本記事では、日立市職員採用試験の面接対策で必要な、日立市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

日立市役所の面接試験では、「なぜ日立市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。人物を見る選考が第一次試験の録画面接から第三次試験の個別面接まで三度にわたるため、伝えたいことを一貫して語れるかどうかが問われます。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と日立市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

日立市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは日立市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口161,010人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積225.73km²・人口密度713人/km²の市である。
  • 人口は、茨城県内32市の比較で水戸市・つくば市に次ぐ第3位にあたる。県内でも有数の人口規模を持つ市である。
  • 人口密度713人/km²は、茨城県全体の463.3人/km²(令和5年10月1日現在)のおよそ1.5倍にあたる。県内の他の市より、人が集まって暮らしている。
  • 接しているのは高萩市・常陸太田市・那珂市・那珂郡東海村の4自治体で、県内の他市に比べて隣接先は多くない。
  • 市役所は〒317-8601 日立市助川町1-1-1に置かれている(団体コード08202-3)。市の花はサクラ、市の木はケヤキである。
  • 職員採用試験は前期日程と後期日程の2回実施され、後期日程は主に短大・高校卒業程度の受験資格を必要とする職種および専門職を募集する(令和9年4月1日採用)。
  • 茨城県全体の人口は令和7年国勢調査の速報集計で2,791,207人となり、前回(令和2年)から75,802人(2.6%)減った。県内3位の人口をもつ日立市も、この流れの外にはいない。

日立市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「日立市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、接している自治体など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。規模を測るときの物差しとして、茨城県全体の数値もあわせて載せています。

項目内容
総人口161,010人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積225.73km²
人口密度713人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体高萩市、常陸太田市、那珂市、那珂郡東海村
市役所所在地〒317-8601 茨城県日立市助川町1-1-1
市の花・市の木サクラ・ケヤキ
(参考)茨城県の総人口2,791,207人(令和7年10月1日現在・国勢調査速報集計)
(参考)茨城県の人口密度463.3人/km²(令和5年10月1日現在・全国第12位)
(参考)茨城県の高齢化率31.2%(令和7年9月15日現在・推計値)

日立市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在。県内順位は茨城県内32市を比較して当研究会が整理したものです)。茨城県の総人口・人口密度・高齢化率は茨城県公式サイトの統計による数値です。市の統計の最新値は、日立市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

人口16万1千人台という規模は、県内で3番目にあたります。人口密度713人/km²は県平均の1.5倍ほどですから、住宅も店舗も比較的まとまって立地しているまちだと考えられます。

都市としての利便が保たれている一方で、県全体の人口は減り続けています。茨城県の総人口は令和7年10月1日現在で2,791,207人となり、前回調査から2.6%減りました(出典:令和7年国勢調査人口速報集計|令和7年

その中身を分けると、二つの流れが見えます。令和6年の1年間で、県全体では出生14,556人に対し死亡38,951人と24,395人の自然減、その一方で転入125,457人に対し転出118,116人と7,341人の転入超過でした(出典:茨城県の人口(年報)|令和6年

県の内側では人が減り、県の外との出入りでは人が増えているという、方向の違う二つの動きが同時に起きています。人口規模の大きい市ほど、この二つの流れの影響を受ける絶対数も大きくなります。規模の大きさが効いてくるという見方は、面接ではこう表せます。

「日立市は人口が15万人を超えていて、茨城県の中では3番目に多いと知りました。人口密度は県全体の1.5倍くらいあります。県全体では亡くなる方が生まれる方をだいぶ上回っていますけれども、県外から移り住む方のほうが多い年もあると聞きました。人が集まって暮らしているまちだからこそ、この暮らしやすさを次の世代まで保つ工夫が要るのではと感じています」

日立市の経済・産業

重化学が中心の製造業

茨城県は、全国有数の工業県です。製造品出荷額等は12兆1,773億円で全国第7位(令和2年)。

重化学工業が全体の65.1%を占め、業種別では化学工業が最も多く、生産用機械器具製造業、電気機械器具製造業と続きます(出典:茨城県の工業|令和2年

つまり、県の製造業は素材と機械を軸に組み立てられており、景気の波が地域の雇用に直接伝わる構造だといえます。人が集まって暮らす市では、働く場の変化がそのまま住まいや学校の話につながります。産業について語るときは、雇用の受け皿という視点を持っておくと、話が市民の暮らしへ着地します。

全国3位の農業県という背景

県のもう一つの顔が農業です。茨城県の農業産出額は5,494億円で全国第3位(2024年)。

2017年から8年続けて3位を保ち、生産農業所得2,002億円は全国第2位です。内訳は園芸2,629億円(48%)、米1,399億円(26%)、畜産1,286億円(23%)となっています(出典:茨城県の農業産出額|令和6年

市街地が広がる市に暮らしていると遠い話に感じられるかもしれませんが、学校給食や食の安全、地産地消といった分野を通じて、市の仕事は農業とつながっています。志望分野を選ぶときの選択肢として押さえておきましょう。

観光と交流人口の伸び方

令和6年の茨城県の観光入込客数は延べ約6,180万人(前年比101.2%)、実人数では約3,777万人(前年比110.1%)で、このうち日帰り観光客が82.1%を占めます。観光消費額は約4,447億円で、前年より約24%増えました(出典:茨城県観光客動態調査|令和6年

来訪者の数がわずかに伸びるあいだに消費額が大きく伸びたという事実は、一人あたりの過ごし方が変わってきたことを示しています。日帰りが8割を超える県で、訪れた人にどれだけ長く時間を使ってもらえるか。商店や交通が一定の範囲にまとまって立地している日立市のようなまちでは、その差がそのまま地域の売上に響きます

日立市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、日立市を含む茨城県北部の市町村が向き合う課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

人口規模の大きい市ほど大きく響く人口減少

茨城県の総人口は令和7年国勢調査の速報集計で2,791,207人となり、前回から75,802人(2.6%)減りました。世帯数は1,221,422世帯です。

推計人口の減少幅は令和7年1月1日現在で対前年17,054人(0.60%減)にとどまっていますが、これは転入超過が下支えした結果でもあります。県全体の合計が持ちこたえていることと、個々の市の人口が保たれることは別です。

人口16万人台の市では、率としては小さな減少でも、実際に減る人数は大きくなります。学校や公共施設の使われ方は、その人数の変化に沿って動いていきます。

過去最高を更新した高齢化

茨城県の65歳以上人口は852,737人、県人口に占める割合は31.2%で、いずれも過去最高を更新しました(令和7年9月15日現在の推計値)(出典:茨城県の高齢者人口|令和7年9月

県民のおよそ3人に1人が65歳以上という水準に達しているということです。人が集まって暮らす市では、支援を必要とする人の数もまとまって現れます。窓口の混み方から在宅の見守りまで、市の仕事の量と質が同時に問われます

都市の生活基盤をどう更新するか

人口密度713人/km²という数字は、道路や上下水道、公共施設が一定の範囲に集まって整備されてきたことを意味します。整備が進んでいるということは、更新の時期もまとまって訪れるということです。

限られた財源の中で、何を建て替え、何を統合し、何を長く使うかという判断が、これからの市政の中心的な仕事になります。面接で施策を語るときは、新しく作る話だけでなく、いま使われているものをどう保つかという視点を添えられると、現実感のある回答になります。

県北部と沿岸にかかる地震のリスク

茨城県地震被害想定調査報告書(平成30年12月公表)は、被害の出方が異なる3つの地震を想定しています。県北部に大きな被害をもたらす「F1断層などの連動による地震」は、死者330人・建物全壊焼失11,000棟(夏12時)と想定3地震の中で最大です。

また「茨城県沖から房総半島沖にかけての地震」では同じ夏12時のケースで死者50人・建物全壊焼失9,500棟が想定され、沿岸部全域で津波被害が発生するとされています(出典:茨城県地震被害想定調査報告書の概要|平成30年

死者の内訳は揺れによる建物倒壊がほとんどを占めるとされており、住宅の耐震化が被害の大きさを分けます。自分の関わる地区がどの想定に当たるかは、市のハザードマップで確かめておきましょう。

日立市の重点政策|第3次茨城県総合計画と日立市

県内3位の人口を抱える市の計画は、改訂のたびに重点の置き方も動きます。日立市が掲げる総合計画と年度の方針は、公式サイトの現行版で確かめてください。この章はまず茨城県の計画を押さえ、続けて日立市の採用試験をどこで調べるかを見ていきます。

第3次茨城県総合計画が掲げる基本理念

県の最上位計画は、計画期間を令和8年度から11年度とする第3次茨城県総合計画(〜「新しい茨城」への挑戦〜)です。

基本理念に「活力があり、県民が日本一幸せな県」を掲げ、加速する人口減少や超高齢社会への対応、大規模災害リスクへの対応、飛躍的に進化するデジタル技術がもたらす社会変革といった時代の変化を、「新しい茨城」づくりに向けて留意すべき重要な視点として整理しています(出典:第3次茨城県総合計画|令和8〜11年度

計画は加えて、激動する国際情勢や気候変動による影響の拡大、人工知能の飛躍的な進化も、県を取り巻く環境の変化として明記しています。

これは県の計画であって、日立市の計画ではありません。ただし、県が挙げた環境変化は、人口規模の大きい市ほど早く、はっきりした形で現れます。市の総合計画を読むときは、これらの変化のうち市がどれを最優先に据えているかという目線で見ると、理解が早くなります。

日立市の採用試験をどこで調べるか

日立市の職員採用に関する情報は、市公式サイトの職員採用情報のページと、日程ごとの受験案内で公表されます。採用試験の実施主体は日立市職員採用試験委員会(人事課内)で、申込みはインターネットによる電子申請のみ。

市ホームページから「受付専用システム」にアクセスし、仮登録でマイページを開設したうえで、本登録としてエントリーシートを登録する流れです。試験に関する連絡も受験者ごとのマイページを通じて行われます(出典:日立市職員採用試験受験案内|令和8年度

もう一点、押さえておきたい仕組みがあります。前期日程の試験を受験した場合、後期日程で同一の職種を受験することはできません。年に2回の機会があるからといって、同じ職種を二度受けられるわけではないという点は、出願計画を立てる段階で確認しておきましょう。

POINT|申込みの段階から選考は始まっている

日立市の場合、エントリーシートの登録が本登録そのものです。準備の順番としては、①受験案内で自分の職種の日程と提出物を確認する → ②エントリーシートに書く志望動機の芯を決める → ③日立市の人口規模と地域の課題を調べて、その芯に事実を足す → ④動画と面接で同じことを話せる形に整える、という流れが無駄になりません。

悪い例「日立市のまちづくりに携わりたいです」

改善例「まずは窓口や現場の仕事で、市民の方の声を直接お聞きするところから始めたいです。その上で、日立市は人口が15万人を超える一方、県全体では人口が減っていますので、住み続けたいと思ってもらえる理由を増やす仕事に関わりたいと考えています。学生時代に地域のイベントの運営に加わった経験を活かしたいです」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 日立市職員採用試験の受験案内(受験する日程・職種のもの。前期日程と後期日程で内容が異なる)
  • 日立市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
  • 市のハザードマップ(自分の関わる地区の想定を知る材料として)
  • 第3次茨城県総合計画、茨城県の統計資料(市政の背景を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、日立市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。日立市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

日立市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

日立市役所の面接の概要

ここからは、日立市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

日立市役所の面接の流れ

採用試験は第一次試験から第三次試験までの3段階で組まれています。目を引くのは第一次試験の中身です。

筆記の前に録画面接(エントリー動画審査)が置かれ、人物を見る選考が動画1回と個別面接2回の計3回にわたります。しかも、試験期間中に動画を登録しなかった場合はSCOA総合適性検査を受験できません。動画は「出せば良い」ものではなく、選考の入口そのものだといえます。

項目内容(令和8年度・受験案内に基づく)
試験の段階第一次試験、第二次試験、第三次試験の3段階。日程は前期と後期の2回
申込み仮登録(マイページ開設)のうえ、本登録としてエントリーシートを登録する
第一次試験エントリー動画登録とSCOA総合適性検査。動画未登録の場合はSCOAを受験できない
エントリー動画審査方法は「録画面接」。「主として人物について、エントリー動画による審査」とされる
SCOA総合適性検査択一式の基礎能力およびパーソナリティ検査。テストセンター方式(全国に約350カ所)
第二次試験面接試験(個別面接)、作文試験、専門試験(専門職のみ)
第三次試験面接試験(個別面接)。「主として人物について、個別面接による試験」とされる
集団形式集団面接・集団討論・グループワークの記載なし
人物試験の配点受験案内に記載がなく未公表
試験結果の開示第一次・第二次試験の不合格者本人に限り、総合得点および総合順位等を発表日から1か月以内に総務部人事課の窓口で確認できる

作文試験は記述式で、課題に対する理解力と文章による表現力等を見る試験とされています。動画、作文、個別面接と、伝える手段は違っても問われている中身は共通です。媒体が変わっても同じ芯で語れることが、この試験を通過する条件になります。

上記の試験構成は令和8年度日立市職員採用試験の受験案内(後期日程)にもとづくものです。前期日程の職種別の詳細は当研究会では未確認であり、試験の構成・日程・配点等は、日程や受験する職種によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の日程・職種の最新の受験案内でご確認ください。

日立市役所が求める人物像

日立市は、令和8年度の職員採用情報のページで、募集の対象を「街とともに歩み、未来を切り拓いていく。そんな熱意と地域愛を持った日立市の未来を共に創る新たな仲間」と表現しています(参考:日立市の職員採用情報|令和8年度

求める人材を項目で並べる形ではありませんが、市がどんな人と働きたいかは十分に読み取れます。

ここに置かれた言葉は「熱意」と「地域愛」、そして「未来を切り拓く」です。これを受験の準備に引き直すと、「地域への関心を具体的な経験で語れること」「変化に自分から関わってきた姿勢」「一人でカメラに向かっても伝えきる力」の3点にまとまります。

3つ目を挙げたのは、第一次試験に録画面接があるためです。録画面接では相手の相づちがない分、「責任感があります」の一言は特に届きません。その力をどこで使い、周囲の反応がどう変わったのかまで一息で伝えきりましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。日立市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイクここまでの選考を受けてみて、どう感じましたか準備してきた答え以外の場面での素直さと切り返し
② 動機・志望他の市ではなく日立市を選んだ決め手は何ですか比較したうえでの選択かどうか
③ 自己理解自分の強みが通用しなかった経験はありますか強みの限界を知り、そこから学べているか
④ 経験・行動長く続けてきたことと、続けられた理由を教えてください継続の裏側にある動機と工夫
⑤ 学業・経歴学んだことのうち、市の仕事で使えそうなことはありますか知識を職務の場面へ翻訳できるか
⑥ 適性・将来市の職員として、どんな場面で力を発揮したいですか仕事像の解像度と、自分の適性の見立て
⑦ 公共性・社会性公平であることと、個別の事情に配慮することをどう両立させますか行政の判断についての自分なりの考え

ただし、この7カテゴリーは日立市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「日立市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「日立市役所ならでは」の質問

「なぜ茨城県庁ではなく、日立市役所なのですか」
「日立市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも日立市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「日立市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい日立市の事実答え方のヒント
市の規模と位置人口161,010人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)は県内32市で第3位、面積225.73km²、人口密度713人/km²は県平均の約1.5倍。高萩市・常陸太田市・那珂市・東海村と接する「大きなまちです」で止めず、人が集まって暮らす市だからこそ生じる仕事の量と種類にまで踏み込みます
なぜ県庁ではなく市役所か県は第3次茨城県総合計画(令和8〜11年度)で県全体の方向を定め、市は募集で「熱意と地域愛」という言葉を掲げている役割分担の説明で終わらせず、地域愛という言葉に自分の経験をどう重ねるかを具体的に語ります
市の課題県全体の人口減少率は前回調査比2.6%(令和7年国勢調査速報集計)。65歳以上の割合は31.2%に達している率の話で終わらせず、人口規模の大きい市では減少が実数として大きく出ることに触れて話を進めます
産業と雇用県の製造品出荷額等は12兆1,773億円で全国第7位(令和2年)、重化学工業が65.1%を占める産業の話を働く人の暮らしへ引き戻し、雇用が動いたときに市役所がどう関われるかを自分の言葉で述べます
試験の性格と志望第一次試験に録画面接(エントリー動画審査)があり、第二次・第三次は個別面接。人物を見る選考は計3回動画と面接で同じ話を繰り返すのではなく、動画で示した志望動機をどう掘り下げてきたかを語れるようにします

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「求める人物像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
地域への関心を経験で語れること関心が言葉だけでなく、実際に足を運んだ経験を伴っているか募集の言葉に置かれた「地域愛」を抽象的に受け取らず、日立市で自分が見た場所や関わった人を一つ挙げられるようにしておく
変化に自分から関わってきた姿勢状況が変わったときに、待つ側だったか動く側だったか「未来を切り拓いていく」という募集の表現に照らし、環境が変わった場面で自分が最初に取った行動を思い出しておく
一人で伝えきる力相手の相づちがない状態でも、話の構造を保てるか第一次試験に録画面接があることを踏まえ、自分の話を撮って見返し、間の取り方と結論の位置を調整しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 日立市公式サイトの職員採用情報のページを確認し、受験する日程・職種の受験案内を保存して、申込みからエントリー動画までの流れを把握する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、市の人口規模と密度、県全体の産業と防災の見通しから、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習する。録画面接があるため、実際に撮影して見返し、表情と話す速さを自分で確かめるところまでを練習に含める

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、日立市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

日立市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

日立市役所の想定問答集を見る

さいごに

日立市の採用試験は、受験者の人物を三度見ます。第一次試験の録画面接、第二次試験の個別面接、そして第三次試験の個別面接です。

しかも動画を登録しなければSCOA総合適性検査にも進めません。裏を返せば、話す準備を早く始めた人ほど有利な仕組みだということです。

話す材料は、この記事の前半にあります。人口161,010人は県内32市で3番目、人口密度713人/km²は県平均の1.5倍。

人が集まって暮らすまちである一方、県全体では人口が減り、65歳以上の割合は31.2%と過去最高を更新しました。

市が募集で掲げる「熱意と地域愛」という言葉に、自分のどの経験が触れるのかを一つ決めてください。それが決まれば、動画で話すことも、作文で書くことも、面接で掘られたときに返すことも、同じ場所からつながっていきます。