本記事では、歌志内市職員採用試験の面接対策で必要な、歌志内市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

歌志内市役所の面接試験では、「なぜ歌志内市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。歌志内市では、正職員の募集が職種ごとに不定期で公表されます。

募集が出てから慌てずに済むよう、市の姿を早い段階でつかんでおくことが準備の土台になります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と歌志内市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

歌志内市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは歌志内市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 北海道の空知総合振興局管内にあり、人口2,473人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)と、全国の市のなかでも人口規模が特に小さい自治体である。
  • 総面積は55.95km²、人口密度は44人/km²。人口も市域もコンパクトな規模にまとまっている。
  • 芦別市・赤平市・砂川市・空知郡上砂川町に隣接する、道央の内陸部の市である。
  • 市役所は歌志内市字本町5番地に置かれ、市の花はツツジ、市の木はナナカマドと定められている。
  • 市は歌志内市立病院を設置しており、市の採用情報では病院の看護師募集が、市長部局の職員募集と並んで公表されている。
  • 正職員の採用は職種ごとの募集で行われ、令和9年4月採用の保健師採用試験では、第一次試験にSPI3が用いられ「公務員試験対策不要」と募集ページに明記されている

歌志内市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「歌志内市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、人口密度、周辺の自治体など、歌志内市の輪郭がつかめる項目を整理しました。あわせて、歌志内市の規模を測るための比較対象として、北海道全体の数値も並べています。

項目内容
総人口2,473人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積約55.95km²
人口密度44人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
所属振興局空知総合振興局
隣接自治体芦別市・赤平市・砂川市・空知郡上砂川町
市の花・市の木ツツジ・ナナカマド
市役所所在地歌志内市字本町5番地
(参考)北海道の総人口約498万5千人(令和7年10月1日現在)
(参考)北海道の人口密度約67人/km²(2020年時点、全国で最も低い水準)

歌志内市の面積・隣接自治体・市の花木・市役所所在地は、自治体データベースによる数値です。北海道の総人口は令和7年国勢調査速報(令和7年10月1日現在)、人口密度は北海道データブック2025による数値です。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

歌志内市の人口密度は44人/km²で、北海道全体の約67人/km²(2020年時点、全国で最も低い水準)を下回ります(出典:北海道データブック2025|人口統計

ただし、面積が55.95km²と小さいため、人口の少なさが移動距離の長さに直結しているわけではありません。

人が広い土地に散っているのではなく、小さな範囲に小さな人口がまとまっているのが歌志内市の形です。

この形は、行政サービスを届けやすいという点では有利に働きます。一方で、2,473人という人口は、税収の基盤も、地域を担う人の数も限られることを意味します

北海道全体でも、令和7年国勢調査の速報値は前回調査(令和2年)から23万9,195人(4.6%)の減少となり、この減少数・減少率はいずれも調査開始以来最大でした(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計|北海道

面接では、たとえば次のように、規模の数字と自分の姿勢を結び付けて話せます。

「歌志内市は人口が2千5百人ほどで、面積も56平方キロメートルくらいのコンパクトなまちだと聞きました。人数が少ないぶん、窓口で対応した方とまちの中でまた顔を合わせることになると思います。その場かぎりで終わらない関係だからこそ、一つひとつの対応をていねいに積み重ねられる職員になりたいです」

歌志内市の経済・産業

歌志内市は、空知の内陸で4つの市町に囲まれた小さな市です。この規模の市の産業を面接で語るときは、市が属する北海道全体の産業の姿を土台に置くと、話の軸がぶれません。

ここでは道の産業構造を手がかりに、歌志内市の地域経済の位置づけと、面接で使える視点を整理します。

北海道の産業構造の中での位置づけ

  • 道内総生産は20兆5,409億円(令和3年度)。産業別の構成比は第1次産業3.9%(全国1.0%)、第2次産業17.8%(全国26.5%)、第3次産業77.0%(全国71.9%)。
  • 農林水産省の令和7年版資料では、農業産出額は1兆3,478億円で全国の14.1%を占め、全国第1位。生乳・ばれいしょ・たまねぎ・小麦など多くの品目で全国第1位の産地となっている。
  • 1経営体当たりの経営耕地面積は34.1haで都府県の13.6倍。大規模で専業的な農業経営が広がっている。

歌志内市の経済も、全国と比べて第1次産業と第3次産業の比重が高い北海道経済の一部にあります。この捉え方をしておくと、産業振興や雇用の話題にも落ち着いて答えられます。

歌志内市自体の主要な産業や事業所の実態は、市公式サイトや広報紙であわせて確認しておきましょう(出典:北海道の農林水産業の概要|令和7年版

外から地域に関わる人をどう増やすか

令和6(2024)年度の北海道の観光入込客数(実人数)は4,964万人で、前年度比3.9%増でした。

市町村ごとの延べ人数の合計は1億5,321万人、宿泊客の延べ数は4,045万人泊(前年度比9.4%増)で過去最高となっています。

訪日外国人来道者数も約283万人(前年度比20.7%増)と、過去最高だった平成30年度に次ぐ水準まで戻りました(出典:北海道観光入込客数調査|令和6年度

定住人口が3千人に満たない市にとって、観光やふるさと納税を通じて外から地域に関わる人をどう増やすかは、人口の少なさを補うための現実的な選択肢です。

面接で「まちの活性化」を語るなら、住む人を増やす話だけでなく、関わる人を増やす話まで視野に入れておくと厚みが出ます。

働き手そのものが減っていく前提

北海道の将来推計人口(令和5年推計)では、2050年の総人口は2020年比で約27%減の382万人となる見通しです。65歳以上の割合は32.1%から42.6%へ上昇し、生産年齢人口(15〜64歳)の割合は57.2%から48.9%へ低下すると推計されています。

歌志内市の産業や雇用を考えるときも、この見通しを外さずに話すことが大切です。

事業者の数を増やすという発想だけでなく、いまある事業や暮らしをどう続けるかという発想が、小さな市ではより重い意味を持ちます。

2026年7月時点で歌志内市が募集を出していた正職員の職種が保健師と市立病院の看護師であることも、医療や保健の担い手を確保し続けることがこの市の課題であることを示しています。

歌志内市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、歌志内市が小規模自治体として向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

人口2,473人の市で行政サービスを保つこと

市が担う仕事の種類は、人口規模が小さくなっても大きくは減りません。戸籍や税、福祉、道路、上下水道といった業務は、この規模のまちにも同じように必要です。

北海道の将来推計人口(令和5年推計)では、2050年には道内すべての市町村で人口が減少し、2020年比で減少率が50%以上となる市町村が67にのぼるとされています(出典:日本の地域別将来推計人口(北海道)|令和5年推計

仕事の幅は変わらないまま、人と財源だけが細っていくという構図が、小さな市の行政運営の出発点になります。

市立病院を含む暮らしの基盤の維持

歌志内市は歌志内市立病院を設置しており、市の採用情報では病院の看護師(正職員)の募集も公表されています。この募集の提出先は歌志内市立病院事務局で、市長部局の職員採用とは別の枠組みです。

人口2千人台の市が病院を持ち続けているという事実は、医療をまちの中に残すという判断が重ねられてきたことを示しています。

北海道全体で65歳以上の割合が2050年に42.6%まで高まる見通しであることを考えれば、医療・福祉・介護をどう維持するかは、事務職を志望する場合でも避けて通れない論点です。

限られた財源での行政運営

市町村の財政運営は、道全体の財政環境と切り離しては考えられません。北海道の公表資料をみると、令和6年度の実質公債費比率は20.0%で全国最下位、将来負担比率は307.0%で全国46位、経常収支比率は99.8%で全国47位です(出典:都道府県別主な財政指標一覧|令和6年度

実質公債費比率は、地方債の発行に許可が必要となる18%を上回る水準です。

こうした環境の中では、どこに財源を振り向けるかという判断が日常的に求められ、職員にも「なぜその順番なのか」を説明する力が必要になります。

大規模地震への備えと避難所の運営

令和4年に公表された日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の北海道分の被害想定では、早期避難率が低い場合の死者数は最大約14万9千人、建物全壊棟数は最大約13万4千棟とされました。

一方、早期避難の呼びかけが行われれば、千島海溝モデルの冬の深夜で死者数を約5万人まで軽減できるとも示されています(出典:日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定|令和4年

内陸に位置する歌志内市で津波が直接の脅威になる場面は多くありませんが、揺れそのものへの備えや避難所の運営は共通の課題です。

職員数が限られる市ほど、一人が受け持つ役割は重くなります

重点政策|北海道の見通しと歌志内市の立ち位置

市の行政運営は、道の財政方針と人口の見通しという条件の上に成り立っています。ここでは北海道全体の予算と将来推計を押さえ、そのうえで歌志内市がどの位置にいるのかを考えます。

北海道全体の財政運営の方針

令和8年度の北海道一般会計当初予算は3兆1,681億9百万円で令和7年度比103.9%、特別会計を含む当初予算総額は4兆2,058億3,838万円(同102.4%)です。

財政力指数は0.46(令和6年度)で、道財政は今後も多額の収支不足額が見込まれ、持続可能な財政構造の確立に向け財政の健全化に不断に取り組む必要があるとされています(出典:財政状況の公表|令和8年度当初予算

道内の市町村も、この環境を前提に行政サービスを組み立てています。

人口減少社会の中での小規模自治体

北海道の将来推計人口(令和5年推計)では、人口5千人未満の市町村数が2020年の84から2050年には122へ増えると見込まれています。

全市町村の3分の2近くが人口5千人未満になるという見通しであり、人口2,473人の歌志内市は、多くの自治体がこれから迎える規模を、すでに現実として引き受けている市だといえます。

裏を返せば、歌志内市で積み重ねられている工夫は、後から同じ規模になる自治体にとっての先行事例にもなり得ます

面接では、こうした道全体の見通しを押さえたうえで、それでもこのまちで働きたい理由まで語れると、答えの重みが変わります。

POINT|市独自の計画名がわからなくても準備はできる

計画の名称を言えることが自治体研究の目的ではありません。①歌志内市の人口・面積・暮らしの基盤を数字で押さえる → ②市が実際に出している募集や広報から、いま人手を必要としている分野を読む → ③自分の経験や強みがどこで生きるかを言葉にする、という順で進めれば、計画名に頼らずに歌志内市を語れます。

悪い例「歌志内市のまちづくりに貢献したいです」

改善例「まずは窓口や事務の仕事を一つずつ覚えていきたいです。その上で、歌志内市は人口が2千5百人ほどで、市立病院も持っているまちだと聞きました。医療や福祉の現場がきちんと回るように、事務の面から支える仕事に関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 歌志内市公式サイトの「職員採用情報」と、その下の「市職員募集」(募集要項と、別紙の職員採用試験案内)
  • 歌志内市公式サイトの市政情報・広報紙(市の取り組みや行事を知る手がかりになります)
  • 北海道の当初予算・統計資料(道内における歌志内市の位置づけを知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、歌志内市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。歌志内市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

歌志内市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

歌志内市役所の面接の概要

ここからは、歌志内市役所の採用試験の実施状況と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

歌志内市役所の採用試験の実施状況

歌志内市の職員採用情報は、市公式サイトの「職員採用情報」の下に「市職員募集」と「会計年度任用職員募集」の2つの区分で公開され、正職員の募集要項は「市職員募集」に職種ごとに掲載されます。

当研究会が2026年7月時点で確認した範囲では、掲載されていた正職員の募集は令和9年4月採用の歌志内市職員(保健師)と、令和8年度採用の歌志内市立病院看護師(正職員)の2件でした。

この時点では、一般事務職の募集要項は掲載されていませんでした。

このうち保健師の採用試験については、募集ページに試験の入口が明記されています。第一次試験はSPI3で、「公務員試験対策不要」と募集ページに書かれている点が、この市の採用の大きな特徴です(出典:令和9年4月採用 歌志内市職員(保健師)の募集

項目内容(2026年7月時点で確認できる範囲)
募集の出し方「職員採用情報」の下に「市職員募集」「会計年度任用職員募集」の2区分。正職員の募集要項は「市職員募集」に職種ごとに掲載されます
確認できた正職員の募集令和9年4月採用の歌志内市職員(保健師)/令和8年度採用の歌志内市立病院看護師(正職員)
採用予定人数(保健師)1名
第一次試験の種目(保健師)SPI3。募集ページに「公務員試験対策不要」と明記されています
提出書類(保健師)受験申込書、履歴書、エントリーシート、運転免許取得見込みに関する様式(いずれも募集ページからダウンロード)
受験資格等の詳細募集ページの本文ではなく、別紙「歌志内市職員採用試験案内」に記載されます
面接の形式・回数・配点公表資料では確認できません。最新の受験案内でご確認ください

上記は、歌志内市公式サイトの職員採用情報および令和9年4月採用(保健師)の募集ページを、2026年7月時点で確認した内容にもとづくものです。歌志内市の正職員の募集は職種別・不定期で行われ、年度によって募集職種も試験の構成も変わります。保健師採用試験の構成を、一般事務職など他の職種の試験構成として一般化することはできません。受験の際は、必ずご自身が志望する職種の最新の募集要項をご確認ください。

応募先の違いに注意

歌志内市立病院看護師の募集は、提出先が歌志内市立病院事務局で、市長部局の職員採用とは別の枠組みです。市の採用情報ページに並んで掲載されているため混同しやすいのですが、応募する職種によって窓口も様式も異なります。募集要項の提出先の欄を、申し込む前に必ず確認しておきましょう。

歌志内市役所が求める人物像

歌志内市の採用情報には、他の自治体でみられる定型の「求める人物像」にあたる記載を、公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。

ただし、募集の出し方そのものから読み取れることがあります。令和9年4月採用の保健師採用試験で第一次試験にSPI3を用い「公務員試験対策不要」と明記しているという事実は、少なくともこの職種では、長期の公務員試験対策を前提としない入口が用意されていることを意味します。

筆記の準備期間の長さだけで受験者を絞り込む設計にはなっていません。

また、保健師の採用予定人数が1名であるように、募集は少人数です。この人口規模では職員の総数も限られ、一人が複数の役割を兼ねることが前提になります。

ここから、面接で見られる資質を言葉にすると、住民との近さに耐える誠実さ、幅広い業務を引き受ける柔軟さ、限られた条件の中で工夫する力の3点に整理できます。

自己PRでは「まじめです」「粘り強いです」と述べるだけでなく、その姿勢を発揮した結果、相手や周囲がどう変わったのかまで話せるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。歌志内市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までの道のりはいかがでしたか答えの中身よりも、身構えていない受け答えができるかどうか
② 動機・志望なぜ民間企業ではなく公務員なのですか民間との違いを自分の経験に引きつけて説明できているか
③ 自己理解周りの人からは、どんな人だと言われますか自己評価と他者からの評価のずれを、自分で把握できているか
④ 経験・行動思うようにいかなかった経験を教えてくださいうまくいかない状況で何を考え、次に何を変えたか
⑤ 学業・経歴学校で力を入れて学んだことを教えてください専門外の相手に伝わる言葉へ置き換える力
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたら、どうしますか配属への納得感と、与えられた場所で力を出す姿勢
⑦ 公共性・社会性最近気になった出来事を一つ挙げてください社会の動きへの関心と、自分の意見を短く述べられるか

ただし、この7カテゴリーは歌志内市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「歌志内市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「歌志内市ならでは」の質問

「なぜ北海道庁ではなく、歌志内市役所なのですか」
「歌志内市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも歌志内市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「歌志内市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい歌志内市の事実答え方のヒント
市の規模と形人口2,473人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積55.95km²、人口密度44人/km²。空知総合振興局管内の道央内陸部に位置する人口の少なさだけを口にすると調べただけに聞こえます。面積が56平方キロメートルほどで暮らしがまとまっている点まで添えると、歌志内市の形まで理解していると伝わります
なぜ道庁ではなく歌志内市役所か道庁が広域の政策を担うのに対し、市役所は住民に最も近い窓口。歌志内市は職員数が少なく、一人が複数の役割を担う職場になる「幅広く関わりたい」で止めず、保健師1名という募集の規模が示すとおり少人数で仕事を回す職場であることを踏まえ、覚えることの多さを引き受ける構えまで言葉にします
試験の入口の性格令和9年4月採用の保健師採用試験は第一次試験がSPI3で、募集ページに「公務員試験対策不要」と明記されている民間型の入口がある市では、併願状況を尋ねられることがあります。民間も検討したうえで、なぜ歌志内市なのかを順序立てて話せるようにしておきます
暮らしの基盤と市立病院市は歌志内市立病院を設置し、看護師の正職員を病院事務局が募集している。北海道の65歳以上の割合は2050年に42.6%へ高まる見通しこの規模の市が病院を持ち続けている意味に触れたうえで、事務職として医療や福祉の現場をどう支えたいのかまで踏み込みます
北海道全体の人口の動き令和7年国勢調査速報の道人口は前回比4.6%減で減少幅は過去最大。人口5千人未満の市町村は2020年の84から2050年には122へ増える見通し歌志内市だけの問題ではなく道全体の流れであることを押さえ、そのうえで、それでもこのまちに住み続ける人の暮らしをどう支えるかへ話を着地させます
防災と避難所日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の北海道分の被害想定(令和4年)では、早期避難率が低い場合の死者数は最大約14万9千人。早期避難の呼びかけで大きく軽減できるとされる内陸の歌志内市では津波より揺れと避難所運営が中心になります。職員数が限られる市で自分がどの役割を担えるかまで、具体的に想像して話します

使い方のコツは、6つすべてを覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、先ほど整理した「歌志内市で評価されやすい資質」に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
住民との近さに耐える誠実さ顔の見える関係の中で、苦情や頼みごとにどう向き合ってきたか住民との距離が近い市では、一度の対応がその後の関係にそのまま残ります。相手との付き合いが続く場面で、言い方や進め方を工夫した経験を、そのときの迷いごと用意しておきます
幅広い業務を引き受ける柔軟さ担当が決まっていない仕事や、経験のない役割にどう向き合ったか保健師の採用予定が1名だったように、職員の数そのものが少ない職場です。頼まれていない仕事に手を挙げた場面を、そのときの判断とあわせて話せるようにします
限られた条件の中で工夫する力人やお金や時間が足りない状況で、何を優先し何を後回しにしたか実質公債費比率20.0%(令和6年度)という北海道全体の財政環境の中で、道内の市町村も優先順位の判断を日常的に迫られます。何かを選ぶために何かを見送った経験を、理由まで含めて言葉にしておきます

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。歌志内市は面接の形式や回数が公表されていないぶん、どんな聞かれ方をされても崩れないように、自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 歌志内市公式サイトの「市職員募集」を定期的に確認する。志望する職種の募集が出たら、募集要項と別紙の職員採用試験案内をすぐに読み、提出書類とエントリーシートの記入項目を押さえる
  2. 高校・大学・アルバイトの経験を棚卸しする。学業・課外活動・仕事から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. SPI3のような民間型の適性検査が課される場合に備え、出題形式に一度は触れておく。あわせて7カテゴリーの代表質問に、一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。人口2,473人・面積55.95km²という歌志内市の基本と、北海道全体の人口と財政の見通しを、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、歌志内市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

歌志内市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

歌志内市役所の想定問答集を見る

さいごに

歌志内市の正職員の募集は職種ごとに不定期で公表され、直近では保健師の採用試験の第一次試験にSPI3が用いられていました。長い筆記対策を前提としない入口がある一方で、面接の形式も回数も配点も公表されていません。

だからこそ、どんな聞かれ方をされても自分の言葉で返せる状態をつくっておくことが、いちばん確実な備えになります。

人口2,473人、面積55.95km²のまちで、少ない人数の職員が暮らしのほとんどすべてに関わっています。

その現場に自分がどう加わりたいのかを、これまでの経験と結び付けて話せるようになれば、志望する職種の募集が出た日から迷わず動き出せます。