本記事では、日高市職員採用試験の面接対策で必要な、日高市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
日高市役所の面接試験では、「なぜ日高市で働きたいのか」「入庁後にどんな仕事を担いたいのか」「あなたはどんな人ですか」といった、受験者の人となりを正面から確かめにくる質問が想定されます。日高市は募集案内に「日高市は『人物重視』の採用試験です」と掲げ、写真と自己PR動画まで提出させる仕組みを取っています。
市の輪郭を数字でつかんだうえで、自分の言葉に置き換えていきましょう。その下ごしらえに本記事を使ってください。
第1部|自治体研究編
日高市の特徴
まずは日高市がどんな市なのかを、面接で使える形に整理しておきます。全体像を先に入れておくと、あとの数字が頭に残りやすくなります。
- 人口53,731人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積47.48km²・人口密度1,132人/km²の市である。
- 川越市・坂戸市・狭山市・鶴ヶ島市・飯能市・入間郡毛呂山町という6つの自治体に囲まれた、埼玉県西部の内陸の市である。
- 市役所は〒350-1292 埼玉県日高市大字南平沢1020に置かれている。団体コードは11242-9。
- 市の花はハギとヒガンバナ、市の木はモクセイ。
- 職員採用試験はA事務職(一般)からK保育士までの11区分で実施され、採用予定人数は全職種合わせて20人程度とされている(令和9年4月1日付採用の統一試験)。
- 市は募集案内に「日高市は『人物重視』の採用試験です」「私たちは、あなたのことをもっと知りたいです」と掲げている。
- 受験者は全員、1分以内の自己PR動画と「日高市、私のオススメ写真」を提出する。いずれも面接等の補助資料として使われる。
- 資格加点制度と大学推薦制度があり、語学・情報処理の資格や大学等の推薦が得点として加えられる。
日高市の基礎データ
面接前に統計を丸暗記する必要はありません。それよりも、日高市がどのくらいの大きさの市で、県の中でどのあたりに置かれているのかを、体でつかんでおくほうが効きます。
日高市は人口5万人台で市域は47.48km²、高齢化率は34.0%に届き、高齢化がこれからの話ではなくなっています。表には市の規模と周囲との関係をつかむための項目を並べ、埼玉県全体の値も参考として添えました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 53,731人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 47.48km² |
| 人口密度 | 1,132人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 川越市、坂戸市、狭山市、鶴ヶ島市、飯能市、入間郡毛呂山町 |
| 市役所所在地 | 〒350-1292 埼玉県日高市大字南平沢1020 |
| 市の花・市の木 | ハギ、ヒガンバナ・モクセイ |
| (参考)埼玉県の推計人口 | 7,291,615人・3,323,676世帯(令和8年6月1日現在) |
| (参考)埼玉県の地形 | 県土の約61%が平地。県下の最高峰は秩父山地の三宝山(標高2,483m) |
| (参考)埼玉県の生産年齢人口 | 平成12年の501万人がピーク。令和22年(2040年)には380万人へ減少する見込み |
日高市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです。埼玉県の推計人口・地形・生産年齢人口の見通しは、埼玉県公式サイトに掲載された資料による数値です。市の統計の最新値は、日高市公式サイトでもあわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。
数字から考えられる市政課題
日高市の人口密度1,132人/km²という値は、市政の性格を素直に映しています。県全体では約729万人が約3,798km²に暮らし、1km²あたりおよそ1,900人。
日高市はその6割ほどの密度で、人がゆるやかに広がっている市だといえます(出典:埼玉県の推計人口|令和8年6月1日現在)。
人がゆるやかに広がっている市では、同じサービスを届けるのに移動の手間がかかります。ごみの収集も、高齢者の見守りも、子どもの通学路の安全確保も、距離が増えれば負担が増えます。
しかも人口は5万人台ですから、負担を分け合う母数はそれほど大きくありません。手間のかかる面積と、限られた人手という組み合わせが、日高市の行政課題の多くを説明します。
日高市の経済・産業
山地と平地が出会う、県の西側で
埼玉県の地形は、大きく西部の山地と東部の平地に二分されます。平地は総面積の約61%を占め、この割合は全国的にも高い水準です。
県下の最高峰は秩父山地の三宝山(標高2,483m)(出典:埼玉県統計年鑑(地勢)|令和2年)。
日高市が位置するのは、この山地と平地が入れ替わるあたりです。市が接する自治体を見ても、川越市・坂戸市・鶴ヶ島市といった平地側の市と、飯能市・毛呂山町といった山寄りの自治体が混じっています。
市域の中に、平地の暮らしと山あいの暮らしが同居しているということです。市の花にハギとヒガンバナ、市の木にモクセイが選ばれていることも、この土地柄を映した小さな手がかりになります。
1億人が訪れて、そのほとんどが日帰りで帰る県で
国の共通基準による令和5年の埼玉県の観光入込客数は100,204千人で、うち宿泊は1,904千人、日帰りは98,299千人。日帰りが98.1%を占めます。
消費額を見ると、1人当たりの単価は県外からの宿泊が23,573円であるのに対し、県外からの日帰りは6,752円です(出典:埼玉県の観光入込客統計|令和5年)。
訪れる人の数では1億人に届く一方、落ちるお金は日帰りの単価に規定されます。これが埼玉県の観光の構造です。
自然や景観に恵まれた市にとって、これは他人事ではありません。人を呼ぶことと、地域にお金が残ることは別の課題だからです。
観光や地域振興に関心があるなら、来訪者数ではなく滞在の長さと消費の落ち方に目を向けた話をしましょう。
6つの自治体に囲まれた内陸の市として
日高市は海に面さない内陸の市で、周囲を6つの自治体に囲まれています。市の外へ出る用事も、市の中へ入ってくる人の流れも、すべて陸路です。
通勤・通学、通院、買い物のいずれも、隣接する市町との行き来を前提に組み立てられています。
この位置は、単独で完結しない行政の形を意味します。広域での連携や、隣接市町との役割分担が、暮らしの実務に直結するということです。
面接で市の将来像を語るなら、日高市の中だけで完結する絵を描くのではなく、周囲との関係の中で市が果たす役割を言葉にできると、話が現実に近づきます。
日高市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、日高市を含む埼玉県内の市町村が抱える課題の輪郭が見えてきます。面接で「市の課題」を問われたときの引き出しとして、次の4つを持っておきましょう。
働く世代が細っていく
埼玉県の生産年齢人口(15歳から64歳)は、平成12年(2000年)の501万人をピークに減少に転じ、令和22年(2040年)には380万人まで減る見込みです。県人口そのものも間もなく減少に転じると、埼玉県5か年計画は見通しています(出典:埼玉県5か年計画ダイジェスト版|令和4年3月)。
働く世代が減るということは、税を納める人が減り、地域の担い手が減り、行政の職員も採りにくくなるということです。人口5万人台の市では、この影響が一つひとつの部署の人繰りに直接響きます。
日高市が採用試験で加点制度や大学推薦制度まで用意している背景を考えるうえでも、押さえておきたい前提です。
75歳以上が増え続ける局面
埼玉県の75歳以上人口は令和7年に約121万人、令和32年(2050年)には約146万人に達する見込みです。85歳以上に絞ると、令和22年(2040年)に約57万人となり、令和2年に比べて2倍以上に増えると推計されています(出典:埼玉県の高齢化の状況|推計)。
では日高市自身はどうか。基準をそろえて住民基本台帳(令和8年1月1日現在)で見ると、日高市の高齢化率は34.0%、75歳以上の割合は20.7%です。
同じ基準の埼玉県全体は27.0%・16.0%ですから、県平均より7ポイント以上高いことになります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。
隣接する自治体を同じ基準で並べても、毛呂山町の36.3%に次ぐ高さで、川越市の27.2%や鶴ヶ島市の29.8%とは開きがあります。なお、前段の県の推計は調査が異なるため、この数字と直接比べることはできません。
ここから見えるのは、日高市にとって高齢化が「これから来る話」ではなく「すでに来ている話」だということです。志望動機で高齢化に触れるなら、全国や県の傾向をなぞるのではなく、県平均を先回りした市で今どんな困りごとが起きているかに寄せてください。
高齢化の話は「割合が上がる」で終わりがちですが、現場に効いてくるのは実数のほうです。85歳以上が倍になれば、必要な支援の量も倍に近づきます。
移動に時間のかかる市域では、訪問一件あたりの時間も積み上がります。割合ではなく人数で考える癖をつけておくと、福祉分野の質問に具体的に答えられます。
災害と危機管理は「待ったなし」
埼玉県5か年計画は、感染症の拡大や、激甚化・頻発化する自然災害など、県が経験したことのない危機への災害・危機管理対応を「待ったなし」の課題として明記しています。山地と平地が接する地形では、大雨のときに土砂と河川の両方を見なければなりません。
防災を志望動機に据えるなら、一般論ではなく市の資料に当たってください。市のハザードマップを開き、自分が暮らす地区、あるいは志望先として気になる地区がどう色分けされているかを確かめてみてください。
その一手間があるだけで、面接での言葉の重みが変わります。
5万人の市が、県の中で置かれている位置
埼玉県の推計人口は令和8年6月1日現在で7,291,615人、世帯数は3,323,676世帯です。日高市の53,731人は、この県全体からすればごく小さな一部にすぎません。
しかし市役所にとっては、その5万人余りの暮らしのすべてが仕事の対象になります。
規模が小さいことは、職員一人が受け持つ分野が広くなることを意味します。採用予定が全職種合わせて20人程度という規模の組織で、部署を横断して動ける人が求められるのは自然な流れです。
専門を深めることと、何でも引き受けることの両方をどう考えているか。面接ではその姿勢が問われます。
日高市の重点政策|埼玉県の見通しの中で日高市を読む
日高市の総合計画の内容と最新の予算・施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認してください。埼玉県が描く見通しを先に押さえ、そのあとで日高市の採用情報をどう読むかを考えていきます。
県の課題設定を、市の規模に翻訳する
埼玉県5か年計画(令和4年度から令和8年度、日本一暮らしやすい埼玉へ)は、県が直面する最大の課題を「人類が経験したことのない超少子高齢社会への対応」と位置づけ、2040年を見据えて3つの将来像・12の針路・54の分野別施策を置いています。
54という数の施策は、県だからこそ並べられる幅です。人口5万人台の市が同じ幅で同じ深さの仕事をすることはできません。
だからこそ、市の計画では「何を先にやるか」の順番が、県以上にはっきり表れます。日高市の計画を読むときは、施策の並び順と、そこに配分されている予算の大きさに注目してください。
日高市の採用情報をどこで見るか
日高市の職員採用試験の情報は、市公式サイトの採用試験ページと、そこから配布される募集案内で確認します。市のページは「皆さんのやる気や人物を重視した試験」を実施すると説明しています(参考:日高市職員採用試験のご案内)。
注意したいのは、日高市が早期試験・統一試験・追加試験・10月採用試験など、年に複数回の採用試験を実施している点です。回と区分によって試験の段階が変わります。
本記事で扱うのは令和9年4月1日付採用の統一試験ですから、自分が申し込む回の案内を必ず一次資料として読み直してください。
POINT|加点の仕組みを、申込みの前に確認する
日高市には資格加点と大学推薦という2つの加点制度があります。資格加点は、実用英語技能検定が準1級で5点・1級で10点、TOEICが730点以上860点未満で5点・860点以上で10点など。スポーツや文化芸術で優秀な成績を収めた人は5点、指定の情報処理技術者試験の資格保有者は10点で、語学と情報処理はいずれも最高10点です。大学推薦は10点の加点ですが、日高市への就職を第1順位とすること、最新のGPAが3.0以上であること、大学等の推薦を得ること、市主催の採用試験説明会に参加していることのすべてを満たす必要があります。説明会への参加が要件に含まれる以上、日程の確認は早いほど有利です。
あわせて確認したい公式資料
すべてに目を通す必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、要点を自分の言葉で言い直せるところまで持っていきましょう。
- 日高市職員採用試験の募集案内(自分が申し込む回・区分のもの。加点制度と提出物の期限を必ず確認する)
- 日高市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
- 市のハザードマップ(山寄りの地区と平地の地区で想定が異なる点に注目する)
- 埼玉県5か年計画のダイジェスト版(県の課題設定を短時間でつかむ材料として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、日高市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。日高市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
日高市役所の面接の概要
ここからは、日高市役所の採用試験の流れと、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
日高市役所の試験の流れ
令和9年4月1日付採用の統一試験は11区分で実施され、区分によって段階の数が変わります。共通しているのは面接の形式です。
日高市の面接はいずれの区分も個別面接で、計2回行われます。集団面接や集団討論を実施する旨の記載はありません。
| 項目 | 内容(令和9年4月1日付採用・統一試験) |
|---|---|
| 試験区分 | A事務職(一般)、B事務職(障がい者採用)、C事務職(公務員経験者採用)、D事務職(アルムナイ採用)、E事務職(情報処理)、F事務職(建築)、G事務職(土木)、H事務職(福祉)、I事務職(電気)、J保健師、K保育士の11区分 |
| 段階構成(事務職(一般)ほか) | 事務職(一般・障がい者採用・建築(専門課程)・土木(専門課程))は、第1次試験で筆記試験【SPI3・専門試験】と人物試験(個別面接)を全受験者に実施。第2次試験は個別面接で、第2次合格者(最終合格者)に健康診断 |
| 段階構成(その他の区分) | 事務職(公務員経験者採用・アルムナイ採用・情報処理・福祉・建築(有資格)・土木(有資格)・電気(有資格))と保健師・保育士は、第1次試験=SPI3(テストセンター等・性格検査)、第2次試験=個別面接、第3次試験=個別面接、第3次合格者(最終合格者)に健康診断 |
| 第1次の筆記(事務職(一般)) | 言葉の意味を正しく理解し文章や話の要旨を的確に理解する力、数的情報をもとに解を導く力及び論理的思考力を測定する択一試験(能力検査)と、基本的性格特徴等を測定する択一試験(性格検査) |
| 申込時の提出物 | 顔写真データ(上半身脱帽正面向き・6か月以内撮影・縦横比4対3・500キロバイト上限)と「日高市、私のオススメ写真」。写真・動画は面接等の補助資料として使用される |
| 自己PR動画 | 全受験者が1分以内の自己PR動画をギガファイル便で提出。内容は自己PRに関するものなら自由で、提出は1回のみ。期限内に提出がない場合は理由を問わず選考を辞退したとみなされ、次の試験に進めない |
| 加点制度 | 資格加点(語学・スポーツ・文化芸術・情報処理/語学と情報処理はいずれも最高10点)と、大学推薦による10点の加点 |
| 採用予定人数 | 全職種合わせて20人程度 |
| 初任給 | 大学卒247,104円、短大卒234,624円、高校卒221,624円(令和8年4月1日現在・地域手当を含む)。期末・勤勉手当は1年間に給料などの4.65か月分 |
上記は令和9年4月1日付採用(統一試験)の日高市職員採用試験の募集案内にもとづくものです。日高市は早期試験・追加試験・10月採用試験など年に複数回の採用試験を実施しており、回と区分によって試験の段階が異なります。試験全体の配点や合否の決定方法は公表されておらず、公表されているのは加点の点数のみです。受験の際は、必ずご自身が申し込む回・区分の最新の募集案内をご確認ください(出典:日高市職員採用試験募集案内|令和9年4月1日付採用)。
過去2年間の採用試験の状況
日高市は、直近2年の受験者数と採用者数を募集案内で公表しています。年度内に行った試験の合計値ですが、区分ごとの規模感をつかむ材料になります。
| 区分 | 令和6年度 受験者 | 令和6年度 採用者 | 令和7年度 受験者 | 令和7年度 採用者 |
|---|---|---|---|---|
| 事務職(一般) | 119人 | 12人 | 81人 | 14人 |
| 事務職(一般・民間等経験者) | 54人 | 3人 | 27人 | 5人 |
| 事務職(福祉) | - | - | 8人 | 3人 |
| 保健師 | - | - | 6人 | 2人 |
事務職(一般)は、令和6年度が受験者119人に対し採用者12人、令和7年度が受験者81人に対し採用者14人です。受験者が減り、採用者が増えたという動きが2年の間に起きています。
もちろん年度によって状況は変わりますが、少なくとも「受けても無駄」と決めつける根拠はどこにもありません。
日高市役所が求める人物像
日高市の募集案内と採用試験ページの本文には、体系立てて整理された「求める人物像」の記載はありませんでした。代わりに繰り返されているのが、「日高市は『人物重視』の採用試験です」「私たちは、あなたのことをもっと知りたいです」という方針の表明です。
この方針は、制度の形で裏づけられています。全受験者に1分以内の自己PR動画を提出させ、顔写真だけでなく「日高市、私のオススメ写真」まで求め、いずれも面接等の補助資料として使います。
面接対策の言葉に翻訳すれば、「短い時間で人物を伝える力」「二度の個別面接でぶれない一貫性」「市を選んだ理由の具体性」の3点が評価の軸になります。自己PRでは「まじめに取り組みます」と述べて終わらせず、その姿勢が実際の場面でどう表れたのかまで語れるようにしておきましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。日高市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 日高市には来たことがありますか | 力の抜けた場面での受け答え。市への関わり方が自然に出るか |
| ② 動機・志望 | 公務員という働き方のどこに惹かれましたか | 職業選択の理由が、自分の経験に根を持っているか |
| ③ 自己理解 | 自己PR動画では何を伝えようとしましたか | 提出物と語る言葉が一致しているか。自分をどう見せたいかの自覚 |
| ④ 経験・行動 | 人に頼らずやり切った経験を教えてください | 粘りの質と、そこで何を工夫したかという中身 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学生時代に時間を注いだことは何ですか | 打ち込んだ対象と、そこから持ち帰ったものの言語化 |
| ⑥ 適性・将来 | 少人数の職場で働くことをどう考えていますか | 幅広い業務を担う覚悟と、周囲と噛み合う姿勢 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 行政に対して不満を感じた経験はありますか | 批判で終わらせず、担い手側の視点に立てるか |
ただし、この7カテゴリーは日高市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「日高市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「日高市役所ならでは」の質問
いずれも、市を見ていない人には手が出ない質問です。逆に言えば、下調べの量がそのまま答えの厚みに変わる質問でもあります。
こうした問いに答えるための「日高市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい日高市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と位置 | 人口53,731人、面積47.48km²、人口密度1,132人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。川越市・坂戸市・狭山市・鶴ヶ島市・飯能市・毛呂山町の6自治体に囲まれた内陸の市 | 「自然が豊かです」で止めず、5万人が47.48km²に広がる密度が、サービスの届け方をどう変えるかまで話を進めます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 県は約3,798km²・約729万人を所管するが、日高市が向き合うのは47.48km²の市域と約5.3万人の暮らし。全職種合わせて20人程度という採用規模 | 規模の対比で終わらせず、少人数の組織で幅広い業務を担うことを自分がどう受け止めているかを添えます |
| 市の課題 | 日高市の高齢化率は34.0%、75歳以上は20.7%(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、同じ基準の県全体27.0%・16.0%を大きく上回る。県の生産年齢人口は2000年の501万人から2040年に380万人へ減る見込み | 県の推計を紹介するのではなく、県平均より先に高齢化が進んだ市で、担い手が減る中で何を残し何を見直すべきかという選択の話に寄せます |
| 市を選んだ理由 | 申込時に「日高市、私のオススメ写真」を提出し、写真と自己PR動画は面接等の補助資料として使われる | 提出した写真の場所を選んだ理由を、市の仕事とのつながりまで含めて説明できるようにしておきます |
| 試験への向き合い方 | 面接はいずれの区分も個別面接で計2回。事務職(一般)は第1次で全受験者に個別面接がある。加点制度と大学推薦制度がある | 早い段階から人物を見られる試験だと理解したうえで、自分がどんな準備を前倒しで進めたかを具体的に話します |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、前述の「評価の軸」に照らして、これまで実際にどう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 短い時間で人物を伝える力 | 1分以内の自己PR動画と、面接での第一印象がそろっているか | 1分で話せる量はごくわずかです。伝える核を一つに決め、動画と面接で同じ軸を語れるようにしておく |
| 二度の個別面接でぶれない一貫性 | 同じ話題を角度を変えて問われたときに、答えの芯が動かないか | 日高市の面接は個別面接が2回です。提出した写真と動画の控えを手元に残し、話す内容と食い違わないように整えておく |
| 市を選んだ理由の具体性 | 「日高市、私のオススメ写真」に何を選び、なぜそれにしたかを語れるか | 実際に足を運んだ場所を選び、そこで見たものと市の仕事とのつながりを一言添えられるようにしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。日高市は個別面接が2回ある分、同じ経験を別の面接官から掘り返される場面が想定されます。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 自分が申し込む回と区分の募集案内を入手し、段階構成と、加点制度・大学推薦制度の要件と期限を確認する。説明会への参加が要件になる制度があるため、日程の把握は早いほどよい
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、市域の広さと県西部という位置から、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 自己PR動画を1分以内で撮り、提出前に見返して面接で話す内容とそろえる。そのうえで個別面接の受け答えを声に出して練習する
優先順位に注意
ステップ4と5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間が足りないときは、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へつなぐ自己分析を先に片づけてください。人物重視を掲げる試験では、市の知識よりも自分を語れることのほうが先に効きます。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、日高市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
日高市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
日高市は、人物を重視すると口で言うだけでなく、写真と動画という形で受験者の人となりを見にきます。全受験者に1分の自己PR動画を求め、事務職(一般)では第1次の段階から個別面接を置いています。
準備の重心が筆記ではなく人物側に寄った試験だということです。人口53,731人、面積47.48km²、6つの自治体に囲まれた内陸の市で、自分は何を見て、何を担いたいのか。
動画に収める1分と、面接で話す数十分が、同じ人物の言葉として響くかどうか。そこを整えることが、この試験の準備の中心になります。