行田市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴基礎データ管轄地域の特性と災害リスク消防課題重点方針)と、面接本番の流れ想定される質問評価の観点を、1ページに整理しました。

行田市消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ行田市消防本部なのか」「消防職員として何に取り組みたいのか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。行田市消防本部は本署と2つの分署からなる小規模な体制で、採用試験の内容も年度によって変わってきた経緯があり、その実施のされ方自体を正確につかんでおくことが準備の出発点になります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と行田市消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。試験構成が変わりやすい本部だからこそ、最新情報の確認と自己分析の両輪で準備を進めることが大切です。

第1部|組織研究編

行田市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは行田市消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 行田市消防本部は、行田市が単独で設置し運営する消防本部で、本部・本署のほかに北分署・西分署の2つの分署を置いている。
  • 組織は消防総務課・予防課・消防署で構成され、限られた人員で幅広い業務をカバーする体制をとっている。
  • 職員の中核は消防吏員(消防士などの階級を持つ職員)で、108人が在籍している(うち女性5人・令和7年4月1日現在)。中小規模の単独消防本部にあたる体制である。
  • 出動件数は令和6年中で火災34件・救急4,708件・救助107件と、救急が全体の大半を占める。人口規模に対する出動件数の多さが、日々の業務量の実感につながる。
  • 採用試験は市の職員採用ページに掲載される運用で、組合や広域連合ではなく行田市自身が採用主体である。近隣の広域組合方式の本部とは実施の仕組みが異なる。
  • 面接の形式や試験の段階は年度によって変わってきており、令和5・6年度は「集団討論・面接」型、令和7年度は「動画投稿面接試験」からはじまる型と、構成そのものが年を追って変化している。同じ年度の情報でも、公表時期によって内容が更新される場合がある。
  • 令和8年度の消防職採用については、2026年9月時点で市の公式サイトに募集の掲載が確認できない。採用や試験の内容は、実施年度の受験案内で確認する必要がある。市の職員採用ページでは土木・建築・保健師の通年採用試験や職員カムバック採用選考が案内されている。

行田市消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「行田市消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、管内人口、消防署の数、職員体制、出動件数など、本部の規模と仕事量を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
管内人口77,396人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口)
高齢化率33.5%(令和8年1月1日現在)
75歳以上率19.2%(令和8年1月1日現在)
設置形態単独(行田市)
消防署本署・北分署・西分署の3施設
消防吏員数108人(うち女性5人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数34件(令和6年中)
救急出動件数4,708件(令和6年中)
救助出動件数107件(令和6年中)

管内人口・高齢化率・75歳以上率は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在によります。消防吏員数・出動件数は総務省消防庁の全国消防本部データ検索(行田市消防本部のページ)によります。消防署の構成は行田市公式サイトの消防署案内によります。

数字から考えられる行田消防の課題

表で目を引くのは、火災34件に対して救急4,708件という差です。件数の開きはおよそ140倍にのぼり、日々の活動の大部分が救急対応に費やされていることがわかります。

108人という限られた体制の中で、本署と2つの分署に人員を配置しながらこの件数を支えているという規模感を持っておきましょう。救助出動も107件と、火災の34件の3倍を超えている点も見逃せません。

行田市の高齢化率は33.5%、75歳以上率は19.2%(いずれも令和8年1月1日現在)です。高齢化の進行と救急件数の多さを一つの流れとして説明できると、面接での受け答えに説得力が生まれます。

人口約7.7万人という規模のなかで、年間4,700件を超える救急要請が発生しているという事実を、自分の生活実感と重ねて理解しておくことも準備の一歩になります。

「行田市消防本部では、令和6年の1年間で救急の出動が4,700件を超えたと聞きました。火災の件数と比べても救急の比重が圧倒的に大きく、高齢化も進んでいますので、少ない人数でどう対応力を維持していくかが大きな課題だと考えています」

管轄地域の特性と災害リスク

行田市の地理的特性

  • 行田市は埼玉県北部に位置し、熊谷市・鴻巣市など複数の市と隣接する。
  • 本署のほかに北分署・西分署を置き、限られた人員で市域を分担して守る体制をとっている。3施設それぞれが受け持つ区域を意識した配置である。
  • 管内人口は77,396人、高齢化率は33.5%です(前章参照)。近隣の熊谷市とともに、埼玉県北部の生活圏の一角を形成している。

つまり行田市消防本部は、埼玉県北部の平野部に位置し、高齢化が進む8万人弱の都市を、本署と2つの分署で分担して守る本部だと整理できます。地震などの大規模災害リスクと、高齢化に伴う救急需要増加の両方を視野に入れておく必要があります。

埼玉県内で想定される地震リスク

埼玉県が県地域防災計画の前提として用いている地震被害想定調査(平成24〜25年度実施)では、想定する5つの地震のうち被害が最大となるのは関東平野北西縁断層帯地震(深谷断層・綾瀬川断層を一体として想定したもの)です。建物の全壊は揺れによるものが53,013棟、液状化によるものが2,116棟、死者は3,599人、避難所への避難者は144,968人と見積もられています(30年以内の発生確率は0.008%以下)。

県全域を対象とした想定であり、行田市消防本部が受け持つ区域もその範囲に含まれます。(出典:埼玉県地震被害想定調査

県全体で進む超少子高齢化という背景

埼玉県5か年計画は「人類が経験したことのない超少子高齢社会への対応」を県の最大の課題に据え、感染症の拡大や自然災害の激甚化・頻発化への危機管理対応も「待ったなし」と明記しています。(出典:埼玉県5か年計画(ダイジェスト版)

県全体の高齢化率は令和7年で27.8%と推計されており、用いている統計が異なるため単純な比較はできませんが、行田市の33.5%(住民基本台帳)はこれを上回っています。行田市消防本部が向き合う救急需要も、この構造的な変化の延長線上にあります。

限られた人員でこの課題に向き合っていくためには、一人ひとりの職員が幅広い業務に対応できる力を持つことがより重要になっていくと考えられます。

行田市の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、行田市消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

救急出動は全国的に増え続けており、令和6年中は771万8,380件と集計開始以降の最多を更新しました(出典:令和7年版 救急・救助の現況

行田市消防本部の令和6年中の救急出動4,708件もこの流れの中にあり、33.5%という高齢化率を踏まえると、今後も高い水準での対応が求められると見込まれます。108人という体制でこの増加をどう支えていくかが問われています。

大規模災害への備え

前章で確認した関東平野北西縁断層帯地震は、行田市消防本部にとっても大きな備えの対象です。全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が加わる緊急消防援助隊の仕組みは、本署と2つの分署という限られた体制の本部が、管轄を越えた応援体制を理解するうえでの前提になります。

108人という体制だけで大規模災害のすべてに対応することは難しく、広域の応援を受け入れる仕組みを理解しておくことが実務でも重要です。

予防・住宅防火

行田市消防本部の令和6年中の火災発生は34件です。救急に比べて件数は少ないものの、住宅用火災警報器の普及や、地域と連携した予防の呼びかけが日々の活動を支えています。

火災を未然に防ぐ働きかけが実を結んだ結果としてこの件数があるとも読めます。消火の場面だけでなく、予防に携わる仕事の意味を自分の言葉で語れるようにしておきましょう。

また、本署と分署を合わせた限られた人員で予防業務にも当たっていることを踏まえると、一人ひとりの役割の大きさが見えてきます。

限られた人員での体制維持と女性消防吏員の活躍

消防吏員108人のうち女性は5人で、割合は約4.6%と、全国平均(約3.8%・168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)を上回る水準にあります。国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げており(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁、行田市消防本部はこの水準に近づいています。

本署と2つの分署に人員を分担する小規模な体制だからこそ、一人ひとりが担う役割の幅は自然と広くなり、性別を問わず多様な人材の活躍が体制維持のかぎを握ります

今後も限られた採用人数の中で、いかに多様な人材を確保していくかが問われ続けるテーマです。

重点方針|行田市消防本部の採用試験にみる変化と姿勢

行田市消防本部が独自に掲げた運営方針や重点計画は公表資料の中に見当たりません。そこで本章では、採用試験の構成が年度ごとにどう変わってきたかを手がかりに、行田市消防本部が消防職員選考にどう向き合っているかをたどるという進め方をとります。

年度ごとに変化してきた試験構成

行田市消防本部の消防職採用試験は、令和5・6年度は「筆記・体力試験」を第一次に、「集団討論・面接」を第二次に置く2段階の構成でした。ところが令和7年度は、第一次試験に動画投稿面接試験を置き、第二次試験で筆記・体力試験、第三次試験で人物試験を行うという、まったく異なる3段階の構成に変わっています。

数年のうちに段階数も選考の順序も入れ替わっていることから、固定的な試験構成を前提に準備しない姿勢が欠かせません。特に第一次から面接的な要素(動画投稿面接)を課す年度があった点は、筆記試験の対策だけに偏らない準備が必要であることを示しています。

令和8年度の募集は最新の受験案内で確認を

行田市の職員採用ページには、2026年9月時点で消防職の募集は掲載されていません。掲載されているのは「職員カムバック採用選考」や土木・建築・保健師の通年採用試験のみで、消防職の受験案内は公開されていない状況です。

だからといって行田市消防本部が採用を行っていないと決めつけることはできません。採用の実施有無・区分は、必ず実施年度の受験案内で確認する必要があります。

令和5年度から令和7年度までは毎年度、消防職の採用試験が実施されてきた記録が残っており、公表の時期や方法も年度によって異なっています。志望する場合は、市の採用情報ページをこまめに確認する習慣をつけておきましょう。

POINT|試験構成の変化を前提に準備する

行田市消防本部を受験する場合は、①最新の受験案内で当年度の試験構成を確認する → ②動画投稿・筆記・面接など、どの形式が来ても対応できるように自己PRの引き出しを複数用意する → ③本署と分署のどこに配属されても対応できる幅広い適性を意識する → ④体力試験に向けた準備を早期から並行して進める、という順で準備しましょう。

悪い例「体力に自信があるので、消防官を目指しています」

改善例「まずは消防職員として、どんな試験形式にも対応できるよう自分の経験を整理しています。その上で、行田市消防本部は本署と2つの分署で限られた人数の職員が幅広い業務を担っていると理解していますので、どの持ち場でも力を発揮できる職員になりたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

試験構成が年度で変わる本部だからこそ、最新の一次情報にあたる習慣そのものが準備の一部になります。次の4点を確認しておきましょう。

  • 行田市職員採用情報ページ(消防職の募集状況を随時確認)
  • 総務省消防庁「全国消防本部データ検索」行田市消防本部のページ(吏員数・出動件数の最新確認に)
  • 行田市消防本部の組織・消防署の紹介ページ(本署・分署の所在地を含む)
  • 埼玉県地震被害想定調査・埼玉県5か年計画(県全体の防災・行政課題の背景として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、行田市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。行田市消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

行田市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

行田市消防本部の面接の概要

ここからは、行田市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

行田市消防職員採用試験の流れ

試験構成が年度によって大きく変動する本部であるため、特定の年度の形式を固定的な前提として準備しないことが何より重要です。

過去の実績としては、令和5・6年度が「筆記・体力試験」→「集団討論・面接」の2段階、令和7年度が「動画投稿面接試験」→「筆記・体力試験」→「人物試験」の3段階でした。段階の数だけでなく、面接に相当する試験がどの段階に置かれるかも年度で変わっており、情報収集の時点を明確にしたうえで準備を進める必要があります

項目内容
実施主体行田市(人事課所管の職員採用ページに掲載される運用)
令和7年度の構成第一次=動画投稿面接試験、第二次=筆記試験・体力試験、第三次=人物試験
令和5・6年度の構成第一次=筆記・体力試験、第二次=集団討論・面接
面接の種類年度で変動。最新の受験案内・公式サイトでの公表を確認
令和8年度の募集2026年9月時点で掲載を確認できず。実施年度の受験案内で確認
受験資格(令和7年度)大学・短期大学(修業年限2年以上の専門学校を含む)・高等学校を卒業した人又は卒業見込みの人

上記の試験構成は、総務省消防庁「全国消防本部データ検索」に記録された過年度の情報にもとづくものです。行田市消防本部の公式受験案内は募集終了後に削除される運用とみられ、本記事執筆時点で最新版の内容は確認できていません。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。過年度の情報を目安として使う場合も、必ず最新の公式発表で裏付けを取ってください。

行田市消防本部が求める人材

行田市消防本部が「求める人物像」を明文で示した資料は、2026年9月時点では見当たりません。そこで手がかりとなるのが、吏員百人前後の中小規模の単独消防本部に共通しやすい傾向です。

署所が少なく部門間の距離が近いため、経験年数とともに消火・救急・予防・総務と幅広い職務を担いやすい構造があります。特定分野への強い専門志向だけでなく、どの持ち場でも学び直して務める柔軟性と、少人数の当直チームで長時間を共にする上での協調性・信頼関係づくりが問われやすい部分だといえます。

ただし以上は行田市消防本部が公表した選考基準ではなく、同程度の規模の本部に広く見られる特徴をまとめた一般的な整理です。

自分を大きく見せる必要はありません。これまでの経験を、行田市消防本部の日々の業務に引き寄せて語れるかどうかが問われます。

また、本署と2つの分署という体制のなかで、どこに配属されても対応できる幅の広さも、意識しておきたい観点の一つです。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。行田市消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ行田市消防本部を志望するのですか?消防という仕事と行田市という土地を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。壁にぶつかったときの対処が現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴学生生活で力を入れて取り組んだことは何ですか?物事への取り組み方の筋道を、自分の言葉で説明できるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務と現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

この7つの型は面接の骨格として活用できますが、行田市消防本部を受ける理由まで踏み込めるかどうかは、次の固有質問への準備で差がつきます。

合否を分けるのは行田市消防本部に固有の質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官を志望するのですか」
「なぜ行田市消防本部を志望するのですか」

試験構成が年度で変わる本部だからこそ、どの形式で問われてもぶれない志望理由を、あらかじめ自分の言葉で固めておく必要がある質問です。似た仕事との違いや、行田市ならではの事情を、具体的に説明できるように準備しておきましょう。

質問テーマ知っておきたい行田市の事実答え方のヒント
管轄地域の理解管内人口77,396人、本署と北分署・西分署の3施設体制(詳細は第1部2章)限られた人員で分担して守る体制であることを、自分の言葉で説明する
救急需要への理解令和6年中の救急出動4,708件、火災はわずか34件(詳細は第1部2章・4章)件数の桁違いを、高齢化率33.5%という背景とあわせて語れるようにする
大規模災害への理解県内5つの想定地震のうち被害が最大となる関東平野北西縁断層帯地震(詳細は第1部3章)想定の数字を挙げて終わりにせず、少人数の本部として何ができるかまで語る
試験構成の変化への理解令和5〜7年度で段階数・面接形式が変わってきた経緯(詳細は第1部5章)どんな形式にも対応できる準備をしていることを具体的に示す
小規模組織での働き方108人という体制で本署・分署を分担する組織構造(詳細は第1部2章)幅広い業務に前向きに取り組む姿勢を、自分の経験と結び付けて語る。特定の業務だけに固執しない柔軟さを添えるとよい

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

行田市消防本部は面接の配点や評価の基準を公表していません。ここでは公務員試験の選考で一般に用いられるコンピテンシー評価(過去の行動事実から再現性を確かめる考え方)を借りて、観点を整理します。

試験構成が年度で変わる分、どの段階で問われても崩れない一貫した人物像を示せるかが重みを持つと考えられます。以上は公務員試験に共通する見方を借りた整理であり、行田市消防本部が公表している評価基準ではない点にご注意ください。

また、第1部で見た救急需要の増加や、本署・分署という体制の中でどう役割を果たしたいかという視点も、面接の受け答えの土台になります。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
体力・現場対応への適性体力試験を通過し、実際に現場で動ける準備ができているか日頃の運動習慣や体力づくりへの取組を具体的に説明できるようにする
幅広い業務への適応力限られた人員の中で、消火・救急・予防など幅広い業務にどう向き合えるか特定分野に限らず、学び直して対応してきた経験を用意しておく
一貫した志望動機試験形式が変わっても、話す内容にぶれがないか一度話した内容をさらに掘り下げられても答えに詰まらないよう、背景まで整理しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。試験構成そのものが変動する行田市消防本部ではなおさら、自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 実施年度の受験案内を読み、当年度の試験段階・提出書類・面接の形式を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を振り返る。部活動やアルバイト、学業のなかから、自分が主体的に動いた出来事を書き出しておく。試験形式が変わっても使える汎用的な自己PRの材料になる
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。動画投稿形式の可能性も踏まえ、カメラの前で話す練習もしておく。集団討論が課される年度に備え、他の受験者との意見交換の練習も並行して行っておくと安心

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で行田市消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、行田市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

行田市消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。

試験構成が年度で変わる本部だからこそ、どんな形式にも対応できる回答の引き出しを、早めに準備しておくことが安心につながります。動画投稿・集団討論・対面での面接のいずれが課されても、根底にある自分の考えを一貫して語れるようにしておきましょう

行田市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

行田市消防本部の採用試験は、令和5〜7年度で段階数も面接の形式も変わってきており、令和8年度の募集も2026年9月時点では公表されていません。だからこそ、特定の年度の情報を鵜呑みにせず、実施年度の受験案内を必ず確認する姿勢そのものが準備の一部になります。

108人という限られた人数で本署と2つの分署を守り、年間4,700件を超える救急に対応している実態を理解したうえで、どんな試験形式で問われても揺らがない自分の言葉を用意していってください

試験の形式が変わっても、消防職員として何をしたいのかという核の部分は変わりません。組織研究と自己分析の両方を丁寧に積み重ね、当日の面接で落ち着いて自分の言葉を伝えられるよう準備を整えていきましょう。