加市役所の面接試験では、「なぜ草加市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の経験を市の仕事にどう活かすのか」といった質問が想定されます。草加市は募集要項の冒頭で求める人物像を言葉にしており、何を見たいのかを市の側が先に示している試験だといえます。

本記事の掲載内容を参考に、公表された人物像と自分の経験を結び付け、面接での回答づくりに役立ててください。

第1部|自治体研究編

草加市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは草加市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口252,586人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積27.46km²・人口密度9,198人/km²の市である。
  • 人口密度9,198人/km²は、同じ時点の県内40市のなかで3番目に高い(蕨市15,125人/km²、川口市9,823人/km²に次ぐ)。25万2千人が27.46km²に暮らす、県内でも密度の高い市である。
  • 隣接するのは川口市・越谷市・三郷市・八潮市・吉川市と、東京都足立区。都県境に位置している。
  • 隣接する川口市の人口は608,515人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、埼玉県内ではさいたま市に次ぐ規模。大きな市に囲まれた位置関係が、草加市の暮らしの前提になっている。
  • 市の花はキク、市の木はマツ。
  • 市役所は〒340-8550 草加市高砂一丁目1番1号に置かれている。
  • 市は募集要項の冒頭に求める人物像を明記している。「パートナーシップによるまちづくり」という言葉が、その中心に置かれている。
  • 埼玉県全体では、令和7年国勢調査の速報結果で県人口の93.6%が市部に居住している。草加市もその市部を構成する一つである。

草加市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、草加市がどんな密度の市で、どこと隣り合っているのかを言えることは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、周囲との位置関係など、市政の性格を説明できる項目を優先して整理しました。規模を測るときの比較先として、埼玉県全体の数値もあわせて載せています。

項目内容
総人口252,586人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積27.46km²
人口密度9,198人/km²(上記の総人口と総面積から算出。同じ時点の県内40市で3番目)
隣接自治体川口市、越谷市、三郷市、八潮市、吉川市、東京都足立区
市役所所在地〒340-8550 埼玉県草加市高砂一丁目1番1号
市の花・市の木キク・マツ
求める人物像草加を想い、パートナーシップによるまちづくりの精神のもと、組織理念の実現のため、互いに高め合いながら、自ら考え行動する職員(令和8年度実施の募集要項)
(参考)埼玉県の総人口7,287,169人(令和7年国勢調査速報結果)
(参考)埼玉県の市部人口の割合93.6%(令和7年国勢調査速報結果)

草加市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです。県内40市の順位は、同じ時点の市別の公表値を並べて確かめたものです。求める人物像は令和8年度実施(第1回)の募集要項の記載によります。埼玉県の総人口・市部人口の割合は埼玉県公式サイトの資料による数値です。市の統計の最新値は、草加市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

密度から読む草加市政

人口252,586人という数字は、面積27.46km²と並べたときに意味が変わります。人口密度9,198人/km²は、同じ時点の県内40市で3番目。草加市の行政は、広い市域に人が散らばる自治体とは逆の課題を抱えます

道路も公園も学校も、限られた土地の上で用途がぶつかり合うからです。まちづくりが土地の奪い合いになりやすい市では、誰かの利益が誰かの不利益になる場面をどう調整するかが、日々の仕事の中身になります。

県全体の姿も見ておきましょう。埼玉県の人口は令和7年国勢調査の速報結果で7,287,169人。県人口の93.6%が市部に住み、市町村別では、さいたま市1,345,016人、川口市592,007人、川越市354,793人が上位を占めます(出典:令和7年国勢調査速報結果|埼玉県

草加市が隣接する川口市は、その県内2位の市です。なお、第1章で挙げた川口市の608,515人は住民基本台帳(令和8年1月1日現在)による値で、ここでの592,007人とは時点も調査の系列も異なります。

面接では、次のように数字を自分の言葉に変えられます。

「草加市は25万2千人が暮らしていて、面積は30平方キロメートルもないと知りました。県内でも人口密度が高いほうだそうです。人が近くに住んでいる分、道路や公園の使い方で意見が分かれる場面も多いのではと感じていますので、間に立って話をまとめる仕事に関わりたいと思っています」

草加市の経済・産業

東京都に接するという条件

草加市の経済を考えるときの出発点は、東京都足立区と境を接しているという事実です。働く場所、学ぶ場所、買い物の場所は、市の境界でも都県の境界でも止まりません。市内で経済が完結しないということは、市の政策が二方向を向くということです。

市内に人と仕事を呼び込む努力と、都内へ通う暮らしを支える工夫の、どちらも欠かせません。住む場所として選ばれ続けることが、そのまま市の経済政策になるという性格を持っています。

県経済の規模と県財政の姿

市の話を県の規模のなかに置いてみましょう。埼玉県の県内総生産(名目)は令和4年度で24兆6,656億円。20年連続で全国第5位の位置を保っています(出典:産業と雇用のすがた|令和7年度版

財政の側から見ると、埼玉県の令和7年度一般会計当初予算は2兆2,308億9,000万円(前年度比5.2%増)で過去最大。県税収入は当初予算額として過去最高の8,794億円を計上する一方、令和7年度末の県債残高は3兆5,534億円と見込まれています(出典:埼玉県令和7年度当初予算案|令和7年度

収入が過去最高でも借入れの残高は3兆円を超える。この構造は市町村でも大きくは変わりません。

隣の八潮市で進む県の事業

草加市に隣接する八潮市では、埼玉県が八潮南部西地区土地区画整理事業を進めています。県は令和7年度当初予算でも保留地の売却(7億9,600万円)を歳入確保策として計上しました。

市街地の整備が、県の財源確保の手段としても位置づけられているということです。隣接自治体で動いている事業を知っておくと、「市の外で起きていることが市の暮らしにどう跳ね返るか」という問いに答えやすくなります。

県南東部は市どうしの距離が近く、道路も鉄道も生活圏も連続しています。市の課題を市域の内側だけで語らないよう意識しておきましょう。

草加市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、草加市を含む埼玉県内の市町村が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

県南東部を直撃する地震の想定

草加市の防災を考えるうえで直接効いてくるのが、東京湾北部地震(マグニチュード7.3)の想定です。埼玉県地震被害想定調査では、県南東部を中心に、建物全壊が揺れによるもの8,127棟、液状化によるもの5,253棟、死者585人、避難所避難者54,180人が想定されています。

液状化による全壊が揺れによる全壊の6割を超えるのが、この地震の想定の特徴です。なお、南関東でのマグニチュード7級地震の30年以内発生確率は70%とされています。

県全体で被害が最大となるのは関東平野北西縁断層帯地震(死者3,599人、避難所避難者144,968人)ですが、こちらは30年以内の発生確率が0.008%以下です(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度

起こりやすさと被害の大きさが一致しない二つの地震を、区別して語れるようにしておきましょう。

高齢者が過去最高を更新し続ける県で

埼玉県の高齢化率は令和2年で27.0%、高齢者(65歳以上)人口は過去最高の約193万人となりました。令和7年には高齢化率27.8%、令和22年(2040年)には33.3%になる見込みです(出典:高齢化の状況|埼玉県

ただし、草加市自身の数字は県平均と同じではありません。総務省が住民基本台帳をもとにまとめた令和8年1月1日現在の集計では、草加市の高齢化率は24.4%、75歳以上率は15.0%で、同じ集計の埼玉県全体(27.0%・16.0%)をいずれも下回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在

ここで注意したいのは、住民基本台帳による県全体の27.0%が、直前に挙げた国勢調査ベースの令和2年の27.0%と同じ数字に見えることです。両者は基準日も調査の方法も別のもので、数字が一致しているのは偶然にすぎません。

国勢調査の系列で県の推移を語るなら令和7年の27.8%、住民基本台帳の系列で草加市と県を比べるなら令和8年1月1日現在の27.0%と、系列をそろえて使ってください。二つの系列を一つの推移として並べると、実態を取り違えます。

率が低いことは、負担が軽いことを意味しません。同じ集計で65歳以上の人数を見ると61,524人、75歳以上は37,979人にのぼり、県内の小規模な市の総人口を上回る規模です。

人口密度の高い市では、支援を必要とする人の数そのものが多くなります。同時に、集合住宅が多い地域では、誰が困っているのかが外から見えにくいという難しさもあります。

数の多さと見えにくさが重なる、というのが都市部の高齢化の姿です。面接で高齢化に触れるなら、率の低さを述べて終わりにせず、6万人を超える高齢者が27.46km²のなかで暮らしているという密度から話を始めると、草加市の話になります。

限られた土地で生活基盤を更新する

27.46km²という市域に25万2千人が暮らすということは、道路、上下水道、学校、公共施設が高い密度で置かれているということです。それらは同じ時期に整備されたものほど、同じ時期に更新の時を迎えます

用地に余裕のない市では、建て替えのための仮の場所を確保することさえ簡単ではありません。何をどの順番で直すのか、どこを集約するのか。市民に近い場所で、優先順位の説明を求められる仕事が増えていきます

人口が減り始めた県のなかでの立ち位置

埼玉県の人口は令和7年国勢調査の速報結果で、大正9年の調査開始以来はじめて前回調査を下回りました。県内で人口が増えたのは10市町、減ったのは53市町村です。

県全体が増える時代が終わったということは、住む人を市町村どうしで分け合う時代に入ったということでもあります。

東京都に接する市は通勤の便という条件を持ちますが、それは同じ条件を持つ近隣の市とも競い合うということです。選ばれる理由をどう作るかが問われます。

草加市の重点政策|埼玉県5か年計画と草加市が掲げる職員像

草加市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。草加市が募集要項で掲げる職員像と、県全体の計画の方向性を突き合わせながら見ていきましょう。

募集要項の冒頭に置かれた求める人物像

草加市は、職員採用の募集要項の冒頭に求める人物像を掲げています。「草加を想い、パートナーシップによるまちづくりの精神のもと、組織理念の実現のため、互いに高め合いながら、自ら考え行動する職員」という一文です(出典:令和8年度実施 草加市職員募集要項(第1回)|令和8年度

短い一文ですが、含まれている要素は4つに分けられます。市への思い、パートナーシップによるまちづくり、互いに高め合う関係、そして自ら考え行動する姿勢です。

市民との関係と、職員どうしの関係の両方に触れているのが特徴で、一人で成果を出すタイプの人物像ではありません。なお、文中の「組織理念」そのものの内容は募集要項からは確認できませんので、市公式サイトで確かめておきましょう。

POINT|パートナーシップを、抽象語のまま使わない

人物像の言葉をそのまま繰り返しても、面接では中身が伝わりません。「①誰と組んだのか → ②相手は何を望んでいたのか → ③自分は何を譲り、何を通したのか → ④結果として何が動いたのか」の順に、経験を分解しておきましょう。

悪い例「草加市が掲げるパートナーシップに共感したので、市民の方と協力して仕事がしたいです」

改善例「アルバイト先で、店長と学生スタッフの間でシフトの希望が合わないことが続いていました。両方の言い分を聞いて、締切を早める代わりに希望を通しやすくする案を出したところ、揉める回数が減りました。立場が違う人の間に立つ仕事に向き合いたいと考えています」

県の計画が掲げる将来像

市の計画の背景として、県の最上位計画にも触れておきます。埼玉県5か年計画(令和4年度から令和8年度)が掲げる旗印は「日本一暮らしやすい埼玉へ」。

最大の課題としたのは「人類が経験したことのない超少子高齢社会への対応」で、2040年を見据えた3つの将来像のもとに12の針路と54の分野別施策が並びます。感染症の拡大や激甚化する自然災害への対応も、「待ったなし」の課題として明記されています(出典:埼玉県5か年計画(ダイジェスト版)|令和4年3月

県が並べた課題のうち、草加市が正面から引き受けているのはどれか。その一点を意識するだけで、市の計画は格段に読みやすくなります。

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 草加市職員募集要項(受験する回・職種のもの)
  • 草加市公式サイトの市政情報・総合計画・組織理念に関する記載
  • 市のハザードマップ(液状化の想定も含めて、自分の関わる地区を確かめる材料として)
  • 埼玉県5か年計画と県の統計資料(市政を取り巻く背景を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、草加市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。草加市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

草加市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

草加市役所の面接の概要

ここからは、草加市役所の採用試験の構成と、公表された人物像、面接で問われやすい質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

草加市役所の採用試験の構成

草加市の採用試験を理解するうえで最初に押さえるべきなのは、職種によって選考の段階数も採用日も違うという点です。以下は令和8年度実施(第1回)の内容です。

項目内容(令和8年度実施・第1回)
事務A(大学卒)・事務B/C(社会人経験者)3段階。第1次試験がSPI3(基礎能力検査・性格検査)、第2次試験が面接試験、第3次試験が面接試験、その後に最終合格発表
事務D(情報)ほか2段階。事務D、社会福祉士E、社会福祉主事F、保健師I/J、臨床心理士K、事務L(障がい者対象)は、第1次試験がSPI3、第2次試験が面接試験で最終合格
保育士G/H第1次試験で専門試験を受験したうえで、別途SPI3を受験。第2次試験が面接試験
第1次試験の受験方法SPI3は指定期間内のいずれか1日に、テストセンター方式で受験
面接の形式募集要項の試験科目欄は第2次・第3次とも「面接試験」のみで、個別か集団かの別、集団討論やグループワークの有無は記載がありません
募集職種と採用予定事務(大学卒)A=20名程度、事務(社会人経験者1)B・事務(社会人経験者2)C=あわせて10名程度、事務(情報)D、社会福祉士E、社会福祉主事F、保育士G/H、保健師I/J、臨床心理士K、事務(障がい者対象)L=各若干名
社会人経験者の要件事務Bは民間企業等における業務従事歴が3年以上、事務Cは11年以上。いずれも週29時間以上従事した経験に限るなどの細目があります。事務Aと社会人経験者の要件を両方満たす場合は、社会人経験者区分への申込みとなります
採用日事務A・保育士G・保健師Iは令和9年4月1日付。事務B・C・D、社会福祉士E、社会福祉主事F、保育士H、保健師J、臨床心理士K、事務Lは令和8年10月1日付
提出書類申込時は職員採用試験申込書(電子申請)、顔写真(縦4.0cm×横3.0cmのJPEG)、障がい者手帳の写し(事務Lのみ)。免許・資格等を要する職種の資格証の写しは第2次試験実施時に提出。面接カード・エントリーシートの提出は募集要項に記載がありません
配点募集要項に記載がありません(非公表)

もう一つ、草加市を受けるなら必ず知っておきたいのが、年度内に3回の試験があることです。6月実施の第1回、9月実施の第2回、1月実施の第3回という構成で、土木・建築・電気の技師は通年で募集されています。

ただし「令和8年度内においては原則1度まで草加市職員採用試験を受験することが可能です」とされ、再受験には制限があります。第1回で事務(大学卒)Aなどを受けた人は、第2回の事務・社会福祉士・社会福祉主事・保健師を再受験できず、その他の職種のみ受験できます。

1月実施(第3回)が実施される場合は、第1回・第2回の受験の有無にかかわらず受験できます(出典:令和8年度実施 草加市職員募集要項(第1回)|令和8年度どの回でどの職種を受けるかという判断そのものが、草加市の受験戦略の一部になっています。

上記の試験構成は、草加市の令和8年度実施(第1回)の募集要項にもとづくものです。回や職種によって選考の段階数、採用日、再受験の可否が異なります。試験の構成・配点等は年度によっても変わり得ます。受験の際は、必ずご自身が受ける回・職種の最新の募集要項をご確認ください。

面接の形式が公表されていないことをどう考えるか

草加市の募集要項は、第2次・第3次の試験科目を「面接試験」とのみ記しており、個別か集団かの別は書かれていません。市が公開している過去の試験実施状況のページも、形式には触れていません。

ここで大切なのは、形式を推測して備えを絞り込まないことです。

個別でも集団でも通用する準備とは、話す長さを調整できる状態にしておくことです。1つの経験を、30秒で言い切る版と、2分かけて経緯まで語る版の両方で用意しておけば、その場でどちらの形式が来ても対応できます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。草加市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までは迷わずに来られましたか身構えを解いたときの話し方と表情
② 動機・志望都内でも近隣の市でもなく、なぜ草加市なのですか通いやすさ以外の理由を自分の言葉で持っているか
③ 自己理解短所が仕事で表に出るとしたら、どんな場面ですか弱点を自覚し、備え方まで考えているか
④ 経験・行動立場の違う人の間に入った経験はありますかパートナーシップという言葉に、実際の出来事が伴うか
⑤ 学業・経歴これまでの経験で、市の仕事に一番近いと思うものは何ですか自分の経歴を仕事の言葉に翻訳できるか
⑥ 適性・将来市民から強い口調で意見をぶつけられたら、どうしますか窓口のある職場で働く実感があるか
⑦ 公共性・社会性限られた土地の使い方で意見が割れたら、行政は何を基準に決めるべきだと思いますか優先順位の付け方を自分で考えたことがあるか

ただし、この7カテゴリーは草加市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「草加市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「草加市役所ならでは」の質問

「なぜ埼玉県庁ではなく、草加市役所なのですか」
「草加市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも、草加市を調べていなければ言葉が続かない質問です。裏返せば、下調べを積んだ人ほど、はっきりと差をつけられる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「草加市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい草加市の事実答え方のヒント
求める人物像募集要項の冒頭に、市への思い、パートナーシップによるまちづくり、互いに高め合う関係、自ら考え行動する姿勢の4つを含む一文が掲げられている(全文は基礎データの表に掲載)一文を丸ごと引用せず、パートナーシップか、自ら考え行動する姿勢のどちらかを選び、対応する経験を1つ差し出します
市の密度人口252,586人、面積27.46km²、人口密度9,198人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)は同じ時点の県内40市で3番目密度の高さを、土地の使い方をめぐる調整の多さとして語り、間に立つ仕事への関心につなげます
都県境に位置すること東京都足立区と接し、県内2位の人口を持つ川口市とも隣接する都内へ通う住民の暮らしを支える視点を持ち込み、近隣市と条件が似ているからこそ何で選ばれたいかを述べます
防災の想定東京湾北部地震では県南東部を中心に、液状化による建物全壊5,253棟を含む被害が想定されている。南関東でのマグニチュード7級地震の30年以内発生確率は70%揺れだけでなく液状化まで具体に触れ、自分の住む地区のハザードマップを見た経験とあわせて話します
試験の仕組み年度内に3回の試験があり、原則1度まで。職種によって選考の段階数と採用日が異なる自分が受ける回と職種を正確に言えるようにしておきます。志望度を確かめる質問への答えにも直結します

コツは、5つを丸ごと覚えることではありません。自分の関心に近いテーマを1〜2つ選び、事実から自分の問題意識へ、そして市職員としてやってみたいことへと一続きにつないでおくと、掘り下げられても話が崩れません。

想定される評価の観点

面接は、公表された人物像に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの整い方ではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
パートナーシップを結ぶ力立場や利害の異なる相手と、どう合意をつくったか人物像の中心にこの言葉が置かれていることを踏まえ、譲った部分と通した部分の両方を説明できる出来事を用意しておく
自ら考え行動する姿勢指示を待たずに動いた場面と、その判断の理由勝手に動いた話にならないよう、誰に相談し、どこまで自分で決めたのかという線引きまで言えるようにしておく
互いに高め合う関係づくり周囲の人の力を引き出した経験があるか自分の成果ではなく、周りが動きやすくなった変化のほうを話の中心に据える練習をしておく

なお、公務員の採用面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

事務(大学卒)Aは面接の段階が2つある分、同じ話題を別の角度から問われる場面も想定されます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 自分がどの回のどの職種を受けるかを先に決める。年度内に3回あり、原則1度までという制限があるため、この判断が準備全体の前提になる
  2. 高校・大学生活や職務の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイト・勤務先から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 求める人物像の一文を4つの要素に分け、それぞれに自分の経験を割り当てる。当てはまらない要素があれば、そこを重点的に掘り起こす
  5. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、市の密度と都県境という位置から、志望分野に近い事実を2つか3つ選んで説明できるようにする
  6. 面接の形式が公表されていないことを前提に、同じ経験を30秒で話す版と2分で話す版に作り分け、声に出して練習する

優先順位に注意

ステップ5は、他の受験生と差をつけるための上積みです。時間が足りないときは、ステップ1の受験区分の確定と、ステップ2の経験の棚卸しを先に済ませてください。年3回の試験があり職種で段階数まで違う市では、受ける枠を取り違えたときの損失が最も大きくなります

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、草加市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

草加市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

草加市役所の想定問答集を見る

さいごに

草加市は、求める人物像を募集要項の一番前に置いています。パートナーシップによるまちづくり、互いに高め合う関係、自ら考え行動する姿勢。

25万2千人が27.46km²に暮らし、東京都足立区と境を接する市では、これらは理想ではなく日々の実務そのものです。限られた土地の使い方をめぐって意見が割れたとき、誰と誰の間に立ち、何を基準に決めるのか。

その場面を自分の経験から語れるようになったとき、市が掲げた一文は借り物ではなくなります。