本記事では、幸手市職員採用試験の面接対策で必要な、幸手市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
幸手市役所の面接試験では、「なぜ幸手市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みを市の仕事でどう活かすのか」といった、市の姿を自分の言葉で説明できるかを確かめる質問が想定されます。幸手市の第2次試験は面接だけで構成されており、一度の個別面接が最後の関門になります。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と幸手市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
幸手市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは幸手市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口48,522人・面積33.93km²・人口密度1,430人/km²の市である(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。
- 久喜市と杉戸町のほか、千葉県野田市、茨城県五霞町とも接する。埼玉・千葉・茨城の3県が近接する位置にあり、市の境がそのまま県の境になっている区間を持つ。
- 圏央道の埼玉県内区間は入間市から幸手市までの58.4kmで、幸手市は県内区間の東の端にあたる。
- 市役所は東四丁目6番8号に置かれている。団体コードは11240-2。市の花はサクラ、市の木はマキ。
- 市は職員採用試験の受験案内の表紙に、キャッチコピー「きっと、ずっと、幸手」を掲げている。
- 令和8年度の募集職種は一般事務(大学卒・短大卒・高校卒)、保健師、学芸員(日本近世史)、一般事務・情報処理(職務経験者)、建築士(職務経験者)で、採用予定人数はいずれも若干名。
- 採用試験は第1次・第2次の2段階で、第2次試験は全職種共通の面接試験のみで構成される。
幸手市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「幸手市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、位置関係など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。市の規模感をつかむための物差しとして、埼玉県全体の数値も併記しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 48,522人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 33.93km² |
| 人口密度 | 1,430人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 65歳以上人口・高齢化率 | 17,418人・35.9%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
| 75歳以上人口・75歳以上率 | 10,255人・21.1%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
| 隣接自治体 | 久喜市、北葛飾郡杉戸町、千葉県野田市、茨城県猿島郡五霞町 |
| 市役所所在地 | 〒340-0192 埼玉県幸手市東四丁目6番8号 |
| 市の花・市の木 | サクラ・マキ |
| (参考)埼玉県の総人口 | 7,287,169人(令和7年国勢調査速報。大正9年の調査開始以来はじめての減少) |
| (参考)県内で人口が減った市町村 | 53市町村(増えたのは10市町・令和7年国勢調査速報) |
| (参考)埼玉県の高齢化率 | 令和2年で27.0%。令和22年(2040年)には33.3%に達する見込み |
幸手市の人口・面積・隣接自治体・市の花木・市役所所在地は、公表値をもとに整理したものです(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。65歳以上・75歳以上の人口と割合は、総務省が公表する住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値で、国勢調査とは調査が異なります。埼玉県の数値は県公式サイトの公表資料によります。市の統計の最新値は、幸手市公式サイトであわせてご確認ください。
数字から考えられる市政課題
令和7年国勢調査の速報で、埼玉県の人口は7,287,169人となり、前回調査から0.8%減りました。県内で人口が増えたのは10市町、減ったのは53市町村です(出典:令和7年国勢調査速報結果(埼玉県)|令和8年5月公表)。
県全体では、増える自治体より減る自治体のほうがはるかに多い局面に入っています。
人口5万人に満たない市では、この局面が具体的な形で表れます。窓口の一つひとつ、行事の一つひとつを、少ない職員数で回さなければなりません。
幸手市の採用予定人数がどの職種も若干名であることは、そのまま「一人が担う範囲が広い」ことを意味します。たとえば面接では、次のように市の規模と自分の姿勢を結び付けられます。
幸手市の経済・産業
3県が近接する県境の市という条件
幸手市が接するのは、県内の久喜市と杉戸町、そして千葉県野田市と茨城県五霞町です。市の境の一部が、そのまま県の境になっているということです。
買い物や通勤で県をまたぐ人がいる一方、行政の制度は県ごとに組み立てられています。この条件は、災害時の応援の受け方から、広域のごみ処理や医療の連携まで、幅広い場面で効いてきます。
道路の面では、圏央道の埼玉県内区間が入間市から幸手市までの58.4kmで、全区間が供用開始済みです。県内には東北自動車道・関越自動車道・常磐自動車道・東京外環自動車道もあり、幸手市は圏央道の県内区間の東端という位置にあります(出典:埼玉県の道路網|令和3年時点)。
人と物が通り抜ける道が市域の近くを走ることは、企業立地の可能性にも、通過交通の負担にもつながります。
県の産業構造の中で
埼玉県の県内総生産(名目)は令和4年度で24兆6,656億円と全国第5位で、この順位は20年続いています(出典:産業と雇用のすがた(県民経済計算)|令和7年度版)。
県土は西の山地と東の平地に大きく分かれ、平地が総面積の約61%を占めます。県全体の面積は約3,798km²で、全国では第39位です(出典:埼玉県統計年鑑(地勢)|令和2年)。
幸手市は、この東側の平地に位置する市です。
平地が広がる地域では、土地の使い方が市の性格を決めます。農地として使うのか、住宅にするのか、産業用地として整えるのか。
33.93km²の市域に5万人弱が暮らす幸手市の人口密度は1,430人/km²で、市街地が連なる県南部の市とは土地の使い方の前提が異なります。限られた面積の中で何を優先するかという判断は、面接で「まちづくり」を語るときの具体的な論点になります。
学芸員を職種として置いている市
幸手市の令和8年度の募集職種には、学芸員(日本近世史)が含まれています。一般事務や保健師と並んで専門職の枠が置かれているということは、市が地域の歴史資料を扱う仕事を必要としているということです(出典:幸手市職員採用試験受験案内|令和8年度)。
一般事務で受験する場合も、この募集の存在は覚えておく価値があります。市が何に人を割いているかは、その市が何を大事にしているかの表れだからです。
志望動機で「幸手市の魅力」に触れるなら、観光地の名前を挙げるより、こうした市の姿勢から入るほうが説得力が出ます。
幸手市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、幸手市を含む埼玉県内の市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の3つを押さえておきましょう。
高齢化の進行と担い手の確保
埼玉県の高齢化率は令和2年で27.0%、高齢者人口は過去最高の約193万人でした。令和7年には27.8%、令和22年(2040年)には33.3%となる見込みで、県の5か年計画は2040年に県民の3人に1人が高齢者になると記載しています。
75歳以上の人口は令和7年に約121万人、令和32年(2050年)には約146万人に達する見通しです(出典:埼玉県の高齢化の状況|令和2年・推計)。
介護や見守りの需要が増える一方、それを支える人手は細ります。人口規模の小さい市ほど、この綱引きは厳しくなります。
ただし幸手市にとって、これは将来の話ではありません。総務省の住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値では、幸手市の高齢化率は35.9%、65歳以上人口は17,418人で、75歳以上も10,255人(21.1%)にのぼります。
同じ住民基本台帳ベースの埼玉県全体が高齢化率27.0%・75歳以上率16.0%ですから、幸手市は県全体を9ポイント近く上回る水準です(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省)|令和8年1月1日現在)。
県が2040年の姿として描く「3人に1人が高齢者」という状態に、幸手市はすでに達しているということです。なお、県の推計は国勢調査をもとにした値であり、この住民基本台帳の数字とは調査が異なるため、直接比べることはできません。
この差は、そのまま面接で語れる材料になります。県の課題を一般論としてなぞるのではなく、自分が受ける市ではそれがすでに日々の窓口の現実になっている、という前提から話を組み立てられるからです。
採用が若干名という体制で、市民のおよそ3人に1人が65歳以上という状況に何から手をつけるか。そこに自分の考えを乗せられるかどうかが、他の受験者との差になります。
県東部で想定される地震の被害
埼玉県地震被害想定調査は5つの地震を想定しています。このうち東京湾北部地震(マグニチュード7.3)では県南東部を中心に建物全壊が揺れで8,127棟・液状化で5,253棟、死者585人、避難所避難者54,180人と想定されています(南関東でのマグニチュード7級地震の30年以内発生確率は70%)(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度)。
県東部に位置する幸手市にとっても、無関係な想定ではありません。防災を語るなら、市のハザードマップで自分の住む地区の想定を確かめたうえで話しましょう。
県境をまたぐ生活圏への対応
埼玉県5か年計画は「日本一暮らしやすい埼玉へ」を掲げ、超少子高齢社会への対応を最大の課題としたうえで、感染症の拡大や激甚化・頻発化する自然災害への対応も「待ったなし」の課題として明記しています(出典:埼玉県5か年計画(ダイジェスト版)|令和4年3月)。
幸手市の場合、これらの課題に県境という条件が重なります。隣の市町が別の県に属しているという状況では、避難の受け入れも、日常の生活サービスも、県内の自治体同士とは違う調整が必要になります。
市の仕事を語るときに、この一言を添えられる受験者は多くありません。
幸手市の重点政策|「きっと、ずっと、幸手」と目指す職員像
幸手市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。まずは、幸手市が採用の場面で世に出している言葉を読み込むところから始めます。
受験案内の表紙に掲げられた言葉
幸手市は職員採用試験の受験案内の表紙に、キャッチコピー「きっと、ずっと、幸手」と、目指す職員像を並べて掲げています。目指す職員像は「幸手を愛し、市民のしあわせのために何事にも積極的にチャレンジする職員」です。
この一文は三つの要素に分けられます。幸手を愛すること、市民のしあわせのために働くこと、何事にも積極的にチャレンジすること。
面接では、この三つのどれか一つでも、自分の経験と具体的に結び付けて話せるかどうかが問われます。「幸手を愛しています」と言うだけでは足りません。
市域のどこを見て、何を知り、何を残したいと思ったのかまで話せて、はじめて言葉に体重が乗ります。
POINT|「目指す職員像」は3つに分けて使う
目指す職員像を丸暗記して唱えても評価にはつながりません。三つの要素それぞれに、自分の経験を一つずつ割り当ててみてください。市域を歩いた経験、誰かの困りごとに関わった経験、うまくいく保証がないことに手を挙げた経験。三つそろえば、志望動機と自己PRの骨格ができます。
悪い例「幸手市が目指す職員像に共感しました。私も積極的にチャレンジできる職員になりたいです」
改善例「大学の実習で高齢の方の話を聞く機会があって、困りごとを言い出せない方が多いと知りました。幸手市でも、待つのではなく自分から出向いて声をかける動き方をしてみたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 幸手市職員採用試験の受験案内(受験する年度・職種のもの。目指す職員像も表紙に記載)
- 幸手市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
- 市のハザードマップ(自分の住む地区の想定を確かめる材料として)
- 埼玉県5か年計画・県の統計資料(市政を取り巻く環境を知るために)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、幸手市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。幸手市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
幸手市役所の面接の概要
ここからは、幸手市役所の採用試験の流れと、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
幸手市役所の試験の流れ
令和8年度の幸手市職員採用試験は、第1次試験と第2次試験の2段階です。第1次で教養試験・職場適応性検査・作文試験の3科目を課し、第2次は全職種共通で面接試験だけという構成になっています。
書く力と読み解く力を先に確かめ、最後に人柄を見るという順序です。
| 項目 | 内容(令和8年度・一般事務) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験と第2次試験の2段階。第2次試験は第1次試験合格者のみが受験 |
| 第1次試験(教養試験) | 時事、社会・人文及び自然に関する一般知識、文章理解、判断・数的推理及び資料解釈に関する能力についての択一試験(90分) |
| 第1次試験(職場適応性検査) | 公務員としての職業生活への適応性についての検査(20分) |
| 第1次試験(作文試験) | 文章による表現力、課題に対する理解力等についての記述試験(800字以内・90分) |
| 第2次試験 | 全職種共通で面接試験のみ。内容は「表現力、応対力、人柄などをみるための個別面接試験」と明記されています |
| 集団形式 | 受験案内に集団討論・集団面接の記載はありません |
| 配点 | 各試験の配点は受験案内に記載がありません |
| 第1次試験の会場 | 幸手市保健福祉総合センター(ウェルス幸手) |
| 申込方法 | 電子申請(幸手市職員採用試験申込フォーム)。全職種共通で顔写真データ(縦横比4対3のJPEG形式)、一般事務は卒業証明書または卒業見込証明書を添付。面接カード等の別紙提出は受験案内に記載がありません |
| 年齢要件(一般事務) | 大学卒は平成8年4月2日以降生まれ、短大卒は平成10年4月2日以降生まれ、高校卒は平成12年4月2日以降生まれ |
| 採用予定人数 | 全職種とも若干名 |
| 採用の仕組み | 最終合格者は採用候補者名簿に登載(令和9年9月30日まで有効)。名簿登載後に就職の意向聴取を行い、欠員等の状況に応じて逐次採用。採用日は原則として令和9年4月1日 |
上記は幸手市の令和8年度職員採用試験受験案内にもとづく一般事務のものです。第2次試験の面接の回数・面接官の人数・所要時間は事前には公表されておらず、第1次試験の合格通知に同封される書類で示されます。受験資格として日本国籍を有することが求められています。試験の構成・配点等は年度や職種によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の受験案内をご確認ください。
幸手市役所が求める人物像
幸手市は、目指す職員像を受験案内の表紙で公表しています。「幸手を愛し、市民のしあわせのために何事にも積極的にチャレンジする職員」という一文です。
ここに、市が採用で見たいものがそのまま書かれています。
試験の構成もこの一文と重なります。第1次の作文試験は800字以内で課題への理解力と表現力をみるもの、第2次の面接は表現力・応対力・人柄をみるものと明記されています。
つまり書く場面と話す場面の両方で、同じ資質を確かめる設計です。面接対策の言葉に翻訳すれば、「地域への具体的な関心」「相手を起点に考える姿勢」「自分から動いた経験」の3点が軸になります。
「まじめに取り組みます」という自己PRは、そのまじめさをどこで発揮し、関わった人の受け止めがどう変わったのかまで添えて初めて、書く場面でも話す場面でも通用します。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。幸手市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日の体調はいかがですか | 身構えていない場面での受け答えの自然さ |
| ② 動機・志望 | 近隣にも市役所はありますが、なぜ幸手市なのですか | 通いやすさ以外の理由を自分の言葉で語れるか |
| ③ 自己理解 | 自分でも直したいと思っている癖はありますか | 弱みを認めたうえで、どう付き合っているか |
| ④ 経験・行動 | 人に頼まれていないのに動いた経験はありますか | 指示待ちではない場面での判断と行動の中身 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学生時代に一番時間をかけたことは何ですか | 時間の使い方に表れる関心と、続ける力 |
| ⑥ 適性・将来 | 幅広い業務を任される職場をどう思いますか | 少人数の組織で働くことへの理解と覚悟 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 市の広報紙を読んだことはありますか | 市政への関心が日常の行動に表れているか |
ただし、この7カテゴリーは幸手市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「幸手市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「幸手市役所ならでは」の質問
どちらも幸手市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「幸手市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい幸手市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と位置 | 人口48,522人、面積33.93km²、人口密度1,430人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。久喜市・杉戸町のほか千葉県野田市、茨城県五霞町とも接する | 「小さな市です」で終えず、市の境の一部が県の境でもあることが日々の行政にどう効くかまで話します |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 県は約3,798km²と730万人規模を対象にするが、幸手市は5万人弱の暮らしを若干名の職員体制で直接支える | 役割の違いを説明して終えず、採用が若干名という規模の中で自分がどんな幅の仕事を引き受けたいかを述べます |
| 市の課題 | 幸手市の高齢化率は35.9%、65歳以上人口は17,418人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、同じベースの県平均27.0%を大きく上回る | 高齢化という言葉で止めず、県より先に進んでいる市で見守りや相談をどう届けるかという実務の話に落とします |
| 位置と交通 | 圏央道の埼玉県内区間は入間市から幸手市までの58.4kmで、全区間が供用開始済み | 道路の話で終わらせず、通り抜ける交通を市に立ち寄る流れへ変えるにはという問いの立て方をします |
| 試験への向き合い方 | 第1次は教養試験・職場適応性検査・作文試験の3科目、第2次は個別面接のみ。目指す職員像は受験案内の表紙に掲げられている | 作文で書いた考えと面接で話す内容をそろえたと述べ、目指す職員像のどの部分を自分に引きつけたかを添えます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、前述の「目指す職員像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 地域への具体的な関心 | 「幸手を愛し」という言葉に、自分の見聞きした中身を伴わせられるか | 市域を実際に歩き、県境に近い地区と市役所周辺で暮らしの様子がどう違ったかをメモに残しておく |
| 相手を起点に考える姿勢 | 「市民のしあわせのために」という言葉を、自分が実際に手を動かした場面で裏づけられるか | 第1次の作文試験は800字以内です。市民を主語にした結論から書き出す練習を、時間を計って繰り返す |
| 自分から動いた経験 | 「何事にも積極的にチャレンジする」に対応する行動が語れるか | 第2次は面接だけで判断される試験です。自分から手を挙げた場面を一つ選び、そのとき何に迷い、どう決めたかまで話せるようにしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。幸手市の第2次は面接だけで構成される分、掘られたときの返し方がそのまま評価に直結します。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新年度の受験案内を入手し、自分の生年が一般事務のどの区分(大学卒・短大卒・高校卒)の年齢要件に当たるかを確定させる
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、5万人弱という市の規模と県境に接する位置から、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 目指す職員像の三つの要素に自分の経験を割り当て、声に出して話す。作文で書いた内容と食い違いがないかも確かめる
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、幸手市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
幸手市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
幸手市の採用試験は、第1次で教養試験と職場適応性検査と800字以内の作文、第2次は個別面接だけという構成です。最後に残るのが面接だけということは、そこまでに書いてきた自分の言葉と、その場で話す言葉がそろっているかが問われるということでもあります。
市が表紙に掲げているのは「幸手を愛し、市民のしあわせのために何事にも積極的にチャレンジする職員」という一文でした。人口5万人弱、面積33.93km²、県境に接する市で、この一文のどこに自分が重なるのか。
採用は若干名です。その枠に入るのは、市の姿を自分の足で確かめてきた人になります。