本記事では、茨城県警察・警察官採用試験の面接対策で必要な、茨城県警察の特徴基礎データ県内の治安情勢重点方針面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

茨城県警察の面接試験では、「なぜ茨城県警察を志望したのか」「警察官として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を警察の仕事でどう活かしたいか」といった、茨城県警察という組織を知っていることが前提になる質問が想定されます。県内の治安の現状と県警察の運営重点を押さえておけば、どこの県警察でも通用する一般論から抜け出し、茨城の実情に即した説明ができるようになります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と茨城県警察の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

茨城県警察の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは茨城県警察という組織の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 茨城県全域を管轄し、管轄人口は約279万人。令和2年からの5年間で2.6%減っており、人口が減っていく県の治安をひとつの警察組織で受け持つ。(出典:国勢調査人口速報集計|令和7年
  • 人口規模は全国11位、人口密度は全国12位。県土の総面積6,097.56平方キロメートル(全国24位)に対して、人が実際に住み生活できる可住地面積は3,888.92平方キロメートルで全国4位にあたり、関東平野に広がる平地の割合が高い。(出典:指標から見た茨城|令和5〜6年
  • 警察本部は水戸市笠原町に置かれ、警務部・生活安全部・地域部・刑事部・交通部・警備部の各部に、サイバー戦略推進室、警察学校、県内各地の警察署を加えた体制で構成される。
  • 産業面では、農業産出額が5,494億円で全国3位(2024年)。園芸が48%、米が26%、畜産が23%と幅広い品目を抱え、生産農業所得は全国2位にのぼる。(出典:茨城県の農業産出額|2024年
  • 一方で、鹿島臨海工業地帯をはじめとする製造業の集積も抱える。農村部と臨海工業地帯、そしてつくばエクスプレス沿線の市街地までが同じ県内に並び、地域ごとに求められる警察活動が異なる。
  • そのつくばエクスプレスは県内延伸(土浦方面)が計画され、東関東自動車道水戸線の未開通区間も工事が続くなど、県外との人と車の往来を支える交通網は今も広がり続けている。
  • 令和8年度からは第3次茨城県総合計画がはじまり、県政全体としても人口減少や大規模災害リスクへの対応が前面に出ている。県警察の活動も、この県全体の課題認識と地続きにある

茨城県警察の基礎データ

面接に向けた組織研究では、細かな統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「茨城県警察のおおよその規模感」をつかんでおくことは重要です。

ここでは、管轄する人口や区域の広さ、本部の組織構成、犯罪情勢など、茨城県警察の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
管轄人口約279万人(全国11位)
管轄区域茨城県全域
管轄面積6,097.56km²(うち可住地面積3,888.92km²・全国4位)
本部所在地水戸市笠原町
本部組織警務部・生活安全部・地域部・刑事部・交通部・警備部に、サイバー戦略推進室・警察学校などを加えた体制
刑法犯認知件数19,273件(令和7年確定値・前年比8.6%減)
刑法犯検挙率41.4%(令和7年)
侵入盗の認知件数2,880件(令和7年)
自動車盗の認知件数540件(令和7年)

管轄人口は令和7年国勢調査人口速報集計(令和7年10月1日現在)、全国順位および面積は茨城県統計課「指標から見た茨城」(令和5〜6年)、刑法犯認知件数(警察が発生を把握した犯罪の件数)・検挙率・罪種別の認知件数は茨城県警察の犯罪統計(令和7年確定値)にもとづく数値です。警察署や交番の数、職員数など本表に掲載していない項目は、最新の公表資料でご確認ください。

数字から考えられる治安課題

茨城県警察は約279万人の暮らしを受け持ち、令和7年の刑法犯認知件数は19,273件(前年比8.6%減)でした。数字だけを見れば、治安は落ち着く方向に向かっているように読めます。

ところが令和8年の運営重点は、「多発する住宅侵入窃盗・自動車盗・金属盗」という表現で、特定の犯罪をわざわざ名指ししています。実際、令和7年の侵入盗は2,880件、自動車盗は540件でした。

全体の件数が減っていても、住まいや車をねらう犯罪は「多発」と位置づけられていますこの組み合わせが、今の茨城を読み解く出発点になります

たとえば面接では、茨城県の治安の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「茨城県の刑法犯の認知件数は、昨年は1万9千件あまりで、前の年から1割近く減ったと聞きました。ただ、県警察の運営重点では住宅への侵入窃盗や自動車盗が『多発する』犯罪として挙げられていますので、全体の数が減っているからといって安心はできない状況なのではと感じています」

茨城県の治安情勢

刑法犯認知件数の状況

令和7年の刑法犯認知件数は19,273件で、前年から8.6%減となりました。検挙率は41.4%です。

ただし、面接で「茨城の治安は良くなっています」とだけ答えてしまうと、そこから先の話が続きません。減っている数字と、県警察が今も重点に置いている犯罪の両方を並べて話せるかどうかが、現状認識の深さを分けます

身近な犯罪の内訳

罪種別に見ると、令和7年の茨城県内では侵入盗が2,880件にのぼりました。侵入盗だけで刑法犯全体のおよそ15%を占めます

自動車盗は540件、ひったくりは13件。凶悪犯では殺人21件、強盗26件でした。

住宅や事業所に入り込む窃盗と、車そのものを持ち去る窃盗が、県民の生活実感に最も近いところで起きているということです。住宅が広い範囲に点在する県土であることを踏まえると、パトロールや見回りでカバーすべき面積の大きさという条件も見えてきます。

ニセ電話詐欺と闇バイト

茨城県警察は、特殊詐欺を「ニセ電話詐欺」と呼んで県民に注意を呼びかけています。県警察の公式サイトには「ニセ電話詐欺等の認知状況」のページが置かれ、令和6年確定値の認知状況が公表されています。

全国共通の「特殊詐欺」ではなく、県民に伝わる言葉を選んでいる点は、広報を重視する姿勢の表れと読めます(出典:ニセ電話詐欺の認知状況|令和6年確定値

実行役をSNSなどで募集する、いわゆる闇バイトへの対応も進んでいます。県警察は「いわゆる『闇バイト』は、犯罪実行者の募集です」と踏み込んだ表現で注意を呼びかけ、警察相談ダイヤル#9110や少年相談の窓口を案内するとともに、マンガを使った若年層向けの啓発資料まで用意しています。

抑止対策のマスコットACT-G(アクト・ジー)を使った広報や、NTT東日本と連携した被害防止の取組(令和6年10月の共同発表。自動で電話をかけて注意を促す仕組みの活用)も、茨城県警察に特有の取組です。

交通安全と高齢化という背景

交通面では、令和8年の運営重点が「子供や高齢者をはじめとする道路利用者の安全の確保」と「悪質・危険な運転者の取締りと早期の排除」の2つを掲げています。

この背景にあるのが高齢化の進行です。県内の65歳以上の人口は852,737人、高齢化率は31.2%で、いずれも過去最高となりました(令和7年9月15日現在の推計値)。(出典:高齢者人口の推計|令和7年

可住地が県内の各地に及び、人も車も動く範囲が広い県土で、高齢の歩行者と高齢の運転者がともに増えていきます。交通警察の仕事を志望する人にとっては、この構図そのものが志望動機の材料になります。

茨城県の主な治安課題

ここまでの数字と県警察の方針を重ねると、茨城県警察が今どこに力を注いでいるのかが見えてきます。面接で「茨城県の治安上の課題」を問われたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

減少局面でも「多発」と名指しされる侵入盗・自動車盗

刑法犯全体が前年比8.6%減となった令和7年でも、侵入盗は2,880件、自動車盗は540件発生しています。運営重点が住宅侵入窃盗・自動車盗・金属盗を一つのまとまりとして掲げているのは、これらが被害者の生活基盤を直接壊す犯罪だからです。

家に入られた、車を持っていかれたという被害は、失った物の値段では測れない不安を、その地域に残します。検挙を積み上げることと、鍵かけの徹底や見回りといった予防の働きかけを同時に進めることが、この分野の実務になります。

ニセ電話詐欺と匿名・流動型犯罪グループ

運営重点の第1の柱には、匿名・流動型犯罪グループ等の犯罪集団・組織の壊滅が明記されています。SNSで実行役を集め、指示役が匿名のまま入れ替わっていく構造では、末端を検挙するだけでは被害が止まりません。

だからこそ茨城県警察は、闇バイトへの注意喚起、マスコットを使った広報、通信事業者との連携といった「被害に遭う前に気づいてもらう」取組を並行して進めています。取締りと広報啓発をセットで語れると、警察の仕事の全体像を理解していることが伝わります

実空間と一体化したサイバー空間の脅威

令和8年の運営重点は、サイバー空間の脅威を「実空間との一体化が進む」ものとして位置づけています。ネット上の出来事が現実の被害に直結するという認識です。

茨城県警察が本部組織にサイバー戦略推進室を置いているのも、この分野に専門の司令塔が要るという判断の表れでしょう。デジタル分野の知識や経験がある人にとっては、志望動機と結びつけやすいテーマです。

あわせて、同じ柱にはテロ対策と技術情報等の流出防止も置かれており、経済安全保障の視点まで含まれている点は押さえておきたいところです

子供と高齢者を守る交通安全

高齢化率31.2%(令和7年9月15日現在)という数字は、交通の分野で最も直接的に効いてきます。歩行中に事故に遭う高齢者と、運転を続ける高齢者の両方が増えるからです。

運営重点が「子供や高齢者をはじめとする道路利用者の安全の確保」を掲げているとおり、通学路の見守りから高齢運転者への働きかけまで、対象ごとに手法を変えた対策が求められます。取締りだけでは届かない領域があることを理解しているかどうかが、面接での深さの差になります

大規模災害への備えと、変化に対応する組織基盤

茨城県地震被害想定調査(平成30年12月公表)は、県内に大きな被害をもたらす3つの地震を想定しています。被害が最大となるのは県北部に影響するF1断層などの連動による地震で、死者330人・建物全壊焼失11,000棟です。県南部の地震では死者90人・全壊焼失3,400棟、茨城県沖から房総半島沖にかけての地震では死者50人・全壊焼失9,500棟が見込まれ、後者では沿岸部全域に津波被害が及ぶとされています(いずれも夏12時に発生した場合のケース。報告書は、建物被害が最大となるのは冬18時としています)。(出典:茨城県地震被害想定調査|平成30年

内陸の建物倒壊と沿岸の津波では、警察に求められる動き方が変わります。県土が広く地域差の大きい茨城では、この違いを踏まえて備えることが「県民の命を災害から守るための対策の推進」という運営重点の中身になります

加えて、第3次茨城県総合計画(令和8年度から令和11年度)は、加速度的に進む人口減少、気候変動による影響の拡大、人工知能の飛躍的な進化などを県を取り巻く環境変化として明記しています。令和7年国勢調査速報の県人口は2,791,207人で、令和2年から2.6%減りました。

守る側の人手も限られていくなかで組織の体制をどう保つかという課題が、運営重点の「情勢の変化を見据えた組織基盤の整備」に表れています。(出典:第3次茨城県総合計画|令和8年度

重点方針|令和8年茨城県警察運営重点

茨城県警察は、毎年の警察活動の柱として「茨城県警察運営重点」を定めています。令和8年の指針は「安全安心を実感できる『いばらき』の確立」、副題は「社会の変化に対応し県民とともに歩む県民のための警察」です。(出典:令和8年茨城県警察運営重点|令和8年

方針を読むときの視点

指針で目を引くのは「実感できる」という言い回しです。統計上の犯罪件数が減ったかどうかではなく、県民が安全だと感じられているかどうかを、成果の物差しに置いているということです。

令和7年に刑法犯の件数が減ってもなお、住宅侵入窃盗や自動車盗を重点に据え続けているのは、この考え方と一貫しています。副題の「県民とともに歩む」も同じ方向を向いており、警察が県民の側に立って動くという姿勢が、指針から副題まで一本の線でつながっています。

「どんな警察官になりたいか」を考えるときの軸として、この一貫性は使えます。

用語についても一つ確認しておきましょう。茨城県警察の公表資料では、方針全体の名称が「運営重点」で、その下に置かれた3本の柱が「重点項目」と呼ばれています。

市販の教材などでは「重点目標」と書かれていることがありますが、面接で口にするなら公式の呼び方に合わせておくほうが安全です。

3つの重点項目

重点項目は次の3つです。あわせて、それぞれの柱が指している内容を、受験生向けに当研究会の言葉でかみ砕きました。

重点項目(公式の項目名)受験生向けの解説
① 県民の生活を犯罪から守るための取組犯罪そのものを起こさせない予防活動と、命や身体に危険が迫る事案への素早い対応が土台。そのうえで、住まいや車をねらう窃盗の抑止と検挙、SNSで実行役を集めて犯行を重ねる犯罪グループの解体、不法滞在や不法就労にからむ犯罪への対策までを一つの柱にまとめている
② 総合的な交通安全対策子供と高齢者を中心に、歩く人から運転する人までを含めた道路利用者の安全をどう守るか。あわせて、悪質で危険な運転をする人を早い段階で取り締まり、道路から排除することを掲げる
③ 多様化する脅威への対策現実の生活と一体化したサイバー空間で起きる被害への対処、テロへの備えと技術情報の流出防止、災害から県民の命を守る取組。さらに、こうした変化に対応し続けるための組織づくりまでが含まれる

柱が3つしかないぶん、一つひとつの守備範囲は広めです。面接では、自分の取り組みたい仕事がこの3つのどこに位置づくのかを一言添えられるだけで、方針を踏まえた志望であることが伝わります。

各柱の下に置かれた具体的な項目は、県警察の公式ページで確認できます。

POINT|3つの重点項目は暗記の対象ではない

項目名をそのまま覚えても、面接で使える形にはなりません。関心のある分野を1〜2つ選び、「①茨城で何が起きているか(数字) → ②県警察は何を掲げているか(重点項目) → ③自分はどの現場で何をしたいか」の順に並べ直してください。

悪い例「地域の安全を守れる警察官になりたいです」

改善例「まずは交番の警察官として、地道に経験を積みたいです。その上で、茨城では住宅などへの侵入盗が昨年およそ2,900件起きていると聞きましたので、留守宅の見回りや、鍵をかける習慣を呼びかける活動に力を入れていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の口で語れる状態に仕上げておきましょう。

  • 警察官採用試験の受験案内(受験資格・試験種目・申込方法)
  • 採用案内のページと採用パンフレット(仕事の内容と職員の紹介)
  • 令和8年茨城県警察運営重点(指針・副題と3つの重点項目)
  • 犯罪統計とニセ電話詐欺の認知状況のページ(数字は毎年更新されるため最新値を確認)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、茨城県警察専用の面接想定問答集をご用意しています。茨城県警察の採用面接で問われる可能性がある幅広い質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

茨城県警察の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

茨城県警察の面接の概要

ここからは、茨城県警察の面接の形式と流れ、質問の全体像、そして差がつく質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

茨城県警察の面接の流れ

茨城県警察・警察官採用試験は、第1次試験と第2次試験の2段階で、年度内に複数回の試験が実施されます。

受験区分は一般区分と職務経験区分に分かれ、第2次試験は2日間にわたる構成です。種目と配点の全体像は、次の表のとおりです。

項目内容(令和8年度・試験概要)
試験の段階第1次試験 → 第2次試験の2段階(年度内に複数回実施)
受験区分一般区分/職務経験区分
第1次試験一般区分=教養試験(120分)と論(作)文試験(60分)/職務経験区分=基礎能力検査(70分)と論(作)文試験(60分)
第2次試験(1日目)身体検査・体力検査・適性検査
第2次試験(2日目)集団討論・個別面接・資格調査
人物試験の種類集団討論と個別面接の2種目
配点教養試験(基礎能力検査)120点・論(作)文試験60点・集団討論80点・個別面接160点

注目してほしい点は2つあります。1つ目は配点の置き方です。人物試験の240点は、筆記2種目の合計180点を上回ります

しかも個別面接の160点は、単独の種目としては全体で最も高い配点です。教養試験で多少の差がついても、面接の出来しだいで十分に取り返せる構造だということです

2つ目は、人物試験が集団討論と個別面接の2種目に分かれている点です。一対一で自分を語る力に加えて、初対面の受験者と議論を組み立てる力も見られます。

個別面接の練習だけでは足りない試験だと考えてください(出典:警察官採用試験概要|令和8年度

上記の試験構成は、茨城県警察が公表する令和8年度の試験概要にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。また、面接カードや自己PRカードなど提出書類の有無は試験概要には示されていません。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の受験案内をご確認ください。

茨城県警察が求める人材

茨城県警察は、採用案内のなかで「求める人物像」を定式化した形では公表していません。手がかりになるのは、運営重点の指針と副題です

指針が置く「実感できる」という言葉と、副題の「社会の変化に対応し県民とともに歩む」という言葉を人物像に置き換えると、県民の不安に正面から向き合える人、社会の変化を受け止めて学び直せる人、そして県民と同じ目線に立てる人という姿が浮かび上がります

手がかりはもう一つあります。茨城県警察の論(作)文試験では、「県民から信頼される警察官」や「あなたが考える『県民のための警察』」といったテーマが、年度をまたいで繰り返し出題されてきました。

令和5年度には、運営重点に掲げられた「県民とともに歩む県民のための警察」という言葉を引いたうえで、「県民のための警察」とは何かを問う出題もありました。組織が受験者に考えさせたいことが、そのまま筆記のテーマになっていると見てよいでしょう。

面接でも、同じ問いが別の言い方で投げられると考えて準備しておくと無駄がありません。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。茨城県警察の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日は会場までどのように来ましたか?緊張をほぐす何気ないやり取りに、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望民間企業ではなく、なぜ警察官なのですか?他の進路と比べたうえでの職業理解の深さと、選択の理由の一貫性
③ 自己理解あなたの強み(自己PR)を教えてください自分の強みを、警察の仕事の場面と結びつけて説明できているか
④ 経験・行動これまでに最も力を入れて取り組んだことは何ですか?実績の大きさではなく、実際にとった行動の事実と、そこから学ぶ姿勢
⑤ 学業・経歴今の学校(学科)や職場を選んだ理由を教えてください自分の選択の裏にどんな判断があったのか。意思決定の一貫性
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務や訓練に耐える体力の裏づけと、日頃の健康管理の習慣
⑦ 公共性・社会性警察官に最も必要な資質は何だと思いますか?職業観の成熟度と、県民を守る仕事への当事者意識

ただし、この7カテゴリーは茨城県警察に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのが実情です。

なお、警察官の採用面接では、規律ある集団生活への適応や、危険を伴う職務への覚悟を確かめる質問がされることがあります。そうした質問が存在すると知っておくだけでも、当日の落ち着きが変わります。

茨城県警察の場合は集団討論も課されるため、他の受験者の発言を受け止めながら自分の考えを述べる練習を、面接対策と一続きで進めておきましょう

差がつくのは茨城の事情を踏まえた質問

「警視庁や近隣の県警察という選択肢もある中で、なぜ茨城県警察を選んだのですか?」
「茨城県の治安上の課題は何だと思いますか?」

どちらも、茨城県の現状と県警察の方針を知らなければ、その場では答えようがない質問です。言い換えれば、事前に調べてきたかどうかが、そのまま評価の差として表れる質問です。

こうした質問に答えるための「茨城県警察の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい茨城県警察の事実答え方のヒント
治安の現状令和7年の刑法犯認知件数は19,273件で前年比8.6%減。一方で侵入盗2,880件・自動車盗540件と、住まいや車をねらう犯罪が目立つ「減っています」で止めず、運営重点が住宅侵入窃盗と自動車盗を名指ししている点まで触れる。減少と重点化の両方に触れられると統計を読めていることが伝わる
志望動機・やりたい仕事令和8年の指針は「安全安心を実感できる『いばらき』の確立」。重点項目は生活を犯罪から守る取組・総合的な交通安全対策・多様化する脅威への対策の3つ自分のやりたい仕事が3つの柱のどれに当たるかを一言添える。指針の「実感」という言葉に引きつけると、茨城らしい志望動機になる
詐欺被害への向き合い方茨城県警察は特殊詐欺を「ニセ電話詐欺」と呼び、マスコットACT-Gによる広報や、NTT東日本と連携した自動音声での注意喚起を進めている呼び方の違いを知っているだけでも、県警察の広報を見ていることが伝わる。取締りに加えて、被害に遭う前に気づいてもらう工夫まで語れると強い
交通安全運営重点は「子供や高齢者をはじめとする道路利用者の安全の確保」を掲げる。県の高齢化率は31.2%で過去最高(令和7年9月15日現在)高齢化と、可住地が全国4位で生活の場が面的に広がる県土という背景を押さえたうえで、通学路や地域の道路で自分が何をしたいかまで具体化する
災害への備え県の地震被害想定では、F1断層などの連動による地震で死者330人・建物全壊焼失11,000棟(夏12時のケース)と、3つの想定地震で最大の被害内陸の建物倒壊と沿岸の津波では警察の動き方が変わる。県土が広く地域差が大きいという茨城の条件に触れると、深く調べたことが伝わる

5つすべてを覚える必要はありません。志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 警察官としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくほうが、本番では確実に効きます。

想定される評価の観点

面接は、組織が掲げる方向性に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
県民に寄り添う姿勢立場や事情の違う相手に、自分から声をかけて関わったことがあるか高齢化率31.2%の県で最初に向き合うのは、話す速さも事情も自分と違う人たち。説明の仕方を相手に合わせて変えた場面を一つ持っておく
変化を受け止める学習姿勢新しいやり方や慣れない環境に、どう順応してきたか副題の「社会の変化に対応し」に対応する観点。サイバー分野のように前提が毎年変わる仕事があることを踏まえ、自分が学び直した経験を用意する
地道な仕事を続ける粘り強さ目立たない役割を、途中で投げ出さずに続けられたか令和7年の侵入盗2,880件を抑えるのは、見回りや鍵かけの呼びかけといった積み重ね。派手さのない努力を続けた経験がそのまま材料になる
集団のなかでの役割意識意見の違う相手と、結論に向けてどう議論を進めたか茨城では集団討論に80点が置かれている。討論の場での振る舞いが得点そのものになるため、進行役や意見の橋渡しを経験しておく

評価の観点の4項目は、令和8年茨城県警察運営重点の指針・副題と、試験概要に示された種目構成をもとに、当研究会が面接対策用に整理したものです。茨城県警察が公表しているものではありません。

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の受験案内を読み、受験区分ごとの試験種目と配点、申込方法、提出書類の有無を確認する
  2. これまでの生活を棚卸しする。学校生活・部活動・アルバイト・仕事の経験から、自分が何を考えてどう動いたかを話せる出来事を1つずつ用意する
  3. 7つのカテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、志望分野に近い茨城の事実を2〜3個選んで、自分の言い回しに置き換えておく
  5. 固有質問の対応表から材料を集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。集団討論を想定し、初対面の相手と時間内に結論へ近づける練習も入れる。第2次試験の1日目にある体力検査・身体検査に向けて、体づくりと生活リズムの調整も並行して進める

優先順位に注意

ステップ4と5の組織研究は、他の受験者と差をつけるための工程です。時間が足りないときは、ステップ2の棚卸しと、その経験を警察の仕事へどうつなぐかの整理を先に終わらせてください。自分のことを語れない状態で組織の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接の準備を独学で、しかも短い期間で仕上げたい場合には、茨城県警察に特化した面接想定問答集を使うという方法もあります。

茨城県警察の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。個別面接160点・集団討論80点という配点の試験だからこそ、人物試験の仕上げに時間を回す価値があります。

茨城県警察の想定問答集を見る

さいごに

茨城県警察の採用試験は、個別面接に160点、集団討論に80点が置かれ、人物試験の合計240点が筆記2種目の180点を上回ります。第2次試験は2日間あり、身体や体力の検査を経たうえで、最後に人となりが見られる構成です。

論(作)文でも「県民から信頼される警察官」が繰り返し問われてきたことを合わせて考えると、この県警察が受験者に確かめたいことは一貫しています

運営重点の指針に置かれた「実感」という言葉は、そのまま面接にも当てはまります。県民が安全を実感できているかどうかを自分の仕事として引き受けられる人かどうかが、集団討論と個別面接の240点で見られていると考えてください

統計の数字を並べるだけの準備ではなく、茨城で自分が何をしたいのかを一つ決め、そこから逆算して言葉を用意していきましょう。