本記事では、羽生市職員採用試験の面接対策で必要な、羽生市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
羽生市役所の面接試験では、「なぜ羽生市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の経験を市の仕事にどう活かすのか」といった質問が想定されます。羽生市は令和7年4月に人材育成基本方針を改め、目指す職員像を「郷土愛」と「チームで挑む」という言葉で示している市です。
本記事の掲載内容を参考に、公表された職員像と自分の経験を結び付け、面接での回答づくりに役立ててください。
第1部|自治体研究編
羽生市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは羽生市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口53,589人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積58.64km²・人口密度914人/km²の市である。
- 行田市・加須市と、群馬県邑楽郡板倉町・明和町に接する県北東部の市である。隣接する4つの自治体のうち2つが県外という位置にある。
- 同じ住民基本台帳(令和8年1月1日現在)で県内40市の人口を並べると、羽生市は下から3番目。5万人台の自治体で行政がどう回っているのかを知ることが、この市を理解する入口になる。
- 人口密度914人/km²は、隣接する加須市の839人/km²と近い水準。県北東部は、市域に対して人口が薄く広がる地域である。
- 市の花はフジ、市の木はモクセイ。
- 市役所は〒348-8601 羽生市東六丁目15番地に置かれている(団体コード11216-0)。
- 目指す職員像を公式文書で公表している市である。面接で照らされる基準を受験前に読める点は、対策の材料として大きい(内容は重点政策の章で扱う)。
- 埼玉県全体の人口は令和7年国勢調査の速報結果で7,287,169人となり、前回(令和2年)から0.8%減った。県内で人口が増えたのは10市町、減ったのは53市町村である。
羽生市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、羽生市がどのくらいの規模で、どこと隣り合う市なのかを説明できることは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、周囲との位置関係など、市政の性格を説明できる項目を優先して整理しました。規模を測るときの比較先として、埼玉県全体の数値もあわせて載せています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 53,589人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 58.64km² |
| 人口密度 | 914人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 行田市、加須市、群馬県邑楽郡板倉町、群馬県邑楽郡明和町 |
| 市役所所在地 | 〒348-8601 埼玉県羽生市東六丁目15番地 |
| 市の花・市の木 | フジ・モクセイ |
| 目指す職員像 | 羽生市への郷土愛と市民感覚を持ち合わせつつ、困難な課題にもチームで解決に果敢に挑む職員(令和7年4月・人材育成基本方針) |
| (参考)埼玉県の総人口 | 7,287,169人(令和7年国勢調査速報結果) |
| (参考)埼玉県の面積 | 約3,798km²(1都6県に接する内陸県) |
羽生市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです。目指す職員像は羽生市人材育成基本方針(令和7年4月)の記載によります。埼玉県の総人口・面積は埼玉県公式サイトの資料による数値です。市の統計の最新値は、羽生市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。
県境の市であるという条件
羽生市を理解する手がかりは、隣接自治体の顔ぶれにあります。行田市と加須市という県内2市に加え、群馬県の板倉町と明和町に接しています。県境をまたぐ地域では、通勤や通学、買い物、医療といった暮らしの動きが、県という区切りとは一致しません。
また、災害時の助け合いや広域の連携も、埼玉県の内側だけを見ていては組み立てられません。県境に位置するという条件は、市の仕事の前提として押さえておく価値があります。
あわせて、県全体の人口の動きも見ておきましょう。埼玉県の人口は令和7年国勢調査の速報結果で7,287,169人となり、大正9年の調査開始以来はじめて前回を下回りました。増えたのは10市町、減ったのは53市町村です(出典:令和7年国勢調査速報結果|埼玉県)。
県全体が増える時代が終わったということは、市町村どうしで住む人を分け合う時代に入ったということでもあります。面接では、次のように数字を自分の言葉に変えられます。
羽生市の経済・産業
中小の工場が集まる県という前提
羽生市の産業を考えるうえで土台になるのが、埼玉県が製造業の集積地だという事実です。令和5年の製造品出荷額等は15兆3,297億円で全国第6位(全国シェア4.1%)、付加価値額5兆3,092億円は全国第5位でした。令和6年の製造業を見ると、事業所数13,159(全国第4位、シェア5.9%)、従業者数385,901人(全国第4位、シェア5.0%)です(出典:産業と雇用のすがた(製造業)|令和7年度版)。
出荷額の順位より事業所数と従業者数の順位が高いのは、中小規模の工場が数多く集まっている県だからです。大企業1社に依存する構造ではない代わりに、支える相手の数が多いということでもあります。
県経済のなかでの位置
県全体の経済規模も押さえておきましょう。埼玉県の県内総生産(名目)は令和4年度に24兆6,656億円。20年続けて全国第5位の位置にあり、実質でも24兆467億円と2年連続で増えています(出典:産業と雇用のすがた|令和7年度版)。
この規模の県経済のなかで、人口5万人台の市が担う役割は何か。市の産業政策を語るときは、県全体の数字をそのまま持ち出すのではなく、市の規模に引き寄せて話すことが大切です。
群馬県と隣り合う市の経済圏
羽生市は行田市・加須市と接し、県境を越えた先では群馬県の板倉町・明和町と隣り合っています。働く場も買い物先も、市の境界や県の境界で止まるわけではありません。産業政策を市内の事業所の話だけで語れないのは、そのためです。
市に何を呼び込むかという問いと、市の外へ通う人の暮らしをどう成り立たせるかという問いは、どちらも市の仕事に含まれます。面接で産業について問われたら、この二方向を意識して答えると話に奥行きが出ます。
羽生市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、羽生市を含む埼玉県内の市町村が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
人口を分け合う時代に入った
県全体の人口が調査開始以来はじめて減少に転じ、増えた市町村は10にとどまりました。5万人ほどの市では、数百人の出入りが学級の数や地域の行事の担い手にそのまま響きます。
住む場所として選ばれ続けられるかどうかが、そのまま市の将来の姿になる局面です。住宅、子育て、働き口、交通といった条件をどこまで具体的に用意できるかが問われます。
85歳以上が2倍以上に増える見通し
埼玉県の高齢化率は令和2年で27.0%、令和22年(2040年)には33.3%になる見込みです。注目したいのはその中身で、85歳以上人口は令和22年(2040年)に約57万人と、令和2年に比べて2倍以上に増えると見込まれています(出典:高齢化の状況|埼玉県)。
高齢化という言葉を一括りにせず、支援の必要度が高い年齢層が急に増えるという形で捉えると、介護、住まい、見守り、移動といった分野の話が具体的になります。
そのうえで、羽生市自身の数字を重ねてみましょう。総務省が住民基本台帳をもとにまとめた令和8年1月1日現在の集計では、羽生市の65歳以上人口は16,785人で高齢化率31.3%、75歳以上は9,291人(17.3%)です。
同じ住民基本台帳ベースの埼玉県全体は高齢化率27.0%・75歳以上率16.0%ですから、羽生市は県平均より4ポイントほど高い位置にあります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。
なお、この集計と、先に挙げた国勢調査にもとづく県の高齢化率は調査そのものが違うため、直接は比べられません。面接で高齢化を語るときは、すでに3人に1人近くが65歳以上という市の現状を先に置き、そのうえで県の見通しに触れる順番にすると、羽生市の話として伝わります。
限られた職員で市域を支える
面積58.64km²に約5万3千人が暮らすということは、道路や上下水道、学校、公共施設といった生活基盤を、限られた人数で維持していくということです。人が減った分だけ施設が減るわけではありませんし、老朽化した設備の更新費用は待ってくれません。職員の数にも限りがあるため、一人で複数の分野を受け持つのが当たり前になります。
どの施設を維持し、どの機能を近隣と分け合うのか。住民に説明しながら決めていく仕事が、これから増えていきます。
県北部に大きな被害をもたらす地震
埼玉県地震被害想定調査が想定する5つの地震のうち、被害が最大となるのは関東平野北西縁断層帯地震(深谷断層と綾瀬川断層を一体で想定)です。死者3,599人、避難所避難者144,968人、建物の全壊は揺れによるものが53,013棟、液状化によるものが2,116棟という規模です。ただし、30年以内の発生確率は0.008%以下とされています。
これに対し、県南東部が被害の中心となる東京湾北部地震(マグニチュード7.3)の想定は、死者585人、避難所避難者54,180人。南関東でのマグニチュード7級地震は、30年以内に70%の確率で起きるとされています(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度)。
発生確率は低くても被害が桁違いに大きい地震が、県北部を含む想定に置かれている。この二つを混同せずに語れると、防災の話題での受け答えが具体的になります。
羽生市の重点政策|羽生市人材育成基本方針と埼玉県5か年計画
羽生市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。羽生市が職員に何を求めているかを示す最新の文書から入り、そのあとで県全体の計画へ視野を広げます。
令和7年4月に改められた「目指す職員像」
羽生市は令和7年4月に人材育成基本方針を改定しました。掲げられた目指す職員像は、「羽生市への郷土愛と市民感覚を持ち合わせつつ、困難な課題にもチームで解決に果敢に挑む職員」です。この総括文のもとに、次の3項目が置かれています(出典:羽生市人材育成基本方針|令和7年4月)。
- コミュニケーション力を生かしてチームワークで仕事ができる職員
- 新しい課題へ積極的に挑戦できる職員
- 市民満足度志向を持った公正・公平に行動できる職員
あわせて、全職員に共通して求められる能力として、企画力・分析力、問題解決力、傾聴力・調整力・発信力、理解力・判断力・決断力、責任感・信頼性、経営感覚・コスト意識・市民目線、ストレスコントロール・柔軟性、当事者意識が列挙されています。一人で完結する能力より、人と組んで動くための能力が前に出ているのが、この方針の特徴です。
羽生市が人材育成基本方針を最初に策定したのは平成18年で、旧方針では市民感覚とコスト意識を持ち市民の視点で行動する職員、市民に公正・誠実に対応し信頼される職員、新しい課題に挑戦する職員、政策をつくり実行できる職員の4つを求められる人物像としていました。
令和7年4月の方針は、これらを本質として引き継いだうえで新しい職員像を設定しています。20年近く変わらず求められてきたものと、今回あらためて加わった言葉の両方があるという読み方をしておくと、面接での引用が的確になります。
POINT|「郷土愛」を出身地の話で終わらせない
郷土愛という言葉は、生まれ育った場所かどうかを問うものとは限りません。市外から受ける人も、市内で育った人も、「この土地の何を良いと思い、何を残したいのか」を自分の観察から語れれば十分です。
悪い例「私は羽生市で生まれ育ったので、郷土愛には自信があります」
改善例「志望を決めてから市内を歩いてみて、駅前から少し離れると景色が一気に変わるのが印象に残りました。住んでいる場所によって困りごとが違うのではと感じましたので、地区ごとの声を聞いて回るような仕事から関わりたいです」
背景となる埼玉県5か年計画
市政の背景として、県の最上位計画も押さえておきましょう。県の最上位計画である埼玉県5か年計画(令和4年度から令和8年度)は、「日本一暮らしやすい埼玉へ」を掲げ、最大の課題に「人類が経験したことのない超少子高齢社会への対応」を据えています。
中身は、2040年を見据えた3つの将来像と、12の針路、54の分野別施策。感染症の拡大や激甚化する自然災害への対応も「待ったなし」と明記されています(出典:埼玉県5か年計画(ダイジェスト版)|令和4年3月)。
県が並べた課題のうち、羽生市が正面から引き受けているのはどれか。市の計画は、そこを探しながら読むと頭に入りやすくなります。
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 羽生市職員採用試験案内(受験する年度・職種のもの)
- 羽生市人材育成基本方針(令和7年4月。目指す職員像と求められる能力の正本)
- 羽生市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
- 埼玉県5か年計画と県の統計資料、市のハザードマップ(市政の背景と足元のリスクを知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、羽生市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。羽生市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
羽生市役所の面接の概要
ここからは、羽生市役所の採用試験の構成と、公表された職員像、面接で問われやすい質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。
羽生市役所の採用試験の構成
令和8年度の職員採用試験案内によると、試験は第1次試験(筆記試験)、第2次試験(面接試験)、第3次試験(面接試験)の3段階です。ここで必ず区別しておきたいのが、職種によって第1次試験の中身が違うという点です。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 試験の段階 | 3段階。第1次試験が筆記試験、第2次試験が面接試験、第3次試験が面接試験 |
| 第1次試験(一般事務・上級) | 教養試験120分。時事、社会・人文、自然に関する一般知識を問う問題と、文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する能力を問う問題(大学卒業程度) |
| 第1次試験(一般事務・初級、障がい者) | 教養試験120分。内容は上級と同じ構成で、高校卒業程度 |
| 第1次試験(一般事務以外) | 土木・建築・保健師・管理栄養士・保育士・社会福祉士はSCOA90分(文書の読解力、数学的基礎知識、論理的思考力、一般教養知識、基礎的な英語知識を問う問題と性格検査。高校卒業程度) |
| 試験会場 | 一般事務は市内会場(羽生市民プラザ)での筆記。一般事務以外は全国のテストセンター会場を受験者が選択 |
| 適性検査 | 一般事務のみ性格特性検査20分。公務員に求められる資質についての適性検査 |
| 第2次・第3次試験 | いずれも面接試験。詳細は第1次試験合格者・第2次試験合格者に通知されるとされ、個別か集団かの別は試験案内に記載がありません |
| 提出書類 | 電子申請で卒業証明書または卒業見込証明書(全職種)、資格証書の写し等(保健師・管理栄養士・保育士・社会福祉士)、履修証明書または成績証明書(土木・建築)、顔写真データをアップロード。原本は第2次試験の際に提出。面接カード・エントリーシートの提出は試験案内に記載がありません |
| 募集職種と採用予定 | 一般事務(上級・初級・障がい者)で10名程度、土木・建築・保健師・管理栄養士・保育士・社会福祉士は各若干名 |
| 採用候補者名簿 | 最終合格者は名簿に登載され、意思確認および健康診断の結果、欠員の状況に応じて逐次採用内定。名簿は原則として1年間有効。職種によっては補欠者を決定し、辞退等で欠員が生じた場合に繰り上げ合格を決定する場合があります |
| 配点 | 試験案内に記載がありません(非公表) |
ここは取り違えの多いところなので、あらためて確認しておきます。一般事務は令和8年度も教養試験120分を維持しており、SCOAへの切替は一般事務以外の専門職に限られています。
羽生市がSCOAを導入したという情報だけを頼りに、一般事務の受験者が教養試験の対策をやめてしまうと、そのまま第1次試験で行き詰まります。会場も一般事務だけが市内の羽生市民プラザで、専門職は全国のテストセンターから選ぶ方式です。
自分の受ける職種の欄を、試験案内で必ず自分の目で確かめてください(出典:令和8年度羽生市職員採用試験案内|令和8年度)。
上記の試験構成は、羽生市の令和8年度職員採用試験案内にもとづくものです。採用試験の案内ページは年度をまたいで同じURLが使われており、検索結果では前年度の表記のまま表示される場合があります。掲載されているPDFの年度表記で判断してください。試験の構成・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験案内をご確認ください。
受験者数と倍率の推移
羽生市は過去の受験状況を試験案内に載せています。一般事務(上級・初級・障がい者の合計)は、令和5年度が受験者75人・合格者17人で倍率4.4、令和6年度が受験者42人・合格者10人で倍率4.2、令和7年度が受験者18人・合格者8人で倍率2.3でした。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 75人 | 17人 | 4.4 |
| 令和6年度 | 42人 | 10人 | 4.2 |
| 令和7年度 | 18人 | 8人 | 2.3 |
一般事務(上級・初級・障がい者)の合計値です。令和8年度羽生市職員採用試験案内に掲載された過去の受験状況によります。
3年で受験者数が4分の1近くまで減っている点は見逃せませんが、母数が小さいため、単年の倍率をそのまま難易度と読み替えるのは危険です。受験者18人・合格者8人という規模では、数人の増減で倍率が大きく動きます。
数字から読み取るべきは「入りやすくなった」ということではなく、市が人材の確保に力を入れる局面にあるという背景のほうです。
また、市が採用相談会を集合型(羽生市役所101会議室)とZoomによるオンライン型の2つの形式で開き、実際に働いている職員が仕事の内容ややりがい、不安に感じていることに答える場を設けているのも、その表れといえます。事前予約制ですので、日程を見つけたら早めに申し込んでおきましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。羽生市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日は緊張していますか | 不意の一言に、素の調子で返せるかどうか |
| ② 動機・志望 | 羽生市のどこに愛着を感じていますか | 郷土愛という言葉を、自分の観察で語れるか |
| ③ 自己理解 | 周りの人からは、どんな人だと言われますか | 自己像と他者の評価のずれを受け止めているか |
| ④ 経験・行動 | チームで動いたとき、自分はどの役回りでしたか | チームワークという言葉の中身を経験で説明できるか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んだことのうち、市の仕事に生きそうなものはありますか | 学んだ内容を実務に引き寄せて語れるか |
| ⑥ 適性・将来 | 新しいやり方を提案して、周りに反対されたらどうしますか | 挑戦する姿勢と、組織で働く現実感の両立 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 公正・公平に扱うとは、具体的にどうすることだと思いますか | 職員像の言葉を自分の言葉に置き換えられるか |
ただし、この7カテゴリーは羽生市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「羽生市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「羽生市役所ならでは」の質問
どちらも、羽生市を調べていなければ言葉の出てこない質問です。言い換えれば、調べてきた人と、そうでない人の差が最もはっきり出る質問でもあります。
こうした質問に答えるための「羽生市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい羽生市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 目指す職員像 | 令和7年4月の人材育成基本方針が、郷土愛と市民感覚、そしてチームで課題に挑む姿勢を掲げ、その下に3項目を置いている(総括文は基礎データの表に掲載) | 3項目のどれか1つを選び、その言葉に当てはまる出来事を自分の経験から1つ差し出します。3つ全部に触れようとすると話が薄くなります |
| 県境の市であること | 行田市・加須市と、群馬県邑楽郡板倉町・明和町に接する。隣接4自治体のうち2つが県外 | 県をまたぐ暮らしや広域の連携という視点を持ち込み、市単独では解けない課題を1つ挙げます |
| 市の規模 | 人口53,589人、面積58.64km²、人口密度914人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。県内40市では人口が下から3番目 | 規模の小ささを、職員一人が受け持つ範囲の広さとして語り、そこで働きたい理由につなげます |
| 採用の状況 | 一般事務(上級・初級・障がい者の合計)の倍率は令和5年度4.4、令和6年度4.2、令和7年度2.3。名簿は原則1年間有効で、欠員の状況に応じて逐次採用内定 | 倍率の低下を「入りやすい」と口にしないこと。人材を確保したい市の側の事情を理解し、長く働く意思を示す材料に使います |
| 試験の性格 | 一般事務は教養試験120分と性格特性検査20分で、会場は羽生市民プラザ。専門職はSCOA90分でテストセンター方式 | 自分の職種の試験構成を正確に述べられるようにしておきます。準備の段取りを聞かれたときに、そのまま答えの材料になります |
コツは、5つを丸ごと覚えることではありません。自分の関心に近いテーマを1〜2つ選び、事実から自分の問題意識へ、そして市職員としてやってみたいことへと一続きにつないでおくと、掘り下げられても話が崩れません。
想定される評価の観点
面接は、公表された職員像に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの整い方ではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| チームで仕事を進める力 | 複数人で動いた場面での役回りと、周囲への働きかけ | 方針の第1項目がコミュニケーション力とチームワークである点を踏まえ、自分が引っ張った話と、人を立てた話の両方を用意しておく |
| 新しい課題へ挑む姿勢 | 前例のない場面で、どこまで自分で判断して動いたか | 方針の第2項目に当たる経験として、提案が通らなかった場合も含め、その後どうしたかまで語れる形にしておく |
| 公正・公平に行動する感覚 | 特定の人に肩入れせず、線を引いた経験があるか | 方針の第3項目に当たる場面を探し、判断の理由を自分の言葉で説明できるようにしておく |
なお、公務員の採用面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
羽生市は面接の段階が2つある分、形式が個別であれ集団であれ、同じ話題を別の角度から問われる場面が想定されます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 試験案内のPDFをダウンロードし、年度表記を確かめたうえで、自分の職種の第1次試験の欄を読む。一般事務なら教養試験120分、専門職ならSCOA90分と、準備するものがはっきり分かれる
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 人材育成基本方針の3項目を書き写し、それぞれに自分の経験を1つずつ割り当てる。当てはまらない項目があれば、そこが弱点だと分かる
- 採用相談会(集合型またはオンライン型)に申し込み、働いている職員から仕事の実際を聞く。そこで得た言葉は、志望動機の裏づけになる
- 声に出して練習する。県境の市であることや市の規模といった事実を、自分の関心に引き寄せて語る形を繰り返しておく
優先順位に注意
ステップ5と6は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ1で自分の職種の試験内容を確定させることと、ステップ2の経験の棚卸しを優先してください。一般事務と専門職で第1次試験がまったく違う市では、最初の確認を誤ると準備の方向ごとずれます。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、羽生市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
羽生市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
羽生市は令和7年4月に、目指す職員像を「郷土愛」と「チームで挑む」という言葉で言い直しました。面接で何を確かめたいのかを、市の側から先に示しているようなものです。
人口53,589人、面積58.64km²。隣り合う4つの自治体のうち2つが群馬県の町という位置で、この土地の何を良いと思い、誰と組んで何を変えたいのか。
方針の言葉に自分の出来事を一つずつ重ねられたとき、2回の面接での受け答えは自然と地に足のついたものになります。