本記事では、つくば市職員採用試験の面接対策で必要な、つくば市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

つくば市役所の面接試験では、「なぜつくば市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。段階ごとに録画面接、集団面接、個別面接と形式が変わる見込みで、同じ内容を場面に応じて話し分ける準備が要ります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心とつくば市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

つくば市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずはつくば市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口262,066人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積283.72km²・人口密度924人/km²の市である。
  • つくばみらい市・常総市・下妻市・筑西市・桜川市・石岡市・土浦市・牛久市・龍ケ崎市という9つの市と市域を接している。県南から県西にかけての広い範囲と直接つながる位置にある。
  • 面積283.72km²は、茨城県の総面積6,097.56km²(令和5年10月1日現在)のおよそ4.7%にあたる。県内でも面積の大きい市の一つである。
  • 人口密度924人/km²は、茨城県全体の463.3人/km²(令和5年10月1日現在)のおよそ2倍。広い市域に、県平均を大きく上回る密度で人が暮らしている。
  • 市役所は〒305-8555 つくば市研究学園一丁目1番地1に置かれている(団体コード08220-1)。
  • 市の花はホシザキユキノシタ、市の木はケヤキ。どちらもつくば市を語るときの固有の手がかりになる。
  • 茨城県全体の人口は令和7年国勢調査の速報集計で2,791,207人となり、前回(令和2年)から75,802人(2.6%)減った。県全体が減る中で、26万人規模の市がどう振る舞うかが問われている。

つくば市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「つくば市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、位置関係など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。市の規模を測るときの比較先として、茨城県全体の数値もあわせて載せています。

項目内容
総人口262,066人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積283.72km²
人口密度924人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体つくばみらい市、常総市、下妻市、筑西市、桜川市、石岡市、土浦市、牛久市、龍ケ崎市(9市)
市役所所在地〒305-8555 茨城県つくば市研究学園一丁目1番地1
市の花・市の木ホシザキユキノシタ・ケヤキ
(参考)茨城県の総人口2,791,207人(令和7年10月1日現在・国勢調査速報集計)
(参考)茨城県の総面積6,097.56km²(令和5年10月1日現在・全国第24位)
(参考)茨城県の人口密度463.3人/km²(令和5年10月1日現在・全国第12位)

つくば市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです。茨城県の総人口・総面積・人口密度は茨城県公式サイトの統計による数値です。市の統計の最新値は、つくば市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

つくば市の数字で目を引くのは、面積283.72km²と人口密度924人/km²が同時に成り立っている点です。県の総面積6,097.56km²、人口密度463.3人/km²(いずれも令和5年10月1日現在)と並べると、県内でも広い市域に、県平均の2倍の密度で人が住んでいるという姿が浮かびます。

広さと密度が両立しているということは、市内に人の集まる場所と、そうでない場所の両方があるということでもあります。同じ市の中で、必要とされる行政サービスがまったく違う地区が同居していると考えると、26万人規模の市の難しさが見えてきます。

県全体では令和7年国勢調査の速報集計で人口が2.6%減っており、市もこの流れの外にはいません。地区差という論点は、志望動機の中でこう使えます。

「つくば市は人口が26万人ほどで、市の面積が広い一方、人口密度は茨城県の平均の2倍くらいあると知りました。同じ市の中でも地区によって必要な支援が違うと思いますので、まずは現場でその違いを知るところから仕事を始めたいと考えています」

つくば市の経済・産業

県の産業を支える工業の集積

26万人規模の市の産業は、県全体の姿と重ねると位置づけが見えてきます。茨城県の製造品出荷額等は12兆1,773億円で全国第7位(令和2年)。

重化学工業が全体の65.1%を占め、化学工業が最も多く、生産用機械器具製造業、電気機械器具製造業が続きます(出典:茨城県の工業統計|令和2年。つまり、重化学工業が3分の2を占める、ものづくりの県だという理解が土台になります。市の産業を語るときも、県のこの構造を背景に置くと説明がぶれません

全国有数の農業県でもある

同じ県が、農業でも全国有数です。茨城県の農業産出額は5,494億円で全国第3位(2024年)。

2017年から8年連続で3位を保ち、生産農業所得2,002億円は全国第2位にあたります。内訳は園芸2,629億円(48%)、米1,399億円(26%)、畜産1,286億円(23%)と続きます(出典:茨城県の農業産出額|令和6年

これを支えるのが平地の広さで、県の可住地面積3,888.92km²は全国第4位、総面積6,097.56km²は全国第24位です(いずれも令和5年10月1日現在ないし令和5年度)(出典:指標から見た茨城|令和5年つくば市が9つの市と接しているという位置関係も、この広い平地の上に成り立っています

観光と交流人口

令和6年の茨城県の観光入込客数は延べ約6,180万人(前年比101.2%)、実人数では約3,777万人(前年比110.1%)で、このうち日帰り観光客が82.1%を占めます。観光消費額は約4,447億円で、前年より約24%増えました(出典:茨城県観光客動態調査|令和6年

人数の伸びより消費額の伸びが大きいという点が読みどころです。日帰り中心の県で消費額が伸びたということは、訪れた人の使い方が変わってきたということでもあります。観光の話題に触れるなら、来訪者数ではなく、来た人にどう時間とお金を使ってもらうかという視点まで持っておきたいところです。

交通の変化がもたらすもの

県南地域の将来を左右する動きが、つくばエクスプレス(TX)の県内延伸です。延伸方面は2024年に「土浦方面」に決定し、JR常磐線と接続する駅は土浦駅とされました。

県は採算性を確保するための需要拡大やコスト削減の方策を検討しながら、延伸計画素案の策定を進めています(出典:つくばエクスプレスの県内延伸方面|2024年。つくば市は、接続駅とされた土浦駅のある土浦市と市域を接しています。

実現までには時間がかかる計画ですが、鉄道の形が変われば、通勤や通学、住まいの選ばれ方も変わります。市の将来を語るときの材料として押さえておきましょう。

つくば市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、つくば市を含む茨城県内の市町村が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

県全体が減る中での26万人都市

茨城県の総人口は令和7年国勢調査の速報集計で2,791,207人となり、前回から75,802人(2.6%)減りました。世帯数は1,221,422世帯です(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計|茨城県

人口の多い市は、それだけで安泰というわけではありません。県全体が縮んでいく局面では、規模の大きい市ほど、支える側の人手と財源の細り方が事業の量に直結します26万人分の窓口・学校・道路・上下水道を、これから先も同じ水準で回せるかという問いが、市政の底流にあります。

過去最高を更新し続ける高齢化

茨城県の65歳以上人口は852,737人、県人口に占める割合は31.2%で、いずれも過去最高を更新しました(令和7年9月15日現在の推計値)(出典:茨城県の高齢者人口|令和7年9月県民のおよそ3人に1人が65歳以上という水準です。

人口の多い市では、同じ割合でも対象となる人数そのものが大きくなります。介護や医療、移動手段の確保といった分野で、必要な量をどう確保するかという問題として現れます。

9つの市と接する市の役割

つくばみらい市、常総市、下妻市、筑西市、桜川市、石岡市、土浦市、牛久市、龍ケ崎市。これだけの市と直接つながっているということは、通勤・通学や買い物、通院で市境をまたぐ人が多いということでもあります。

市の施設やサービスを設計するとき、市民だけを見ていては足りない場面が出てきます。広域で人が動く前提に立った仕事の進め方は、面接で「市の課題」を語るときの一つの切り口になります。

大規模地震への備え

茨城県地震被害想定調査報告書(平成30年12月公表)は、3つのタイプの地震を想定しています。県南部に大きな被害をもたらす「茨城県南部の地震」では、死者が全県で90人から180人(夏12時のケースで90人)、建物の全壊・焼失が3,400棟(夏12時)と見込まれています(出典:茨城県地震被害想定調査報告書の概要|平成30年

死者の内訳は揺れによる建物倒壊がほとんどを占めるとされ、報告書は建物被害が最大になるのは冬18時のケースだとも注記しています。避難所の運営や住宅の耐震化は、人口の多い市ほど規模の大きな仕事になります

つくば市の重点政策|第3次茨城県総合計画とつくば市

26万人規模の市の計画は、量も改訂の頻度もそれなりにあります。つくば市自身の計画文書と施政方針は、公式サイトに掲載された年度のものを必ず開いてください。この章で扱う材料は、市政の外枠にあたる茨城県の計画と、採用情報の入手経路の2つです。

第3次茨城県総合計画の基本理念

県の最上位計画は、計画期間を令和8年度から11年度とする第3次茨城県総合計画(〜「新しい茨城」への挑戦〜)です。基本理念に「活力があり、県民が日本一幸せな県」を掲げ、加速する人口減少や超高齢社会への対応、大規模災害リスクへの対応、飛躍的に進化するデジタル技術がもたらす社会変革といった時代の変化を、「新しい茨城」づくりに向けて留意すべき重要な視点として整理しています(出典:第3次茨城県総合計画|令和8〜11年度

計画は加えて、激動する国際情勢や気候変動による影響の拡大も、県を取り巻く環境の変化として明記しています。あわせて将来構想では、伸ばすべき県のポテンシャルの一つとして「科学技術や産業の集積等を活用し、将来を担う産業の創出へ」という方向も挙げられています。

これは県の計画であって、つくば市の計画ではありません。ただ、県が挙げた環境変化のうち、どれが自分の受ける市でとくに強く現れるのかを考えると、市の計画の読み方が変わります。つくば市であれば、広い市域と高い人口密度が同居しているという条件が、そのまま読み解きの補助線になります。

つくば市の採用情報をどこで確認するか

つくば市は年度内に複数回の職員採用試験を実施しており、回次や試験区分によって科目や日程が異なります。この記事で扱うのは、令和8年度第1回(令和9年4月1日採用)の受験案内にもとづく内容です。

自分が受ける回次の受験案内を、募集期間中に保存して最後まで読むことが最初の一歩になります。とくにつくば市では、同一の試験で他の試験区分との併願ができず、申込後の区分・職種の変更も認められていません。受ける区分を決める段階から、試験の設計が始まっているといえます。

POINT|エントリーシートは、申込書ではなく試験科目

つくば市の受験案内には、受験申込時のエントリーシートも選考上の評価対象とすると明記されています。つまり、書いた内容は面接で読まれる前提です。志望の理由も強みも、①なぜそう考えたのか ②実際に何をしたのか ③それを市のどの仕事で活かすのか、の3点がつながるように書き、面接ではその3点を口頭でたどれるようにしておきましょう。

悪い例「つくば市の魅力を発信する仕事がしたいです」

改善例「まずは窓口や現場の仕事で、市民の方が何に困っているのかを直接うかがいたいです。その上で、つくば市は面積が広くて地区ごとに事情が違うと思いますので、地区の実情に合わせて情報の届け方を変えていく仕事に関わりたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • つくば市職員採用試験の受験案内(自分が受ける回次・試験区分のもの)
  • つくば市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
  • つくば市の職員採用パンフレット(仕事の紹介と職員の声を知る材料として)
  • 第3次茨城県総合計画、茨城県の統計資料(市政の背景を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、つくば市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。つくば市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

つくば市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

つくば市役所の面接の概要

ここからは、つくば市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

つくば市役所の面接の流れ

令和8年度第1回の受験案内によれば、事務職の試験は3段階で構成されます。特徴は形式の変化です

1次試験の録画面接、2次試験の集団面接、最終試験の個別面接と、人物を見る場面が段階ごとに違う形で予定されています。同じ志望動機でも、1分の動画で伝えるのか、他の受験者と並んで答えるのか、1対1で掘り下げられるのかで、話し方は変わります。

項目内容(令和8年度第1回・事務職)
試験の段階1次試験 → 2次試験 → 最終試験の3段階
1次試験総合適性検査(テストセンター方式・約65分。基礎能力検査(言語、非言語)と性格検査)。事務職のみ、設問に対し動画を作成して投稿する録画面接(1分程度)を併せて実施
2次試験①論文試験(記述方式)と②面接試験=集団面接(予定)の2本立て。受験案内には「二次試験は①と②の評価をもとに合否を決定します」「二次試験①と②は別日で実施予定です」と記載
最終試験面接試験=個別面接(予定)。会場はつくば市役所
集団形式2次試験の面接が集団面接(予定)。集団討論を実施する旨の記載はありません
配点受験案内に記載がありません。最新の受験案内でご確認ください
提出書類受験申込(本登録)時のエントリーシートと顔写真データ(3MB以下、縦横比4×3、最近3か月以内に撮影)。エントリーシートは選考上の評価対象
採用予定人数事務職20名程度、事務職(経験者)5名程度のほか、土木職・建築職・福祉職・看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・保育士

専門職の場合、2次試験は論文試験または専門試験(マークシート方式)と集団面接(予定)の組み合わせになります。土木職・建築職・福祉職の専門試験は30題120分で、福祉職の出題分野は社会福祉概論(社会保障を含む。)

、社会学概論、心理学概論とされています。受ける区分によって2次試験の中身が変わるため、自分の区分の欄を必ず確認してください。

上記の試験構成は、つくば市の令和8年度第1回(令和9年4月1日採用)の受験案内にもとづくものです(出典:つくば市職員採用試験受験案内|令和8年度第1回。2次試験・最終試験の面接形式はいずれも「(予定)」と表記されています。市は年度内に複数回の採用試験を実施しており、回次・試験区分によって構成は異なる可能性があります。受験の際は、必ず最新の受験案内でご自身の区分の試験情報をご確認ください。

つくば市役所が求める人物像

「求める人材」として定型化された公表文言は、つくば市の受験案内と採用情報ページの本文には見当たりません(2026年8月時点・当研究会調べ)。代わりに手がかりになるのが、試験の設計そのものです。1分程度の録画面接、集団面接、論文、個別面接という4つの場面は、それぞれ違う力を見ています。

3段階の選考が求めているものを一言ずつに置き換えると、「短い時間で要点を伝える力」「他の受験者と並んでも自分の考えを述べられる力」「書いた内容と話す内容を一致させる力」の3点になります。自己PRを「協調性があります」で止めると、録画でも集団でも印象が薄くなります。

その力で実際に何を動かし、まわりにどんな違いが生まれたかまで含めて話しましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。つくば市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までは迷わず来られましたか構えていない場面での声の大きさと表情。会話の入り方
② 動機・志望民間企業ではなく行政を選んだ理由は何ですか待遇以外の言葉で職業選択を説明できるか
③ 自己理解周囲からはどんな人だと言われますか自己認識と他者評価のずれを受け止められるか
④ 経験・行動意見が食い違ったとき、どう折り合いをつけましたか対立の場面での身の処し方と、その後の行動
⑤ 学業・経歴力を入れて学んだことを1分で説明してください時間の制約の中で要点を選ぶ力
⑥ 適性・将来10年後、どんな仕事をしていたいですか仕事への理解の解像度と、成長の道筋の描き方
⑦ 公共性・社会性限られた予算で優先順位をつけるとしたら何を基準にしますか公共の仕事における判断の物差しを持っているか

ただし、この7カテゴリーはつくば市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「つくば市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「つくば市役所ならでは」の質問

「なぜ茨城県庁ではなく、つくば市役所なのですか」
「つくば市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらもつくば市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「つくば市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたいつくば市の事実答え方のヒント
市の規模と位置人口262,066人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積283.72km²、人口密度924人/km²。9つの市と市域を接する広い市域と高い人口密度が同居しているという読み方を示し、地区ごとに事情が違う前提で仕事を語ります
なぜ県庁ではなく市役所か第3次茨城県総合計画(令和8〜11年度)が定めるのは県全体の方向で、26万人分の窓口・学校・道路を日々動かしているのは市制度論を並べるのではなく、つくば市役所の現場で自分が関わりたい仕事を一つ挙げて話をつなぎます
広域とのつながり9市と接し、通勤・通学や買い物で市境をまたぐ人の動きが生じやすい市民だけを見ていては足りない場面があると述べ、近隣市と連携する仕事に自分がどう関われるかまで踏み込みます
県の産業構造製造品出荷額等は12兆1,773億円で全国第7位(令和2年・茨城県全体の値)、重化学工業が65.1%。農業産出額は5,494億円で全国第3位(2024年・茨城県全体の値)ものづくりと農業の両方が強い県だと整理し、市の産業振興をどちらの文脈で考えたいかを自分の言葉で選びます
防災・危機管理県の想定のうち県南部を震源とする地震は建物全壊・焼失3,400棟(夏12時・茨城県全体の値)。報告書は建物被害が最大になるのは冬18時のケースだと注記している数字の暗唱ではなく、26万人規模の市で避難所運営や耐震化がどれだけの量になるかという視点で語ります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、先ほど3段階の選考から整理した3つの力に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
短い時間で要点を伝える力1分程度の録画面接で、設問に対して何を選んで話すか志望理由と自己PRを60秒で言い切る原稿を作り、時間を測って撮り直しながら削っていく
集団の中で考えを述べる力2次試験の集団面接で、他の受験者の答えを受けても自分の話を保てるか同じ質問に先に答えられた場合を想定し、つくば市について自分だけが話せる材料を2つ用意しておく
書いた内容と話す内容の一致エントリーシートや論文の記述と、面接での説明が食い違わないか提出したエントリーシートの控えを手元に残し、最終試験の個別面接の前に読み返しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。つくば市の最終試験には個別面接が予定されていますから、この掘り下げが最後に待っていると考えてください。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 自分が受ける回次・試験区分の受験案内を保存し、1次から最終までの科目と、併願ができない旨の記載まで読み込む
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、市の面積と人口密度、茨城県の産業の姿から、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 録画面接を想定して1分で話す練習をし、そのあと同じ内容を集団面接用と個別面接用に伸ばし縮めしてみる

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、つくば市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

つくば市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

つくば市役所の想定問答集を見る

さいごに

つくば市の試験は、受験案内によれば、録画面接から集団面接、そして個別面接へと、人物を見る形式が段階ごとに切り替わる予定です。しかも申込時のエントリーシートまで評価の対象です。

裏を返せば、書いた言葉と話す言葉をそろえておけば、どの場面でも同じ自分で臨めるということでもあります。283.72km²の市域に26万人が暮らし、9つの市と隣り合うこのまちで、自分はどの地区の、誰の困りごとに向き合いたいのか。

そこを一つ決めてから、60秒の録画と最終面接の受け答えを組み立ててみてください。