本記事では、所沢市職員採用試験の面接対策で必要な、所沢市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

所沢市役所の面接試験では、「なぜ所沢市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の経験を市の仕事にどう活かすのか」といった、自治体研究の深さがそのまま表れる質問が想定されます。所沢市の事務職は、直近で内容を確認できた令和7年度第1回の試験で、筆記にあたるSPI試験より前に動画投稿型面接が置かれていました。

筆記の勉強が仕上がる前に、話す準備が問われる試験でした。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と所沢市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

所沢市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは所沢市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口342,490人・面積72.11km²・人口密度4,750人/km²の市である(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。
  • 県内40市を人口の多い順に並べると、さいたま市・川口市・川越市に次ぐ4番目にあたる。
  • 入間市・川越市・狭山市・新座市・三芳町に加え、東京都の清瀬市・東村山市・東大和市・武蔵村山市・瑞穂町とも接する。県境の向こう側に、5つの市町が並んでいる。
  • 市役所は並木一丁目1番地の1に置かれている。団体コードは11208-9。市の花は茶の花、市の木はイチョウ。
  • 市は令和7年12月に「所沢市人材育成・確保基本方針」を策定し、求められる職員像を掲げている。
  • 令和7年度第1回職員採用試験の採用予定人員は、事務職(大学卒)25人、保育士25人、保健師5人、精神保健福祉士2人、歯科衛生士2人。
  • 同試験の事務職(大学卒)は第1次から第4次までの4段階で、第1次が動画投稿型面接、第2次がSPI試験という構成であった。

所沢市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「所沢市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、位置関係など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。県全体の数値は、市のスケールを置いて考えるための目盛りとして載せています。

項目内容
総人口342,490人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積72.11km²
人口密度4,750人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
65歳以上人口・高齢化率95,121人・27.8%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)
75歳以上人口・75歳以上率57,104人・16.7%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)
隣接自治体(県内)入間市、川越市、狭山市、新座市、入間郡三芳町
隣接自治体(東京都)清瀬市、東村山市、東大和市、武蔵村山市、西多摩郡瑞穂町
市役所所在地〒359-8501 埼玉県所沢市並木一丁目1番地の1
市の花・市の木茶の花・イチョウ
(参考)埼玉県の面積約3,798km²(47都道府県中第39位)。1都6県に接する内陸県
(参考)埼玉県の高齢化率令和2年27.0% → 令和7年27.8% → 令和22年33.3%(見込み)

所沢市の人口・面積・隣接自治体・市の花木・市役所所在地は、公表値をもとに整理したものです(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。県内40市の人口の順位は、各市の公表値を当研究会が並べて確認したものです。65歳以上・75歳以上の人口と割合は、総務省が公表する住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値で、国勢調査とは調査が異なります。参考欄の埼玉県の数値は、県公式サイトに掲載された資料に基づきます。市の統計の最新値は、所沢市公式サイトであわせてご確認ください。

数字から考えられる市政課題

所沢市の位置を語るうえで欠かせないのが、東京都と接しているという条件です。埼玉県は南を東京都に接する内陸県で、面積は約3,798km²と全国第39位です(出典:埼玉県統計年鑑(地勢)|令和2年

所沢市は、その南の境に位置する市のひとつです。

34万人の人口と、都県境の向こうに5つの市町が並ぶという条件が重なると、人の動きが市域の中でも外でも大きくなることになります。通勤や通学で東京都側へ出る人、逆に市内へ入ってくる人。

どちらの流れも市政の前提です。面接では、次のように市の条件と自分の関心を重ねて話すことができます。

「所沢市は人口が34万人ほどで、東京都の5つの市や町と接していると知りました。都内へ通う方も多い一方で、市内で一日を過ごす方もいます。それぞれに必要なものは違うと思うので、まずは市民の方が普段どこで時間を過ごしているのかを知るところから始めたいです」

所沢市の経済・産業

県内第4位の人口規模が意味すること

所沢市の人口342,490人は、県内40市の中で4番目の規模です。人口が多いということは、必要とされる行政サービスの種類も量も多いということを意味します。

保育、学校、高齢者福祉、ごみ、道路。どの分野も、規模が大きくなるほど例外的な事情を抱えた市民が増えていきます。

制度の説明どおりに収まらない相談が日々持ち込まれる前提で仕組みを回すことが、規模の大きい市の窓口の実際です。

令和7年度第1回の職員採用試験では、事務職と並んで保育士・保健師・精神保健福祉士・歯科衛生士の採用が予定されていました。事務職を志望する場合も、こうした専門職と同じ庁内で、同じ市民を相手に働くことになります。

窓口で受けた相談を誰につなぐのかまで考えられるかどうかは、規模の大きい市ほど効いてきます。

県経済の中での位置

埼玉県の県内総生産(名目)は令和4年度で24兆6,656億円あり、20年連続で全国第5位です(出典:産業と雇用のすがた(県民経済計算)|令和7年度版

この規模の経済を県内の市町村が分担して支えていますが、県の順位そのものは所沢市の説明にはなりません。面接で使えるのは、その中で所沢市がどういう市なのかという部分です。

所沢市について言えるのは、市内で働く人と市外で働く人の両方が暮らしているということです。市の税収も、まちの昼間の姿も、この二つの層の割合に左右されます。

産業について話すなら、県全体の順位を紹介するより、この二層構造から始めたほうが話が具体的になります

都県境という条件

先に見たとおり、所沢市が境を接する自治体は、その半分が別の都県に属しています。日常の暮らしでは意識されにくい線ですが、行政の仕組みは都県ごとに組み立てられています。

広域の交通、河川や道路の管理、大規模災害時の応援体制。いずれも都と県をまたぐ調整が必要になる分野です。

市の仕事を語るときに、この条件を一言添えられると、地図の上で市を見ている受験者だと伝わります

所沢市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、所沢市を含む埼玉県内の市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

34万人規模で進む高齢化

所沢市の高齢化は、すでに具体的な人数として表れています。総務省の住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値では、所沢市の65歳以上人口は95,121人、高齢化率は27.8%で、75歳以上は57,104人(16.7%)です。

同じ住民基本台帳ベースの埼玉県全体は高齢化率27.0%・75歳以上率16.0%ですから、所沢市は県平均をわずかに上回る位置にあります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省)|令和8年1月1日現在

この先どこへ向かうのかは、県の推計が示しています。埼玉県の高齢化率は、令和2年の27.0%から令和7年に27.8%へ進み、令和22年(2040年)には33.3%に達する見込みです。

令和2年時点の高齢者人口は過去最高の約193万人でした(出典:埼玉県の高齢化の状況|令和2年・推計

こちらは国勢調査をもとにした値で、先に挙げた住民基本台帳の数字とは調査が異なるため、割合が近くても直接の比較にはなりません。ただし、県全体が3割超へ向かうという流れの中に所沢市も置かれていることは読み取れます。

面接で効くのは、比率よりも人数のほうです。同じ比率でも、人口規模が大きい市では対象となる人数が大きくなります。

65歳以上が9万5千人を超えるということは、それだけで県内の小規模な市の総人口をまるごと上回る規模の方々を、ひとつの市が支えているということです。34万人の3割が高齢者になるという規模で考えると、必要な体制の量が見えてきます

介護や見守りの担い手をどう確保するかは、市の実務に直結する課題です。率で見れば県平均並みでも、扱う人数では県内の上位にいる市だという読み方ができると、所沢市を自分の目で見てきた受験者らしい答えになります。

確率と被害が一致しない地震の想定

埼玉県の地震被害想定調査では、5つの地震が想定されています。被害が最大となるのは関東平野北西縁断層帯地震で、建物全壊は揺れによるものが53,013棟、死者3,599人、避難所避難者144,968人と想定されていますが、30年以内の発生確率は0.008%以下です。

一方、東京湾北部地震(マグニチュード7.3)は死者585人・避難所避難者54,180人と被害の想定はこれより小さいものの、南関東でのマグニチュード7級地震の30年以内発生確率は70%とされています(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度

起こりやすさと被害の大きさは一致しません。防災を語るときは、どちらか一方だけを見て備えを論じないようにしましょう。

「待ったなし」とされる県の課題

埼玉県5か年計画(令和4年度〜令和8年度)は「日本一暮らしやすい埼玉へ」を掲げ、県が直面する最大の課題を「人類が経験したことのない超少子高齢社会への対応」と位置づけています。あわせて、感染症の拡大や激甚化・頻発化する自然災害への対応も「待ったなし」の課題として明記し、3つの将来像・12の針路・54の分野別施策を設定しています(出典:埼玉県5か年計画(ダイジェスト版)|令和4年3月

所沢市の総合計画を読むときは、この県の課題設定と重なる部分と、市が独自に重く扱っている部分を見分ける読み方をしてください。

人材の育成と確保そのものが課題

所沢市は令和7年12月に「所沢市人材育成・確保基本方針」を策定しました。名称に「確保」が含まれている点に注目してください。

育てることだけでなく、人を集めること自体が方針として掲げられているということです。行政課題が多様化・複雑化し、市民ニーズが高度化する中で、それに対応できる職員をどう確保し続けるか。

受験する側から見れば、市が何に困っているかが採用の方針に表れているということでもあります。

同じ回の採用予定で、事務職(大学卒)と保育士がどちらも25人と並んでいたことも、同じ文脈で読めます(出典:所沢市職員採用試験の実施について(第1回)|令和7年度

事務職と同じ人数の保育士を採用しようとしている市が、どんな分野に人手を必要としているのか。採用予定の数字は、市の重点がどこにあるかを読み取る材料にもなります。

所沢市の重点政策|所沢市人材育成・確保基本方針

所沢市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。所沢市の研究は、令和7年12月に策定された人材育成・確保基本方針を読むところから始めるのが近道です。

市が掲げる「求められる職員像」

所沢市の求められる職員像は、「市民の幸せのために働き、市民に信頼される公務のプロフェッショナル」です。令和7年12月に策定された所沢市人材育成・確保基本方針に基づく理念として掲げられています(出典:所沢市人材育成・確保基本方針|令和7年12月策定

ここでいう「公務のプロフェッショナル」は、方針の中で「豊富な知識と高い倫理観を持ち、市民に寄り添いながら、行政課題の多様化・複雑化、市民ニーズの高度化に的確に対応できる職員」と定義されています。この定義は四つの要素に分けられます。

知識、倫理観、市民に寄り添う姿勢、そして変化への対応力です。面接では、このどれかに自分の経験を重ねられるかどうかが問われます。

行動目標としてのガイドライン

市は、求められる職員像を実現するための具体的な行動目標として「所沢市行政経営のための職員行動ガイドライン」(令和2年度策定)を位置付けています。理念を掲げるだけでなく、日々の行動の水準まで文書にしているということです。

掲げた言葉を職員一人ひとりの動き方へ翻訳する段取りが、あらかじめ用意されているとも言えます。

受験生としては、理念とガイドラインが二段構えになっている点を押さえておけば十分です。「公務のプロフェッショナル」という言葉を、日々の行動にまで落とし込む仕組みがあると理解しておけば、志望動機で理念に触れたときに話が浮つきません。

第1回の流れを、他の回にそのまま当てはめない

所沢市は年度ごとに複数回の採用試験を実施しており、回や年度によって選考の段階や科目が変わる可能性があります。本記事が扱うのは、令和7年度の第1回です。第2回以降や翌年度を受けるなら、同じ流れだと決めてかからず、自分が申し込む回の募集案内で段階と科目を確かめてから準備の順番を決めてください。

悪い例「去年の試験の流れを調べたので、今年も同じだと思っています」

改善例「昨年度の第1回の募集案内で流れを確認したうえで、自分が申し込む回の案内が出てから科目や段階が変わっていないかを見直しました。変わっていた部分は準備の順番も入れ替えるつもりです」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 所沢市職員採用試験の募集案内(受験する年度・回・職種のもの)
  • 所沢市人材育成・確保基本方針(求められる職員像とその定義を掲載)
  • 所沢市の総合計画・最新の予算資料・広報紙
  • 埼玉県5か年計画と県の統計資料(県の課題設定と見比べるために)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、所沢市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。所沢市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

所沢市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

所沢市役所の面接の概要

ここからは、所沢市役所の採用試験の流れと、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

所沢市役所の試験の流れ

令和7年度第1回職員採用試験(令和8年4月1日以降採用)の事務職(大学卒)は、第1次から第4次までの4段階でした。最大の特徴は、第1次試験が動画投稿型面接で、筆記にあたるSPI試験が第2次に置かれていたことです。

4段階のうち第1次・第3次・第4次の3段階が面接系の選考で、筆記にあたるのは第2次だけという配置でした(出典:所沢市職員採用試験募集案内(第1回)|令和7年度

項目内容(令和7年度第1回・事務職(大学卒))
試験の段階第1次試験から第4次試験までの4段階
第1次試験動画投稿型面接(指定期間内にWEB上で実施)
第2次試験SPI試験
第3次試験個別面接
第4次試験①個別面接 ②集団面接
配点各試験の配点は募集案内に記載がありません。どの段階も落とせない前提で準備するのが安全です
申込方法原則としてインターネットによる電子申請。インターネットが利用できない場合のみ郵送が認められる。受験申込書のほか証明書類等が必要
採用予定人員事務職(大学卒)25人、保育士25人、保健師5人、精神保健福祉士2人、歯科衛生士2人
国籍要件日本国籍を有しない人でも「永住者」または「特別永住者」に該当すれば受験可能
合格後の流れ最終合格者は職種ごとに成績順で採用候補者名簿に登載され、欠員の都度逐次採用される。意向確認を経て採用内定となり、採用意向届の提出後の辞退は原則として受け付けられない
他職種の構成(参考)保育士・保健師・歯科衛生士は第1次試験(保育士は動画投稿型面接、保健師は専門試験、歯科衛生士は教養試験。いずれも性格適性検査を併せて実施)と、第2次試験の①個別面接②集団面接という2段階

上記は所沢市の令和7年度第1回職員採用試験(令和8年4月1日以降採用)の募集案内にもとづくものです。令和8年度分の募集案内は、本記事の作成時点では市公式サイトで掲載を確認できていません。掲載されしだい、ご自身が受ける回と区分の構成をご確認ください。

POINT|動画投稿型面接は「撮って見返す」以外に近道がない

動画投稿型面接は、指定された期間内にWEB上で行う形式です。面接官が目の前にいないため、話す速さも、間の取り方も、視線の置き方も、自分で調整するしかありません。しかも令和7年度第1回では、この選考が最初の関門でした。筆記対策を始める時期と、話す練習を始める時期がほぼ同じになるということです。原稿を読み上げる話し方になっていないか、指定の時間に収まっているか。撮影はスマートフォンで足りますから、自分の答えを一度撮って見返す作業は、次の募集案内が出るのを待たずに今日から始められます。

所沢市役所が求める人物像

第1部で見たとおり、所沢市が公表している職員像は「市民の幸せのために働き、市民に信頼される公務のプロフェッショナル」で、その中身は知識、倫理観、市民に寄り添う姿勢、変化への対応力の四つに整理できました。

試験の構成も、この定義と重なります。動画投稿型面接で最初に確かめられるのは、限られた時間で自分の考えを整理して話せるかどうか。

第3次・第4次で重ねて確かめられるのは、その人柄と考えの深さです。面接対策の言葉に翻訳すれば、「学び続けて知識を蓄える姿勢」「市民に寄り添って考える視点」「変化する課題に対応する柔らかさ」の3点が軸になります。

自己PRで「粘り強く続けられます」と言い切るなら、何を粘り強く進め、その結果として周りの状況がどう動いたのかまでをひとまとまりで語れるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。所沢市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク自己紹介を1分程度でお願いします時間の指定に合わせて話をまとめられるか
② 動機・志望数ある自治体の中で所沢市を選んだ理由は何ですか他の市でも成り立つ動機で止まっていないか
③ 自己理解自分に足りないと感じている力は何ですか不足を認めたうえで、埋める行動を取っているか
④ 経験・行動知識が足りない状況で課題に取り組んだ経験はありますか学びながら進める姿勢が行動として表れているか
⑤ 学業・経歴学んだことを、市の仕事のどこで活かせそうですか学びと実務を結び付ける具体性
⑥ 適性・将来どんな職員になりたいか、一言で表してください言葉の選び方に表れる仕事観の輪郭
⑦ 公共性・社会性市民に信頼される職員とは、どんな職員だと思いますか信頼という言葉を自分なりに定義できるか

ただし、この7カテゴリーは所沢市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「所沢市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「所沢市役所ならでは」の質問

「なぜ埼玉県庁ではなく、所沢市役所なのですか」
「所沢市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも所沢市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「所沢市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい所沢市の事実答え方のヒント
市の規模と位置人口342,490人は県内40市で4番目。面積72.11km²、人口密度4,750人/km²で、東京都の5市町と接する(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)規模の紹介で終えず、都県境をまたぐ人の動きが市政の前提になっているという読み方まで示します
なぜ県庁ではなく市役所か県は約3,798km²の県域全体を見るが、所沢市は34万人の暮らしに窓口や現場で直接向き合う役割の違いの説明で終えず、34万人規模の市で自分が関わりたい分野を一つに絞って述べます
市の求める職員像令和7年12月策定の人材育成・確保基本方針が「市民の幸せのために働き、市民に信頼される公務のプロフェッショナル」を掲げる理念を引用して終えず、知識・倫理観・寄り添う姿勢・変化への対応のどれに自分が近いかを経験で語ります
市の課題所沢市の65歳以上人口は95,121人・高齢化率27.8%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、同じベースの県平均27.0%をわずかに上回る比率ではなく人数で考える姿勢を見せ、9万5千人を支えるために必要な体制の量に話をつなげます
試験への向き合い方令和7年度第1回の事務職は4段階のうち3段階が面接系の選考で、その入り口が動画投稿型面接。筆記にあたるSPI試験は第2次だけ面接系の選考が最初に来る構成に触れ、話す準備を早い時期から始めたという行動で答えます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「求められる職員像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
学び続けて知識を蓄える姿勢「豊富な知識」という要素に、続けている行動が伴っているか所沢市は求められる職員像の定義に知識を挙げています。関心分野について、いつ何を調べ続けているかを具体的に言えるようにしておく
市民に寄り添って考える視点相手の事情を踏まえて動いた経験が語れるか34万人規模の市では、同じ制度でも受け取り方が人によって違います。誰かの事情に合わせて説明を変えた経験を用意しておく
変化する課題に対応する柔らかさ想定と違う状況になったときの立て直し方が示せるか令和7年度第1回は第1次が動画投稿型面接でした。画面越しでも伝わる話し方を、実際に撮って確かめておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。所沢市の令和7年度第1回のように面接の機会が複数置かれる構成では、同じ経験を別の面接官に語る場面が生じます。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 受験する年度・回の募集案内を入手し、選考の段階と科目が前年度から変わっていないかを確認する。まだ公表されていない時期なら、令和7年度第1回の構成を仮置きにして準備を始めてかまわない
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、県内4番目の人口規模と東京都に接する位置から、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に自分を撮影して話し方を確認する。画面越しで伝わるか、時間内に収まっているかを自分の目で確かめておく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、所沢市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

所沢市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

所沢市役所の想定問答集を見る

さいごに

所沢市が掲げているのは「市民の幸せのために働き、市民に信頼される公務のプロフェッショナル」という職員像でした。令和7年12月に策定された方針には「確保」という言葉も入っています。

人を育てることと集めることを、市が同じ方針の中で扱っているということです。令和7年度第1回の事務職は、4段階の入り口が動画投稿型面接でした。

話す準備を後回しにできない試験です。人口342,490人、面積72.11km²、東京都の5市町と接する市で、自分は誰の何に応えたいのか。

年度によって試験の形は変わりますが、その問いへの答えは、どんな形式でも必要になります。