本記事では、桶川市職員採用試験の面接対策で必要な、桶川市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

桶川市役所の面接試験では、「なぜ桶川市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みを市の仕事でどう発揮するのか」といった、市の実情の理解を前提とした質問が想定されます。桶川市の採用試験は第1次の段階から個別面接が課される作りになっており、早い段階で人物を見られる試験だと考えて準備を進める必要があります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と桶川市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

桶川市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは桶川市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口74,120人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積25.35km²、人口密度2,924人/km²の市である。団体コードは11231-3。
  • 市域は25.35km²で、埼玉県全体の約3,798km²のうち1%に満たない。そこに7万人余りが暮らしているため、人口密度は市域の狭さを映して高くなっている。
  • 市役所はJR高崎線の桶川駅から徒歩約10分の場所にある。行政の窓口が駅から歩ける距離にあるという点は、市の成り立ちを考えるうえでの手がかりになる。
  • 上尾市・北本市・鴻巣市・蓮田市・久喜市の5市と、北足立郡伊奈町・比企郡川島町の2町に接している。
  • 市の職員採用の受験案内は、表紙に「桶川市、なかなか。」という一行を掲げ、「私たちと桶川市をよりよくする仕事を。」と呼びかけている。
  • 市の花はツツジ、市の木はケヤキ。市役所は泉一丁目に置かれている。
  • 令和8年度の職員採用試験は年度内に複数回実施されており、第1回を受験した人も第2回を受験できるとされている。
  • 令和8年度第2回の試験では、第1次試験の段階で全職種を対象に30分の個別面接が行われる。

桶川市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「桶川市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、位置関係など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。市の大きさを測るときの物差しとして、埼玉県全体の数値も並べています。

項目内容
総人口74,120人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積25.35km²
人口密度2,924人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体上尾市、北本市、鴻巣市、蓮田市、久喜市、北足立郡伊奈町、比企郡川島町
市役所所在地〒363-8501 埼玉県桶川市泉一丁目3番28号(JR高崎線桶川駅から徒歩約10分)
市の花・市の木ツツジ・ケヤキ
(参考)埼玉県の推計人口7,291,615人(令和8年6月1日現在)
(参考)埼玉県の世帯数3,323,676世帯(令和8年6月1日現在)
(参考)埼玉県の面積約3,798km²(全国第39位)
(参考)埼玉県の生産年齢人口平成12年の501万人がピーク。令和22年には380万人へ減る見込み

桶川市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理したものです。市役所の所在地と駅からの距離は、桶川市の令和8年度第2回職員採用試験受験案内の記載によります。埼玉県の推計人口・世帯数・面積・生産年齢人口は埼玉県公式サイトの資料による数値です。市の統計の最新値は、桶川市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

桶川市の7万人という人口は、それだけでは大きいとも小さいとも言えません。意味が出てくるのは、市域の狭さと重ねたときです。

埼玉県の面積は約3,798km²で全国第39位。桶川市の25.35km²はそのうち1%に満たない広さで、人口密度は2,924人/km²になります。

人が近い距離に住んでいるということは、施設や窓口も互いに近い場所に置けるということです。それは、少ない拠点で市域全体をまかなえるという強みでもあります。

問題は、その前提が動き始めていることです。埼玉県の推計人口は令和8年6月1日現在で7,291,615人、世帯数は3,323,676世帯。

一方で県の生産年齢人口は、平成12年の501万人をピークに、令和22年には380万人まで減る見通しです(出典:埼玉県推計人口|令和8年6月1日現在

働く世代が百万人以上減る局面では、施設の使われ方も、税収の見通しも、職員の確保の難しさも変わります。面積の小ささを起点にすると、答えはたとえば次のようになります。

「桶川市は面積が25km²ほどで、埼玉県のなかではかなり小さい市だと知りました。その分、人が近くに住んでいるので、施設もお互いに近い場所にあるのだと思います。ただ、県全体では働く世代がこれから百万人以上減ると聞きましたので、今ある施設や窓口をどういう形で残していくかが問われるのではと感じています」

桶川市の経済・産業

県全体の経済規模という土台

桶川市の経済を考えるとき、出発点になるのは埼玉県という土台の大きさです。埼玉県の県内総生産(名目)は令和4年度で24兆6,656億円、実質では24兆467億円で2年連続の増加でした(出典:産業と雇用のすがた(県民経済計算)|令和7年度版

県の規模としては全国でも上位に位置します。

ただし、県全体の数字がそのまま一つの市の姿になるわけではありません。桶川市のように市域が狭く、住宅が多くを占める市では、市内で完結する経済よりも、住む人がどこへ通い、どこで買い、どこで働くかという流れのほうが暮らしに直結します。

面接で経済や産業に触れるときは、市内の企業数を語ろうとするより、この人の流れを前提にした話のほうが自然です。

鉄道と高速道路の上にある市

埼玉県には東北自動車道・関越自動車道・常磐自動車道・東京外環自動車道・圏央道が通っています。圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の県内区間は入間市から幸手市までの延長58.4kmで、全区間が供用を開始しています(出典:埼玉県の道路網|令和3年時点

県内の移動は南北方向にも東西方向にも道が引かれた状態にあります。

その上で、桶川市の市役所がJR高崎線の桶川駅から徒歩約10分にあるという事実を置いてみてください。行政の中心が駅の徒歩圏にあるということは、まちの機能が駅を軸にまとまっているということです。

駅前の使われ方が変われば、市役所へ来る人の流れも、商店の売上も、バスの経路も同時に動きます。まちづくりを志望分野に挙げるなら、この一点から具体的な話に入れます。

住む場所として選ばれ続けられるか

市域が狭く人口密度が高い市は、住宅地としての性格が強くなります。そこで効いてくるのが、周りの市との関係です。

桶川市は上尾市・北本市・鴻巣市・蓮田市・久喜市の5市と伊奈町・川島町に接しており、住まいを探す人にとってはこれらが同じ検討範囲に入ります。選ばれるかどうかの競争は、市の境界の内側では完結しません

子育ての支援や駅前の使い勝手、公共施設の使いやすさといった具体の差が、そのまま人の動きになって表れます。

桶川市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、桶川市を含む埼玉県内の市町村が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

働く世代の減少と、担い手の確保

埼玉県の生産年齢人口(15歳から64歳)は、平成12年の501万人をピークに、令和22年(2040年)には380万人へ減る見込みです。県の5か年計画は、県人口が間もなく減少に転じるとの見通しも示しています。

働き手が減る局面では、行政サービスを担う側の人手も同時に細っていきます。窓口の開き方、業務のデジタル化、民間や地域との分担といった論点は、この一点から出てきます。

市役所の職員採用そのものが、この課題の当事者です。

高齢化と、支える仕組みの組み直し

埼玉県の高齢化率は令和2年で27.0%、県の推計では令和7年に27.8%、令和22年には33.3%となる見込みです。75歳以上は令和7年に約121万人、令和32年(2050年)には約146万人に達すると見込まれています(出典:埼玉県の高齢化の状況|令和7年・令和22年推計

人が密に住む市では、支援を必要とする人の家に短時間で行けるという利点があります。その利点を、実際の見守りや通いの場の設計にどう変えるかが問われます。

ここで市の数字に目を移します。調査の基準をそろえて住民基本台帳(令和8年1月1日現在)で数えると、桶川市の高齢化率は30.3%、75歳以上の割合は18.6%で、同じ基準の埼玉県全体(27.0%・16.0%)をどちらも上回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在

この節の冒頭に挙げた県の27.8%は推計であり、調査そのものが違いますので、市の値と引き算して増減を論じることはできません。

目を向けたいのは二つ目の数字です。同じ基準では、65歳以上の6割を超える人がすでに75歳以上にあたります。

桶川市の高齢化は、人数が増える段階から、支援の必要度が上がる段階へ移りつつあるということです。同じ台帳で周りの7市町を見ると、伊奈町24.2%、上尾市27.6%と3割を切る地域がある一方で、鴻巣市31.2%、久喜市31.8%、蓮田市31.9%、北本市33.3%、川島町38.4%と市より高い地域も接しています。

面接で高齢化に触れるなら、率の高さを述べて終わらせず、支える中身がどう変わっていくのかまで言えるようにしておきましょう。

発生確率の高い地震への備え

埼玉県地震被害想定調査では、5つの想定地震のうち被害が最大となるのは関東平野北西縁断層帯地震(深谷断層・綾瀬川断層を一体として想定)ですが、30年以内の発生確率は0.008%以下とされています。一方、東京湾北部地震(マグニチュード7.3)は、県南東部を中心に建物の全壊が揺れによるもの8,127棟・液状化によるもの5,253棟、死者585人、避難所への避難者54,180人と想定され、南関東でのマグニチュード7級の地震は30年以内の発生確率が70%とされています(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度

被害の大きさだけでなく、起こりやすさの側から備えを語れると、防災の話に厚みが出ます。

財政の健全性をどう保つか

埼玉県の令和5年度決算に基づく健全化判断比率は、実質公債費比率10.8%、将来負担比率151.9%で、実質赤字比率と連結実質赤字比率は黒字(該当なし)でした。いずれも早期健全化基準を下回っています(出典:埼玉県の健全化判断比率|令和5年度決算

これは県の数字であって市の数字ではありませんが、市町村の事業は県の補助や負担と結び付いています。面接で財政に触れるなら、基準を下回っているという事実で安心して終わるのではなく、高齢化で扶助費が伸びる局面でその水準をどう保つのかという問いに置き換えておきましょう。

桶川市の重点政策|「桶川市、なかなか。」が示すもの

桶川市の総合計画の内容と最新の施政方針は、桶川市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。ここでは、市が採用の場面で自ら選んだ言葉と、県の最上位計画という二つの手がかりから、面接で使える軸を整理します。

表紙の一行を読む

桶川市の職員採用の受験案内は、表紙に「桶川市、なかなか。」という一行を掲げ、「私たちと桶川市をよりよくする仕事を。」と続けています。採用の入り口に置く言葉としては、かなり控えめな部類です。

ですが、控えめであることが読みどころです。「なかなか」は、良いと言い切らずに、それでも確かなものがあると伝える言い方です。

そして「よりよくする」は、すでに完成していると言わない代わりに、これから手を入れる余地があると認める言葉でもあります。誇張せず、改善の余地を認めたうえで一緒にやろうと呼びかける

この距離感を、志望動機の語り口に取り込んでみてください。市を褒めちぎる志望動機よりも、市の言葉づかいに合った答えになります。

県の最上位計画という物差し

市の計画を読む前に、県が何を最大の課題としているかを押さえておくと理解が早くなります。県の最上位計画である埼玉県5か年計画は、令和4年度から令和8年度までを期間とし、「日本一暮らしやすい埼玉へ」という目標を掲げています。

この計画が県の最大の課題として挙げるのは「人類が経験したことのない超少子高齢社会への対応」で、2040年を見据えた3つの将来像のもとに12の針路と54の分野別施策が並びます。災害や危機管理への備えも「待ったなし」の課題だと書かれています(出典:埼玉県5か年計画(ダイジェスト版)|令和4年3月策定

県が県全体の方向を描き、市が住民の生活の単位で形にする。この分担がわかっていると、「なぜ県庁ではなく市役所か」という定番の質問に、制度の説明ではなく仕事の中身で答えられるようになります。

POINT|キャッチコピーは、引用ではなく翻訳して使う

「桶川市、なかなか。」を面接でそのまま口にしても評価にはつながりません。効くのは、その控えめな言い方を自分の経験に置き換えて語ることです。

悪い例「桶川市、なかなか。というキャッチコピーに魅力を感じ、志望しました」

改善例「アルバイト先の店で、目立つ商品ではないけれど常連の方に支持されているものがありました。良さを説明する言葉を貼り紙に書き足したら注文が増えたんです。桶川市の採用案内の言い方も、派手ではないけれど確かなものを伝えようとしていると感じて、そういう伝え方の仕事に関わりたいと思いました」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 桶川市職員採用試験の受験案内(受験する回次のもの。同一年度に複数回の試験がある点に注意)
  • 桶川市の総合計画と、最新年度の予算・施政方針に関する資料
  • 桶川市公式サイトの市政情報・広報紙の最新号
  • 市のハザードマップ(住まいや配属先の周辺で何が想定されているかを知る材料として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、桶川市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。桶川市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

桶川市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

桶川市役所の面接の概要

ここからは、桶川市役所の採用試験の流れと、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

桶川市役所の試験の流れ

桶川市は同一年度に複数回の採用試験を実施しています。ここでは、令和9年4月1日採用の令和8年度第2回の構成を見ていきます。

第1回を受験した人も第2回を受験できるとされている点も、あわせて押さえておきましょう。

第2回は3段階の選抜です。特徴は入り口にあります。

第1次試験は筆記だけで終わらず、全職種を対象に30分の個別面接が組み込まれています。そのうえで第2次が集団面接、第3次が個別面接ですから、人物を見る場面が三つ重なる構成です(出典:桶川市職員採用試験受験案内|令和8年度第2回

項目内容(令和8年度第2回)
試験の段階第1次試験、第2次試験、第3次試験の3段階(採用年月日は令和9年4月1日)
第1次試験(筆記)事務職【一般】【障害者】は教養試験120分(公務員として必要な一般知識及び知能について択一式)、事務職【民間企業等職務経験者】【社会福祉士】・保健師職・保育士職は教養試験60分(社会についての関心や基礎的・常識的な知識、職務遂行に必要な基礎的な言語能力、論理的思考力)、技術職【土木】【建築】は専門試験120分
第1次試験(作文・適性)作文試験60分(文章による表現力、課題に対する理解力その他の能力について記述式)、適性試験20分(公務員として職務遂行上必要な素質及び適性)
第1次試験(面接)全職種を対象に30分。人物について、個別面接を行う
第2次試験面接試験。人物について、集団面接を行う(職種により、個別面接となる場合がある)
第3次試験面接試験。人物について、個別面接を行う
募集職種・予定人数事務職【一般】【障害者】【民間企業等職務経験者】【社会福祉士】及び保健師職が15名程度、技術職【土木】【建築】が5名程度、保育士職が3名程度
第1次試験時の提出書類最終学歴の卒業証明書又は卒業見込証明書の原本(全職種)、資格証・免許証の写し又は資格取得見込証明書(事務職【社会福祉士】・保健師職・技術職・保育士職)、障害者手帳の写し(事務職【障害者】のみ)
申込方法電子申請・届出サービス(インターネット)のみ。顔写真は6か月以内に撮影した上半身脱帽正面向きのJPEG画像(縦横比4:3推奨)
職務経験者の手続事務職【民間企業等職務経験者】は電子申請の申込時に職務経歴書のアップロードが必要で、最終合格後に職歴証明書等の提出が求められる
結果の開示桶川市職員採用試験結果開示に関する要綱に基づき、各試験の不合格者本人に限り、本人の得点(第1次試験は科目別)・順位・合格最低点を発表日から1年間、職員課で開示請求できる
初任給大学卒256,608円、短大卒(2年)243,648円、高校卒230,148円(令和8年4月1日現在・地域手当を含む)

上記は桶川市の令和8年度第2回職員採用試験の受験案内にもとづくものです。第2次試験は原則として集団面接ですが、同案内には職種により個別面接となる場合があるとの但書があります。配点や人物試験の比重は、同案内に記載がなく、当研究会も公表を確認できていません。また、面接カードに相当する様式の提出についても同案内には記載がありません。回次によって試験の構成が異なる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身が受ける回次の最新の受験案内をご確認ください。

桶川市役所が求める人物像

桶川市の令和8年度第2回受験案内と市の職員採用のページの本文には、「求める人物像」として定型化された一文は置かれていませんでした。そのかわり、市の姿勢は表紙の言葉と試験の作りに表れています。

手がかりはこの二つです。

まず言葉のほうは、「私たちと桶川市をよりよくする仕事を。」という呼びかけです。完成した市を守る人ではなく、一緒に手を入れる人を求めている、と読めます。

次に試験の作りです。第1次で30分の個別面接、第2次で集団面接、第3次で再び個別面接。

加えて第1次には60分の作文があります。面接対策の言葉に翻訳すれば、「初対面の相手と30分話せる材料の量」「集団のなかで聞いて譲れる態度」「文章で考えを組み立てる力」の三つが問われる試験だといえます。

自己PRでは「コミュニケーション能力があります」と述べるのではなく、その力で何を動かしたのかまで話せるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。桶川市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどうやって会場まで来ましたか身構えていない場面での話し方と、間の取り方
② 動機・志望公務員という働き方を選んだ理由を教えてください民間企業と比べたうえで職業を選んだ筋道になっているか
③ 自己理解自分で直したいと思っている点はありますか弱みを認めたうえで、どう付き合っているかまで語れるか
④ 経験・行動複数人で一つのことをやり遂げた経験を教えてください集団のなかで自分が引き受けた役割と、その選び方
⑤ 学業・経歴学んできた分野を、初めて聞く人に説明してください相手の前提に合わせて言葉を選べるか
⑥ 適性・将来10年後、どんな仕事をしていたいですか仕事への理解の解像度と、そこに至る道筋の描き方
⑦ 公共性・社会性行政の情報の伝え方について、思うことはありますか受け取る側から行政を見る視点を持っているか

ただし、この7カテゴリーは桶川市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「桶川市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「桶川市役所ならでは」の質問

「なぜ埼玉県庁ではなく、桶川市役所なのですか」
「桶川市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも桶川市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。第1次の個別面接は30分ありますから、こうした問いは一度で終わらず、答えたあとにさらに掘り下げられると考えておくのが安全です。

使える「桶川市の事実」を、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい桶川市の事実答え方のヒント
市の規模と形人口74,120人、面積25.35km²、人口密度2,924人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。市域は県全体の約3,798km²のうち1%に満たない人口の少なさを弱点として語らず、狭い市域に人が集まっている形だからこそできるサービスの届け方に話を進めます
まちの中心と交通市役所はJR高崎線の桶川駅から徒歩約10分。県内には圏央道(入間市から幸手市までの58.4km・全区間供用)を含む5つの高速道路が通る駅の近さを便利さの話で終わらせず、駅前の使われ方が変われば市役所を訪れる人の流れも変わるという行政側の連動として説明します
なぜ県庁ではなく市役所か県は5か年計画で県全体の方向を示す立場。市は住民の手続きと地域の暮らしを直接担う。桶川市は採用案内で「私たちと桶川市をよりよくする仕事を。」と呼びかけている役割分担の説明にとどめず、市が一緒に手を入れる人を求めている点に触れ、自分がどこに手を入れたいのかを具体的に挙げます
市の課題埼玉県の生産年齢人口は平成12年の501万人をピークに令和22年には380万人へ減る見込み。高齢化率は令和7年の推計27.8%から令和22年には33.3%へ高齢化という言葉だけで終わらせず、人が密に住む市では支援を必要とする人の家に短時間で行けるという条件を、どう仕組みに変えるかまで踏み込みます
防災・危機管理東京湾北部地震(マグニチュード7.3)は県南東部を中心に死者585人・避難所避難者54,180人と想定。南関東でのマグニチュード7級地震の30年以内発生確率は70%被害の大きさよりも起こりやすさの側から語り、確率の高い地震に対して日ごろ何を備えるべきかという実際的な角度で自分の考えを述べます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、公表された言葉と試験の作りから読み取れる資質に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
30分持ちこたえる話の材料第1次の個別面接で、用意した志望動機を話し終えたあとに何が出てくるか桶川市の第1次面接は30分です。定番の質問だけでは間が持ちません。経験を4つ以上そろえ、それぞれ3分程度話せる状態にしておく
集団のなかで聞き、譲れるか第2次の集団面接で、他の受験者の発言をどう受けてから話すか第2次は原則として集団面接です。自分の主張を通す練習ではなく、直前の人の発言を一言で受けてから自分の話に入る練習を重ねておく
文章で考えを組み立てられるか第1次の作文試験で、課題に対する理解力と表現力作文は60分の記述式です。桶川市の人口や市域の広さなど、第1部で押さえた事実を一つか二つ書き込める状態にしておくと、抽象論だけの答案になりません

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。桶川市は個別面接が第1次と第3次の2回ありますから、同じ話題を別の面接官から問われる前提で備えておきましょう。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておいてください。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 受験する回の案内を手元に保存し、試験科目の一覧まで目を通す。桶川市は同一年度に複数回の試験があるため、第何回の案内かを必ず確かめる
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、狭い市域に人が集まるという桶川市の形から言えることを自分の言葉にしておく
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習する。第1次の30分の個別面接を想定して長めに話す練習と、第2次の集団面接を想定して短く区切って話す練習を、別々に行う

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、桶川市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

桶川市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

桶川市役所の想定問答集を見る

さいごに

桶川市の第2回の試験は、筆記と同じ日に30分の個別面接が置かれ、その後も集団面接、個別面接と続きます。筆記を通過してから人物を整えればよい試験ではありません。

準備の順番は、そこから逆算して決まります。まず、初対面の相手と30分向き合っても話が続くだけの経験を用意すること。

次に、集団の場で人の話を受けてから自分の話に入る形を体に入れておくこと。市の採用案内が「私たちと桶川市をよりよくする仕事を。」と呼びかけている以上、面接で語るべきは、完成した市への憧れではなく、自分が手を入れたい場所です。

7万人余りが25km²あまりの市域に暮らし、市役所は駅から歩いて10分の場所にある。その距離の近さを、自分ならどんな仕事に生かすのか

そこが決まれば、三つの面接で同じ人物として伝わります。