本記事では、富士見市職員採用試験の面接対策で必要な、富士見市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

富士見市役所の面接試験では、「なぜ富士見市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みを市の仕事でどう活かすのか」といった、市の資料に当たっていないと答えが一般論のまま止まってしまう質問が想定されます。富士見市の採用試験は個別面接が2回あり、第2次試験はWEB方式、第3次試験は対面方式と場面が分かれています。

本記事の掲載内容を参考に、自分の関心と富士見市政のつながりを見つけ、面接での受け答えづくりに役立ててください。

第1部|自治体研究編

富士見市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは富士見市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口113,728人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積19.77km²・人口密度5,753人/km²の市である。
  • さいたま市・ふじみ野市・川越市・志木市と入間郡三芳町に接し、名前の似たふじみ野市とは市域を接する隣同士の関係にある。志望先を書き間違えないよう注意したい。
  • 隣接するふじみ野市の人口は114,461人で、富士見市とは162人差というほぼ同規模(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。ただし面積はふじみ野市14.64km²に対し富士見市19.77km²で、人口密度には差がある。
  • 市役所は大字鶴馬1800番地1(〒354-8511)に置かれている。団体コードは11235-6。
  • 市の花はフジ、市の木はケヤキ。
  • 令和7年国勢調査の速報集計では、埼玉県の人口の93.6%が市部に住んでいる。県内は市に人口が集中する構造にある。
  • 市の職員採用試験は第1次から第3次までの3段階で、第2次がWEB方式の個別面接、第3次が対面方式の個別面接という順で進む(令和8年度前期試験の場合)。

富士見市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、統計値をすべて覚える必要はありませんが、富士見市が県内でどのあたりに位置する規模の市なのかを言えることは重要です。

富士見市は19.77km²に11万人が暮らす高密度の市で、さいたま市や川越市といった大きな市と直接隣り合っています。下の表で市の規模と位置関係を押さえ、埼玉県全体の値と見比べてください。

項目内容
総人口113,728人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積19.77km²
人口密度5,753人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
高齢化率(住民基本台帳)23.8%(令和8年1月1日現在)/75歳以上は14.8%
隣接自治体さいたま市、ふじみ野市、川越市、志木市、入間郡三芳町
市役所所在地〒354-8511 埼玉県富士見市大字鶴馬1800番地1
市の花・市の木フジ・ケヤキ
(参考)埼玉県の市部人口の割合93.6%(令和7年国勢調査速報集計)
(参考)埼玉県の観光入込客数100,204千人(令和5年・うち日帰りが98.1%)
(参考)埼玉県の85歳以上人口約57万人(令和22年の見込み・令和2年比2倍以上)

富士見市の人口・面積・人口密度・隣接自治体・市の花木は、いずれも公表値にもとづいて整理しました(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在の値です)。市の高齢化率は、総務省の住民基本台帳に基づく集計(令和8年1月1日現在)による値です。埼玉県の市部人口の割合・観光入込客数・85歳以上人口は、埼玉県公式サイトが公表する統計資料および計画資料による数値で、富士見市の値ではありません。市の統計の最新値は、富士見市公式サイトであわせてご確認ください。

数字から考えられる市政課題

富士見市の11万人台という規模は、県内では中位に位置します。令和7年国勢調査の速報集計によると、埼玉県では人口の93.6%が市部に住んでおり、市町村別の人口はさいたま市1,345,016人、川口市592,007人、川越市354,793人の順に並びます(出典:令和7年国勢調査 速報集計|令和8年5月公表

この並びのなかで11万人台の市がどう見えるかを考えると、市政の立ち位置がつかめます。政令市や中核市のような目立つ規模ではないぶん、住民一人ひとりとの距離の近さを強みにできる位置にあるということです。

窓口での対応、地域の団体との関係づくり、学校や保育の現場との連携といった、顔の見える仕事が市の色になります

もう一つ、隣接するふじみ野市とほぼ同じ人口でありながら市域の広さが違うという事実も、面接で使える材料です。同じ人数を、より広い土地の上で支えるのか、より狭い土地の上で支えるのか。

この違いは、公共交通の考え方にも、施設の配置にも表れます。

「富士見市は人口が11万人ほどで、埼玉県のなかでは真ん中くらいの規模だと知りました。大きすぎず小さすぎない分、市民の方お一人お一人と近い距離で仕事ができるのではと感じています。まずは窓口でその距離の近さを実感しながら、地域の方と一緒に進める仕事を覚えていきたいです」

富士見市の経済・産業

日帰りが9割を超える県の観光

富士見市だけの産業統計を細かく追う必要はありません。まず知っておきたいのは、市が属する埼玉県の産業の形です。

特徴がはっきり出ているのが観光で、国の共通基準に基づく令和5年の埼玉県の観光入込客数は100,204千人。うち宿泊は1,904千人にとどまり、日帰りが98,299千人と98.1%を占めます(出典:産業と雇用のすがた 観光|令和7年度版

1人当たりの観光消費額単価を見ると、県内からの日帰りが4,484円、県外からの日帰りが6,752円である一方、宿泊は県内16,594円、県外23,573円と差が開きます。泊まってもらえるかどうかで、一人から生まれるお金が3倍から5倍に変わるという構造です。

日帰り中心の県で観光を語るなら、人数を増やす話ではなく、滞在の時間をどう伸ばすかという話に持っていくほうが噛み合います。

暮らしの場としての市の役割

県人口の93.6%が市部に集中しているという事実は、市町村の役割の違いを示しています。人が住む場所と働く場所が分かれる地域では、市の仕事の重心は生産の支援よりも生活の下支えに寄ります。

住まい、保育、学校、道路、ごみ、福祉といった日常の基盤をどれだけ整えられるかが、そのまま市の競争力になるということです。

面接で産業に触れるときは、県全体の数字を紹介して終わりにせず、その数字が市役所のどの部署の仕事につながるのかまで話を運びましょう。観光の話であれば商工や文化の部署、暮らしの基盤の話であれば福祉や都市計画の部署というように、具体的な接続先を思い描いておくと説得力が増します。

数字を語るときの角度

統計を引用するときに大切なのは、大きさより比率です。日帰りが98.1%という数字は、金額の総量よりも「泊まる人がほとんどいない」という構造を教えてくれます。

構造がわかれば、打ち手の方向も決まります。面接で数字を出す前に、その数字が何の構造を示しているのかを一度自分の言葉で言い直してみてください。

富士見市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、富士見市を含む埼玉県内の市町村が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

最も年齢の高い層が急に厚くなること

埼玉県では85歳以上の人口が令和22年(2040年)に約57万人となり、令和2年に比べて2倍以上に増える見込みが示されています(出典:高齢化の状況|令和22年推計

高齢者が増えるという言い方では足りず、最も支援の手が必要な年齢層が短期間で倍になるという理解が要るところです。在宅での生活を支える仕組み、施設の受け入れ、家族への支援まで、市の窓口で扱う相談は質も量も変わっていきます。

この見通しは県全体のものですから、富士見市の現在地も並べて確かめておきましょう。令和8年1月1日現在で住民基本台帳を集計すると、富士見市の高齢化率は23.8%、75歳以上の割合は14.8%となります。

同じ集計による埼玉県全体の27.0%と16.0%を、いずれも下回る水準です。実数でみれば、75歳以上は16,863人にのぼります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在

なお、県について挙げた見通しは推計値であり、住民基本台帳の実績集計とは性格が違います。両者を並べて比較することはできません。

率で見れば県より若い市ですが、面接で使うならその先が要ります。県全体で85歳以上が2倍以上になるという見通しは、富士見市でいえば、いまの1万6千人台の75歳以上がより支援の必要な年齢層へ移っていくということです。

高齢化を率ではなく人数で捉え直し、在宅での生活を支える仕組みを誰に向けて用意するのかまで話せると、答えが具体的になります。

危機への対応が待ったなしとされていること

埼玉県5か年計画は、感染症の拡大や激甚化・頻発化する自然災害など、これまで経験したことのない危機への災害・危機管理対応を「待ったなし」の課題として明記しています(出典:埼玉県5か年計画 ダイジェスト版|令和4年3月

市町村は、県の計画が示す方向を受けながら、自分の市域で具体的にどう動くかを決める立場にあります。計画の言葉を覚えるのではなく、その言葉が現場の何を変えるのかを考えておきましょう。

揺れによる被害が大半を占める地震想定

埼玉県地震被害想定調査で県内最大の被害が想定されるのは関東平野北西縁断層帯地震です。建物全壊は揺れによるものが53,013棟、液状化によるものが2,116棟と想定されており、死者は3,599人と見込まれています(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度

全壊の96%以上が揺れによるものという内訳は、建物そのものの強さが被害を左右することを示していると読めます。耐震化の促進や家具の固定といった地道な施策が、この想定に対する市の現実的な答えになります。

同じ規模の隣接市との比較にさらされること

人口がほぼ同じふじみ野市が隣にあるという条件は、住まいを探す人から見れば比較のしやすさを意味します。子育て支援、保育の待機状況、住宅の価格、交通の便といった条件が、そのまま選択の理由になります。

比較にさらされること自体は悪いことではありません。むしろ、自分の市の強みと弱みをはっきり言葉にできる環境だと捉えるほうが、面接では前向きに響きます。

富士見市の重点政策|埼玉県の計画と富士見市

富士見市の総合計画の内容と最新の予算方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。県の5か年計画の全体像をつかんだうえで、富士見市が公表している人材育成の考え方を重ねて読んでいきます。

埼玉県5か年計画の全体像

「日本一暮らしやすい埼玉へ」を掲げる埼玉県5か年計画(令和4年度から令和8年度)には、2040年を見据えた3つの将来像と12の針路、54の分野別施策が置かれています。県が最大の課題としているのは「人類が経験したことのない超少子高齢社会への対応」です。

県の見通しでは、15歳から64歳の人口が2000年の501万人から2040年の380万人へと縮んでいきます。

県の計画をそのまま市の計画と読み替えることはできません。それでも目を通す価値があるのは、県が全県的な課題として並べた項目のうち、市がどれを自分の重点として選び取ったのかが見えてくるからです。

市の総合計画は、この対比で読むと理解が早くなります。

富士見市が公表する人材育成の考え方

富士見市は「富士見市人材育成基本方針」に基づいて職員の能力開発を進めており、入職年数の浅い職員には「入職3か年人材育成計画」を定めて重点的に研修等を実施し、先輩職員がメンターとして指導にあたるフォローアップも行っていると受験案内で説明しています(出典:富士見市職員採用試験【前期試験】受験案内|令和8年度

採用の段階で育成の枠組みまで公表しているということは、入ってからどう伸びるかを見ている組織だということです。面接では、完成された人物を演じるより、学ぶ姿勢と伸びしろを見せるほうが噛み合います。

POINT|育成の仕組みは志望動機の材料になる

入職3か年人材育成計画やメンターによるフォローアップは、単なる福利厚生の紹介ではありません。3年かけて職員を育てる前提があるということは、面接でも「入って3年で何を身につけたいか」という問いが自然に成立するということです。研修制度を志望理由にするのではなく、その制度を使って自分が何をできるようになりたいのかを語りましょう。

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 富士見市職員採用試験の受験案内(受験する採用区分・職種のもの)
  • 富士見市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
  • 市のハザードマップ(自分が関わる地区の想定を知る材料として)
  • 埼玉県5か年計画、県の統計資料(市政の背景を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、富士見市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。富士見市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

富士見市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

富士見市役所の面接の概要

ここからは、富士見市役所の採用試験の流れと、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

富士見市役所の試験の流れ

令和8年度の前期試験は、第1次試験から第3次試験までの3段階で行われます。第1次試験は筆記と検査、第2次試験と第3次試験がいずれも個別面接です。

特徴的なのは面接の実施方法で、第2次試験はWEB方式、第3次試験は市役所内の会議室での対面方式と、同じ個別面接でも場面が分けられています。

段階内容(令和8年度前期試験・令和9年4月1日採用区分)
第1次試験SPI3(テストセンター方式の能力検査・性格検査)、または教養試験(実地試験)とSPI3性格検査(WEBテスティング)の組み合わせ
第2次試験個別面接による試験(WEB方式)
第3次試験個別面接による試験(対面方式・富士見市役所内会議室)
教養試験を選べる職種一般事務職と一般事務職(障がい者)のみ。それ以外の職種はSPI3による受験となり、申込期間の経過後に試験内容は変更できない
教養試験の内容時事、社会・人文、自然に関する一般知識、ならびに文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する筆記試験
採用予定人数一般事務職および一般事務職(民間企業等職務経験者)は15名程度、一般事務職(情報処理・民間企業等職務経験者)、同(障がい者)、土木技術職、建築技術職は若干名、保育士は3名程度
結果の通知第3次試験の結果は合否に関わらず受験者全員に通知される(ホームページ掲載に加え後日書面で通知、合格者にはメールでも連絡)

申込は電子申請のみで、添付が必要なものは顔写真データと、職種により資格証や手帳等の写しです。教養試験を選んだ受験者は、自署欄に署名した「令和8年度富士見市職員採用試験申込書」と受験票を第1次試験当日に必ず持参する必要があり、忘れた場合は受験できません。

また、富士見市の採用試験を受験できるのは年度内に1回のみで、同時に募集される令和8年10月1日採用区分との併願はできず、申し込める職種も1人につき1つに限られます。

WEB面接の禁止事項に注意

第2次試験のWEB面接について、受験案内は代理受験、第三者の同席、書類やスマートフォンの手元への設置、メモ、撮影、録音、録画、面接内容のインターネット配信を厳禁とし、発覚した場合は採用されない旨を明記しています。手元にカンニングペーパーを置く前提の準備は通用しません。資料を見ずに話せる状態まで仕上げたうえで、通信環境と静かな場所の確保に集中してください。

上記は令和8年度富士見市職員採用試験【前期試験】(令和9年4月1日採用区分)の受験案内にもとづくものです。各試験の配点および人物試験の比重は受験案内に記載がなく、公表が確認できていません。試験結果の開示制度についても受験案内に記載はありません。富士見市は令和9年4月1日採用区分と令和8年10月1日採用区分を同時に募集しており受験案内も別ファイルですので、受験の際は必ずご自身が受ける区分の最新の受験案内をご確認ください。

富士見市役所が求める人物像

富士見市は「富士見市人材育成基本方針」において、求められる人物像を4つ設定しています。①市民の福祉の増進のため、今よりもっとよいサービスがないかを考え、実行できる職員、②自己啓発に強い意欲を持ち、業務に積極的に取り組むことのできる職員、③高いコスト意識と経営感覚を備えた職員、④組織の一員としての自覚を持ち、市民にも職場でも信頼される職員、の4項目です。

加えて、人材育成の基本理念は市名の頭文字を取った形で示されています。「ふ 富士見市民の/じ 充実した日々の実現に向け/み 自ら調べ、自ら考え、行動できる職員」という一文です。

自ら調べる、自ら考える、行動する、という三つの動作が順に並んでいる点が読みどころです。

さらに受験案内は、求める人材像として「富士見市における様々な課題に対して、意欲を持って積極的かつ主体的に取り組み、富士見市のさらなる発展と賑わいの創出に貢献できる人材を求めています」と明記しています。受験案内が積極的と主体的を並べて書いているので、「積極性があります」と書いても、市の言葉をなぞっただけに聞こえます。

誰にも頼まれないうちに調べて動き出した場面と、そこで生まれた変化を挙げてください。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。富士見市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク音声はきちんと届いていますか画面越しでも落ち着いて受け答えできるか
② 動機・志望数ある市役所のなかで、なぜここなのですか比較したうえで選んだ理由になっているか
③ 自己理解直したいと思っている癖はありますか自分を客観視し、改善に手をつけているか
④ 経験・行動誰かに頼らず自分で調べて解決した経験はありますか調べる力と、調べた結果を行動に移す速さ
⑤ 学業・経歴授業以外で自分から学んだことはありますか与えられた課題の外へ出る意欲
⑥ 適性・将来3年後にどんな仕事を任されていたいですか育成の期間を意識した成長のイメージ
⑦ 公共性・社会性限られた予算で優先順位をつけるとしたら何を基準にしますかコスト意識と公共性の両立をどう考えるか

ただし、この7カテゴリーは富士見市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「富士見市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「富士見市役所ならでは」の質問

「なぜ埼玉県庁ではなく、富士見市役所なのですか」
「富士見市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも富士見市を調べていなければその場では形にできない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「富士見市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい富士見市の事実答え方のヒント
市の規模と位置人口113,728人、面積19.77km²、人口密度5,753人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。さいたま市・ふじみ野市・川越市・志木市と入間郡三芳町に接する規模の数字を述べるだけで終えず、政令市と町の両方に接する位置から見える市の役割へ話をつなげます
なぜ県庁ではなく市役所か富士見市が公表する人材育成の基本理念は、市民の充実した日々の実現に向けて自ら調べ、自ら考え、行動できる職員を掲げている県と市の違いを一般論で語らず、市が掲げる基本理念の言葉に自分の経験を重ねて説明します
市の課題埼玉県の85歳以上人口は令和22年に約57万人と令和2年比で2倍以上の見込み。県の5か年計画は災害・危機管理対応を待ったなしの課題としている高齢化と危機管理を別々に語らず、支援が必要な人が増えるなかで災害が起きたらという一つの場面に重ねて話します
隣接市との関係隣のふじみ野市は人口114,461人で富士見市とほぼ同規模だが、面積は14.64km²と富士見市の19.77km²より小さい比較されやすい関係にあることを認めたうえで、富士見市が選ばれる理由をどう増やすかという建設的な角度で述べます
防災・危機管理関東平野北西縁断層帯地震の想定では建物全壊のうち揺れによるものが53,013棟、液状化によるものが2,116棟で、揺れによる被害が大半を占める被害の数を並べるのではなく、揺れが被害の中心である以上、耐震化をどう進めるかという打ち手の話に落とします

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
自ら調べて動けるか誰にも言われないうちに情報を集め、判断した経験を語れるか市の基本理念が自ら調べ、自ら考え、行動できる職員を掲げていることを踏まえ、調べた過程そのものを話せる経験を一つ用意しておく
画面越しでも伝わる話し方第2次のWEB面接で、間の取り方と視線の置き方が安定しているかWEB面接では手元に資料を置くことが禁じられているため、志望動機を紙なしで話す練習を、実際にカメラを起動した状態で行っておく
コスト意識と公共性の両立やりたい施策を語ったときに、財源や優先順位への言及があるか市が求める人物像に高いコスト意識と経営感覚が挙がっていることを踏まえ、自分の提案に必ず「何をやめるか」の視点を添えられるようにしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

言い方ひとつで印象が変わる

NG「富士見市の研修制度が充実していると知り、成長できる環境だと思って志望しました」

改善「最初の3年で、窓口の仕事を通して市民の方の相談の型を覚えたいです。そのうえで、富士見市には入職して3年間の育成計画があると知りましたので、その期間に高齢の方の支援に必要な知識を身につけて、現場で提案できる職員になりたいと考えています」

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 富士見市公式サイトの職員採用ページを定期的に確認し、受験案内が公表されたら保存して、自分が受けるのがどちらの採用区分かを最初に確定させる
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 第1次試験をSPI3で受けるか教養試験で受けるかを決める。教養試験を選ぶ場合は、当日持参する申込書と受験票の準備まで手順に組み込む
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. WEB面接の練習をする。カメラを起動し、手元に何も置かない状態で話す。そのうえで対面での練習も行い、二つの場面の違いに慣れておく

優先順位に注意

ステップ4と5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、ステップ6のWEB面接の練習を優先してください。画面越しの第2次を越えられなければ、対面の第3次にはたどり着けません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、富士見市役所に的を絞った面接想定問答集を活用するのも一つの方法です。

富士見市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

富士見市役所の想定問答集を見る

さいごに

富士見市の採用試験は、個別面接を2回くり返す形で人物を確かめます。しかも1回目は画面越し、2回目は鶴馬の庁舎での対面です。

同じ内容を話すにしても、伝わり方は場面によって変わります。手元に資料を置くことが禁じられている以上、覚え込んだ原稿ではなく、自分の中から出てくる言葉で話せる状態が必要になります。

そのときに支えになるのが、人口113,728人・面積19.77km²という市の輪郭と、市が掲げる「自ら調べ、自ら考え、行動できる職員」という理念です。調べた事実を並べるのではなく、調べた結果として自分が何を考えたのかを語れるかどうか

それが、2度の面接を通して見られているところです。