本記事では、和光市職員採用試験の面接対策で必要な、和光市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
和光市役所の面接試験では、「なぜ和光市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みを市の仕事でどう活かすのか」といった、和光市について調べた量が、そのまま答えの厚みになって表れる質問が想定されます。和光市の採用試験は書類選考から数えて4つの段階を踏み、第2次試験の集団討論と第3次試験の個別面接で人物が確かめられます。
本記事の掲載内容を参考に、自分の関心と和光市政の重なりを見つけ、面接での受け答えづくりに役立ててください。
第1部|自治体研究編
和光市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは和光市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口84,917人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積11.04km²・人口密度7,692人/km²の市である。
- 埼玉県側では朝霞市と戸田市の2市のみに接し、南側は東京都板橋区・練馬区と都県境をはさんで向かい合う。接する自治体の半分が東京都という位置にある。
- 人口密度7,692人/km²は、隣接する朝霞市の7,983人/km²、戸田市の7,852人/km²とほぼ同じ水準(いずれも住民基本台帳・令和8年1月1日現在。人口密度は総人口÷総面積)。都県境沿いに高い密度の市が並んでいる。
- 市役所は広沢1番5号(〒351-0192)に置かれている。団体コードは11229-1。
- 市の花はサツキ、市の木はイチョウ。
- 埼玉県の推計人口は令和8年6月1日現在で7,291,615人(男3,607,559人、女3,684,055人)、世帯数は3,323,676世帯である。
- 市の職員採用試験は書類選考を含めて4段階で、第2次試験の集団討論と第3次試験の個別面接という順で人物を見る(令和8年度実施・第2回の場合)。
和光市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、統計値を隅々まで覚える必要はありませんが、和光市がどんな条件を持った自治体なのかを一言で説明できることは重要です。
11.04km²という狭い市域に8万4千人が暮らし、東京都と直接接する。この二つの条件が和光市の市政の性格をほぼ決めています。
下の表はそれを数字で確かめるための一覧で、埼玉県全体の値も参照できるようにしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 84,917人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 11.04km² |
| 人口密度 | 7,692人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 高齢化率(住民基本台帳) | 18.2%(令和8年1月1日現在)/75歳以上は10.5% |
| 隣接自治体 | 朝霞市、戸田市、東京都板橋区・練馬区 |
| 市役所所在地 | 〒351-0192 埼玉県和光市広沢1番5号 |
| 市の花・市の木 | サツキ・イチョウ |
| (参考)埼玉県の推計人口 | 7,291,615人(令和8年6月1日現在) |
| (参考)埼玉県の面積 | 約3,798km²(全国第39位) |
| (参考)埼玉県の県内総生産 | 24兆6,656億円(令和4年度・名目/全国第5位) |
和光市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。市の高齢化率は、総務省の住民基本台帳に基づく集計(令和8年1月1日現在)による値です。埼玉県の推計人口・面積・県内総生産は、埼玉県公式サイトが公表する統計資料による数値です。市の統計の最新値は、和光市公式サイトであわせてご確認ください。
数字から考えられる市政課題
和光市の数字で最初に目を引くのは、11.04km²という市域の小ささです。ここに84,917人が暮らすため、人口密度は7,692人/km²になります。
埼玉県全体の推計人口は令和8年6月1日現在で7,291,615人ですが(出典:埼玉県推計人口|令和8年6月1日現在)、県の面積は約3,798km²ですから、県全体の平均的な密度とは桁が違う環境だとわかります。
密度が高いということは、行政の側から見れば二つの意味を持ちます。一つは、道路や上下水道といった基盤を短い距離で多くの人に届けられるという効率の良さ。
もう一つは、土地に余裕がないぶん、施設を一つ増やすにも既にある何かとの調整が要るという難しさです。保育所、学校、公園、駐輪場といった身近な施設をどこに置くかが、そのまま市政の争点になります。
さらに、接する自治体の半分が東京都だという位置も見逃せません。都県境は行政の境界であって、住民の生活の境界ではありません。
通勤も通学も買い物も日常的に境界をまたぐため、市の施策は「和光市だけで完結しない」前提で考える必要があります。面接では、次のように条件と自分の関心をつなげられます。
和光市の経済・産業
全国第5位の県内総生産を支える一角として
和光市単独の経済指標を暗記する必要はありません。まず知っておきたいのは、市が属する埼玉県の経済規模です。
埼玉県の県内総生産(名目)は令和4年度で24兆6,656億円、全国第5位で、この順位は20年連続だとされています。実質でも24兆467億円で2年連続の増加でした(出典:産業と雇用のすがた|令和7年度版)。
読みどころは、順位が20年間動いていないという安定性です。特定の産業の浮き沈みに左右されにくい厚みが県の経済にはあるということであり、その分、自治体の仕事も景気対策より暮らしの基盤づくりが中心になりやすいといえます。
都県境という立地の読み方
埼玉県は面積約3,798km²で全国第39位、東は茨城・千葉、西は長野・山梨、南は東京、北は群馬・栃木と、1都6県に接する内陸県です(参考:埼玉県統計年鑑 地勢|令和2年)。和光市はそのうち東京都と接する南の縁に位置しています。
隣接する朝霞市の人口は146,414人、戸田市は142,833人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、どちらも和光市より規模が大きい市です。和光市は、自分より人口の多い市と首都に挟まれた位置で、住む場所としての魅力を競っていることになります。
志望動機で立地に触れるなら、便利さを述べて終わらせず、便利さを保つために市が何をしているかまで踏み込みましょう。
数字を語るときの角度
県全体の経済指標は、そのまま述べても面接では響きません。効くのは、指標を市役所の窓口の話へ翻訳する一言です。
県の経済が安定しているということは、働く世代が住み続ける条件さえ整えば人が定着しうるということですし、密度が高い市では、その条件が住宅や保育、交通の使いやすさに集まります。数字を出したら、必ず「だから和光市役所では何が仕事になるのか」を続けてください。
和光市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、和光市を含む埼玉県内の市町村が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
働く世代が減っていく見通し
埼玉県の生産年齢人口(15歳から64歳)は、平成12年(2000年)の501万人をピークに減少が続き、令和22年(2040年)には380万人まで減る見込みだとされています(出典:埼玉県5か年計画 ダイジェスト版|令和4年3月)。
40年かけて働く世代が2割以上細るという見通しが、県内の自治体に共通する前提です。都県境に位置する市にとっては、働く世代が住み続けるかどうかがそのまま将来の税収に直結します。
高齢化の速さ
埼玉県の高齢化率は令和2年で27.0%、令和7年で27.8%、令和22年(2040年)には33.3%となる見込みで、県の5か年計画は2040年には県民の3人に1人が高齢者になると記しています。75歳以上の人口は令和7年に約121万人、令和32年(2050年)には約146万人に達する見通しです(出典:高齢化の状況|令和7年・令和22年・令和32年推計)。
さらに85歳以上に絞ると、令和22年(2040年)に約57万人と、令和2年の2倍以上に増える見通しが示されています。年齢が上がるほど支援の手数は増えますから、人数の伸びは仕事量の伸びとして返ってきます。
密度の高い市では、限られた土地のなかに介護や医療の受け皿をどう確保するかが具体的な論点になります。
ただし、県の数字をそのまま和光市に当てはめることはできません。総務省が住民基本台帳から集計した令和8年1月1日現在の数値でみると、和光市の高齢化率は18.2%、75歳以上の割合は10.5%で、同じ集計による埼玉県全体を、高齢化率で8.8ポイント、75歳以上の割合で5.5ポイント下回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。
なお、この節の前半で引いた県の数値は国勢調査や推計にもとづくもので、住民基本台帳の集計とは調査そのものが違います。両者を並べて増減を語ることはできません。
県内でも若い部類に入るという事実は、面接では守りではなく攻めの材料になります。いま和光市を選んで住んでいるのは働く世代であり、その人たちが住み続けるかどうかで20年後の数字が決まるからです。
高齢化への備えを語るなら、介護や医療の受け皿の話だけで完結させず、働く世代がこのまちに残る理由をどう増やすかまで含めて話してみてください。
県内最大の被害が想定される地震
埼玉県地震被害想定調査では5つの地震が想定されており、最大の被害が見込まれるのは関東平野北西縁断層帯地震(深谷断層と綾瀬川断層を一体で想定)です。建物全壊は揺れによるもの53,013棟、液状化によるもの2,116棟、死者3,599人、避難所避難者144,968人と想定されています(30年以内発生確率は0.008%以下)(出典:埼玉県地震被害想定調査|平成24〜25年度)。
避難所へ向かう人が14万人を超える想定は、住まいを失った人をどこで受け止めるかという問題そのものです。市域が狭い自治体ほど、避難場所の確保は切実になります。
市域が狭いことによる調整の多さ
面積11.04km²という条件は、施設整備のたびに用地の取り合いが起きやすいことを意味します。新しい保育所や公園をつくる話は、既にある土地の使い方を変える話とほぼ同義になります。
住民同士の意見が割れる場面も出てきますから、市職員には説明の丁寧さと調整の粘り強さが求められます。学校の空き教室を別の用途に使う、公共施設を複数の機能で共用する、近隣市と施設を融通し合うといった手立ては、いずれも狭い市域だからこそ検討の俎上に載ります。
課題として語るときは、狭さを不利な条件として並べるだけでなく、限られた土地を使い回す工夫まで含めて話しましょう。
和光市の重点政策|埼玉県の計画と和光市
和光市の総合計画の内容と最新の予算方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。県計画が示す方向を確認したのち、和光市の採用試験に組み込まれた提出書類が何を見る道具なのかを考えます。
埼玉県5か年計画が示す方向
埼玉県5か年計画(令和4年度から令和8年度、日本一暮らしやすい埼玉へ)は、県が直面する最大の課題を「人類が経験したことのない超少子高齢社会への対応」と位置づけ、2040年を見据えて3つの将来像・12の針路・54の分野別施策を設定しています。あわせて、感染症の拡大や激甚化する自然災害といった経験したことのない危機への対応も、待ったなしの課題として明記されています。
これは県の計画であり、和光市の計画ではありません。それでも読む価値があるのは、市の総合計画を開いたときに、県が挙げた課題のうち、市がどれを自分の優先課題として引き受けたのかが見えてくるからです。
両方を並べて読むと、市の個性がつかみやすくなります。
和光市の採用試験で提出する書類
和光市の採用試験は、提出書類が段階ごとに分かれている点に特徴があります。受験申込時には電子申請でエントリーシート(顔写真が必要)を作成し、一般事務のデジタル受験者はアピールシートも提出します。
第1次試験の合格者には様式が通知され、自己紹介シートを作成して提出します。さらに第2次試験の実施日までに、卒業証明書と成績証明書の原本、有資格職は資格証明書を提出することになります(出典:和光市職員採用試験受験案内|令和8年度実施(第2回))。
POINT|書いた書類は後の面接で使われる
エントリーシートは申込時、自己紹介シートは第1次試験の合格後と、書く場面が二度あります。後から書く自己紹介シートで話を大きく変えると、第3次の個別面接で食い違いを突かれることになります。最初に書いた内容の控えを必ず残し、二つの書類を通して同じ人物像が立ち上がるように整えてください。
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 和光市職員採用試験の受験案内(受験する実施回・試験区分のもの)
- 和光市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
- 市のハザードマップと避難場所の一覧(避難所の想定を知る材料として)
- 埼玉県5か年計画、県の統計資料(市政の背景を知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、和光市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。和光市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
和光市役所の面接の概要
ここからは、和光市役所の採用試験の流れと、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
和光市役所の試験の流れ
和光市の採用試験は、A方式・B方式・C方式のいずれも4つの段階を踏みます。書類選考(内容審査)から始まり、第1次試験が筆記試験と作文試験と適性検査、第2次試験が集団討論、第3次試験が個別面接という順です。
ここで見落としたくないのが時間の配分です。集団討論は60分程度、個別面接は15分程度と、対人試験の時間の大半が集団討論に置かれているという設計になっています。
| 段階 | 内容(令和8年度実施・第2回) |
|---|---|
| 書類選考 | 内容審査 |
| 第1次試験 | 筆記試験、作文試験(60分程度)、適性検査(20分程度) |
| 第2次試験 | 集団討論(60分程度) |
| 第3次試験 | 個別面接(15分程度) |
| 筆記試験の方式 | A方式は教養試験(90分程度・従来型の公務員試験)、B方式はSPI3基礎能力検査(70分程度・民間型の採用試験)、C方式は筆記試験免除。一般事務はA方式かB方式を選択できる |
| 受験区分 | 大学卒(上級)、短期大学卒(中級)、高等学校卒(初級)。下位の区分での受験はできず、採用日時点の学歴により区分が決まる |
| 採用予定人数 | 一般事務・技師・福祉・学芸員・デジタルを合わせて25名程度(試験結果や欠員状況により変更の可能性あり) |
| 試験結果の開示 | 受験者本人が受験票を持参して職員課へ来庁すれば口頭で開示を請求できる。開示内容は筆記試験が得点(偏差値)と総合順位、集団討論と個人面接が総合順位 |
最終試験の合格者は、試験区分ごとの採用候補者名簿に登載されます。名簿の有効期間は登載の日から半年間で、登載された全員が採用されるとは限らず、いわゆる補欠合格となる可能性がある旨も受験案内に記されています。
また、原則として令和8年度実施の第1回で書類選考の結果を受けた人は、第2回を受験できません。加えて、第1次試験には60分程度の作文試験が含まれます。
作文で書いた考えと面接で話す内容がずれると、そのまま説得力が落ちますから、論作文の対策と面接の対策は別々ではなく一本の準備として進めましょう。
上記は令和8年度実施(第2回)和光市職員採用試験の受験案内にもとづくものです。各試験の配点および人物試験の比重は受験案内に記載がなく、公表が確認できていません。試験科目・面接形式・提出書類は実施回や試験区分によって異なりますので、受験の際は必ず最新の受験案内でご自身の区分の試験情報をご確認ください。
和光市役所が求める人物像
和光市は「こんな方を求めています」として、求める人物像を3つ挙げています。①常に住民の目線で考え、住民の立場に立って職務を遂行できる方、②全体の奉仕者としてあるべき姿を考え、高い倫理観を持って公正に職務を遂行できる方、③環境変化に伴う新たなニーズや機会を察知し、既成概念にとらわれずに改善・改革を進められる方、の3項目です。
3つを並べると、視点の置き方に段階があることがわかります。住民の側に立つこと、公正さを保つこと、そのうえで前のやり方を変えることという順序です。
3つの段階に沿って語るなら、責任感という言葉は最後に置いても構いません。先に、前のやり方を変えた経験と、変えるときに崩さなかった公正さを話してください。
3つ目の改善・改革は、集団討論で最も見えやすい資質でもあります。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。和光市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はよく眠れましたか | 場の空気に合わせて言葉を返せるか。第一声の印象 |
| ② 動機・志望 | 他にどのような就職先を考えていますか | 職業選択の全体像と、そのなかでの市役所の位置づけ |
| ③ 自己理解 | これまでで一番悔しかった出来事は何ですか | 感情を伴う経験を、整理して人に伝えられるか |
| ④ 経験・行動 | 集団のなかで意見をまとめた経験はありますか | 合意をつくる過程で自分が担った役割 |
| ⑤ 学業・経歴 | 卒業論文やゼミのテーマを教えてください | 選んだ理由と、選ぶまでに考えた筋道 |
| ⑥ 適性・将来 | 入庁後、最初の3年で身につけたいことは何ですか | 仕事の順序を具体的に描けているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 公平と平等の違いをどう考えますか | 行政特有の概念を自分の言葉で扱えるか |
ただし、この7カテゴリーは和光市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「和光市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「和光市役所ならでは」の質問
どちらも和光市を調べていなければその場では形にできない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「和光市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい和光市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と位置 | 人口84,917人、面積11.04km²、人口密度7,692人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。埼玉県側は朝霞市と戸田市のみに接し、南は東京都板橋区・練馬区と向かい合う | 都県境という言葉で止めず、境界をまたいで暮らす人にとって和光市の窓口がどう見えているかまで話を運びます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 埼玉県は面積約3,798km²の広域自治体、和光市は11.04km²の市域に8万4千人が暮らす基礎自治体で、広沢の庁舎が窓口の拠点になる | 広さの違いを説明するだけで終えず、狭い市域だからこそ職員が直接顔を合わせられる相手の多さに触れます |
| 市の課題 | 埼玉県の生産年齢人口は平成12年の501万人をピークに、令和22年には380万人へ減る見込み。高齢化率は令和22年に33.3%の見通し | 県全体の見通しを述べたうえで、働く世代が和光市に住み続ける理由をどう増やすかという問いに置き換えて答えます |
| 産業とまちの将来 | 埼玉県の県内総生産は24兆6,656億円で20年連続の全国第5位(令和4年度・名目)。隣接する朝霞市146,414人、戸田市142,833人はいずれも和光市より人口が多い | 県の安定した経済を背景に置きつつ、より人口の多い隣接市と競う立場で和光市が示せる強みを挙げます |
| 防災・危機管理 | 関東平野北西縁断層帯地震の想定では県全体で死者3,599人、避難所避難者144,968人、建物全壊は揺れによるもの53,013棟 | 県全体の数字を暗唱せず、市域が11.04km²しかないなかで避難場所をどう確保するかという具体の問いに引き寄せます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 住民の目線に立てるか | 制度の話をするときに、使う側の事情まで想像できているか | 和光市が求める人物像の一つ目が住民の立場に立って職務を遂行できる方であることを踏まえ、自分の経験を必ず相手側の受け取り方とセットで語れるようにしておく |
| 合意をつくる力 | 第2次の集団討論で、対立する意見を引き取って議論を前に進められるか | 対人試験の時間の大半を占めるのが60分程度の集団討論であることを踏まえ、司会役と発言役の両方を経験しておき、時間配分を体で覚えておく |
| 短時間で要点を届ける力 | 第3次の個別面接で、限られた時間のなかに結論と根拠を収められるか | 個別面接が15分程度と短いことを踏まえ、志望動機と自己PRを60秒版と30秒版の二通り用意し、どちらでも要点が落ちないよう削っておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
言い方ひとつで印象が変わる
NG「都心にも近くて住みやすい和光市の良さを、もっと発信していきたいです」
改善「はじめは窓口の仕事で市民の方の話をたくさん聞きたいです。そのうえで、埼玉県では働く世代が2000年をピークに減り続けていると聞きましたので、和光市に住み続けてもらうための子育てや住まいの仕事にも関わっていきたいと考えています」
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 和光市公式サイトの職員採用ページを定期的に確認し、受験案内が公表されたら保存して、A方式とB方式のどちらで受けるかを先に決める
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- エントリーシートを書く。申込時に提出する書類なので、後で提出する自己紹介シートと矛盾しない軸を先に決めておく
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 集団討論の練習をする。60分程度という長さを想定し、他の人の意見を要約してから自分の意見を足す型を身につけておく
優先順位に注意
ステップ4と5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、ステップ6の集団討論の練習を優先してください。対人試験の時間配分が集団討論に大きく振られている以上、そこで沈黙する人は個別面接まで到達できません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、和光市役所専用の面接想定問答集を用意しておくという方法もあります。
和光市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
和光市の採用試験は、書類選考から数えて4つの関門を越える形になっています。そして対人試験の時間は、60分程度の集団討論と15分程度の個別面接に分かれています。
この配分を知らずに、20分も30分も自分の話ができる前提で準備すると、本番で削り切れずに終わります。準備の重心は、他の受験者と議論を組み立てる側に置くのが理にかなっています。
そのうえで手元に置いておきたいのが、面積11.04km²に84,917人が暮らすという市の輪郭と、朝霞市と戸田市、そして東京都板橋区・練馬区に囲まれた位置の意味です。土地に余裕のないまちで、限られた場所をどう使い回して暮らしを支えるのか。
その考えを自分の言葉で持って広沢の庁舎に向かえるかどうかが、最後の15分での差になります。