本記事では、鴻巣市職員採用試験の面接対策で必要な、鴻巣市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

鴻巣市役所の面接試験では、「なぜ鴻巣市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の経験を市の仕事にどう活かすのか」といった質問が想定されます。鴻巣市は求める人材と選考方針を5項目まで具体的に公表している市で、何を見られるのかが受験案内の段階で示されています。

本記事の掲載内容を参考に、公表されている選考方針と自分の経験を結び付け、面接での回答づくりに役立ててください。

第1部|自治体研究編

鴻巣市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは鴻巣市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口117,556人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積67.44km²・人口密度1,743人/km²の市である。令和8年度の受験案内の掲載時点では人口117,589人、世帯数54,792世帯とされている。
  • 市の職員数は712人(受験案内の掲載時点)。11万人規模の暮らしを、この人数で支えている。
  • 接しているのは桶川市・北本市・行田市・熊谷市・久喜市・加須市・比企郡吉見町の7自治体。県内でも多くの市町と境を接する位置にある。
  • 市の花はパンジー、市の木はケヤキ。市役所は〒365-8601 鴻巣市中央1番1号に置かれている(団体コード11217-8)。
  • 埼玉県の「多様な働き方実践企業・プラチナ」の認定を受けている(令和8年4月1日現在)。
  • 一般事務職の採用は上級(大卒)・中級(短大卒・専門学校卒)・初級(高卒)の3区分制。職務経験が5年以上ある人は年齢要件の上限が拡大される。
  • 採用試験は年度内に5月試験・9月試験など複数回が実施される。令和8年度の9月試験では一般事務職10人程度が募集されている。
  • 試験は3段階で、第2次・第3次はいずれも面接試験。人物を見る段階が2回置かれている。

鴻巣市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、「鴻巣市がどれくらいの規模の市なのか」を数字で言えることは重要です。

下表には、人口と市域の広さに加えて、受験案内に載っている市勢と職員数を並べました。市の大きさを測る手がかりとして、埼玉県全体の推計人口も添えています。

項目内容
総人口117,556人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積67.44km²
人口密度1,743人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
受験案内掲載の市勢人口117,589人、世帯数54,792世帯、職員数712人(令和8年度9月試験の受験案内掲載時点)
隣接自治体桶川市、北本市、行田市、熊谷市、久喜市、加須市、比企郡吉見町
市役所所在地〒365-8601 埼玉県鴻巣市中央1番1号
市の花・市の木パンジー・ケヤキ
初任給(参考)上級(大卒)251,856円、中級(短大・専門卒)239,136円、初級(高卒)225,886円(給料+地域手当・令和8年4月1日現在)
(参考)埼玉県の推計人口7,291,615人、3,323,676世帯(令和8年6月1日現在)

鴻巣市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです。受験案内掲載の市勢と初任給は、令和8年度鴻巣市職員採用試験(9月試験)の受験案内による数値です。埼玉県の推計人口は埼玉県公式サイトの統計による数値です。市の統計の最新値は、鴻巣市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字が語る鴻巣市政の輪郭

この市を理解するうえで、いちばん使いやすい数字は職員数712人です。人口11万人台の暮らしを、この人数の職員が担っています。一人の職員が受け持つ市民の数は、そのまま仕事の幅の広さになります。専門ごとに人を置く余裕が大きいわけではないので、税務も福祉もまちづくりも、数年ごとに担当が変わりながら覚えていくことになります。

面接で「どんな仕事をしたいか」を語るときは、一つの分野に絞り込みすぎない言い方をしておくと、実情に合った答えになります。

県全体の規模も押さえておきましょう。埼玉県の推計人口は令和8年6月1日現在で7,291,615人、世帯数は3,323,676世帯です。推計人口は直近の国勢調査人口を基準に、各月の出生・死亡・転入・転出を加減して算出されています(出典:埼玉県の推計人口|令和8年6月1日現在

人口の数え方に複数の系統があることは、統計を扱う仕事では基本になります。受験案内に載っている人口と、市の統計ページの人口が一致しないことがあるのは、時点や基準が違うからです。

数字を引用するときは、いつ時点のどの統計かをセットで言えるようにしておきましょう。

「鴻巣市は人口が11万人ほどで、市の職員は700人あまりだと知りました。一人が受け持つ範囲が広いぶん、いろいろな分野を経験できる職場だと感じています。まずは窓口で市民の方と直接やりとりする仕事から始めて、その経験を次の部署でも使えるようにしていきたいです」

鴻巣市の経済・産業

7つの自治体に囲まれた位置

鴻巣市は、桶川市・北本市・行田市・熊谷市・久喜市・加須市・比企郡吉見町という7つの自治体と境を接しています。人口密度1,743人/km²という値と合わせて考えると、市の外に働く場を持つ人と、市の中に通ってくる人が日々すれ違う市だということがわかります。

市の経済を市内の統計だけで語ることはできません。買い物も通勤も通院も、市境をまたいで起きているからです。

産業や雇用の話題では、市内で完結させる発想ではなく、この行き来のなかで市がどんな役割を持つのかという視点を持っておきましょう。

県のものづくりを支える層の厚さ

埼玉県の製造業は、事業所数が令和6年で13,159事業所(全国第4位、全国シェア5.9%)、従業者数が385,901人(全国第4位、シェア5.0%)です(出典:産業と雇用のすがた|令和7年度版。シェアで見れば5%台ながら、事業所数も従業者数も全国第4位という位置にあります。

ひとつの大企業に依存する構造ではなく、多くの事業所が県内に散らばっている姿です。この構造のもとでは、市がひとつの企業の動向に振り回されにくい反面、支援の相手が広く分散するという難しさも生まれます。

産業振興を志望動機にするなら、大きな誘致の話よりも、小さな事業所にどう手が届くかという話のほうが、市の実情に近くなります。

大きな事業が動く県のなかで

県内では大規模な都市開発も進んでいます。埼玉県は八潮南部西地区土地区画整理事業を進めており、令和7年度当初予算でも保留地の売却(796百万円)を歳入確保策として計上しています(参考:令和7年度当初予算案の概要|埼玉県

県内のどこかで新しいまちが生まれる一方、多くの市はすでにある道路や施設を使い続けていく側にあります。鴻巣市もその一つです。

新しくつくる仕事より、あるものを直し、使い方を変える仕事のほうが多いという前提は、市職員の日常を想像するうえで役に立ちます。

鴻巣市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、鴻巣市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を問われたときに引き出せるよう、次の4つを持っておきましょう。

11万人を712人で支えるということ

職員数712人という体制は、これから先の課題にも直結します。人口が減っても、窓口の数も道路の長さも施設の数も、それに合わせて自動的に減るわけではありません。仕事の量が先に減ることはなく、担う人の数のほうが先に問われます

退職していく世代が積み上げてきたやり方を、次に入る職員がどう引き継いで改善するか。そこが詰まると、人数の不足がそのままサービスの質に出ます。

鴻巣市が一般事務職を上級・中級・初級の3区分で採り、職務経験が5年以上ある人には年齢要件の上限を広げているのも、担い手を広く集めるための工夫として理解できます。

手のかかる支援が必要な人が増える

埼玉県の75歳以上人口は令和7年に約121万人、令和32年(2050年)には約146万人に達する見込みです。85歳以上人口は令和22年(2040年)に約57万人となり、令和2年に比べて2倍以上に増える見込みとされています(出典:埼玉県の高齢化の状況

高齢者が増えるという話と、支援に手のかかる年代が増えるという話は、行政にとって意味が違います。訪問して確かめる、書類の記入を手伝う、家族と連絡を取る。どれも時間のかかる仕事で、職員数が急に増えるわけではありません。

鴻巣市自身の位置も見ておきましょう。住民基本台帳にもとづく令和8年1月1日現在の値では、鴻巣市の高齢化率は31.2%、75歳以上の割合は17.7%で、同じ住民基本台帳ベースの埼玉県全体である27.0%・16.0%を上回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在

75歳以上だけで20,861人です。先に挙げた県の見込みは推計にもとづく値で、市の値とは調査が異なるため直接は比べられませんが、市の側で見ても、手のかかる支援を必要とする層がすでに厚いことは読み取れます。

この人数と職員712人という体制を並べたとき、何が起きるか。市の福祉分野を志望するなら、制度の名前を覚えるより、この対比から話を始めるほうが役に立ちます。

県内で最大の被害が想定される地震への備え

埼玉県地震被害想定調査が想定する5つの地震のうち、最大の被害が見込まれるのは関東平野北西縁断層帯地震(深谷断層と綾瀬川断層を一体として想定)で、死者3,599人と想定されています。30年以内の発生確率は0.008%以下とされていますが、県の5か年計画は、感染症の拡大や激甚化・頻発化する自然災害への対応を「待ったなし」の課題として明記しています(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度

確率の数字だけを見て備えを後回しにできないというのが、防災を担う側の立場です。市のハザードマップで、自分の関わる地区にどんな被害が想定されているかを一度は見ておいてください。

働き続けられる職場をつくる

鴻巣市は埼玉県の「多様な働き方実践企業・プラチナ」の認定を受けています(令和8年4月1日現在)。認定を受けているということは、働き方の面で県の基準を満たしていると外から評価されているということです。

人手に余裕のない組織ほど、休みが取りにくくなり、辞める人が出ればさらに苦しくなります。採ることと、辞めずに働き続けられることは一続きの課題です。

長く働けるかを問われたときには、この認定に触れながら、自分がどんな働き方を続けたいのかを語ると、市の取り組みを踏まえた答えになります。

鴻巣市の重点政策|求める人材と選考方針、埼玉県5か年計画

鴻巣市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。以下では、受験案内が「求める人材と選考方針」として示した5項目を読み解き、続けて県が掲げる課題認識を確認します。選考の物差しと県の見立て、この2つが鴻巣市を語るときの前提になります。

5項目で示された「求める人材と選考方針」

鴻巣市は、求める人材と選考方針を受験案内のなかで5項目として掲げています(出典:鴻巣市職員採用試験受験案内|令和8年度(9月試験)

  • 市民から信頼される人
  • 市民との協働意識を持つ人
  • 自らの資質向上に努める主体的な人
  • 挑戦(チャレンジ)する人
  • 経営感覚を備えた人

注目したいのは、これが「求める人材」ではなく「求める人材と選考方針」として示されている点です。理想像を並べたものではなく、選ぶときの物差しとして掲げられているということです。

5項目の並び順にも意味を読み取れます。まず信頼、次に協働、そして自分を高めること、挑戦、最後に経営感覚。

市民との関係が先にあり、職員としての力の話がその後に続いています。自己PRでは「挑戦する姿勢があります」と言い切るのではなく、誰の信頼を得たうえで、何に挑んだのかという順で話すと、この方針に沿った説明になります。

埼玉県5か年計画が示す前提

市政の背景には、県の計画もあります。埼玉県5か年計画(令和4年度から令和8年度、日本一暮らしやすい埼玉へ)は、県が直面する最大の課題を「人類が経験したことのない超少子高齢社会への対応」と位置づけ、2040年を見据えて3つの将来像・12の針路・54の分野別施策を設定しています(出典:埼玉県5か年計画(ダイジェスト版)|令和4年3月策定

県が県全体の方向を示し、市が11万人の暮らしの現場で形にする。この関係を理解しておくと、後述する「なぜ県庁ではなく市役所なのか」という質問に自分の言葉で答えられるようになります。

POINT|5項目を覚えるだけでは足りない

選考方針の文言を暗記することが自治体研究の目的ではありません。関心のある分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②市はどんな状態を目指すか → ③今どんな取り組みがあるか → ④市だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験をどう生かせるか」の順に調べていきましょう。

悪い例「経営感覚を持って仕事に取り組みたいです」

改善例「市の職員は700人あまりで、人口は11万人を超えると知りました。全部を新しくするのは難しいと思いますので、いまある仕組みのどこを直せば手間が減るのかを、現場で確かめながら考えていきたいです」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 鴻巣市職員採用試験の受験案内(受験する試験回・区分・職種のもの)
  • 鴻巣市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
  • 市のハザードマップ(自分の関わる地区の想定を知る材料として)
  • 埼玉県5か年計画、埼玉県の統計資料(市政の背景を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、鴻巣市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。鴻巣市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

鴻巣市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

鴻巣市役所の面接の概要

ここからは、鴻巣市役所の採用試験の構成と、公表されている選考方針、面接で問われやすい質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

令和8年度(9月試験)の試験構成

鴻巣市は年度内に5月試験・9月試験など複数回の採用試験を実施しており、試験回によって職種や日程が異なります。ここでは、一般事務職10人程度を募集する令和8年度の9月試験を主軸に整理します。

なお、令和8年度の5月試験を受験して第2次試験で不合格となった人は、9月試験を受験できません。同じ年度のなかで受け直せる回とそうでない場合があるため、どの回に出願するかは早めに決めておく必要があります。

試験は3段階です。第1次試験で適性検査と教養試験、第2次試験と第3次試験がいずれも面接試験という構成になっています。

項目内容(令和8年度・9月試験)
募集職種と人数一般事務職10人程度。一般事務職(障がい者)・保育士・保健師・管理栄養士・学芸員・精神保健福祉士・一般技術職(建築)・一般技術職(土木)・建築基準適合判定資格者・土木施工管理技士は各若干名
一般事務職の試験区分上級(大卒及び卒業見込み)、中級(短大卒・専門学校卒及び卒業見込み)、初級(高卒及び卒業見込み)の3区分
年齢要件の特例令和8年7月1日現在で民間企業等における職務経験が5年以上ある人は、年齢要件の上限が拡大される
試験の段階第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階
第1次試験(一般事務職)適性検査と教養試験。資格職・技術職の第1次試験は適性検査のみ
教養試験の内容時事、社会、人文及び自然に関する一般知識並びに文章理解、判断推理、数的推理及び資料解釈に関する一般知能等
適性検査の内容公務員として職務遂行上必要な素質、適性等
第2次・第3次試験いずれも面接試験(第1次試験合格者のみ)
集団形式・論文受験案内に集団面接・集団討論・論文試験の記載はない
申込方法原則として鴻巣市電子申請・届出サービスからのWeb申込。書面申込の場合は申込書・受験票(いずれも写真貼付)と返信用封筒2通が必要。面接カードの様式指定はない
重複受験の制限令和8年度5月試験を受験し第2次試験で不合格となった人は、9月試験を受験できない
合格後の扱い最終合格者は採用候補者名簿に登載され、原則として令和9年4月1日以降の採用となる
配点受験案内に記載がなく未公表

上表は令和8年度鴻巣市職員採用試験(9月試験)の受験案内(前掲)にもとづく内容です(参考:職員採用試験情報|鴻巣市。受験案内では第2次・第3次のいずれも「面接試験」と書かれるにとどまり、個別で行うのか集団で行うのかまでは示されていません。試験回・区分・職種によって内容は異なります。受験の際は、必ず最新の受験案内でご自身の試験回と区分の情報をご確認ください。

この構成で押さえておきたいのは、一般事務職だけが第1次試験で教養試験を課される点です。資格職や技術職は適性検査のみですから、一般事務職は筆記の負担が相対的に重い区分だといえます。

そのうえで第2次・第3次が両方とも面接試験ですので、筆記で通過したあとに人物を見る段階が2回続きます。教養試験の対策に時間を割きすぎて、面接の準備に手が回らないという配分にならないよう注意してください。

鴻巣市が求める人材と選考方針

第1部で見たとおり、鴻巣市は選考方針を5項目で公表しています。面接対策としては、この5つを別々の資質として暗記するより、信頼を得る → 一緒に取り組む → 自分を高める → 挑む → 資源を見て判断するという一連の流れとして捉えるほうが使いやすくなります。

どこか一つだけを強く語ると、他の4つが空白のまま残ってしまうからです。自己PRを組み立てるときは、自分の経験がこの流れのどこから始まってどこまで進んだのかを確かめてみてください。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。鴻巣市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までの道順はすぐにわかりましたか構えていない場面での表情と、会話の入り方
② 動機・志望周辺にも市はあるなかで、なぜ鴻巣市なのですか7つの自治体に囲まれた市を、地図の上で理解して選んでいるか
③ 自己理解あなたが自分に足りないと感じている力は何ですか弱みを認めたうえで、補う行動まで語れるか
④ 経験・行動信頼してもらうために、意識してきたことはありますか信頼を結果ではなく行動として語れるかどうか
⑤ 学業・経歴学んできたことのうち、いま役に立っていることは何ですか学びを実際の場面に結び付けられるか
⑥ 適性・将来数年ごとに担当が変わる働き方を、どう思いますか幅広く経験することへの心構え
⑦ 公共性・社会性市民との協働とは、具体的にどうすることだと思いますか選考方針の言葉を自分の言葉に置き換えられるか

ただし、この7カテゴリーは鴻巣市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「鴻巣市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「鴻巣市役所ならでは」の質問

「なぜ埼玉県庁ではなく、鴻巣市役所なのですか」
「鴻巣市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも鴻巣市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料を持っている人だけが、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「鴻巣市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい鴻巣市の事実答え方のヒント
市の規模と体制人口117,556人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積67.44km²、人口密度1,743人/km²。受験案内の掲載時点で職員数は712人職員数と人口を並べて、一人が広い範囲を受け持つ職場だと理解していることを示します
選考方針「市民から信頼される人」「市民との協働意識を持つ人」「自らの資質向上に努める主体的な人」「挑戦(チャレンジ)する人」「経営感覚を備えた人」の5項目5つを暗唱せず、自分の経験がどの項目から始まってどこまで進んだのかを一続きで説明します
働き方への取り組み埼玉県の「多様な働き方実践企業・プラチナ」の認定を受けている(令和8年4月1日現在)長く働けるかを問われたときの材料にし、自分がどんな働き方を続けたいのかまで述べます
試験の性格一般事務職のみ第1次で教養試験があり、第2次・第3次はいずれも面接試験。年度内に複数回の試験があり重複受験の制限がある筆記と面接の準備配分を自分で決めてきたことを、具体的な進め方として話します
なぜ県庁ではなく市役所か県は5か年計画で超少子高齢社会への対応という県全体の方向を示し、市は11万人の暮らしの窓口を担う役割の違いを述べて終わらせず、鴻巣市で自分が向き合いたい相手を具体的に挙げます

コツは、5つを丸ごと覚えることではありません。自分の関心に近いテーマを1〜2つ選び、事実から自分の問題意識へ、そして市職員としてやってみたいことへと一続きにつないでおくと、掘り下げられても話が崩れません。

想定される評価の観点

面接は、公表された選考方針に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの整い方ではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
信頼される力任された役割を最後までやり切った経験があるか選考方針の1つ目が「市民から信頼される人」であることを踏まえ、途中で誰かに任せ直さずに続けた場面を一つ用意しておく
主体的に伸びる力誰にも言われずに勉強や練習を続けた経験があるか「自らの資質向上に努める主体的な人」という項目に照らし、続けた期間と、そこで何ができるようになったかを言えるようにしておく
経営感覚限られた予算や人手のなかで、優先順位をつけて動いた経験があるか職員712人で11万人の暮らしを支えるという条件を踏まえ、何かを増やすのではなく手順を減らして解決した経験を探しておく

なお、公務員の面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。鴻巣市は面接試験が2回ありますので、同じテーマを別の面接官から角度を変えて問われる前提で準備しておきましょう。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを用意しておくことが、いちばんの備えになります。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 受験する試験回と区分を決めて、その受験案内を最後まで読む。鴻巣市は年度内に複数回の試験があり重複受験の制限もあるため、出願先の選び方そのものが最初の判断になる
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 一般事務職は第1次で教養試験があるため、一般知識と一般知能の両方を時間を計って解く練習を早めに始める。ただし面接の準備時間を削らない配分にする
  5. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、市の規模と職員数という条件から、志望分野に近い事実を2つか3つ、自分の言葉で説明できるようにする
  6. 声に出して練習する。選考方針の5項目それぞれに、自分の経験を1つずつ結び付けて話すところまでを型にしておく

優先順位に注意

ステップ4と5は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を鴻巣市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。面接試験が2回続く試験では、教養試験を通過したあとに残っているのは、語る材料の量だけです

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、鴻巣市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

鴻巣市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

鴻巣市役所の想定問答集を見る

さいごに

鴻巣市は、求める人材と選考方針を5項目まで言葉にして公表しています。信頼、協働、主体性、挑戦、経営感覚。これは理想像の列挙ではなく、選ぶ側が使う物差しとして示されたものです。

11万人余りの暮らしを712人の職員で支え、7つの自治体と境を接し、県の「多様な働き方実践企業・プラチナ」の認定を受けているこの市で、5つの物差しに自分の経験をどう差し出すか。教養試験を通過したあとに待っている2回の面接では、そこだけが問われます