本記事では、八潮市職員採用試験の面接対策で必要な、八潮市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

八潮市役所の面接試験では、「志望した理由を聞かせてください」「市職員としてどんな仕事がしたいですか」「あなたの経験は市政のどこで役立ちますか」といった質問が想定されます。

八潮市の採用試験で面接が行われるのは第3次試験の個別面接だけです。たった一度の面接に、採否の判断が集まる試験だといえます。

本記事の掲載内容を参考に、自分の経験と八潮市政の重なりを整理し、一度きりの面接で話し切れる形に仕上げてください。

第1部|自治体研究編

八潮市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは八潮市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口93,773人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積18.02km²・人口密度5,204人/km²の市である。
  • 接しているのは草加市と三郷市、そして東京都の葛飾区と足立区。都県境の向こう側が東京23区という位置にある。
  • 面積18.02km²は担当区域として小さく、そこに9万人以上が暮らす密な市である。埼玉県全体の面積約3,798km²と人口7,287,169人から計算される県平均の密度と比べると、およそ2.7倍の密度にあたる。
  • 市役所は〒340-8588 八潮市中央一丁目2番地1に置かれている(団体コード11234-8)。
  • 市の花はクチナシ、市の木はイチョウである。
  • 埼玉県が八潮南部西地区土地区画整理事業を進めており、県の事業として市域のまちづくりが動いている市である。
  • 令和7年国勢調査の速報結果では、埼玉県の人口は7,287,169人。前回の令和2年から0.8%減り、大正9年の調査開始以来はじめて前回を割り込んだ。

八潮市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、「八潮市の大体のスケール感」を押さえておくことは重要です。

八潮市で目を向けたいのは、人口の多さそのものより、18km²余りの市域にどれだけの人が集まっているかという密度と、都内に接する位置です。

表はこの二点が読み取れる項目でそろえました。規模を測るときの比較先として、埼玉県全体の数値もあわせて載せています。

項目内容
総人口93,773人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積18.02km²
人口密度5,204人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体草加市、三郷市、葛飾区(東京都)、足立区(東京都)
市役所所在地〒340-8588 埼玉県八潮市中央一丁目2番地1
市の花・市の木クチナシ・イチョウ
(参考)埼玉県の総人口7,287,169人(令和7年国勢調査速報結果・令和8年5月20日公表)
(参考)埼玉県の面積約3,798km²(47都道府県中第39位)
(参考)埼玉県の一般会計当初予算2兆2,308億9,000万円(令和7年度・前年度比5.2%増で過去最大)

八潮市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理したものです。埼玉県の数値は埼玉県公式サイトの統計・予算・計画資料によります。市の統計の最新値は、八潮市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から読み取れる市政の論点

人口93,773人に対して面積は18.02km²、人口密度は5,204人/km²です。

埼玉県の面積約3,798km²に7,287,169人という県全体の数字から平均の密度を出すと1平方キロメートルあたり1,900人台になりますから、八潮市の密度は県平均のおよそ2.7倍という計算になります。狭い区域に人が集まっている市だということです。

この条件は市の仕事のかたちを決めます。移動の距離は短く、ひとつの施設が受け持つ人数は多い。

道路一本、公園ひとつの使われ方が、多くの住民の暮らしに同時に影響します。しかも境の向こうは東京都の葛飾区と足立区です。

通勤も買い物も都内へ向かう動線が生活に組み込まれている市であり、市政は東京との距離をどう活かすかという問いから逃れられません。面接では、立地と課題を次のように結び付けて説明できます。

「八潮市は面積が18平方キロほどで、そこに9万人以上が住んでいると知りました。県の平均の3倍近い密度だそうで、施設ひとつの使い方が多くの人に関わるのだと感じています。すぐ隣が東京の葛飾区と足立区ですので、都内に通う方が暮らしやすい市にする仕事に関わりたいです」

八潮市の経済・産業

中小の事業所が支える県の産業構造

八潮市の産業を語るときは、県の構造を先に押さえておくと位置づけがはっきりします。

埼玉県の製造業は、事業所数が令和6年で13,159事業所(全国シェア5.9%)、従業者数が385,901人(同5.0%)で、どちらも全国第4位です。一方で製造品出荷額等は令和5年で15兆3,297億円と全国第6位にとどまります(出典:工業統計(産業と雇用のすがた)|令和5〜6年

事業所の数では全国4位、出荷額では6位。これは1事業所あたりの規模が小さいということを意味します。県内には中小の事業所が数多く分布しているわけです。

都心に接し、狭い区域に人と事業所が密集する八潮市のような市では、この構造が市の仕事に直結します。相手にするのは少数の大企業ではなく、多数の小さな事業者になるからです。

県の財政と、市域で動いている県事業

県の財政も見ておきましょう。埼玉県の令和7年度一般会計当初予算は2兆2,308億9,000万円で、前年度比5.2%増の過去最大です。

県税収入は当初予算額として過去最高の8,794億円を計上し、県債は1,687億円。令和7年度末の県債残高は3兆5,534億円で、前年度から805億円(2.2%)減る見込みとされています(出典:令和7年度埼玉県当初予算案|予算の概要

この予算資料の中に、八潮市の名前が出てきます。県は八潮南部西地区土地区画整理事業を進めており、令和7年度当初予算でも保留地の売却(796百万円)を歳入確保策として計上しています。

市域の整備が県の予算の一項目として動いているということです。市の仕事を志すなら、市が単独で完結しているわけではなく、県の事業と歩調を合わせる場面があるという前提を持っておきましょう。

八潮市の主な行政課題

ここまでの内容を踏まえると、八潮市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

人が減り、世帯が増えるという同時進行

埼玉県の人口は令和7年国勢調査の速報結果で7,287,169人となり、前回調査から0.8%減りました。

ところが世帯数は3,285,878世帯で前回比3.9%増、1世帯当たり人員は2.32人から2.22人へ縮んでいます。人口が増加したのは県内で10市町、減少したのは53市町村です(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計結果|埼玉県

人数が減っても世帯は増えるため、行政が向き合う窓口の数はむしろ増えていくということです。密度の高い八潮市では、単身世帯の見守りやごみ、住まいといった課題が、狭い区域に濃く現れます。

県南東部を直撃する想定地震

埼玉県の地震被害想定調査では、東京湾北部地震(マグニチュード7.3)について県南東部を中心に建物全壊(揺れ)8,127棟、(液状化)5,253棟、死者585人、避難所避難者54,180人が想定されています。南関東でのマグニチュード7級地震の30年以内の発生確率は70%とされています(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度

八潮市は県の南東部、東京都に接する低地に位置します。液状化による全壊が5千棟を超えると想定されている点は、この地域の地盤の性格を示していると読めます。

防災を志望分野にするなら、避難所の数だけでなく、地盤と建物という前提条件から考えを起こしてください。

県内では若い市で、高齢化をどう見るか

令和2年時点の埼玉県の高齢化率は27.0%、65歳以上の人口は過去最高の約193万人でした。県はこの割合が令和7年に27.8%、令和22年(2040年)には33.3%まで上がると見込んでいます(出典:埼玉県の高齢化の状況|令和7年・令和22年推計

75歳以上人口は令和7年に約121万人、令和32年(2050年)には約146万人に達する見込みです。

ところが八潮市の位置は、県の平均とはかなり違います。基準をそろえて住民基本台帳(総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在)で見ると、八潮市の高齢化率は22.2%で、同じ基準の埼玉県全体27.0%を5ポイント近く下回ります

75歳以上の割合も13.7%で、県全体の16.0%より低い水準です。なお、先に挙げた県の27.0%は国勢調査による値ですので、住民基本台帳の集計とは調査が異なり、直接の比較はできません。

ただし、この数字は課題がないことを示すものではありません。いま若い層が多いということは、その人たちが同じ地域で一斉に年を重ねるということでもあります。

密度の高い市では、支える側と支えられる側が同じ地域の中で近接します。地域の助け合いを設計しやすい条件でもあり、担い手の高齢化がそのまま地域の力の低下につながる条件でもあります。

いまの若さを、備えを整えるための時間として使えるか。県の平均をなぞるのではなく、この問いの形で語れると、答えの中身が変わります。

使えるお金の余地が広くない県財政

埼玉県の財政力指数は0.73、経常収支比率は96.2%です(いずれも令和5年度決算)。

令和5年度決算に基づく健全化判断比率は、実質公債費比率10.8%、将来負担比率151.9%で、実質赤字比率と連結実質赤字比率は黒字。いずれも早期健全化基準は下回っています(出典:埼玉県の健全化判断比率|令和5年度決算

経常収支比率が96%台ということは、決まった支出でほとんどが埋まっている状態を意味します。新しいことを始めるには、何かをやめるか、外から財源を持ってくるかしかありません。

県が保留地の売却を歳入確保策として予算に書き込んでいるのも、この文脈で読めます。

八潮市の重点政策|八潮南部西地区の整備と埼玉県5か年計画

八潮市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。取り上げるのは、八潮市の市域で現に動いている県の事業と、その背後にある県全体の計画の2つです。

市域で進む県の区画整理事業

先に触れた八潮南部西地区土地区画整理事業を、面接で使える形に置き直しておきましょう。区画整理は、土地の形と道路の骨格を組み替えて、まちの使われ方そのものを変える事業です。

密度が高く、東京都に接する八潮市で区画整理が進むということは、住む場所と働く場所の配置が今も動いているということでもあります。志望動機でまちづくりに触れるなら、完成した姿を語るのではなく、途中の段階にある市で何を調整する仕事なのかという角度から考えてみてください。

県の計画との関係

県の計画の頂点にあるのが埼玉県5か年計画(令和4年度〜令和8年度)です。副題に「日本一暮らしやすい埼玉へ」を置き、最大の課題を「人類が経験したことのない超少子高齢社会への対応」と明記しています

2040年を見据えた3つの将来像・12の針路・54の分野別施策で構成され、激甚化する自然災害や感染症の拡大への対応も「待ったなし」の課題に数えられています(出典:埼玉県5か年計画|令和4〜8年度

県の生産年齢人口は平成12年の501万人をピークに、令和22年には380万人まで減る見込みです。

県が示す課題に対して、市がどの順番で答えようとしているか。市の総合計画を読むときは、その目線を持つと理解が早くなります。

八潮市の採用情報をどこで見るか

八潮市の職員採用情報は、市公式サイトの職員募集のページにまとめられています。

申込はインターネットによる電子申請で、最近6か月以内に撮影した上半身・脱帽・正面向き・背景なし、縦横比4対3の顔写真を添付します。記入欄が足りない場合はExcel、Word、PDFのA4ファイルを添付する運用です。

なお、八潮市の職員募集ページと受験案内の本文には、求める職員像として定型化された文言は掲載されていませんでした。

市は令和8年2月19日に八潮市職員採用説明会を開催し(参加34名)、「職員採用試験の概要」として今後実施予定の試験内容や求める職員像を説明したほか、庁舎見学と若手職員との座談会を行ったことを公表しています(参考:八潮市職員採用説明会の開催結果|令和8年2月

求める職員像を市の言葉で確かめたいなら、説明会と最新の受験案内が確認先になります

古い情報と現行制度を混ぜない

検索結果に現れることのある「A方式(従来型公務員試験)」「B方式(民間型採用試験)」や「集団面接試験および個別面接試験」といった記述は、令和5年度以前の受験案内に由来するものです。令和7年度から令和8年度の受験案内では確認できません。本記事で扱う試験の流れは令和8年度第2回の受験案内に記載された内容です。受験の際は、必ずご自身が申し込む回と職種の受験案内で最新の内容をご確認ください。

悪い例「八潮市の魅力を発信する仕事に携わりたいです」

改善例「まずは窓口で市民の方の手続きをお手伝いする仕事から覚えたいです。その上で、八潮市は県の区画整理事業が進んでいると知りましたので、変わっていくまちの中で住んでいる方の声を聞く仕事にも関わりたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 八潮市職員採用試験の受験案内(自分が受ける回・職種のもの)
  • 八潮市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
  • 八潮市のハザードマップ(低地の想定を知る材料として)
  • 埼玉県5か年計画、埼玉県の統計資料(市政の背景を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、八潮市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。八潮市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

八潮市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

八潮市役所の面接の概要

ここからは、八潮市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、差がつく質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

入口が書類選考であることの意味

八潮市の採用試験は3段階です。第1次試験が書類選考、第2次試験が筆記試験、第3次試験が個別面接試験。

この組み立ては令和7年度第2回、令和8年度第1回、令和8年度第2回で共通しています。注目したいのは第1次試験の中身で、受験案内には「インターネットによる電子申請で申込みいただいた内容で選考します」と書かれています。

つまり最初の関門は、申込フォームに自分が書いた文章そのものです。

段階試験種目内容
第1次試験書類選考電子申請で申し込んだ内容により選考
第2次試験SPI3基礎能力検査70分。言語的理解力、論理的思考力、数量的処理力などの基礎能力
SPI3性格検査40分
論文試験90分・800字程度。文章による表現力、課題に対する理解力、その他の能力について記述による試験
第3次試験個別面接試験面接はこの1回のみ

この構成が示しているのは、書いたもので二度ふるいにかけられ、話すのは一度だけという試験の性格です。第1次で申込内容、第2次で論文と、文章による評価が続きます。

第2次試験は同じ日の午前にSPI3、午後に論文試験という日程で組まれています。集団面接や集団討論の実施記載はありませんので、準備は個別面接に集中させることになります(出典:令和8年度第2回 八潮市職員採用試験受験案内

第2次試験の受付時には、全員が卒業証明書(卒業見込みの場合は卒業見込証明書)と成績証明書を提出します。一般事務(福祉)、一般事務(障がい者)、保育士、保健師、精神保健福祉士、技能労務など、受験資格に免許や資格を要する職種は免許証等の写しもあわせて提出します。

上記は令和8年度第2回八潮市職員採用試験の受験案内に基づく内容です。各試験の配点は、受験案内に記載がなく非公表です。八潮市は年度内に複数回の採用試験を実施しており、回により募集職種が異なります。受験の前に、ご自身が申し込む回と職種について最新の受験案内で必ずご確認ください。

実績から見える通過の実感

八潮市は過去の実施結果を公表しています。

令和7年度2回目(令和8年4月1日採用)の一般事務(大卒)では、応募64人に対して第1次試験(書類選考)の合格が45人、第2次試験(筆記)の受験22人・合格13人、第3次試験(面接)の受験11人・合格8人でした。全職種の合計では、募集36人程度に対して応募156人、第1次合格104人、最終合格28人です(出典:八潮市職員採用試験の実施状況|令和7年度

数字の動き方に特徴があります。応募64人のうち書類選考を通ったのは45人。

ところが第2次試験を実際に受けたのは22人で、書類合格者の半数以下です。書類の関門は比較的広く開いており、人数が大きく減るのは筆記の段階だということになります。

そして第3次まで残った11人のうち8人が合格しています。面接まで進めば、そこからの通過率は決して低くありません

令和7年度1回目(令和7年9月採用)の一般事務(民間企業等職務経験者)は、募集10人程度に対して応募31人、第1次合格18人、第2次受験18人・合格12人、採用11人という結果でした。

八潮市役所が求める人材

先に触れたとおり、八潮市の職員募集ページと受験案内の本文には、求める職員像として定型化された公表文言は掲載されていませんでした。したがって本記事では、市の言葉として断定することは避けます。

ただし、手がかりがないわけではありません。市は職員採用説明会で、試験の概要とあわせて求める職員像を説明したと公表しています。

市が受験者に実際の職場と働く人を見せる場を用意しているという事実は、それ自体が一つの情報です。説明会が開催される年は参加を検討し、そこで示される言葉を自分のメモに残しておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。八潮市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までの道は分かりましたか硬さがほぐれる前の受け答えと、声の届き方
② 動機・志望公務員という働き方を選んだ理由を教えてください安定という言葉に頼らずに説明できるか
③ 自己理解注意や助言を受けたあと、自分の行動をどう変えましたか他人の言葉を受け止めて行動を変えられるか
④ 経験・行動面倒だと感じた作業を続けた経験を教えてください地味な仕事に向き合うときの姿勢
⑤ 学業・経歴文章を書くときに気をつけていることは何ですか読み手を意識した書き方ができているか
⑥ 適性・将来異動が続く働き方をどう受け止めていますか組織で長く働く現実を理解しているか
⑦ 公共性・社会性災害が起きたとき、市職員はまず何をすべきだと思いますか非常時の役割を自分ごととして考えているか

ただし、この7カテゴリーは八潮市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「八潮市ならでは」の質問です。

差がつくのは「八潮市役所ならでは」の質問

「なぜ埼玉県庁ではなく、八潮市役所なのですか」
「八潮市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも八潮市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、一度きりの個別面接の中で、自分の下調べがそのまま差になる質問でもあります。こうした質問に答えるための「八潮市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい八潮市の事実答え方のヒント
市の規模と位置人口93,773人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積18.02km²、人口密度5,204人/km²。東京都の葛飾区・足立区に接する密度の高さを便利さの話で終わらせず、施設ひとつの使われ方が多くの住民に及ぶという行政の側の事情まで述べます
なぜ県庁ではなく市役所か埼玉県は八潮南部西地区土地区画整理事業という面の整備を担い、市は日々の暮らしの窓口を担う県と市が同じ市域で別の役割を持っている事実を挙げ、自分がどちらの距離感で働きたいのかを理由とともに述べます
防災の備え埼玉県の想定では東京湾北部地震で県南東部を中心に建物全壊(揺れ)8,127棟、(液状化)5,253棟、死者585人が見込まれる避難所の話に飛ばず、液状化の想定棟数が大きいという地盤の条件から、市の備えの優先順位を考えて述べます
求める職員像市ホームページ上に定型化された公表文言は確認できず、令和8年2月19日の職員採用説明会で説明された旨が公表されている公表文言を引用する代わりに、説明会や広報から読み取った市の姿勢を自分の解釈として述べ、根拠を添えます
試験の性格第1次が書類選考、第2次が筆記と論文、面接は第3次の個別面接1回のみ面接が1回だという前提を踏まえ、申込書や論文で書いた内容と食い違わない話し方を選んでいると示します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1つか2つに絞り、事実から自分の問題意識、そして市職員として関わりたい仕事までを一息で話せる形にしておくことです。

想定される評価の観点

面接は「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
書いた内容との一貫性第1次の書類選考と第2次の論文を経て面接に進むため、面接官の手元には受験者の書いた文章がある申込内容と論文で述べたことを自分で読み返し、面接で同じ立場から話せるようにしておく。書いた自分と話す自分がずれないことが土台になる
一度で伝え切る組み立て面接は第3次の個別面接1回のみで、複数回に分けて印象を重ねる機会がない言いたいことを三つまでに絞り、どの質問からでもその三つへ戻れるように話の道筋を作っておく
課題を文章で整理する力第2次試験の論文は90分で800字程度。文章による表現力と課題に対する理解力が評価される面接対策と論文対策を分けず、市の課題について書いた原稿をそのまま口頭で説明する練習に使う

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 八潮市公式サイトの職員募集のページで、今年度のどの回に何の職種が募集されているかを確認する
  2. 電子申請の入力内容を下書きしてから申し込む。第1次試験がこの内容による書類選考なので、思いつきで書かずに構成を決めてから入力する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、密度の高い市域と県の区画整理事業、地震の想定から、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、事実から問題意識、やりたい仕事までを一続きの話に編む
  6. 800字の論文を実際に90分で書き、書いた内容を口頭で3分に要約する練習をする。論文と面接を一つの準備としてつなげる

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2と6の書く準備を優先してください。第1次が書類選考、第2次に論文があるこの試験では、書いたものが通らなければ面接の機会そのものが訪れません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、八潮市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

八潮市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

八潮市役所の想定問答集を見る

さいごに

八潮市の採用試験は、書くことから始まって書くことで絞られ、最後に一度だけ話す機会が来る試験です。第1次は電子申請で申し込んだ内容による書類選考、第2次はSPI3と90分800字の論文、そして第3次が個別面接。

面接が1回しかないということは、そこで語る内容が申込書や論文と食い違えば、それを補う場がないということでもあります。逆に言えば、書いたものと話すことが一本につながっていれば、それだけで強い印象になります

求める職員像として市が公表している定型の文言は確認できませんでしたので、市の言葉を借りるのではなく、自分で調べた事実から語ることになります。面積18.02km²に9万人以上が暮らし、県の区画整理事業が今も動き、東京湾北部地震では液状化を含む被害が県南東部に集中すると想定されている市。

その中で自分は何を担いたいのか。申込フォームに書いた一文から面接の最後の一言まで、同じ考えで貫いてください。