南渡島消防事務組合消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴基礎データ管轄地域の特性と災害リスク消防課題重点方針)と、面接本番の流れ想定される質問評価の観点を、1ページに整理しました。

南渡島消防事務組合消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ南渡島消防事務組合消防本部なのか」「北斗・七飯・鹿部のどの地域でも働く覚悟があるか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。3つの市町が共同で組合を運営するという体制そのものを理解しておくことで、単独の消防本部にはない視点で説明できるようになります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と南渡島消防事務組合消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

南渡島消防事務組合消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは南渡島消防事務組合消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 南渡島消防事務組合消防本部は、北斗市・七飯町・鹿部町の3市町が共同で設ける一部事務組合が直接採用・運営する消防本部。構成市町村が個別に採用して組合へ派遣する方式ではなく、組合そのものが採用主体である。
  • 体制は消防本部(北斗市中央2丁目6番6号)と、北斗消防署・七飯消防署・鹿部消防署の3署。「消防本部を中心に北斗・七飯・鹿部の各署が連携する体制」と公式に説明されている。
  • 消防吏員数は182人(うち女性4人)で、組合消防本部としては比較的規模の大きい体制を持つ。
  • 出動件数は火災27件・救助64件に対し、救急は4,980件にのぼり、3市町を合わせた出動の大半が救急である(消防庁公表データによる)。
  • 令和9年度採用試験の受験区分は「高校の部」「救急救命士の部」「大学の部」の3区分で、採用予定人数は4〜5名程度である。
  • いずれの区分でも、採用後に組合の管轄区域内に居住可能なことが受験資格の一つとされている。
  • 組合は採用専用ページを設け、各署や指令センターを紹介する採用ムービー、SNS(X・Instagram・YouTube)で情報を発信している(出典:採用専用ページ|南渡島消防事務組合

南渡島消防事務組合消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「南渡島消防事務組合消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、構成市町村、管内人口、職員体制、出動件数など、組合本部の規模と広がりを説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
設置形態一部事務組合(組合が直接採用)
構成市町村北斗市・七飯町・鹿部町(3団体)
管内人口(合算)72,450人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
消防吏員数(うち女性)182人(うち女性4人)
出動件数(火災/救急/救助)27件/4,980件/64件
採用予定人数(令和9年度)4〜5名程度(受験区分: 高校の部・救急救命士の部・大学の部)

管内人口は北斗市・七飯町・鹿部町の合算値で、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在によります。高齢化率は構成市町村ごとに差があるため合算せず、次章で団体別に扱います。消防吏員数と3種類の出動件数は、総務省消防庁が公表するデータを2026年5月31日時点で取得した値で、集計期間の記載はありません。

数字から考えられる南渡島消防の課題

3市町を合わせた出動件数を見ると、火災27件・救助64件に対して救急は4,980件です。3市町にまたがる管内で、これだけの救急件数が集まる背景には、構成市町村の高齢化があると考えられます。

構成1市2町の高齢化率は、北斗市32.6%、七飯町35.6%、鹿部町42.0%(いずれも令和8年1月1日現在)とばらつきがあり、なかでも鹿部町は高い水準にあります。管内全体で見ても、高齢化が救急需要を押し上げていると考えられます。

「南渡島消防事務組合は北斗市と七飯町、鹿部町の3つの市町を管轄していて、なかでも鹿部町は高齢化率が4割を超えているということでした。管内全体で救急の出動が年間5000件近くあるとのことですので、180人ほどの体制でこの需要にどう応えていくかが大事な課題だと思います」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 構成1市2町の管内人口を合わせると72,450人(令和8年1月1日現在)。うち北斗市が42,159人と最も多く、七飯町26,824人、鹿部町3,467人と続く。
  • 北斗市は函館市に隣接し新函館北斗駅を擁する道南の都市の一つ、七飯町は大沼国定公園を抱える町、鹿部町は太平洋(噴火湾)に面する漁業の町と、性格の異なる3市町が組合を構成している。都市部・観光地・漁業地域という異なる顔を持つ3市町を、1つの消防本部が横断的に支えている点が、この組合の大きな特徴である。
  • 令和7年国勢調査の速報では、北海道の総人口が前回調査から23万9,195人(4.6%)減った。減少数・減少率とも調査開始以来で最も大きく、管内3市町もこの流れの中にある(出典:令和7年国勢調査 速報|北海道

つまり南渡島消防事務組合消防本部は、性格の異なる3市町を1つの組合が横断して支える本部だと整理できます。3つの顔を1つの組織で受け持つという点は、志望動機や「管轄の特徴」を問われたときに軸として使えます。

大規模地震のリスク

北海道は、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震による被害想定を公表しています。

この想定では、早期避難率が低い場合の死者数が日本海溝モデルの冬の夕方で最大約149,000人、千島海溝モデルでも冬の夕方で約106,000人にのぼり、建物の全壊棟数も日本海溝モデルで最大約134,000棟とされています。

一方、早期避難の呼びかけが行き届いた場合、千島海溝モデル冬の深夜の死者数は約50,000人まで抑えられるとされ、日頃の備えの重要性がうかがえます(出典:日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定|北海道

太平洋(噴火湾)に面する鹿部町を含む南渡島消防事務組合の管内も、この道全体の想定と無関係ではありません。管轄内で想定される災害を問われた際は、こうした道全体の想定と、3市町それぞれの立地の違いをあわせて説明できるようにしておきましょう。

南渡島の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、南渡島消防事務組合消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

全国的に救急出動は増加を続けており、令和6年中は771万8,380件と集計開始以降の最多を更新しました(出典:令和7年版 救急・救助の現況

南渡島消防事務組合消防本部でも、年間4,980件の救急出動があります(消防庁公表データ)。3市町にまたがる管内でこの件数に対応し続けるためには、北斗・七飯・鹿部の3署の連携が欠かせません。

北斗消防署が担う人口規模の大きい市街地と、七飯消防署・鹿部消防署が担う郊外・沿岸部とでは、救急の現場までの距離や搬送先の医療機関までの所要時間も異なると考えられ、地域ごとの事情に応じた体制づくりが求められます。

高齢化率が4割を超える鹿部町を含む構成市町村の年齢構成を踏まえると、救急需要は今後も高い水準で続くと見込まれます。

大規模災害への備え

前章の巨大地震のように被害が広域に及ぶ災害では、応援の受け渡しが対応力を左右します。

全国の消防本部の約99%にあたる718本部が緊急消防援助隊に登録しており(令和6年4月1日現在・出典:緊急消防援助隊|消防白書)、大規模災害が起きた際には、被災地への応援出動や応援の受け入れという形で、南渡島消防事務組合消防本部もこの広域応援体制の一翼を担うことになります。

3署体制のため、構成市町村間でも被害の程度に差が出た場合の相互応援が重要になると考えられます。北斗消防署・七飯消防署・鹿部消防署がそれぞれ独立して初動対応にあたりながら、被害の大きい地域へ他署から応援を回すという内部の連携も、組合ならではの備えの形といえます。

予防・住宅防火

南渡島消防事務組合消防本部の火災出動は27件(消防庁公表データ)です。この水準を維持するためには、住宅用火災警報器の普及や地域での防火指導といった予防の取組を、北斗・七飯・鹿部それぞれの地域特性に合わせて継続する必要があります。

市街地が広がる北斗市、大沼国定公園を抱える七飯町、漁業の町である鹿部町では、住宅の密集度や暮らし方も異なるため、同じ予防の取組でも地域ごとに力点を変える工夫が求められます。3市町それぞれの生活環境に応じた予防活動が、組合消防本部ならではの視点になります。

人材確保と女性吏員の活躍

南渡島消防事務組合消防本部の消防吏員182人のうち、女性は4人です。割合にすると約2.2%で、全国の消防吏員に占める女性の割合である約3.8%(168,230人中6,386人、令和7年4月1日現在)を下回っています(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁

国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げており、南渡島消防事務組合消防本部にとっても、女性職員の登用拡大は取り組みを進めるべき課題です。3署のいずれに配属されても力を発揮できる人材の確保は、性別を問わずこれからの重要なテーマです。

北斗・七飯・鹿部のどの地域に配属されても長く働き続けられる環境づくりは、構成市町村が共同で運営する組合本部だからこそ、地域を横断した取組として進めやすい面もあります。

重点方針|採用専用サイトに見る姿勢と全国的な方向性

南渡島消防事務組合消防本部は、独自の総合計画や運営方針を毎年度公表する体制を持つわけではありませんが、採用専用ページを設けてムービーやSNSで情報発信するなど、人材確保に力を入れている姿勢が読み取れます。

採用専用ページに見える取組

取組内容
情報発信採用専用ページを開設し、北斗・七飯・鹿部の各署や指令センターを紹介する採用ムービー(YouTube)、採用ポスター・リーフレットを公開
SNSでの発信X(北斗消防署)・Instagram・YouTubeで日常的に情報を発信
受験区分の複線化「高校の部」「救急救命士の部」「大学の部」の3区分を設け、幅広い層からの応募に対応

こうした取組から、南渡島消防事務組合消防本部が受験者に組織の実際の姿を伝えることを重視していることがうかがえます。

あわせて、消防庁が示す全国的な方向性(女性職員の活躍推進、緊急消防援助隊による広域応援、救急需要の増加への対応)も、組合の運営を理解するうえでの物差しになります。特定の1市町だけでなく、北斗・七飯・鹿部という3つの異なる地域を横断して運営される組合ならではの視点として、構成市町村間の連携や情報共有のあり方にも関心を持っておくとよいでしょう。

POINT|採用ムービー・SNSは面接前に必ず見ておく

採用ムービーやSNSの発信内容には、面接前に一度目を通しておきましょう。数字や制度を暗記するより、実際にどんな現場でどんな人たちと働くことになるのかをイメージしておくほうが、志望動機に具体性を持たせる近道になります。

悪い例「地域の安全を守りたいという思いがあり、志望しました」

改善例「まずは目の前の出動に落ち着いて向き合える消防士になりたいです。その上で、採用ムービーで拝見した指令センターの連携にも関心がありますので、北斗と七飯、鹿部の3署が力を合わせる組織の一員として、地域を支えていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

南渡島消防事務組合消防本部の受験案内・実施要綱には、受験区分ごとの資格要件から試験の構成までがまとまっています。採用専用ページとあわせて確認すると、手続きの理解と組織理解の両方が進みます。

  • 令和9年度採用試験案内・実施要綱
  • 採用専用ページ(採用ムービー・ポスター・リーフレット)
  • 総務省消防庁「女性消防吏員の活躍推進」
  • 総務省消防庁「消防白書」(全国の消防行政の動向)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、南渡島消防事務組合消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。南渡島消防事務組合消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

南渡島消防事務組合消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

南渡島消防事務組合消防本部の面接の概要

ここからは、南渡島消防事務組合消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

南渡島消防事務組合消防本部の面接の流れ

実施主体は南渡島消防事務組合そのもので、構成市町村が個別に採用して組合へ派遣する方式ではありません。受験区分ごとに生年要件は異なりますが、試験の構成は共通です。

項目内容(令和9年度採用)
受験区分高校の部・救急救命士の部・大学の部の3区分
第1次試験教養試験(5肢択一40題2時間)・適性試験(性格150項目20分+認知能力90題15分)・論文試験(課題式800〜1,200字程度)
第2次試験体力試験(上体起こし・立ち幅跳び・シャトルラン・握力・腕立て伏せ・懸垂)・面接試験
面接の種類令和9年度は集団面接(令和7・8年度は個別面接から変更。年度により異なるため最新の受験案内で確認)
身体基準身長は男性おおむね160cm以上・女性おおむね150cm以上、体重は男性おおむね50kg以上・女性おおむね40kg以上、視力は矯正視力を含み両眼0.7以上かつ一眼それぞれ0.3以上 等

注目したいのは、面接の形式が令和9年度に変わった点です。過去2年度の案内はいずれも個別面接でしたが、令和9年度の案内では集団面接に変更されています。

同じ組合でも年度によって面接の形式が変わるため、自分が受験する年度の情報を必ず確認し、過去の年度の情報をそのまま当てはめないようにしましょう(出典:令和9年度採用試験案内|南渡島消防事務組合

上記の試験構成は、南渡島消防事務組合が公表する令和9年度採用の試験案内にもとづくものです。試験の構成・日程・面接の形式等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

南渡島消防事務組合消防本部が求める人材

南渡島消防事務組合消防本部は、採用向けの「求める人物像」を明文にしていません(2026年8月に受験案内と採用専用ページを確認)。

読み取りの起点になるのは、北斗・七飯・鹿部の3署に分かれて活動する組合消防本部という体制です。この形態の本部では、どの署に配属されても対応できる覚悟と、構成市町村ごとに異なる地域の事情への理解が問われやすいと当研究会は考えています。

南渡島消防事務組合の場合はこれに加えて、受験区分に応じた居住要件が示されていることから、赴任先の地域に根を下ろして働こうとする姿勢もあわせて意識しておきたいところです。

令和9年度の面接は集団形式で、体力試験は6種目が別に用意されています。体力の有無は試験の側で確かめられますから、自己PRでは限られた持ち時間で伝わる、自分の行動が周囲を動かした一場面を選んで話しましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。南渡島消防事務組合消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ消防官を、それも南渡島消防事務組合消防本部を志望するのですか?消防官という仕事とこの管内を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解チームの中では、どんな役回りになることが多いですか?集団での立ち位置を自分で把握できているか。隊で動く仕事との相性が見られます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。壁にぶつかったときの対処が現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴学校生活やアルバイトで、力を入れて取り組んだことは何ですか?経験の中身と、そこでの役割・行動を具体的に語れるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務と現場活動、体力試験を見据えた日頃の体づくり
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

この7つの土台を固めたうえで、いよいよ問われるのが、南渡島消防事務組合消防本部という組織そのものへの理解です。令和9年度は集団面接という形式もあり、他の受験者と並んだときに自分の考えをどう伝えるかも意識しておく必要があります。

合否を分けるのは南渡島消防事務組合消防本部に固有の質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官を志望するのですか?」
「北斗市や七飯町、鹿部町のうち、どの地域で働くことになっても対応できますか?」

職業としての消防を選んだ理由に加えて、3署に分かれた組合という体制をどこまで理解しているかが問われます。

北斗市・七飯町・鹿部町のどこに配属されても働くという前提を持たずに志望動機を語ると、どの地域の話なのかが最後まで見えません。面接で使いやすい「南渡島の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい南渡島の事実答え方のヒント
救急需要出動の大部分を救急が占め、年間4,980件(第1部2〜4章)件数の多さと構成市町村の高齢化を結び付け、救急への理解の深さを示す
3市町にまたがる組合北斗市・七飯町・鹿部町の3署体制(第1部1・3章)どの地域で働くことになっても対応する意欲を、具体的な言葉で示す
面接形式の年度変化令和9年度は集団面接(令和7・8年度は個別面接)(第2部1章)自分が受験する年度の形式を正確に把握していることを、確認の姿勢とあわせて示す
受験区分の複線化高校の部・救急救命士の部・大学の部の3区分(第1部1章)自分の受験区分の要件を正確に理解し、混同せずに説明できるようにする

使い方のコツは、4つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防官としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

南渡島消防事務組合消防本部は、試験の種目と段階を公表していますが、各種目の配点や評価語までは明らかにしていません。そのため観点は、公表されている試験構成から読める範囲を手がかりに組み立てることになります。

構成から言えるのは、第1次試験に教養・適性・論文の3種目が集まり、第2次試験に体力と面接という2種目が置かれているという点です。

知識・思考力・文章力を第1次で幅広く確かめたうえで、第2次で体力と人物の両面を見る構造だと読み取れます。

論文試験が800字以上1,200字程度という比較的まとまった分量で課される点も、暗記した知識の量ではなく、自分の考えをひとつの文章として構成する力が見られていることの表れだと考えられます。

ここに、面接一般の考え方を一つ重ねておきましょう。公務員の採用面接で広く用いられるコンピテンシー評価、つまりこれまでの行動を具体的に聞き取り、そこから採用後の働きぶりを見通す方法です。

南渡島消防事務組合消防本部が評価方法として公表しているわけではありませんが、令和9年度のように集団面接で他の受験者と並ぶ場面では、この見方が助けになります。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
組織への適応力3署のいずれに配属されても、地域の事情に合わせて対応できるか環境の変化に自分から適応した経験を、具体的な場面とあわせて用意する
チームでの協調性集団の中で自分の役割を果たし、周囲と協力できたか集団面接では他の受験者の発言も聞きながら、自分の考えを簡潔に伝える練習をする
地域への向き合い方北斗・七飯・鹿部のどの地域にも関心を持てているか3市町それぞれの特徴を、自分の言葉で説明できるようにしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和9年度の受験案内を読み、受験区分(高校の部・救急救命士の部・大学の部)と、当年度の面接形式(集団面接)を確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、環境の変化に適応した具体例、周囲と協力した具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、3市町の管轄や組合の体制について、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。集団面接を想定し、他の人の発言を聞きながら簡潔に話す練習もあわせて行う

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で南渡島の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、南渡島消防事務組合消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

南渡島消防事務組合消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。面接の形式が年度によって入れ替わる本部ですから、個別でも集団でも通用する答えの芯を、回答例を使って先に作っておきましょう。

南渡島消防事務組合消防本部の想定問答集を見る

さいごに

南渡島消防事務組合消防本部は、北斗市・七飯町・鹿部町という性格の異なる3つの市町を、組合という枠組みで一体的に支えています。令和9年度の採用試験は、受験区分が3つに分かれ、面接の形式も過去2年度の個別面接から集団面接へと変わりました。

年度によって形式が変わるからこそ、最新の受験案内を自分で確かめる姿勢が欠かせません。

救急が出動の中心を占めるという実態と、どの地域に配属されても対応する覚悟は、面接で問われたときにすぐ言葉にできるようにしておきましょう。

北斗・七飯・鹿部のどこに立っても力を尽くせる消防吏員を目指して、進んでいってください。