本記事では、戸田市職員採用試験の面接対策で必要な、戸田市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
戸田市役所の面接試験では、「なぜ戸田市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みを市の仕事にどうつなげるのか」といった、市の輪郭をつかんでいるかどうかが表れる質問が想定されます。戸田市の試験は第1次が検査だけで、第2次と第3次に面接が置かれる構成です。
人物を見る時間が後半に厚く取られています。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と戸田市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
戸田市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは戸田市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口142,833人・世帯数71,622世帯・面積18.19km²の市である(いずれも令和8年4月1日現在)。市制施行は昭和41年10月1日で、2026年に市制施行60周年を迎えた。
- 市民の平均年齢は42.9歳で、県内31年連続の若さだと市は公表している。
- 財政力指数は1.218で県内1位。自前の財源で行政を賄える度合いが高い市である。
- さいたま市・朝霞市・川口市・和光市・蕨市と接し、東京都板橋区・北区とも境を接する。都県境をまたぐ市である。
- 職員数は1,028人(令和8年4月1日現在。特別職・再任用短時間職員を除く)。市役所は上戸田一丁目18番1号にあり、団体コードは11224-1。市の花はサクラソウ、市の木はモクセイ。
- 採用案内パンフレットは「夢に向かって漕ぎ出すまち」をキャッチコピーに掲げている。
- 職員採用試験は第1次から第3次までの3段階で、事務職の第2次・第3次はいずれも面接試験である。
戸田市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「戸田市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、財政の力、職員体制など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。あわせて、県全体の数値を比較の手がかりとして並べました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 142,833人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総世帯数 | 71,622世帯(令和8年4月1日現在) |
| 総面積 | 18.19km² |
| 人口密度 | 7,852人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 市民の平均年齢 | 42.9歳(県内31年連続1位の若さ) |
| 65歳以上人口・高齢化率 | 24,353人・17.0%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
| 75歳以上人口・75歳以上率 | 13,430人・9.4%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
| 財政力指数 | 1.218(県内1位) |
| 職員数 | 1,028人(令和8年4月1日現在。特別職・再任用短時間職員を除く) |
| 隣接自治体 | さいたま市、朝霞市、川口市、和光市、蕨市、東京都板橋区、東京都北区 |
| 市の花・市の木 | サクラソウ・モクセイ |
| (参考)埼玉県の財政力指数 | 0.73(令和5年度決算)。経常収支比率は96.2% |
総人口・総世帯数・面積・平均年齢・財政力指数・職員数・市制施行日は、戸田市が公表する2026年度職員採用案内パンフレットによる数値です(令和8年4月1日現在)。隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理したものです(人口密度は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。65歳以上・75歳以上の人口と割合は、総務省が公表する住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値で、国勢調査とは調査が異なります。埼玉県の財政力指数・経常収支比率は令和5年度決算の値です。市の統計の最新値は、戸田市公式サイトであわせてご確認ください。
数字から考えられる市政課題
戸田市の数字で目を引くのは、平均年齢42.9歳という若さと、財政力指数1.218という数値です。いずれも市自身が採用案内パンフレットで県内1位として紹介しています(出典:戸田市職員採用案内パンフレット|2026年度)。
埼玉県全体の財政力指数が令和5年度決算で0.73であることと並べると、この1.218という数字の位置づけが見えてきます(出典:総務省 財政状況資料集(埼玉県)|令和5年度)。
ただし、若さも財政力も、今この時点の状態にすぎません。142,833人が暮らす市を1,028人の職員で支える体制の中で、この状態をどう保つかが市政の課題になります。
たとえば面接では、次のように数字と自分の考えを結び付けられます。
戸田市の経済・産業
財政力指数1.218が示すもの
財政力指数は、市が標準的な行政を行うために必要な経費に対して、自前の税収などでどれだけ賄えるかを示す指標です。1を超えるということは、必要額を自前の財源で上回っているということを意味します。
戸田市の1.218という数値は、市内に税を生む基盤が積み上がっていることの表れです。
面接でこの数字に触れるなら、「財政が豊かな市です」で終えないことです。財源に余裕があるということは、何に使うかの判断がより強く問われるということでもあります。
使い道を選ぶ責任は、財源が細い市よりむしろ重くなります。
東京都と境を接する市であること
戸田市が接するのは、県内のさいたま市・朝霞市・川口市・和光市・蕨市と、東京都の板橋区・北区です。都県境をまたぐ位置にあるため、通勤・通学の流れも、企業の立地の考え方も、東京都の側と切り離しては語れません。
行政の実務でいえば、鉄道やバスの路線、河川の管理、大規模災害時の応援の受け方など、都と県の両方に関わる場面が生じます。制度の線と暮らしの線が一致しないという条件を理解している受験者は、それほど多くありません。
面接で市の位置を語るなら、この点に触れてみてください。
県の産業と財政の規模感
埼玉県の製造品出荷額等は令和5年で15兆3,297億円(全国第6位)、製造業の事業所数は令和6年で13,159事業所、従業者数は385,901人で、事業所数・従業者数はいずれも全国第4位です(出典:産業と雇用のすがた(工業)|令和7年度版)。県として見れば、工場と働く人が数多く集まる地域です。
財政の側から見ると、埼玉県の令和7年度一般会計当初予算は2兆2,308億9,000万円で過去最大となり、県税収入は当初予算額として過去最高の8,794億円が計上されました。県債残高は令和7年度末で3兆5,534億円となる見込みです(出典:埼玉県令和7年度当初予算案の概要|令和7年度)。
県が兆の単位で予算を組む一方、市は市民の生活の場で予算を使います。同じ税金でも、扱う単位と距離が違うのです。
戸田市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、戸田市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
若い市にも必ず訪れる高齢化
埼玉県の高齢化率は令和2年で27.0%、令和7年には27.8%、令和22年(2040年)には33.3%となる見込みです(出典:埼玉県の高齢化の状況|令和2年・推計)。
県全体の人口も、令和7年国勢調査の速報で7,287,169人となり、大正9年の調査開始以来はじめて前回調査を下回りました(出典:令和7年国勢調査速報結果(埼玉県)|令和8年5月公表)。
平均年齢42.9歳の戸田市は、県内では若い市として紹介されていますが、若い市であることは、高齢化が来ないという意味ではありません。むしろ今の現役世代が一斉に年齢を重ねるため、変化は短い期間に集中して表れます。
今のうちに何を用意しておくかという発想は、面接でも語る価値のある視点です。
この「若さ」は、平均年齢だけの話ではありません。総務省の住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値では、戸田市の高齢化率は17.0%で、同じベースの県全体27.0%を10ポイント下回ります。
65歳以上人口は24,353人、75歳以上は13,430人(9.4%)で、県全体の75歳以上率16.0%と比べても大きな開きがあります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省)|令和8年1月1日現在)。
県が国勢調査をもとに示す推計とは調査が異なるため直接は比べられませんが、県内でも際立って若い市であることは、この住民基本台帳の数字からも読み取れます。
問題は、その10ポイントの差がいつまで続くかです。県の高齢化率が令和22年に33.3%へ向かう間、戸田市だけが17.0%にとどまる理由はありません。
いま高齢者が少ないということは、これから増える人がその分だけ多いということでもあります。面接で市の強みに触れるなら、この裏側まで一緒に語れるかどうかが分かれ目になります。
財政の強さを何に使うのか
財政力指数1.218という状態は、他の市に比べて選択の幅が広いということです。しかし選べるということは、選ばなかったものの説明を求められるということでもあります。
埼玉県全体の経常収支比率が96.2%であることを思えば、使い道を自分たちで決められる余地がある市は多くないと分かります。市民に対して優先順位を説明する力が、職員には求められます。
都県境の市としての防災
埼玉県地震被害想定調査の東京湾北部地震(マグニチュード7.3)では、県南東部を中心に建物全壊が揺れで8,127棟、液状化で5,253棟、死者585人、避難所避難者54,180人が想定されています(南関東でのマグニチュード7級地震の30年以内発生確率は70%)(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度)。
揺れによる全壊に迫る規模で液状化の被害が想定されている点が、この想定の特徴です。都県境をまたぐ市では、避難や物資の流れが東京都側とも関わります。
防災を語るなら、市の地域防災計画とハザードマップで自分の住む地区の想定を確認しておきましょう。
1,028人でまちを支える体制
戸田市は職員数1,028人で142,833人の市民の暮らしを支えています。採用案内パンフレットは人事異動について「3年〜5年を目安に人事異動を行っております。様々な業務経験によるスキルアップを目的としています」と説明しています。
つまり数年ごとに担当が変わることを前提に育てる組織です。配属先が変わっても一定の水準で仕事を立ち上げられる人が、組織としては必要になります。
ひとつの分野を極めたいという志望動機だけでは、この仕組みと噛み合いません。異動を前向きに受け止められるかどうかは、面接で確かめられる観点のひとつです。
戸田市の重点政策|「このまちで良かった」みんな輝く未来共創のまち とだ
戸田市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。戸田市が採用の場面で掲げる将来都市像と人材像を並べて読むと、市が職員に期待する役割が浮かび上がります。
市が掲げる将来都市像
戸田市が目指す将来都市像は「『このまちで良かった』みんな輝く未来共創のまち とだ」です。採用案内パンフレットの市長メッセージでも、この実現に向けた挑戦が掲げられています。
この言葉には二つの軸が含まれています。ひとつは「このまちで良かった」という住民の実感、もうひとつは「未来共創」という、これからを一緒につくる姿勢です。
行政が一方的にサービスを提供するのではなく、市民とともに次をつくるという方向が示されています。志望動機を組み立てるときは、自分がどちら側の軸に近い経験を持っているかを考えてみてください。
市が公表している求める人材像
採用案内パンフレットのQ&Aには、「戸田市で求める人材像は?」という問いに対して「柔軟な考えを持ち、自ら行動できる方を求めています。」という回答が掲載されています。短い一文ですが、二つの要素がはっきり示されています。
柔軟な考えとは、前例のとおりに進めるだけでは対応できない場面で、別の道を考えられることです。自ら行動できるとは、指示を待たずに動き出せることです。
人事異動が3年から5年の目安で行われる組織であることを踏まえると、この二つはどの部署に配属されても働ける人という条件の言い換えでもあります。
試験区分の選び方を先に決める
戸田市の試験区分は「上級」「中級」「初級」に分かれ、区分により試験内容は異なりますが、年齢要件を満たせばいずれの区分でも申し込めます。区分の違いで初任給は変わらない一方、入庁後の昇任・昇格の年数が異なり、上級の区分が最も早いと市は説明しています。どの区分で受けるかは、志望動機を練る前に決めておきましょう。
悪い例「区分の違いはよく分からないまま、受けやすそうなところで申し込みました」
改善例「昇任のペースが区分で変わると案内に書かれていたので、上級で受けることにしました。任される仕事の幅が早く広がるほうが、自分には合っていると考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 戸田市職員採用試験の案内ページ(受験する年度・職種のもの)
- 戸田市職員採用案内パンフレット(市の統計・市長メッセージ・Q&Aを収録)
- 戸田市の総合計画・最新の予算資料・広報紙
- 埼玉県の統計資料・地震被害想定(市政の背景を知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、戸田市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。戸田市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
戸田市役所の面接の概要
ここからは、戸田市役所の採用試験の流れと、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
戸田市役所の試験の流れ
2026年度(令和8年度・2027年4月1日採用)の戸田市職員採用試験は、第1次から第3次までの3段階です。特徴は、第1次試験がテストセンターで受ける2種類の適性検査だけで構成され、面接が第2次と第3次に置かれている点にあります。
人物を見る時間が後半に厚く配分された構成です。
| 項目 | 内容(2026年度・2027年4月1日採用・事務職) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験、第2次試験、第3次試験の3段階 |
| 第1次試験 | 適性検査1(SCOA-A)と適性検査2(SCOA-C)をテストセンターで受験 |
| 適性検査1(SCOA-A) | 実社会で必要とされる基礎的な知的能力および学力を総合的に測定する試験。出題分野は「言語」「数理」「論理」「常識」「英語」 |
| 適性検査2(SCOA-C) | 職務を遂行する上での具体的な処理能力を測定する試験。出題分野は「事務能力診断検査」 |
| 第2次試験 | 適性検査3(性格診断・Webテスト)と面接試験 |
| 第3次試験 | 面接試験 |
| 面接の内容 | 「人物についての面接による試験」と記載されています |
| 集団形式 | 事務職にグループディスカッションは課されません(グループディスカッションは消防の第2次試験のみで実施されます) |
| 配点 | 各試験の配点は採用試験案内ページ・パンフレットのいずれにも記載がありません |
| 試験区分 | 「上級」「中級」「初級」。区分により試験内容は異なるが、年齢要件を満たせばいずれの区分でも申込可能。初任給は変わらないが、入庁後の昇任・昇格の年数が異なり「上級」が最も早い |
| 採用予定人員 | 事務(上級行政)20名、事務【福祉】5名、事務【考古】若干名、技術(上級土木)5名、保育士5名、保健師3名、事務【障害者】5名 |
上記は戸田市の2026年度(令和8年度)職員採用試験案内にもとづく市役所職種のものです。戸田市は市役所の職種と消防を同じ採用試験で募集しており、消防のみ試験科目が異なります(グループディスカッション・体力測定)。本記事は市役所職種を対象に整理しています。試験の構成・配点等は年度や職種によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の試験案内をご確認ください。
令和7年度の実施状況
戸田市は前年度の実施状況を採用案内パンフレットで公表しています。職種によって通り方が大きく違うことが分かります。
| 職種 | 受験者 | 最終合格者 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 事務 | 216人 | 25人 | 8.6倍 |
| 事務(経験者) | 17人 | 6人 | 2.8倍 |
| 事務(福祉) | 4人 | 1人 | 4.0倍 |
| 事務(障害者) | 13人 | 1人 | 13.0倍 |
| 保健師 | 17人 | 2人 | 8.5倍 |
| 保育士 | 10人 | 3人 | 3.3倍 |
令和7年度の試験実施状況です(戸田市職員採用案内パンフレットによる)。同パンフレットには消防の実施状況も掲載されていますが、本記事では市役所職種を掲載しています。
事務は受験者216人に対して最終合格者25人で、倍率は8.6倍でした。受験者の9割近くはどこかの段階で不合格になっている計算です。
第1次が検査だけである以上、その先の二度の面接が結果を分けます。年度によって状況は変わりますが、対策の重心をどこに置くかを決める材料にはなります。
戸田市役所が求める人物像
戸田市は求める人材像を採用案内パンフレットで公表しています。「柔軟な考えを持ち、自ら行動できる方を求めています。」という一文です。
抽象度は高いものの、試験の構成と重ねると輪郭が見えてきます。
第1次で基礎的な知的能力と事務処理能力を検査で確かめ、第2次で性格診断と面接、第3次で再び面接という並びは、能力は検査で測り、人物は人の目で二度確かめる設計です。面接対策の言葉に翻訳すれば、「前例のない場面で別の道を考えられること」「指示を待たずに動き出せること」「どの部署でも働けること」の3点が軸になります。
自己PRでは「柔軟に対応できます」と述べるだけでなく、その柔軟さで何を変え、周囲がどう動いたのかまで説明しましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。戸田市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | ここまでの試験を振り返っていかがですか | 張りつめた場面での言葉の選び方と落ち着き |
| ② 動機・志望 | 近隣の市ではなく戸田市を選んだ理由は何ですか | 地理的な近さ以外の理由を語れるか |
| ③ 自己理解 | 自分の性格で、仕事に活きそうな点はどこですか | 自己評価と、検査で示される傾向が矛盾しないか |
| ④ 経験・行動 | やり方を変えて成果につなげた経験はありますか | 前例にとらわれない発想が行動として表れているか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んだことの中で、市の仕事に近いものはありますか | 学びと行政実務を結び付けて考えられるか |
| ⑥ 適性・将来 | 数年ごとに担当が変わる働き方をどう思いますか | 異動を前提とした組織で働く覚悟と、その理由 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 行政の情報発信で改善できる点はありますか | 市民の側に立って行政を見る視点があるか |
ただし、この7カテゴリーは戸田市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「戸田市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「戸田市役所ならでは」の質問
どちらも戸田市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「戸田市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい戸田市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と位置 | 人口142,833人・世帯数71,622世帯・面積18.19km²(令和8年4月1日現在)。さいたま市など県内5市のほか、東京都板橋区・北区とも接する | 都県境をまたぐ市であることに触れ、鉄道や河川や災害時の応援など都と県の両方に関わる場面がある点まで話します |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 県は令和7年度当初予算2兆2,308億9,000万円の規模で県全体を見るが、戸田市は1,028人の職員で14万人余りの暮らしを支える | 規模の対比で終えず、職員1,028人という体制の中で自分がどんな役割を担いたいかを具体的に述べます |
| 市の強み | 市民の平均年齢42.9歳は県内31年連続1位の若さ、財政力指数1.218は県内1位(埼玉県全体は0.73) | 強みを紹介して終えず、その強みが永続しない前提で、今のうちに何を備えるべきかという視点を添えます |
| 市の課題 | 戸田市の高齢化率17.0%は住民基本台帳ベースの県平均27.0%を10ポイント下回る(令和8年1月1日現在)。一方で県の高齢化率は令和22年に33.3%へ向かう | 高齢化を一般論で語らず、いま高齢者が少ない市はこれから増える人が多い市でもある、という読み方を示します |
| 試験への向き合い方 | 第1次はSCOA-AとSCOA-Cの検査のみ。第2次と第3次に面接があり、令和7年度の事務は受験216人・最終合格25人・倍率8.6 | 倍率の高さではなく、二度の面接で同じ人物として一貫して話すためにどんな準備をしたかを述べます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、前述の「求める人材像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 前例のない場面で別の道を考えられること | 「柔軟な考え」に対応する具体的な行動が語れるか | 決められたやり方が通じなかった場面を一つ選び、代わりに何を試したかまで思い出しておく |
| 指示を待たずに動き出せること | 「自ら行動できる」を裏づける経験が出てくるか | 戸田市の第2次・第3次はどちらも面接です。同じ経験を二度、別の角度から話せるように材料を厚くしておく |
| どの部署でも働けること | 3年から5年で担当が変わる働き方への理解が示せるか | 希望する分野を一つ挙げたうえで、他の分野でも活きる自分の強みを言葉にしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。戸田市は面接が二度置かれているため、一度目で話した内容が二度目の起点になることもあります。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新年度の試験案内を読み、自分が上級・中級・初級のどの区分で受けるかを決める(昇任・昇格の年数が区分で異なる)
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、平均年齢42.9歳という若さと財政力指数1.218という条件から、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 声に出して練習する。第2次で話す内容と第3次で掘り下げられる内容を分けて用意し、二度目に厚みが出る構成にしておく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、戸田市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
戸田市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
戸田市の試験は、第1次がテストセンターでの検査だけで、第2次と第3次に面接が置かれています。筆記で差をつけて逃げ切る形ではなく、人物を二度確かめる形の試験です。
市が掲げる将来都市像は「『このまちで良かった』みんな輝く未来共創のまち とだ」でした。平均年齢42.9歳の若い市が、その若さと財政力を持っているうちに何を積み上げておくのか。
令和7年度の事務は受験216人のうち25人が最終合格しました。この25人に入るのは、市の数字を覚えた人ではなく、その数字が何年後にどう変わるかまで考えたことのある人です。