本記事では、本庄市職員採用試験の面接対策で必要な、本庄市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
本庄市役所の面接試験では、「本庄市を志望した理由を聞かせてください」「市職員としてどんな役割を担いたいですか」「あなたが大切にしている考え方は何ですか」といった、手書きで提出した自己PRシートの内容を起点に掘り下げる質問が想定されます。本庄市の採用試験は第2次で課題式論文と個人面接を同じ日に行い、第3次でもう一度個人面接を置く構成です。
市の輪郭を数字で押さえ、自己PRシートに書く言葉を選びましょう。その下ごしらえに本記事を役立ててください。
第1部|自治体研究編
本庄市の特徴
準備の出発点として、本庄市がどういう市なのかをひととおり並べておきます。全体像が入っていると、後の数字が意味を持ち始めます。
- 人口76,107人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積89.69km²・人口密度849人/km²の市である。
- 深谷市・児玉郡美里町・上里町・神川町・秩父郡長瀞町・皆野町に加え、群馬県の伊勢崎市・佐波郡玉村町とも接する。県境をまたいで隣り合う、埼玉県北西部の市である。
- 市役所は〒367-8501 埼玉県本庄市本庄三丁目5番3号に置かれている。団体コードは11211-9。
- 職員採用試験は第1次試験(SCOA)から第3次試験までの3段階構成で、面接は第2次と第3次の個人面接の計2回である。
- 第1次試験は、全職種で従来の教養試験・専門試験に代えてSCOAの基礎能力検査と事務能力検査が実施される。
- 第2次試験では、600字60分の課題式論文試験と個人面接が同じ日に行われる。
- 申込者は全員、「自己PRシート【指定様式】」を自書(手書き)で作成し、PDF形式にして提出する。写真を貼る「あなたらしい写真」欄がある。
- 令和8年度(第1回)の一般事務職の募集人数は10名程度である。
本庄市の基礎データ
統計を細かく記憶する必要はありません。面接で効くのは、本庄市がどのくらいの広さに、どのくらいの人が暮らす市なのかという感覚のほうです。
本庄市が置かれているのは、群馬県と境を接する県北の一角です。人口や市域の広さ、どの市町と隣り合っているかを以下の表にまとめ、埼玉県全体の数値も参照できるようにしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 76,107人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 89.69km² |
| 人口密度 | 849人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 深谷市、児玉郡美里町、上里町、神川町、秩父郡長瀞町、皆野町、群馬県伊勢崎市、佐波郡玉村町 |
| 市役所所在地 | 〒367-8501 埼玉県本庄市本庄三丁目5番3号 |
| (参考)埼玉県の面積 | 約3,798km²(全国第39位)。東は茨城・千葉、西は長野・山梨、南は東京、北は群馬・栃木に接する内陸県 |
| (参考)埼玉県内の人口増減 | 令和7年国勢調査速報で、人口が増加したのは10市町、減少したのは53市町村 |
| (参考)埼玉県の製造品出荷額等 | 15兆3,297億円(令和5年・全国第6位、全国シェア4.1%) |
本庄市の人口・面積・隣接自治体は、公表値をもとに整理したものです。埼玉県の面積・市町村別の人口増減・製造品出荷額等は、埼玉県公式サイトに掲載された資料による数値です。市の統計の最新値は、本庄市公式サイトでもあわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。
数字から考えられる市政課題
本庄市の人口密度849人/km²という値には、市政の条件がそのまま表れています。県土を平均すれば1km²あたりおよそ1,900人が暮らす計算になりますから、本庄市はその半分に満たない密度で、人が広く分かれて住んでいる市です。
人が広がって住んでいると、同じサービスを届けるのに距離の負担がかかります。ごみの収集も、除雪も、高齢者の送迎も、移動そのものが費用になります。
そのうえ人口は7万人台ですから、費用を分け合う母数は大きくありません。広い市域と限られた人口という組み合わせが、本庄市の課題の多くを説明します。
本庄市の経済・産業
群馬県と境を接する市として
本庄市は、埼玉県内の6つの市町のほか、群馬県の伊勢崎市と佐波郡玉村町にも接しています。県境の向こう側が生活圏に含まれるということです。
買い物も、通勤も、通院も、県の線引きとは無関係に動きます。
行政の側から見ると、この位置は二重の意味を持ちます。人の流れが県境をまたぐぶん、まちのにぎわいは市の外の影響を受けやすくなります。
同時に、防災や医療、交通といった仕組みの多くは県単位で組み立てられています。暮らしは県境を越え、制度は県で切られています。
この前提を分かったうえで話せる受験者は多くありません。
県土の北の縁、平地と山地のあいだで
埼玉県の面積は約3,798km²で全国第39位。東は茨城・千葉、西は長野・山梨、南は東京、北は群馬・栃木の1都6県に接する内陸県です。
地形は西部の山地と東部の平地に二分され、平地は総面積の約61%を占めます(出典:埼玉県統計年鑑(地勢)|令和2年)。
本庄市が位置するのは、この県土の北の縁です。市が接する自治体を見ても、深谷市や上里町のような平地側の市町と、長瀞町・皆野町のような秩父の山寄りの町が並びます。
89.69km²の市域が、平地と山地の性格の違う地域と接しているということです。産業も防災も、この地形の違いを前提に考える必要があります。
ものづくりの県の、北の一角で
埼玉県の製造品出荷額等は令和5年で15兆3,297億円、全国第6位で全国シェアは4.1%です(出典:埼玉県 産業と雇用のすがた(工業)|令和7年度版)。海に面さない県でありながら、ものをつくる現場が県内に厚く積み上がっています。
県の産業の数字をそのまま市の説明に使うことはできませんが、背景としては知っておく価値があります。働く場が県内にあることは、住む場所として選ばれる条件の一つだからです。
市の仕事のうち、企業への支援や創業の後押しは、この条件を維持する側面を持ちます。働く場と住む場の関係という視点を持つと、産業の話が暮らしの話につながります。
本庄市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、本庄市を含む埼玉県北部の市町が向き合う課題が見えてきます。「市の課題」を問われた場面ですぐ取り出せるよう、次の4つを頭に入れておきましょう。
県内最大の被害が想定される地震
埼玉県の地震被害想定調査では、深谷断層と綾瀬川断層を一体として想定する関東平野北西縁断層帯地震が、5つの想定地震のなかで最も大きな被害をもたらすとされています。建物全壊は揺れで53,013棟、液状化で2,116棟、死者3,599人、避難所避難者144,968人。
30年以内の発生確率は0.008%以下とされています(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度)。
この想定の名前にある深谷断層の「深谷」は、本庄市が接する市の名です。発生確率が低いとされていても、想定される被害の規模は県内で最大です。
防災について語るなら、確率の低さと被害の大きさをどう両立して考えるかという姿勢まで示せると、話の説得力が変わります。市のハザードマップで自分の関心地区を確かめておきましょう。
人口が増える市町と、減る市町村
令和7年国勢調査の速報結果によると、埼玉県内で人口が増加したのは10市町、減少したのは53市町村でした(出典:令和7年国勢調査速報結果(埼玉県)|令和8年5月公表)。県全体が減少に転じるなかで、県内の市町村も同じようには動いていないということです。
本庄市自身の位置も、同じ物差しで確かめておきましょう。住民基本台帳(令和8年1月1日現在)で見ると、本庄市の高齢化率は30.2%、75歳以上の割合は17.0%です。
同じ基準の埼玉県全体は27.0%・16.0%ですから、本庄市は県平均を上回る側にあります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。
隣接する自治体を同じ基準で並べると、上里町29.7%、深谷市30.7%とはほぼ同じ水準である一方、美里町34.9%、神川町34.4%、皆野町40.7%、長瀞町42.0%と、山寄りへ向かうほど数字が跳ね上がります。なお国勢調査にもとづく県の値とは調査が異なるため、直接は比べられません。
本庄市は、県北のこの幅のなかでは比較的踏みとどまっている側の市です。ただし市域は89.69km²あり、市街地と周辺部で状況が同じとは考えにくいところです。
面接で高齢化に触れるなら、市の平均値を述べて終わらせず、どの地区の話をしているのかまで踏み込みたいところです。
人口が増えた市町が10にとどまるという事実が示すのは、人口の維持がもはや自然に達成されるものではないという現実です。住まい、雇用、子育て、教育のどれを強めるかという選択が、そのまま市の将来を左右します。
面接で人口の話をするなら、傾向をなぞるのではなく、限られた資源をどこに寄せるかという判断の話に持っていってください。
広い市域に、施設と人手をどう配るか
89.69km²の市域に7万6千人余りが暮らす本庄市では、施設の配置がそのままサービスの届き方になります。市街地に集めれば効率は上がりますが、遠い地区の住民には届きにくくなります。
分散させれば公平ですが、維持の費用がかさみます。効率と公平のどちらを取るかではなく、どこで折り合いをつけるかという問いが、日々の行政の中にあります。
この折り合いは、数字だけでは決まりません。地区ごとの事情を聞き取り、説明し、納得を得る過程が必要になります。
面接で「市の仕事の難しさ」を問われたときは、この過程の話ができると強くなります。
県境をまたいだ広域の連携
本庄市が接する8つの自治体のうち、2つは群馬県内の市町です。大きな災害が起きたとき、真っ先に助け合える相手が県外にいるという状況は、制度の上では単純ではありません。
救急、消防、道路、河川。どれも県をまたぐと調整の相手が増えます。
一方で、県境が近いことは強みにもなります。人の往来があり、経済のつながりがあり、日常の行き来が生きています。
県境を制約と見るか、資源と見るか。この問いへの自分なりの答えを持っておくと、本庄市を志望する理由に厚みが出ます。
本庄市の重点政策|県北の市として県の計画をどう読むか
本庄市の総合計画の内容と最新の予算・施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認してください。ここでは、市政の背景となる県の計画の考え方と、採用情報の探し方をまとめ、自治体研究の入口をつくります。
県の計画が置いている時間軸
埼玉県5か年計画は、計画期間を令和4年度から令和8年度までとし、その先の2040年を見据えて施策を組み立てています。県が直面する最大の課題として掲げられているのは超少子高齢社会への対応で、そこに災害・危機管理への対応が並びます(出典:埼玉県5か年計画ダイジェスト版|令和4年3月)。
5年の計画で、20年近く先を見据えます。この時間の取り方は、市の計画を読むときにも参考になります。
本庄市の総合計画を開いたら、いつまでに何をするかという期限が、どの施策に置かれているかを見てください。期限が明示されている施策ほど、市が本気で動かそうとしている分野だと読むことができます。
本庄市の採用情報をどこで見るか
本庄市の職員採用試験の情報は、市公式サイトの職員採用のページと、そこから配布される受験案内で確認します。押さえておきたいのは、本庄市は年度によって第2回の試験を実施することがあるという点です。
令和7年度には第2回が実施されました。本記事で扱うのは令和8年度(第1回)の内容ですから、回次を取り違えないよう注意してください。
採用の仕組みも確認しておきましょう。第3次試験の合格者は採用候補者名簿に登載され、成績順に採用が決まります。
また、令和9年3月31日までに高等学校を卒業見込みの人については、第1次試験の合否結果を待たずに第2次試験も実施されます。自分がどの扱いになるかで、準備の組み立てが変わります。
POINT|自己PRシートは、手書きの分だけ時間がかかる
この書類は、パソコンで打って整えるということができません。手書きで書き上げ、読み返し、直すとなれば書き直しという手順を踏むことになります。しかも受験案内は、文字数の不足や写真欄の扱いまで不備の基準として並べています。内容以前に「指定どおりに作れるか」で一度見られるということです。締切から逆算し、別紙で下書きを作ってから清書する段取りを組んでください。書く材料が足りないと気づくのは、たいてい清書を始めてからです。
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、要点を自分の言葉で言い直せるところまで持っていきましょう。
- 本庄市職員採用試験の受験案内(自分が受ける回・職種のもの。自己PRシートの様式と文字数の指定を必ず確認する)
- 本庄市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
- 市のハザードマップ(深谷断層を含む想定と、地区ごとの避難先を確かめる)
- 埼玉県の地震被害想定調査と5か年計画(防災と長期の見通しを知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、本庄市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。本庄市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
本庄市役所の面接の概要
ここからは、本庄市役所の採用試験の流れと、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
本庄市役所の試験の流れ
令和8年度(第1回)の本庄市職員採用試験は、第1次試験、第2次試験、第3次試験の3段階で行われます。特徴は第2次試験の中身です。
600字の課題式論文と個人面接が同じ日に実施され、そのうえで第3次にもう一度個人面接が置かれます。
| 項目 | 内容(令和8年度・第1回) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験(SCOA)→第2次試験(課題式論文試験・個人面接)→第3次試験(個人面接)の3段階 |
| 第1次試験 | SCOAの基礎能力検査(120問60分の択一式。文章読解能力、数的能力、推理判断能力、人文・社会・自然に関する一般知識及び基礎英語)と、事務能力検査(約50分の択一式。職員として必要な能力や適性を有するかどうかについての検査)。テストセンター方式で実施され、全職種が従来の教養試験・専門試験に代えて受験する |
| 第2次試験 | 課題式論文試験(600字・60分の記述式。与えられた課題に対する現状把握力、課題解決力、主体性、論理的思考力、文章表現力を見る)と個人面接。論文は一般事務職(障害者)を除く全職種が対象で、個人面接と同日に実施される |
| 第3次試験 | 個人面接。第2次とあわせて面接は計2回で、いずれも「人物についての個人面接による試験」。集団面接・集団討論の記載はない |
| 自己PRシート | 申込者全員が「自己PRシート【指定様式】」を自書(手書き)で作成し、スキャナー等でPDF形式にして提出する。写真を貼る「あなたらしい写真」欄がある |
| 自己PRシートの不備 | 指定された文字数を満たしていない項目が1つでもある場合、「あなたらしい写真」欄にエントリーフォームの写真を使用している場合や何も貼付けされていない場合、記入内容が不適切と判断された場合は不備として扱われる |
| そのほかの提出書類 | 顔写真(JPEG・6か月以内撮影・上半身脱帽正面向き・縦横比3対4)、入力フォームが不足する人のみ「学歴・職歴・資格等追加様式【指定様式】」、一般事務職(障害者)は手帳の写しと「調査票【指定様式】」、日本国籍以外を選択した人は在留カード等 |
| 募集職種 | 一般事務職10名程度、一般事務職(社会福祉士・精神保健福祉士)若干名、一般事務職(障害者)若干名、技術職(土木)(建築)(機械)各若干名、保健師若干名、保育士若干名 |
| 採用の仕組み | 第3次試験の合格者は採用候補者名簿に登載され、成績順に採用が決定される |
| 高校卒業見込者の扱い | 令和9年3月31日までに高等学校を卒業見込みの人は、第1次試験の合否結果を待たずに第2次試験も実施される |
| 障害者区分への配慮 | 一般事務職(障害者)のうち点字対応試験を希望する人および障害の特性上、特別な配慮を希望する人については、テストセンター方式ではなくマークシート方式により本庄市役所会場で第1次試験を実施する |
| 初任給 | 大学卒247,104円、短大卒231,504円、高校卒214,968円(地域手当を含む。学歴や経歴により加算。令和9年度予定) |
上記は令和8年度(第1回)の本庄市職員採用試験受験案内にもとづくものです。本庄市は年度により第2回を実施することがあり、回次によって募集職種や日程が異なります。各試験の配点・合否決定方法は公表されておらず、公表されているのは第3次合格者を成績順に採用するという運用のみです。受験の際は、必ずご自身が受ける回・職種の最新の受験案内をご確認ください(出典:本庄市職員採用試験受験案内|令和8年度(第1回))。
本庄市役所が求める人物像
本庄市の採用ページと受験案内の本文には、「求める人物像」として整理された記載はありませんでした。ただし、評価の観点を推し量る手がかりは公表されています。
課題式論文試験の説明に、見る力が列挙されているからです。
挙げられているのは、現状把握力、課題解決力、主体性、論理的思考力、文章表現力の5つです。これらは論文の評価項目として示されたものですが、同じ日に個人面接が行われることを踏まえれば、面接での受け答えにも同じ目が向けられると考えるのが自然でしょう。
自己PRでは「努力できます」と述べて終わらせず、現状をどう捉え、何を課題と考え、どう動いたのかという順で語れるようにしておきましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。本庄市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 本庄市には、どのくらい馴染みがありますか | 肩の力が抜けた場面での話しぶり。市との距離感が自然に出るか |
| ② 動機・志望 | 公務員の仕事のどこに魅力を感じましたか | 職業選択の理由が、自分の体験に根を持っているか |
| ③ 自己理解 | 自己PRシートに書いた強みを、改めて説明してください | 手書きで書いた言葉と、口に出す言葉が一致しているか |
| ④ 経験・行動 | うまくいかなかった経験と、その後どうしたかを教えてください | 失敗の扱い方と、そこから何を変えたかという中身 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んだことを、専門外の人に説明するとどうなりますか | 相手に合わせて言葉を選び直せるか |
| ⑥ 適性・将来 | 幅広い業務を任される職場をどう思いますか | 役割が固定されない働き方への理解と構え |
| ⑦ 公共性・社会性 | 地域の行事や活動に関わった経験はありますか | 地域社会との接点と、そこでの立ち位置 |
ただし、この7カテゴリーは本庄市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「本庄市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「本庄市役所ならでは」の質問
どちらも、市を見ていない人には答えの形が作れない質問です。逆に言えば、積み上げた下調べの厚みが、そのまま言葉の細かさとなって表に出る質問でもあります。
こうした問いに答えるための「本庄市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい本庄市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と位置 | 人口76,107人、面積89.69km²、人口密度849人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。深谷市など県内6市町と、群馬県の伊勢崎市・玉村町にも接する | 「自然と街のバランスがよい」で止めず、849人/km²という薄さがサービスの届け方をどう変えるかまで踏み込みます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 県は約3,798km²・約729万人を所管するが、市が向き合うのは89.69km²の市域と約7.6万人の暮らし。一般事務職の募集は10名程度 | 規模の対比で終わらせず、少人数の組織で幅広い仕事を担う覚悟を、自分の経験と重ねて語ります |
| 市の課題 | 県内で人口が増加したのは10市町、減少したのは53市町村(令和7年国勢調査速報)。本庄市の高齢化率は30.2%(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、同じ基準の県全体27.0%を上回る。県の想定地震で最大の被害となるのは深谷断層を含む関東平野北西縁断層帯地震 | 人口と高齢化と防災のうち一つに絞り、市のハザードマップや地区の様子を確かめたうえで、自分にできることを添えます |
| 県境の市であること | 接する8自治体のうち2つは群馬県の市町。暮らしは県境を越えるが、防災や医療の仕組みは県単位で組まれている | 県境を制約としてだけ語らず、往来や経済のつながりという資源の面も挙げて、両面から述べます |
| 試験への向き合い方 | 第1次はSCOA、第2次は600字の課題式論文と個人面接が同日、第3次も個人面接。申込者全員が手書きの自己PRシートを提出する | 手書きの書類と2回の面接という試験の形に対し、自分がどう準備を組み立てたかを行動として説明します |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、公表されている評価項目に照らして、これまで実際にどう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 現状把握力と課題解決力 | 第2次の課題式論文と、同日の個人面接での説明が同じ方向を向いているか | 本庄市の論文は600字と短めです。現状の記述に字数を使いすぎず、課題の設定と打ち手に配分を寄せる練習をしておく |
| 主体性 | 自分から引き受けた場面があるか、その理由を言えるか | 頼まれた話ではなく、自分で決めて動いた場面を一つ選び、決めた理由まで話せるようにしておく |
| 自己PRシートと語りの一致 | 手書きで提出した内容と、2回の個人面接での受け答えが重なるか | 提出前にシートの写しを取り、貼付した「あなたらしい写真」を選んだ理由も含めて説明できるようにしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。本庄市は個人面接が2回あり、しかも第2次では論文と同日ですから、書いた内容との整合も見られます。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 自分が受ける回と職種の受験案内を入手し、自己PRシートの様式と各項目の指定文字数、写真欄の条件を確認する。手書きの書類なので着手は早いほどよい
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、市域の広さと県境という位置から、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 600字を60分で書く練習を重ね、書いた内容を口頭で説明する形に直す。そのうえで個人面接の受け答えを声に出して確かめる
優先順位に注意
ステップ4と5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間が限られているときは、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へつなぐ自己分析を先に片づけてください。自己PRシートに書けることがないまま市の知識だけを増やしても、評価には届きません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、本庄市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
本庄市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
本庄市の採用試験は、手書きの自己PRシートから始まります。文字数の不足や写真欄の不備まで基準が示されているのは、そこを丁寧に扱える人を見たいという意思の表れだと受け取れます。
第1次のSCOAを抜けた先には、600字の課題式論文と個人面接が同じ日に待ち、第3次でもう一度個人面接があります。書いたものと話す言葉を、何度も突き合わせられる試験だということです。
人口76,107人が89.69km²に暮らし、群馬県とも境を接するこの市で、自分は何を見て、何を担いたいのか。まずは自己PRシートの一枚を、時間をかけて書き上げるところから始めてください。