本記事では、入間市職員採用試験の面接対策で必要な、入間市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

入間市役所の面接試験では、「なぜ入間市で働きたいのか」「市職員として何を変えたいのか」「これまでの経験を市の仕事にどうつなげるのか」といった質問が想定されます。

入間市は採用ページで「公務員試験対策不要」「人物重視の選考」を掲げ、申込者全員に動画投稿面接とエントリーシート試験を課しています。

申し込んだ時点から人物を見る選考が始まっている市だといえます。

本記事の掲載内容を参考に、自分の経験と入間市政の接点を洗い出し、面接と動画の両方で使える材料を用意してください。

第1部|自治体研究編

入間市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは入間市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口142,304人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積44.69km²・人口密度3,184人/km²の市である。
  • 接しているのは狭山市、所沢市、飯能市の3市と、東京都の青梅市および西多摩郡瑞穂町。都県境をまたいで東京都と直接つながる位置にある。
  • 市の花は茶の花、市の木はケヤキ。茶の産地であることが市のシンボルに刻まれている。市は茶畑テラス「茶の輪」の開設を先進的な取組の一つに挙げている。
  • 圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の埼玉県内区間は入間市から幸手市までの延長58.4kmで、全区間が供用を開始している。県内区間の西の端が入間市にあたる。
  • 市役所は〒358-8511 入間市豊岡一丁目16番1号に置かれている(団体コード11225-9)。
  • 市は職員採用ページに「100年後の未来を今、創ろう〜Create the future of Iruma〜」を掲げ、環境・デジタル・福祉・スポーツの各分野で全国や県内に先んじた取組を、市のパーパスの下での施策として紹介している。
  • 令和7年国勢調査の速報結果によると、埼玉県の人口は7,287,169人。大正9年の調査開始以来、はじめて前回調査を下回った(令和2年比0.8%減)。

入間市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、「入間市の大体のスケール感」を押さえておくことは重要です。

入間市を数字で見るときは、人口と面積に、東京都と接する位置や広域道路との関係を重ねると輪郭が出ます。表はその考え方で項目を選びました。

規模を測るときの比較先として、埼玉県全体の数値もあわせて載せています。

項目内容
総人口142,304人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積44.69km²
人口密度3,184人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体狭山市、所沢市、飯能市、青梅市(東京都)、西多摩郡瑞穂町(東京都)
広域交通圏央道の埼玉県内区間(入間市〜幸手市・延長58.4km)の西端にあたる
市役所所在地〒358-8511 埼玉県入間市豊岡一丁目16番1号
市の花・市の木茶の花・ケヤキ
(参考)埼玉県の総人口7,287,169人(令和7年国勢調査速報結果・令和8年5月20日公表)
(参考)埼玉県の県内総生産24兆6,656億円(令和4年度・名目/全国第5位)

入間市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理したものです。埼玉県に関する数値は、県公式サイトの統計資料および計画資料から引用しています。市の統計の最新値は、入間市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から読み取れる市政の論点

人口142,304人に対して面積は44.69km²、人口密度は3,184人/km²です。

県全体の面積が約3,798km²ですから、入間市はその85分の1ほどの土地に14万2千人が暮らしている計算になります。市域はコンパクトで、人口密度は高い部類に入ります。

移動距離が短く、施設も人も近い距離にあります。それは行政サービスを届けやすい条件であると同時に、住宅と農地と工業用地が近接して用途がぶつかりやすい条件でもあります。

もう一つの軸が位置です。

入間市は東京都の青梅市と瑞穂町に接し、圏央道の県内区間はこの市から幸手市まで58.4kmにわたって全区間が供用しています(参考:埼玉県の道路網|圏央道の県内区間

県内の東西を貫く道路の起点側に位置し、都県境にも接している。人と物が県外へ抜けていきやすい場所にある市だということです。

住む場所として選ばれ続けるかどうかが、この立地では常に問われます。面接では、立地と課題を次のようにつないで話すことができます。

「入間市は東京都の青梅市や瑞穂町と接していて、圏央道の県内区間もこの市から始まると知りました。外に出やすい場所だからこそ、住み続けてもらう理由を作る仕事が大事になるのではと感じています。市が茶畑を活かした取組を進めていると聞きましたので、そういう入間市らしい魅力を届ける仕事に関わりたいです」

入間市の経済・産業

製造業の県に置かれた、茶の産地

入間市の経済を考えるときは、県の規模を土台に置くと位置づけがはっきりします。埼玉県の県内総生産(名目)は令和4年度で24兆6,656億円、全国第5位で、この順位は20年連続です。

実質でも24兆467億円と2年連続で増加しました(出典:県民経済計算(産業と雇用のすがた)|令和4年度全国上位の経済規模を持つ県の、東京寄りの一角に入間市はあります

その中で入間市が持っているのが、茶という固有の資源です。

市の花に茶の花が選ばれ、茶畑テラス「茶の輪」が市の先進的な取組として紹介されていることからも、市がこの資源をどう位置づけているかが分かります。

工業の県の中で、農の景観を観光資源に変えようとしている市だと読めます。志望動機で産業に触れるなら、茶の名前を出すだけでなく、茶畑という景観をどう使うかまで踏み込みたいところです。

日帰りの県で、滞在時間をどう作るか

埼玉県の観光入込客数は令和5年で100,204千人。

その内訳は宿泊が1,904千人、日帰りが98,299千人で、日帰りが98.1%を占めています(出典:観光入込客統計(産業と雇用のすがた)|令和5年

1人当たりの観光消費額単価は県外からの日帰り客で6,752円、県外からの宿泊客で23,573円と、3倍以上の開きがあります。

入間市は都県境に接し、圏央道の県内区間の端に位置しています。東京方面から来やすい市だということです。

ただし来やすい市は、帰りやすい市でもあります。茶畑テラスのような滞在型の仕掛けが市の取組として紹介されているのは、この構造への答えの一つでしょう。

観光や産業を志望分野にするなら、来訪者数の話で止めず、来た人にどれだけの時間を過ごしてもらうかという視点まで用意しておいてください。

入間市の主な行政課題

ここまでの内容を踏まえると、入間市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

県が減少に転じた中での選ばれ方

埼玉県の人口は令和7年国勢調査の速報結果で7,287,169人となり、前回調査から57,596人(0.8%)減って、大正9年の調査開始以来はじめて前回を下回りました。

増えたのは県内10市町にとどまり、残る53市町村では減少しています(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計結果|埼玉県

県全体が減少局面に入り、増える自治体が少数派になったということです。東京都と圏央道の双方に接する入間市は、移り住む先としても、出ていく先としても選択肢が多い場所にあります。

だからこそ、住まいや子育て、働く場をめぐる判断が市の人口に直結します。

ヤングケアラーという切り口が示すもの

入間市は、全国で初めてヤングケアラーに特化した条例を制定したことを、市のパーパスの下での先進的な施策として挙げています。

家族の世話を担う子どもという課題は、高齢化と家族構成の変化が交差する場所にあります。埼玉県の高齢化率は、令和2年の時点で27.0%。

65歳以上の人口は約193万人と過去最高を記録しており、県は令和22年(2040年)に33.3%、つまり県民の3人に1人が高齢者になると見込んでいます(出典:埼玉県の高齢化の状況|令和7年・令和22年推計

85歳以上人口は令和22年に約57万人と、令和2年の2倍以上になる見込みです。介護の担い手が家庭の中で若年化していく局面に、市が条例という形で先に手を打ったと読むことができます。

入間市自身の数字も押さえておきましょう。

基準をそろえて住民基本台帳(令和8年1月1日現在)で見ると、入間市の高齢化率は31.4%、75歳以上の割合は18.3%で、同じ基準の埼玉県全体27.0%・16.0%をいずれも上回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在

先に挙げた県の27.0%は国勢調査による値なので、市の数字と直接は比べられません。県の平均より高齢化が先に進んでいる市が、家族の世話を担う子どもという課題に条例で踏み込んだ。

この順序で捉えると、施策の必然性が見えてきます。福祉を志望分野にするなら、条例の名前を挙げるだけでなく、市の年齢構成という背景まで一続きで説明できるようにしておきましょう。

デジタルを使いこなす市役所になれるか

市は、県内で初めて「地域DX推進ラボ」の選定地域に認定されたことも掲げています。

市が求める人物像にも「積極的に新たな技術の習得や行政課題へのチャレンジに取り組める方」という文言が入っており、方向は一貫しています。

採用試験そのものも、申込から動画投稿までオンラインで完結する形です。職員に求める技術との向き合い方が、選考の方法そのものに表れている点は押さえておきたいところです。

働き手が減る中での職員体制

埼玉県の生産年齢人口は平成12年の501万人をピークに、令和22年(2040年)には380万人まで減る見込みです。

県の5か年計画は、県人口が間もなく減少に転じるという見通しのもとで施策を組み立てています。人が減るのは市役所の中も同じです。

入間市が年度内に6月・9月・12月と複数回の採用試験を行い、令和5年度以降に二次試験へ合格した人には同職種の一次試験を免除する仕組みを設けているのも、人材確保の工夫の一つと見ることができます。

受験する側から見れば、年度内のどの回に挑むかという選択が生じるということでもあります。

入間市の重点政策|入間市のパーパスと埼玉県5か年計画

入間市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。入間市が採用の場で打ち出している言葉を出発点に、県全体の計画とどうつながるかまでを一続きで見ていきます。

市が採用ページで掲げる言葉

入間市の職員採用ページの見出しは「100年後の未来を今、創ろう〜Create the future of Iruma〜」です。

そして「入間市のパーパス」の下での先進的な施策として、内閣府のSDGs未来都市への選定、県内初の地域DX推進ラボ選定地域への認定、全国初のヤングケアラーに特化した条例、スポーツ振興まちづくり条例の制定、茶畑テラス「茶の輪」の開設を挙げています(出典:入間市の職員採用・求める人材|令和8年度

並べ方に注目してください。環境、デジタル、福祉、スポーツ、観光と分野はばらばらですが、どれも「先に手を挙げた」という共通点があります。

前例のない領域に早く踏み出すことを市の性格として打ち出しているわけです。

志望動機を組み立てるときは、この5つのどれに自分の関心が近いかをまず決め、そこから具体的な仕事へ話を降ろしていくと筋が通ります。

県の計画との関係

埼玉県の最上位計画は、令和4年度から令和8年度までを期間とする埼玉県5か年計画です。

副題は「日本一暮らしやすい埼玉へ」。県が直面する最大の課題を「人類が経験したことのない超少子高齢社会への対応」と定めています

2040年を見据えた3つの将来像と12の針路、54の分野別施策で構成され、経験したことのない危機への災害・危機管理対応も「待ったなし」と書き込まれています(出典:埼玉県5か年計画|令和4〜8年度

県が挙げる超少子高齢社会という論点に対して、入間市はヤングケアラー条例という具体的な一手で答えています。県の課題と市の施策を重ねて読むと、市がどの順番で手を打とうとしているかが見えてきます。

入間市の採用情報をどこで見るか

入間市の職員採用情報は、市公式サイトの人事課のページにまとめられています。市が公表している選考の特徴は三つ。

「公務員試験対策不要」(職種共通の筆記試験は総合検査SPI3)、「人物重視の選考」(申込者全員と動画投稿面接およびエントリーシート試験を行う)、「オンラインでいつでも申し込み可能」です。

申込フォームには顔写真、卒業証明書または卒業見込証明書の写真、成績証明書の写真をデータで添付し、ファイル名は受験者氏名と書類名を組み合わせる決まりになっています。

どの回の試験かを取り違えない

入間市は年度内に6月試験・9月試験・12月試験を実施しており、回によって募集職種や年齢要件が異なります。本記事で扱う試験の流れは令和8年度9月試験の受験案内に記載された内容です。また、事務職には論文(作文)試験がありません。他の市の構成をそのまま当てはめて準備すると、必要のない対策に時間を使うことになります。受験の際は、必ず最新の受験案内でご自身が受ける回と職種の内容をご確認ください。

悪い例「入間市の魅力を発信する仕事に携わりたいです」

改善例「まずは窓口の仕事で、市民の方の相談を直接うかがうところから始めたいです。その上で、入間市は全国で初めてヤングケアラーの条例を作ったと知りましたので、声を上げにくい人に先に手が届く仕組みを考える仕事にも関わりたいと思っています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 入間市職員採用試験の受験案内(自分が受ける回・職種のもの)
  • 入間市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
  • 入間市のハザードマップ(自分の関わる地区の想定を知る材料として)
  • 埼玉県5か年計画、埼玉県の統計資料(市政の背景を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、入間市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。入間市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

入間市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

入間市役所の面接の概要

ここからは、入間市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、差がつく質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

一次試験の組み立てが示す、この試験の性格

令和8年度9月試験の受験案内によると、入間市の採用試験は2段階です。

一次試験はエントリーシート試験、動画投稿面接試験、筆記試験の三つで構成され、案内には「各試験の間の合否判定は行いません」と明記されています。

三つを一つの関門としてまとめて評価するということです。二次試験は面接試験で、集団面接及び個人面接により行われます。

段階試験種目内容
一次試験エントリーシート試験申込フォームに特技・趣味(100字以内)、自己PR(100字以内)、志望動機(250字以内)、エントリーシート試験2問を入力して提出
動画投稿面接試験申込完了後から指定期日までの間に、動画投稿用ページの案内にしたがい、設問に回答する様子を撮影して送信
筆記試験総合検査SPI3のみ110分。職員としての基礎能力や性格・特徴を多肢択一式により検査
二次試験面接試験集団面接及び個人面接(事務職・土木・建築・電気・機械のうち民間企業等経験者枠は個人面接のみ)

この構成から読み取れることは明確です。一次試験の三つの種目のうち、二つは人物を見る試験です

しかも動画とエントリーシートは申込者全員が対象で、市はこれを「人物重視の選考」と説明しています。筆記は総合検査SPI3のみで、事務職に教養試験・専門試験・論文試験はありません。

市が「公務員試験対策不要」と掲げているのは、この構成を指しています(出典:令和8年度9月試験 入間市職員採用試験受験案内

二次試験で押さえておきたいのは、集団面接と個人面接の両方が行われる点です。

受験案内に集団討論の実施記載はありませんので、討論の練習ではなく、他の受験者と並んだ場で簡潔に話す練習が必要になります。

同じ質問に対して、周囲の答えを聞いた後で自分の言葉を組み立てる場面が生じるからです。

上記は令和8年度9月試験の入間市職員採用試験受験案内および市公式サイトの採用ページに基づく内容です。各試験の配点について、受験案内に記載はありません(非公表)。入間市は年度内に複数回の採用試験を実施し、回により募集職種・年齢要件が異なります。申込の前に、市公式サイトで最新の受験案内をご確認ください。

受験状況から見える通過の実感

入間市は受験状況の結果も公表しています。

令和7年度6月試験の事務職(大学卒)では、申込者120人に対し第1次試験の受験者112人、第1次合格者61人、第2次試験の受験者57人、第2次合格者24人、採用者数11人でした。

同年度の9月試験(事務職・大学卒)は、申込43人、第1次受験30人、第1次合格17人、第2次受験15人、第2次合格6人、採用6人です(出典:令和7年度 入間市職員採用試験受験状況|入間市

6月試験では申込120人のうち第1次を通ったのが61人。およそ半数が一次で残る形です。

エントリーシートと動画と筆記をまとめて評価する関門が、それだけの幅を持っているということでもあります。

一方、第2次合格24人に対して採用は11人ですから、合格の後にも辞退を含めた動きがあります。回によって規模がまったく異なる点も、この数字から読み取っておいてください。

入間市役所が求める人材

入間市は採用ページで、求める人材について次のように述べています。「日々急速に変化する市政を取り巻く環境に対応するため、多様化する市民ニーズ・社会課題への適応力を持ち、積極的に新たな技術の習得や行政課題へのチャレンジに取り組める方を必要としています」

この文で軸になっているのは「適応力」と「新たな技術の習得」の二つです。どちらも、すでに身につけた能力ではなく、これから変わっていける余地を指しています。

過去の実績を語るだけでは、この文言には正面から応えられません。

面接では、環境が変わったときに自分がどう対応したか、あるいは今も何かを新しく学び続けているかを、具体的な場面で示せるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。入間市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日は何時ごろ家を出ましたか身構えていない場面での話し方と、目線の置き方
② 動機・志望他の市ではなくこの市を選んだ理由は何ですか比較したうえで選んだと言えるだけの下調べ
③ 自己理解今、自分に足りないと思うものは何ですか不足を認めたうえで埋めようとしているか
④ 経験・行動環境が急に変わったときに、どう対応しましたか変化の場面での立て直し方と、その速さ
⑤ 学業・経歴最近、新しく覚えたことを一つ教えてください学ぶ習慣が現在も続いているか
⑥ 適性・将来市の仕事のどの分野に一番関心がありますか関心の対象が市の実際の業務と結び付いているか
⑦ 公共性・社会性声を上げにくい人に行政はどう関わるべきだと思いますか届きにくい相手を想像できるかどうか

ただし、この7カテゴリーは入間市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「入間市ならでは」の質問です。

差がつくのは「入間市役所ならでは」の質問

「なぜ埼玉県庁ではなく、入間市役所なのですか」
「入間市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも入間市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、動画と集団面接と個人面接という3つの場で、下調べの差がそのまま出る質問でもあります。こうした質問に答えるための「入間市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい入間市の事実答え方のヒント
市の規模と位置人口142,304人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積44.69km²、人口密度3,184人/km²。東京都の青梅市・瑞穂町に接し、圏央道の県内区間(入間市〜幸手市58.4km)の西端にあたる都県境に接することを「便利だ」で終わらせず、出ていきやすい場所でもあるという両面を押さえて話します
なぜ県庁ではなく市役所か埼玉県は5か年計画で県全体の方向を示す。入間市は市のパーパスの下でヤングケアラー条例など個別の課題に条例で応じている規模の違いを説明するのではなく、条例という手段まで踏み込んだ市の姿勢に触れて、自分が関わりたい領域を名指しします
市の産業と資源市の花は茶の花で、茶畑テラス「茶の輪」の開設を先進的な取組に挙げる。埼玉県の観光は日帰りが98.1%を占める茶を名物として紹介するのではなく、日帰り中心の県で滞在時間をどう作るかという課題として語ります
求める人材採用ページは「多様化する市民ニーズ・社会課題への適応力」と「積極的に新たな技術の習得や行政課題へのチャレンジ」を挙げる適応力という言葉を返すのではなく、環境が変わった場面で自分が何をやめて何を始めたかを具体的に述べます
先進的な取組内閣府のSDGs未来都市選定、県内初の地域DX推進ラボ選定地域への認定、全国初のヤングケアラー特化条例、スポーツ振興まちづくり条例、茶畑テラス「茶の輪」の開設を市が掲げる五つを列挙するのではなく一つに絞り、なぜ市がその分野で先に動いたと思うかまで自分の解釈を添えます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1つか2つに絞り、事実から自分の問題意識、そして市職員として関わりたい仕事までを一息で話せる形にしておくことです。

想定される評価の観点

面接は、市が掲げる適応力とチャレンジという言葉に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
画面越しに伝わる人柄動画投稿面接試験では、相手の反応がない状態で設問に答える様子が評価される市が申込者全員に動画を課している以上、ここは全員が通る関門になる。録って見返し、視線と話す速さを整える作業を早めに始める
短い文で自分を説明する力エントリーシート試験は自己PR100字以内、志望動機250字以内という字数制限のもとで書く先に長く書いてから削るのではなく、250字で言い切れる志望動機を作り、面接ではそこに肉付けする形で話せるようにしておく
集団の場での引き際二次試験は集団面接と個人面接の両方で行われる集団討論の実施記載はないため、討論の練習ではなく、他の受験者と重ならない答えを短時間で選び直す練習をしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 入間市公式サイトの職員採用のページで、今年度のどの回に募集があるかを確認する。6月・9月・12月で募集職種と年齢要件が変わるため、ここが出発点になる
  2. エントリーシートの項目を先に書き上げる。志望動機250字、自己PR100字、特技・趣味100字という制限があるので、字数の中で言い切る形を作る
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、市が掲げる先進的な取組と茶の資源から、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、事実から問題意識、やりたい仕事までを一続きの話に編む
  6. 動画投稿面接の練習を繰り返す。相手のうなずきがない状態で話すため、撮って見返し、間の取り方と表情を調整する作業を何度か重ねる

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2と6の人物試験対策を優先してください。申込者全員が動画とエントリーシートの評価を受ける以上、その二つの出来が悪ければ二次試験の面接まで進めません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、入間市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

入間市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

入間市役所の想定問答集を見る

さいごに

入間市の採用試験は、申し込みの時点から人物を見る仕組みになっています。エントリーシートで文字を書き、動画で話し、二次試験では集団面接と個人面接に臨む。

同じ人物を三つの違う形式で確かめる設計です。筆記は総合検査SPI3のみで、事務職に教養試験も論文試験もありません。

つまり準備の時間は、知識の詰め込みではなく、自分をどう伝えるかに向けられることになります

市が求めると述べているのは、多様化する市民ニーズや社会課題への適応力と、新たな技術の習得や行政課題へのチャレンジに取り組む姿勢です。

全国で初めてヤングケアラーの条例を作り、県内で初めて地域DX推進ラボの選定地域になり、茶畑を訪れる場所に変えた市が、これから入る職員に何を期待しているのか

その問いへの答えを、250字のエントリーシートでも、数分の動画でも、二次試験の面接でも同じ言葉で示せるようにしておきましょう。