羽生市消防本部に関心を持つ方に向けて、組織研究の材料(本部の特徴基礎データ管轄地域の特性と災害リスク消防課題重点方針)と、面接対策の一般的な考え方想定される質問評価の観点を、1ページに整理しました。

消防官の採用面接では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ羽生市消防本部なのか」「79人という体制の中でどう力を発揮したいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。羽生市消防本部は令和8年度、消防職の募集の掲載がありません。そのため本記事は、採用が再開された場合に備えて、確認できている事実だけを整理する構成にしています。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と羽生市消防本部の仕事の接点を考え、これからの準備に役立ててください。

第1部|組織研究編

羽生市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは羽生市消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 羽生市消防本部は、羽生市が単独で設置する消防本部である。管轄区域は羽生市のみとなっている。
  • 羽生市域の消防を担う消防吏員(消防士などの階級を持つ職員)は79人である(令和7年4月1日現在)。
  • 出動件数は令和6年中で火災36件・救急3,145件・救助63件となっている。
  • 本部所在地は羽生市大字藤井下組990番地の1で、羽生市大字上岩瀬718番地の1には西分署が置かれている
  • 内部組織は消防総務課・予防課・警防課および消防署で構成されている
  • 令和8年度羽生市職員採用試験の募集職種は一般事務や土木・建築などで、消防職の区分は設けられていない

羽生市消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「羽生市消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

2拠点・79人という体制で市内全域を受け持つ規模感がつかめるよう、管内人口と高齢化率、職員体制、出動件数を一つの表に並べました。

項目内容
設置形態羽生市が単独で設置(管轄区域は羽生市のみ)
管内人口53,589人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
高齢化率31.3%(同上)
消防吏員数79人 ※令和7年4月1日現在
火災出動件数36件(令和6年中)
救急出動件数3,145件(令和6年中)
救助出動件数63件(令和6年中)
本部所在地羽生市大字藤井下組990番地の1(西分署:羽生市大字上岩瀬718番地の1)

管内人口・高齢化率は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在によります。消防吏員数・出動件数は総務省消防庁の全国消防本部データ検索(羽生市消防本部のページ)によります。所在地・内部組織は羽生市消防本部・消防署の案内ページによります。

数字にみる羽生市消防の特徴

件数を並べると、火災36件に対して救急は3,145件と、消防の活動のほとんどが救急対応にあたっていることがわかります。

79人という体制でこの件数を支えています。

羽生市の高齢化率31.3%は、埼玉県全体の推計値(令和7年時点で27.8%)を上回る水準にあります。

本部と西分署の2拠点で、市内全域をカバーする体制を組んでいる点も押さえておきましょう。内部組織は消防総務課・予防課・警防課および消防署で構成されており、事務・予防・現場活動それぞれの役割を担っています。

「羽生市消防本部は羽生市だけを管轄していて、吏員は79人だと知りました。令和6年の救急出動は3,000件を超えると聞いています。高齢化率も県の平均を上回っていることを踏まえると、限られた人数で増えていく救急需要にどう対応していくかが大事になってくるのではと感じています」

管轄地域の特性と災害リスク

羽生市の地域特性

  • 羽生市消防本部の管轄区域は羽生市のみである。本部(消防総務課・予防課・警防課・消防署)と西分署の2拠点で市内をカバーしている。
  • 管内人口は53,589人、高齢化率は31.3%(いずれも住民基本台帳・令和8年1月1日現在)である。

つまり羽生市消防本部は、高齢化率が県平均を上回る羽生市を、本部と西分署の2拠点・79人という体制で守る単独消防本部だと整理できます。少人数の体制だからこそ、一人ひとりが担う役割の幅広さも特徴のひとつです。

関東平野北西縁断層帯地震のリスク

埼玉県が実施した地震被害想定調査では、関東平野北西縁断層帯地震(深谷断層・綾瀬川断層を一体想定)について、県内で建物全壊(揺れ)53,013棟・(液状化)2,116棟、死者3,599人、避難所避難者144,968人という、県が想定する5つの地震のなかで最大の被害が示されています(30年以内発生確率0.008%以下)。

この想定は県全体を対象とするものですが、内陸の直下型地震への備えという点は、羽生市消防本部の管轄理解にとっても押さえておきたい事実です(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度

羽生市消防本部の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、羽生市消防本部が向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

救急の需要は全国で伸び続けています。令和6年中の救急自動車の出動は771万8,380件で、集計開始以降の最多となりました(出典:令和7年版 救急・救助の現況

羽生市消防本部の令和6年中の救急出動3,145件もこの流れの中にあり、31.3%という高齢化率を踏まえると、今後も高い水準での対応が求められていくと見込まれます

大規模災害への備え

全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が加わる緊急消防援助隊の仕組みのもと、79人という体制の羽生市消防本部も、大規模災害時には近隣本部からの応援を受けながら対応にあたることが想定されます。

本部と西分署の2拠点体制をどう活かすかも、大規模災害時の初動を考えるうえでの視点になります

予防・住宅防火

令和6年中の火災発生は36件です。高齢化率が県平均を上回る地域だからこそ、住宅用火災警報器の普及や、高齢者世帯への予防の呼びかけが重要な意味を持ちます

人材確保と地域防災力

79人という限られた体制で市内全域をカバーする羽生市消防本部にとって、人材の確保は継続的な課題です。

少人数の組織だからこそ、一人ひとりが幅広い役割を担う分、経験を積んだ職員の技術や知識をどう次の世代へ引き継いでいくかも、組織運営上の重要な視点になります

地域住民との日常的な関わりを通じて、地域全体の防災意識を高めていくことも、限られた人数の組織を補う力になります。

重点方針|羽生市の人材育成基本方針と消防

羽生市消防本部が独自に掲げる運営方針や重点計画は、公表資料の中には見当たりません。手がかりになるのは、羽生市人材育成基本方針(令和7年4月)が掲げる目指す職員像です。市の職員全体に向けた方針ではありますが、少人数の消防本部が市役所全体とどうつながっているかを考える材料になります。

目指す職員像(参考)

羽生市人材育成基本方針が掲げる目指す職員像の総括文は、「羽生市への郷土愛と市民感覚を持ち合わせつつ、困難な課題にもチームで解決に果敢に挑む職員」です。これは消防本部に限定した人物像ではなく、羽生市の職員全体に向けた文言である点に注意が必要ですが、チームで課題に挑むという姿勢は、少人数の体制で仕事にあたる消防吏員にも通じるものだといえます。(出典:羽生市人材育成基本方針|令和7年4月

目指す職員像の3項目

総括文はさらに、3つの項目に具体化されています。

項目内容
1コミュニケーション力を生かしてチームワークで仕事ができる職員
2新しい課題へ積極的に挑戦できる職員
3市民満足度志向を持った公正・公平に行動できる職員

羽生市は平成18年に最初の人材育成基本方針を策定し、令和7年4月の改定でこの3項目に更新しました。旧方針の「市民感覚」「新しい課題への挑戦」といった考え方を本質として引き継ぎながら、新しい職員像として整理し直したものです。

POINT|3項目を暗記の対象にしない

3つの項目を丸暗記する必要はありません。自分がこれまでの経験の中で発揮してきた力が、このどれに近いかを考える手がかりとして使いましょう。

悪い例「地域のために働きたいという気持ちだけで、消防官を目指しています」

改善例「部活動でチームメイトとうまくいかない時期がありましたが、話し合いを重ねて役割分担を見直し、大会に臨めたことがあります。羽生市は職員像としてチームワークを大切にしていると知り、少人数の消防本部だからこそ、仲間と支え合いながら現場に向き合える力を活かしたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

掲載ページの見出しと中身の年度がずれて表示される場合もあるため、公式情報を確認する際は、掲載日やファイル名まで見て年度を判断することをおすすめします。次の4点で確認しておきましょう。

  • 羽生市職員採用試験案内(毎年度、募集職種の掲載内容と掲載日を確認)
  • 羽生市人材育成基本方針(令和7年4月・目指す職員像を確認できます)
  • 総務省消防庁「全国消防本部データ検索」羽生市消防本部のページ(吏員数・出動件数を確認できます)
  • 埼玉県地震被害想定調査(関東平野北西縁断層帯地震の想定を確認できます)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、羽生市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。消防官の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

羽生市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

羽生市消防本部の面接の概要

ここからは、羽生市消防本部を志望する場合の一般的な準備の考え方を、確認できている事実の範囲で整理していきます。

令和8年度は消防職の募集がない状況

羽生市は令和8年度、消防職の募集を行っていません。募集職種は一般事務(上級・初級・障がい者)10名程度と、土木・建築・保健師・社会福祉士・管理栄養士各若干名で、消防職の区分は設けられていません。(出典:令和8年度羽生市職員採用試験案内

項目内容
消防職の募集(令和8年度)実施なし
消防吏員数79人 ※令和7年4月1日現在
今後の採用実施の有無・時期は公表されておらず、最新の受験案内でご確認ください
参考|令和7年度の試験構成(実績)第一次=教養試験・作文試験・体力試験・適正検査、第二次=面接試験、第三次=面接試験

参考欄の令和7年度試験構成は総務省消防庁「全国消防本部データ検索」の記載にもとづく過去の実績であり、羽生市公式の受験案内本文では確認できていません。検査名は原典の表記どおり「適正検査」としています。面接の形式(個別・集団の別)も記載がなく、確認できていません。消防職の採用が今後実施されることになった場合は、その年度に公表される受験案内で、試験の段階・面接形式・体力試験の内容を必ず確かめてください。

羽生市消防本部が求める人材

羽生市消防本部として、消防職に特化した「求める人物像」を明文で公表した資料は確認できていません(2026年9月時点・当研究会調べ)。

参考として、第1部5章で紹介した羽生市人材育成基本方針の目指す職員像には、チームワークで仕事ができる職員新しい課題へ積極的に挑戦できる職員公正・公平に行動できる職員という3つの観点があります。

これは消防職に限定した人物像ではなく、羽生市の職員全体に向けた文言である点に注意が必要ですが、79人という小規模な組織で幅広い役割を担う消防吏員にとって、チームで課題に取り組む姿勢は共通して求められやすい要素だと考えられます

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。募集の再開を待つ間に、この型を一つずつ自分の言葉で埋めておくと、いざ試験が始まったときの土台になります。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ羽生市消防本部を志望するのですか?消防官という仕事とこの本部を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。壁にぶつかったときの対処が現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴学生生活で力を入れて取り組んだことは何ですか?物事への取り組み方の筋道を、自分の言葉で説明できるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務と現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

7つの型は面接の骨格として役立ちますが、羽生市消防本部を受ける理由まで踏み込めるかどうかは、次の固有質問への準備で差がつきます。

合否を分けるのは羽生市消防本部に固有の質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官を志望するのですか」
「本部と西分署の2拠点で市内をカバーする羽生市消防本部で、どのように力を発揮したいですか」

2つ目の質問は、羽生市消防本部の体制をどこまで理解しているかを確かめるものです

79人という限られた人数で、本部と西分署の2拠点から市内全域を守っているという事実を、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

数字を並べるだけでなく、その体制のもとで何をしたいのかまで語れることが重要です

質問テーマ知っておきたい羽生市の事実答え方のヒント
管轄地域の理解管内人口53,589人、高齢化率31.3%(詳細は第1部2章・3章)高齢化率が県平均を上回る点を自分の言葉で説明する
救急需要への理解令和6年中の救急出動3,145件、火災はわずか36件(詳細は第1部2章・4章)件数の差を79人という体制の規模とあわせて語る
組織体制への理解本部と西分署の2拠点体制(詳細は第1部1章・3章)少人数の組織で市内全域をどう守っているかを自分なりに説明する
地震リスクへの理解関東平野北西縁断層帯地震(深谷断層・綾瀬川断層を一体想定)の被害想定(詳細は第1部3章)内陸直下型地震への備えという視点を交えて話す
採用状況への理解令和8年度は消防職の募集がなく、一般事務や技術職のみが対象(詳細は第2部1章)募集がない間もこの仕事への関心を持ち続けてきた理由を、自分の言葉で語れるようにする

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防官としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

羽生市消防本部は配点や選考基準を公表していません(2026年9月時点)。試験そのものが現時点で実施されていないこともあり、ここでは一般論としてのコンピテンシー評価、すなわち過去に積み重ねた行動から今後の働き方を確かめる考え方を軸に、評価の観点を整理します。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
チームで取り組む姿勢周囲と協力しながら課題に取り組んだ経験があるか79人という規模の組織で働くイメージと結びつけて説明できるようにする
新しい課題への挑戦未経験の課題に自分から取り組んだ経験があるか結果だけでなく、取り組む姿勢そのものを語れるように整理しておく
公正・公平な行動立場の異なる相手にも誠実に向き合った経験があるか地域住民と直接関わる消防の仕事を意識して具体例を選ぶ

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。79人という小規模な組織を志望する場合はなおさら、自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

準備を進める6ステップ

ここまでの内容を、今の時間を活かした準備の手順に落とし込みます。

79人という体制を支える一員になる日に備えて、今から着実に力を蓄えておきましょう。

焦らず一歩ずつ進めることが大切です。

  1. 羽生市の職員採用試験案内を定期的に確認し、消防職の募集が再開されていないかをチェックする習慣をつける
  2. これまでの経験を棚卸しする。部活動やアルバイト、学業のなかから、チームで課題に取り組んだ具体例を1つずつ用意しておく
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルする。募集が再開されたときにすぐ動けるよう、体力づくりも並行して続けておく

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験者と差をつけるための工程です。募集の予定が立っていない今は焦る必要がないぶん、ステップ2の経験の棚卸しに普段よりも時間をかけて取り組めます。自分のことを語れない状態で羽生市消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

次にいつ試験が実施されるかわからない分、周りの受験者もまだ本腰を入れていない今こそ、差をつけるための準備期間だと捉えることができます。独学で対策を進めたい場合は、羽生市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

消防官の採用面接で問われる可能性がある質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。

羽生市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

羽生市消防本部は、令和8年度は消防職の募集を行っておらず、試験の段階や面接形式について新しい情報はありません。

それでも、本部と西分署の2拠点、79人という体制で羽生市の暮らしを守り続けているという事実に変わりはありません

羽生市人材育成基本方針が掲げる「チームで解決に果敢に挑む職員」という理念と、消防本部の日々の活動がどう重なるのかを、自分なりに考えておくことが今できる準備です。

いつ募集が再開されるかは今の時点ではわかりません。

それでも、羽生市大字藤井下組の本部と大字上岩瀬の西分署という2拠点の体制、そして53,589人の暮らしを支えてきた実績は、これから受験する人にとって変わらない手がかりです。

新しい情報が確認でき次第、当研究会もこの記事を更新していきます。