本記事では、坂戸市職員採用試験の面接対策で必要な、坂戸市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

坂戸市役所の面接試験では、「なぜ坂戸市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みを市の仕事でどう活かすのか」といった、事前に手を動かして調べた人だけが具体的に語れる質問が想定されます。坂戸市の採用試験は第一次から第三次まで3つの段階があり、そのすべてに面接試験が置かれています。

本記事の掲載内容を参考に、自分の経験と坂戸市政の接点を整理し、面接での受け答えづくりに役立ててください。

第1部|自治体研究編

坂戸市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは坂戸市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口99,346人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積41.02km²・人口密度2,422人/km²の市である。
  • 昭和51年9月1日に埼玉県内39番目の市として市制を施行し、市制施行時に5万5千人だった人口は平成18年10月に10万人に達した。市の職員募集案内は、埼玉県のほぼ中央、都心から45km圏内という位置を紹介している。
  • 隣接するのは川越市・鶴ヶ島市・東松山市・日高市と、比企郡川島町・鳩山町、入間郡毛呂山町。市と町の両方に囲まれた位置にある。
  • 市役所は千代田一丁目1番1号(〒350-0292)に置かれている。団体コードは11239-9。
  • 市の花はサツキ、市の木はサクラ。職員募集案内の表紙には、まちのキャッチコピーとして「住みつづけたいまち 子育てしたいまち さかど」が掲げられている。
  • 職員募集案内が掲載する市の概要では、人口99,097人、49,206世帯、総面積41.02㎢とされている(令和8年3月1日現在)。
  • 市の職員採用試験は第一次から第三次までの3段階で、そのすべてに面接試験が組み込まれている(令和9年4月1日採用・第2回の場合)。

坂戸市の基礎データ

統計値を細部まで頭に入れておく必要はありませんが、坂戸市がどんな歩みでこの規模になったのかを説明できることは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、隣接関係など、市政の性格を語るときに使える項目を整理しました。規模を測る手がかりとして、埼玉県全体の数値も添えています。

項目内容
総人口99,346人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積41.02km²
人口密度2,422人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
高齢化率(住民基本台帳)30.1%(令和8年1月1日現在)/75歳以上は18.5%
隣接自治体川越市、鶴ヶ島市、東松山市、日高市、比企郡川島町・鳩山町、入間郡毛呂山町
市役所所在地〒350-0292 埼玉県坂戸市千代田一丁目1番1号
市の花・市の木サツキ・サクラ
市制施行昭和51年9月1日(埼玉県内39番目の市)
(参考)埼玉県の総人口7,287,169人(令和7年国勢調査速報集計/令和2年比0.8%減)
(参考)埼玉県の平地の割合総面積の約61%(県の地形は西部の山地と東部の平地に二分)
(参考)埼玉県の財政力指数0.73(令和5年度決算・県の数値)

坂戸市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在。市の職員募集案内は令和8年3月1日現在で99,097人としています)。市の高齢化率は、総務省の住民基本台帳に基づく集計(令和8年1月1日現在)による値です。埼玉県の総人口・地形・財政力指数は、埼玉県公式サイトおよび総務省の公表資料による数値で、坂戸市の値ではありません。市の統計の最新値は、坂戸市公式サイトであわせてご確認ください。

数字から考えられる市政課題

坂戸市の数字で押さえたいのは、到達点ではなく歩みです。市制施行時の5万5千人から平成18年10月の10万人到達まで、およそ30年で人口が倍近くになりました。

増えることを前提に整えられてきた学校や道路や下水道を、増えない時代にどう保つかが、これからの市政の中心的な仕事になるという読み方ができます。

県全体を見ると、令和7年国勢調査の速報集計で埼玉県の人口は7,287,169人となり、令和2年調査から57,596人(0.8%)減りました。大正9年の調査開始以来、初めて前回調査を下回っています(出典:令和7年国勢調査 速報集計|令和8年5月公表

世帯数は3,285,878世帯で前回比3.9%増、1世帯当たりの人員は2.32人から2.22人に減っています。

人が減っているのに世帯が増えるということは、一人暮らしや二人暮らしの世帯が増えているということです。同じ人口でも世帯数が増えれば、ごみの収集も、水道の契約も、通知の送付も、世帯の数だけ発生します。

人口の増減だけを見て仕事量を語らない姿勢が、面接では効きます。

「坂戸市は市になってから50年ほどで、人口が5万5千人から10万人近くまで増えたと知りました。増えることを前提に整えてきた施設を、これからどう使い続けるかが課題になるのではと感じています。私はまず現場で市民の方の声を聞いて、施設の使われ方を確かめるところから始めたいです」

坂戸市の経済・産業

山地と平地に分かれる県のなかで

坂戸市単独の産業統計を暗記する必要はありません。押さえたいのは、市が置かれた地理的な条件です。

埼玉県の地形は大きく西部の山地と東部の平地に二分され、平地が総面積の約61%を占めます。この平地の割合は全国的にも高い水準です。

県下の最高峰は秩父山地の三宝山で標高2,483mになります(参考:埼玉県統計年鑑 地勢|令和2年

坂戸市は県のほぼ中央に位置し、都心から45km圏内にあると市の職員募集案内は紹介しています。都心へ通える距離にありながら、市域には平地が広がり人口密度は2,422人/km²にとどまるという組み合わせが、坂戸市の条件です。

県南部の高密度な市とも、県西部の山あいの町とも違う立ち位置になります。

県の財政から読む市町村の環境

市町村の財政を語る前に、県全体の水準を知っておくと比較の物差しになります。埼玉県の財政力指数は0.73、経常収支比率は96.2%(いずれも令和5年度決算)です(参考:財政状況資料集(埼玉県)|令和5年度決算

健全化判断比率は実質公債費比率10.8%、将来負担比率151.9%で、実質赤字比率と連結実質赤字比率は黒字のため該当がなく、いずれも早期健全化基準を下回っています(出典:健全化判断比率の公表|令和5年度決算

経常収支比率が96.2%という水準は、入ってくるお金のほとんどが決まった支出で埋まり、新しいことに回せる余地が小さいことを示します。新規事業を始めるには、既にある事業のどれかを畳むか、やり方を安くするしかないという前提で行政は動いています。

これは県の数値であって坂戸市の数値ではありませんが、市町村を含めて自治体財政が置かれた環境を理解する手がかりになります。

数字を語るときの角度

面接で財政や地理の話に触れるなら、数字を並べるだけでは足りません。求められるのは、条件から仕事を導く筋道です。

使える予算に余裕がないなら、優先順位をつける仕事が増えます。都心へ通える距離なら、日中に市内で過ごす人と市外へ出る人の両方に向けたサービスが要ります。

条件を述べたら、必ずその先の「だから何をするか」まで進めてください。

坂戸市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、坂戸市を含む埼玉県内の市町村が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

増えた人口が同時に年を重ねること

埼玉県の高齢化率は令和2年で27.0%、令和7年で27.8%、令和22年(2040年)には33.3%になる見込みで、県の5か年計画は2040年には県民の3人に1人が高齢者になると記しています(出典:高齢化の状況|令和7年・令和22年推計

短い期間に人口が増えたまちでは、同じ世代がまとまって年齢を重ねるため、高齢化も一気に進むという特徴があります。住宅地の整備時期と高齢化の進み方は連動しますから、地区ごとの違いに目を向けると理解が深まります。

この見立ては、坂戸市自身の数字にも表れています。坂戸市の高齢化率は、住民基本台帳を集計した令和8年1月1日現在の数値で30.1%、75歳以上の割合は18.5%です。

同じ集計による埼玉県全体を、高齢化率で3.1ポイント、75歳以上の割合で2.5ポイント上回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在

なお、上で引いた県の高齢化率は国勢調査にもとづく値です。調査が異なるため、住民基本台帳の集計と直接に比べることはできません。

この差は、面接で市の課題を語るときの土台になります。人口が急に増えた時期に一緒に移り住んだ世代が、いままとまって高齢期を迎えていると説明できるからです。

施設をどう保つかという話も、地域で支え合う仕組みの話も、ここから筋が通ります。数字を挙げるだけで終えず、自分ならどの地区の話から始めたいかまで用意しておきましょう。

整えてきた施設をどう保つか

人口が倍近くに増えた時期に整備された学校、道路、上下水道、公共施設は、時間の経過とともに一斉に更新の時期を迎えます。県の経常収支比率が96.2%という水準にあることを踏まえれば、すべてを同じように建て替える選択は現実的ではありません。

どれを残し、どれをまとめ、どれを別の使い方に変えるか。この判断を住民に説明する仕事が、これからの市職員には求められます。

確率は低くても備えが要る地震

埼玉県地震被害想定調査で県内最大の被害が想定されているのは、関東平野北西縁断層帯地震です。ここで注意したいのが確率の扱いです。

この地震の30年以内発生確率は0.008%以下とされる一方、南関東でのマグニチュード7級地震の30年以内発生確率は70%とされています(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度

被害が最も大きい想定と、起こる可能性が最も高い想定は別物であるという理解が、防災を語るときの出発点になります。両方に備えるのが行政の仕事です。

市と町に囲まれた位置での連携

坂戸市が接するのは、川越市・鶴ヶ島市・東松山市・日高市という4つの市と、川島町・鳩山町・毛呂山町という3つの町です。規模も体制も異なる自治体と隣り合っているということは、ごみ処理、消防、水道といった広域で扱う仕事の相手が多いということでもあります。

連携の話は面接で語りやすい素材ですが、抽象的な協力の必要性で終わらせず、どの分野で何を分担すると良いのかまで踏み込みましょう。

坂戸市の重点政策|埼玉県の計画と坂戸市

坂戸市の総合計画の内容と最新の予算方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。県計画が見据える2040年の姿と、坂戸市の選考が申込書から動き出すという事実を、あわせて押さえておきます。

県計画が見据える2040年

県は令和4年3月に埼玉県5か年計画(令和4年度から令和8年度)を策定しました。「日本一暮らしやすい埼玉へ」という目標のもと、2040年を見据えた3つの将来像と12の針路、54の分野別施策が並びます。

そこで最大の課題に据えられているのが「人類が経験したことのない超少子高齢社会への対応」です(出典:埼玉県5か年計画 ダイジェスト版|令和4年3月

あわせて、働き手にあたる15歳から64歳の人口が平成12年の501万人を頂点に減り続け、令和22年には380万人になるという見通しも示されています。

県の計画と市の計画は別物ですが、無関係でもありません。県が全県的な課題として挙げた項目を、市がどんな言葉に置き換えて自分の計画に取り込んでいるかを見比べると、坂戸市が何を重く見ているかが浮かび上がります。

市の総合計画は、この視点で読むと理解が早くなります。

坂戸市の採用試験は申込書から始まる

坂戸市の職員採用に関する情報は、市公式サイトの職員採用のページに集約され、募集ごとの案内がPDFで公表されます。面接対策の観点で最初に押さえたいのが、電子申請で入力する「坂戸市職員採用試験申込書」です。

2ページ目に志望動機、趣味、特技、自己PR、備考の欄があり、募集案内は、この申込書を基に試験を実施すること、表示されていない項目については確認することができないことを明記しています(出典:坂戸市職員募集案内|令和9年4月1日採用・第2回

POINT|書かなかったことは聞かれない

募集案内が「表示されていない項目等がある場合、その項目を確認することができません」と明記している以上、申込書に書かなかった強みは、面接で拾い上げてもらえないと考えるのが安全です。面接で話したい経験は、必ず申込書のどこかに手がかりを残す。趣味や特技の欄も含め、空欄をつくらずに埋めることが、そのまま質問の入り口を増やすことにつながります。

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 坂戸市職員募集案内(受験する募集回・職種のもの)
  • 坂戸市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
  • 坂戸市のハザードマップ(自分の生活圏の想定を確かめる材料として)
  • 埼玉県5か年計画、県の統計資料(市政の背景を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、坂戸市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。坂戸市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

坂戸市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

坂戸市役所の面接の概要

ここからは、坂戸市役所の採用試験の流れと、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

坂戸市役所の試験の流れ

坂戸市の職員採用試験は第一次から第三次までの3段階です。第一次試験は学科試験(能力検査)と適性検査(性格検査)と面接試験、第二次試験は作文試験と面接試験、第三次試験は面接試験という構成になっています。

ここで押さえておきたいのが面接の性格です。3回の面接はいずれも人物についての個別面接で、募集案内には集団面接や集団討論の記載がありません

一対一の受け答えが3度くり返される作りだといえます。

段階内容(令和9年4月1日採用・第2回)
第一次試験学科試験(能力検査)、適性検査(性格検査)、面接試験(人物についての個別面接)
第二次試験作文試験、面接試験(人物についての個別面接)
第三次試験面接試験(人物についての個別面接)
学科試験の内容SPI3試験。社会、人文及び自然に関する一般知識を問う問題と、文章理解、判断推理、数的推理及び資料解釈に関する問題。事務職の大学・社会人経験者(障害者採用を除く)はSPI-U、事務職の短大・高校・障害者採用(社会人経験者を含む)はSPI-Hの区分
作文試験のねらい文章による表現力、課題に対する理解力、思考力などについて判断するために実施
提出書類申込時は坂戸市職員採用試験申込書(全職種共通)と職務経歴書(社会人経験者のみ・指定様式なし)。第一次試験当日は受験票、最終学歴の卒業証明書又は卒業見込証明書、成績証明書(いずれも発行日から3か月以内)
募集人員事務職5名程度。都市環境デザイン職(土木)、建築職、保育士、保健師、事務職(障害者対象)はいずれも若干名

もう一つ知っておきたいのが試験日程の順序です。第一次試験では、面接試験が筆記試験より前の日に指定される場合があります。

筆記を通過してから面接対策を始めるという段取りは、坂戸市には当てはまりません。募集が公表されたら、面接の準備を筆記と同時に走らせてください。

上記は令和9年4月1日採用・第2回の坂戸市職員募集案内にもとづくものです。各試験の配点および人物試験の比重は募集案内に記載がなく、公表が確認できていません。試験結果の開示制度についても募集案内に記載はありません。試験科目・面接形式・提出書類は募集回や職種によって異なりますので、受験の際は必ず最新の募集案内でご自身の職種の試験情報をご確認ください。

坂戸市役所が求める人物像

坂戸市の職員募集案内と市公式サイトの採用情報のページには、「求める人物像」として独立に掲げられた項目は見当たりませんでした。人材育成基本方針の公表もサイト内の検索では確認できていません。

そのかわり、募集案内の市長あいさつに職員像がはっきり示されています。

そこでは「坂戸市職員は、市民のために働く職員です」「坂戸市職員には、できることを自ら考え、責任をもって行動する、プロの公務員になってほしいと考えています」と述べられています。自ら考えることと、責任をもって行動することが並んでいる点が読みどころです。

指示を待つのではなく、自分の判断で動き、その結果を引き受ける姿勢が求められていると理解できます。自ら考えることと責任を取ることが並んでいる以上、問われるのは積極性の有無ではありません。

自分の判断で動き出した場面と、その判断が招いた結果をどう引き受けたのかを、続けて話せるようにしてください。

公表されている受験状況

坂戸市は職員採用試験の実施状況を公表しています。事務職は令和5年度が受験者107名に対し合格者19名で5.6倍、令和6年度が95名に対し12名で7.9倍、令和7年度が124名に対し29名で4.3倍でした。

保育士は令和7年度が19名に対し5名で3.8倍、保健師は令和5年度が3名に対し2名で1.5倍、令和7年度が4名に対し2名で2倍です。年度によって倍率が倍近く動くという事実は、採用人数が数名規模の市では珍しくありません。

数字に一喜一憂するより、どの年度でも通用する準備を積むほうが確実です。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。坂戸市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク緊張していますか取りつくろわずに答えられるか。素の反応
② 動機・志望いつごろから公務員を考えるようになりましたか志望に至るまでの時間の積み重ね
③ 自己理解自分を動物にたとえると何ですか予想外の問いに、理由をつけて答えを組み立てられるか
④ 経験・行動途中で投げ出しそうになった経験はありますか踏みとどまった理由と、そのときの支え
⑤ 学業・経歴学生時代に最も時間を使ったことは何ですか時間の使い方に表れる優先順位
⑥ 適性・将来市の仕事のなかで難しそうだと思うことは何ですか仕事を美化せずに見ているか
⑦ 公共性・社会性住民から強い口調で苦情を受けたらどうしますか感情的な場面での受け止め方と切り替え

ただし、この7カテゴリーは坂戸市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「坂戸市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「坂戸市役所ならでは」の質問

「なぜ埼玉県庁ではなく、坂戸市役所なのですか」
「坂戸市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも坂戸市を調べていなければその場では形にできない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「坂戸市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい坂戸市の事実答え方のヒント
市の成り立ち昭和51年9月1日に県内39番目の市として市制施行。市制施行時5万5千人だった人口は平成18年10月に10万人に到達年表として述べるのではなく、急に増えた時期に整えた施設が今どうなっているかという問いに接続します
なぜ県庁ではなく市役所か埼玉県は人口728万人規模の広域自治体、坂戸市は41.02km²の市域に約9万9千人が暮らす基礎自治体で、千代田の庁舎が拠点になる役割の違いの説明で終えず、市の窓口でしか会えない相手として誰を思い浮かべているかを具体的に述べます
市の課題市のキャッチコピーは「住みつづけたいまち 子育てしたいまち さかど」。埼玉県の高齢化率は令和22年に33.3%の見込みキャッチコピーを引くだけで終わらせず、住み続けてもらうために足りていないものを一つ挙げて話を進めます
位置と近隣との関係県のほぼ中央、都心から45km圏内。川越市・鶴ヶ島市・東松山市・日高市の4市と、川島町・鳩山町・毛呂山町の3町に接する通勤圏という言葉で片づけず、規模の異なる市町と広域で仕事を分け合う立場から連携の中身を語ります
防災・危機管理県内最大の被害が想定される関東平野北西縁断層帯地震の30年以内発生確率は0.008%以下、一方で南関東のマグニチュード7級地震は30年以内70%確率の高い地震と被害の大きい地震を分けて説明し、坂戸市の職員としてどちらの備えから手をつけるかを述べます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
自分で考えて動けるか誰かに指示される前に動いた場面を、具体的に語れるか市長あいさつが「できることを自ら考え、責任をもって行動する」職員像を挙げていることを踏まえ、自分が決めた場面と、決めた後に引き受けた結果をセットで用意しておく
3度の面接で話が揺れないか第一次から第三次まで、同じ経験を違う面接官に語ったときの一貫性面接が3回すべて個別面接であることを踏まえ、申込書に書いた志望動機を軸に、話す順序を変えても結論が動かない状態にしておく
書いた文章と話す言葉が揃うか第二次の作文で述べた考えが、その後の面接での発言と整合するか作文試験が表現力と理解力と思考力を見るものであることを踏まえ、坂戸市の課題について書く用の骨子を作り、そのまま口頭で説明できるか試しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

言い方ひとつで印象が変わる

NG「坂戸市は子育てしやすいまちだと聞いたので、その分野で貢献したいと思いました」

改善「はじめは窓口で市民の方の困りごとを直接うかがう仕事を覚えたいです。そのうえで、坂戸市は市民の3割ほどが65歳以上だと知りましたので、住み慣れた地区で暮らし続けられるように、移動や見守りの仕組みをつくる仕事にも関わりたいと考えています」

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 坂戸市公式サイトの職員採用ページを定期的に確認し、募集案内が公表されたら保存して、面接試験と筆記試験の順序を先に確かめる
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 採用試験申込書の各欄を、面接で聞かれたい話が入るように設計して書く。空欄を残さない
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 同じ話を3回、違う相手に話す練習をする。個別面接が3度続く構成に備え、毎回同じ結論にたどり着けるか確かめる

優先順位に注意

ステップ4と5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、ステップ3の申込書の設計を優先してください。募集案内が申込書を基に試験を実施すると明記している以上、書類の完成度がそのまま面接の質問の幅になります

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、坂戸市役所に的を絞った面接想定問答集から始めるという手もあります。

坂戸市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

坂戸市役所の想定問答集を見る

さいごに

坂戸市の採用試験は、第一次から第三次まで、3つの段階すべてに面接が置かれています。しかも第一次では、面接が筆記より先に行われる場合があります。

筆記の勉強を終えてから人物対策に移るという順番では間に合いません。加えて、その3回の面接はいずれも申込書を土台に進みます。

志望動機や自己PRの欄をどう埋めたかが、そのまま質問の方向を決めるということです。そのうえで手元に置いておきたいのが、市制施行から50年で人口が5万5千人から10万人近くまで増えたという歩みと、41.02km²の市域に約9万9千人が暮らす現在の姿です。

増えた時代に整えたものを、増えない時代にどう引き継ぐのか。その考えを自分の言葉で持って千代田の庁舎に向かえるかどうかが、3度目の面接での差になります。