本記事では、常陸大宮市職員採用試験の面接対策で必要な、常陸大宮市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
常陸大宮市役所の面接試験では、「なぜ常陸大宮市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。最終合格の判定に使われる200点のうち100点が個別面接に配分されているため、市の姿を自分の言葉で語れるかどうかが、そのまま点数に直結します。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と常陸大宮市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
常陸大宮市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは常陸大宮市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口37,142人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積348.45km²・人口密度107人/km²の市である。
- 面積348.45km²は、茨城県内32市の中で常陸太田市に次ぐ第2位にあたる。広い市域に3万7千人台が暮らす姿が、市政のあらゆる場面の前提になる。なお常陸太田市は名前が1字違いの隣接市だが、常陸大宮市とはまったく別の自治体である。
- 人口密度107人/km²は、茨城県全体の463.3人/km²(令和5年10月1日現在)のおよそ4分の1にとどまる。
- 常陸太田市・那珂市・久慈郡大子町・東茨城郡城里町の県内4市町に加え、栃木県の那須烏山市・芳賀郡茂木町・那須郡那珂川町とも境を接している。
- 市役所は〒319-2292 常陸大宮市中富町3135-6に置かれている(団体コード08225-2)。市の花はばら、市の木はさくらである。
- 職員採用試験の案内は、久慈川と那珂川が流れる自然豊かな市であること、住民一人ひとりの顔が見える規模であることを、働く場としての特徴に挙げている。
- 茨城県全体の人口は令和7年国勢調査の速報集計で2,791,207人となり、前回(令和2年)から75,802人(2.6%)減った。常陸大宮市が向き合う課題も、この県の縮小と地続きである。
常陸大宮市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「常陸大宮市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、接している自治体など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。規模を測るときの物差しとして、茨城県全体の数値もあわせて載せています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 37,142人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 348.45km²(県内32市で第2位) |
| 人口密度 | 107人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 常陸太田市、那珂市、久慈郡大子町、東茨城郡城里町、栃木県那須烏山市、芳賀郡茂木町、那須郡那珂川町 |
| 市役所所在地 | 〒319-2292 茨城県常陸大宮市中富町3135-6 |
| 市の花・市の木 | ばら・さくら |
| (参考)茨城県の総人口 | 2,791,207人(令和7年10月1日現在・国勢調査速報集計) |
| (参考)茨城県の人口密度 | 463.3人/km²(令和5年10月1日現在・全国第12位) |
| (参考)茨城県の高齢化率 | 31.2%(令和7年9月15日現在・推計値) |
常陸大宮市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在。県内順位は茨城県内32市を比較して当研究会が整理したものです)。茨城県の総人口・人口密度・高齢化率は茨城県公式サイトの統計による数値です。市の統計の最新値は、常陸大宮市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。
数字から考えられる市政課題
面積が県内2位で人口密度が県平均の4分の1という組み合わせは、そのまま行政のコスト構造を表しています。道路も上下水道も、人が住んでいる場所まで届かせなければ意味がありません。
この前提の上に、県全体の人口の動きが重なります。茨城県の総人口は令和7年10月1日現在で2,791,207人となり、前回調査から2.6%減りました(出典:令和7年国勢調査人口速報集計|令和7年)。
その減り方には、向きの違う二つの流れがあります。令和6年の1年間で、県全体では出生14,556人に対し死亡38,951人と24,395人の自然減、その一方で転入125,457人に対し転出118,116人と7,341人の転入超過でした(出典:茨城県の人口(年報)|令和6年)。
県内で自然に減った人数の一部を、県外から移り住む人が埋めているという構図です。ただし転入が向かう先は県内で一様ではありません。
広い市域を抱える市にとって、どの地区にどんな暮らしを用意できるかという問いは、他の市より切実に響きます。広い市域という前提を面接の言葉にすると、次のような答えになります。
常陸大宮市の経済・産業
全国3位の農業県という土台
3万人台の市の産業は、県全体の姿と重ねると位置づけが見えてきます。茨城県の農業産出額は5,494億円で全国第3位(2024年)。
2017年から8年続けて3位を保ち、生産農業所得2,002億円は全国第2位です。内訳は園芸2,629億円(48%)、米1,399億円(26%)、畜産1,286億円(23%)となっています(出典:茨城県の農業産出額|令和6年)。
つまり、米どころという言葉だけでは説明できない、園芸を主力とする農業県だという理解が土台になります。県内2位の市域を持つ常陸大宮市で農業を語るなら、この構成を押さえたうえで、広い市域のどこで誰が担い手になっているのかまで踏み込みたいところです。
面接で「農業を盛り上げたい」とだけ述べても、園芸なのか米なのか畜産なのか、どの話をしているのかが相手に伝わりません。
訪れる人の使い方が変わってきた
令和6年の茨城県の観光入込客数は延べ約6,180万人(前年比101.2%)、実人数では約3,777万人(前年比110.1%)で、このうち日帰り観光客が82.1%を占めます。観光消費額は約4,447億円で、前年より約24%増えました(出典:茨城県観光客動態調査|令和6年)。
人数の伸びに比べて消費額の伸びが大きいことが読みどころで、来た人の過ごし方が変わってきたことを示しています。久慈川と那珂川という2つの川が流れる常陸大宮市にとって、川や山を目当てに訪れる人にどう時間とお金を使ってもらうかは、定住人口が細る局面での現実的なテーマになります。
県全体を支える製造業
茨城県はもうひとつ、工業の県という顔を持ちます。製造品出荷額等は12兆1,773億円で全国第7位(令和2年)。
重化学工業が全体の65.1%を占め、化学工業が最も多く、生産用機械器具、電気機械器具と続きます(出典:茨城県の工業|令和2年)。県内で働く人の受け皿は、農業と製造業の両方にまたがっています。
常陸大宮市を志望する人にとっては、市内で働き続けられる場をどう保つのかが、人口の話と地続きの論点になります。志望動機を組み立てるときは、自分の関心が土地の仕事と工場の仕事のどちらに近いかを決めておくと、話の芯がぶれません。
常陸大宮市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、常陸大宮市を含む茨城県北部の市町村が向き合う課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
薄く広がった人口をどう支えるか
348.45km²という市域に3万7千人台が暮らす市では、住む人が減っても、道路や上下水道、公共施設の総量が自動的に減るわけではありません。支える側の人数だけが先に細っていくため、一人あたりが負担する行政コストが構造的に高くなるという宿題が残ります。
集約するのか、維持するのか、それとも別の届け方を考えるのか。どこに何を残すかという判断は、県全体の人口が減り続ける局面では先送りが効きません。面接で市の課題を語るなら、この三つの選択肢のどれに近い考えを持っているかまで用意しておくと、話が一段深くなります。
過去最高を更新した高齢化
茨城県の65歳以上人口は852,737人、県人口に占める割合は31.2%で、いずれも過去最高を更新しました(令和7年9月15日現在の推計値)(出典:茨城県の高齢者人口|令和7年9月)。県民のおよそ3人に1人が65歳以上という水準です。
市域が広く、集落が点在する地域では、通院や買い物のたびに生じる移動そのものが暮らしの重さになります。移動の手段をどう確保するか、あるいは行政の側が出向く形に切り替えるか。この論点は、常陸大宮市では福祉の課題であると同時に、市域の広さと直結する課題でもあります。
県境をまたぐ暮らしと広域の視点
常陸大宮市は、県内の常陸太田市・那珂市・大子町・城里町に加えて、栃木県の那須烏山市・茂木町・那珂川町とも接しています。買い物や通院、通勤や通学の動線は、県境で止まるわけではありません。
道路や公共交通、医療や消防といった仕組みを考えるとき、県をまたいだ隣の自治体との関係を視野に入れられるかどうかは、この市ならではの視点になります。
県北部に被害が集中する地震への備え
茨城県地震被害想定調査報告書(平成30年12月公表)は、被害の出方が異なる3つの地震を想定しています。このうち県北部に大きな被害をもたらす「F1断層などの連動による地震」は、死者330人・建物全壊焼失11,000棟(夏12時)と、想定3地震の中で最大の被害が見込まれています(出典:茨城県地震被害想定調査報告書の概要|平成30年)。
死者の内訳は揺れによる建物倒壊がほとんどを占めるとされており、住宅の耐震化の進み具合が被害を左右します。集落が点在する市では、道路が寸断されたときに孤立しうる地区をどう把握しておくかも課題です。自分の関わる地区の想定は、市のハザードマップで確かめておきましょう。
常陸大宮市の重点政策|市がめざす将来像と第3次茨城県総合計画
常陸大宮市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認してください。ここでは、公表資料から確認できる市の将来像と、背景となる茨城県全体の計画、そして採用試験の調べ方を整理します。
市が掲げる将来像
常陸大宮市は、市の将来像として「人が輝き安心・快適で活力と誇りあふれるまち」を掲げています。その中身は「一人ひとりが自分らしく輝き、誰もが安心して快適に暮らせ、いつまでも活力にあふれ、誇りを持ち続けることができるまち」と説明されています(出典:常陸大宮市職員採用試験案内|令和8年4月1日採用)。
抽象的な言葉に見えますが、面接で使うときは分解して考えると扱いやすくなります。「輝く」を担うのは誰か、「安心して快適に」を妨げているものは何か、と問い直せば、自分の関心のある分野へ引き寄せられます。
第3次茨城県総合計画が掲げる基本理念
県の最上位計画は、計画期間を令和8年度から11年度とする第3次茨城県総合計画(〜「新しい茨城」への挑戦〜)です。基本理念に「活力があり、県民が日本一幸せな県」を掲げ、加速する人口減少や超高齢社会への対応、大規模災害リスクへの対応、飛躍的に進化するデジタル技術がもたらす社会変革といった時代の変化を、「新しい茨城」づくりに向けて留意すべき重要な視点として整理しています(出典:第3次茨城県総合計画|令和8〜11年度)。
県が示す方向と市の将来像は、言葉こそ違いますが、人口減少と暮らしの安心という同じ課題を見ています。市の計画を読むときは、県の方針との重なりと、市が独自に前へ出している部分を見分けるつもりで読みましょう。
常陸大宮市の採用試験をどこで調べるか
常陸大宮市の職員採用に関する情報は、市公式サイトの職員採用のページと、年度ごとの職員採用試験案内で公表されます。令和9年4月1日採用の試験では、一般事務(大学卒業程度・高校卒業程度・社会人経験者の合計)10名程度、保健師2名程度、心理職1名程度、消防職5名程度が示され、申込みできる試験区分は一つに限られます(出典:常陸大宮市職員採用試験案内|令和9年4月1日採用)。
申込みはインターネットの申込ページからのみ受け付けられます。
受験する側にとって見逃せないのは、この市が試験区分ごとの配点まで公表している点です。何がどれだけ評価されるかが分かるということは、準備の重心を数字で決められるということでもあります。試験構成は年度によって変わるため、募集が出た時点で試験案内を保存し、自分の区分の配点を確認しておきましょう。
POINT|配点が分かるなら、準備の順番も決まる
公表された配点を見れば、力を入れる場所は自然と決まります。①最終合格の判定に第1次試験の成績が反映されないことを確認する → ②第2次試験と最終試験の合計200点の内訳を押さえる → ③配点の大きい面接とグループワークに時間を割く → ④その上で市の事実を1つか2つ、自分の経験と結び付ける、という順で進めれば、限られた時間を無駄なく使えます。
悪い例「常陸大宮市の魅力を発信する仕事がしたいです」
改善例「まずは窓口の仕事で、市民の方の相談を直接お聞きするところから始めたいです。その上で、常陸大宮市は久慈川と那珂川が流れる広いまちですので、集落ごとに暮らしの事情が違うはずだと思っています。実際に足を運んでお話を聞き、そこで分かったことを施策に上げていく仕事に関わりたいです」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 常陸大宮市職員採用試験案内(受験する年度・試験区分のもの。配点表まで読む)
- 常陸大宮市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
- 市のハザードマップ(自分の関わる地区の想定を知る材料として)
- 第3次茨城県総合計画、茨城県の統計資料(市政の背景を知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、常陸大宮市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。常陸大宮市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
常陸大宮市役所の面接の概要
ここからは、常陸大宮市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
常陸大宮市役所の面接の流れ
令和9年4月1日採用の試験は、第1次試験・第2次試験・最終試験の3段階で組まれています。注目すべきは点数の扱いです。
第1次試験から第2次試験へは点数がリセットされ、第2次試験から最終試験へは積み上げられます。その結果、最終合格は第2次試験と最終試験の合計200点で決まり、そのうち個別面接が100点とちょうど半分を占めます。
| 項目 | 内容(令和9年4月1日採用・一般事務等) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験、第2次試験、最終試験の3段階(消防職は第2次試験なし) |
| 第1次試験 | 全国のテストセンター会場で実施。一般事務(大学卒業程度)は基礎能力試験A【SCOA】60点と事務能力試験【SCOA】40点 |
| 第2次試験 | グループワーク80点と記述試験20点 |
| 最終試験 | 面接試験100点。「個別面接により、主として人物についての評定を行います」とされる |
| 点数の扱い | 第1次から第2次は点数リセット、第2次から最終は点数積上げ |
| 最終合格の決め方 | 最終試験の基準点を満たした者のうち、第2次試験と最終試験の合計得点の高い順に決定(第1次試験の成績は反映されない) |
| 基準点 | 全科目において、満点(各配点)の5割 |
| 提出書類 | 申込みはインターネットのみ。一般事務(社会人経験者)は第1次試験でアピールシート選考を実施。最終合格後に身体検査書、卒業証明書、職歴(在職)証明書等 |
| 試験結果の開示 | 不合格となった受験者本人に限り、合格発表の日から1か月間、得点及び順位の開示を請求できる(総務部総務課の窓口。電話・メールによる請求は不可) |
グループワークの80点と面接の100点を合わせると、200点のうち180点が人とのやり取りに関わる評価です。筆記で上位に立っても最終合格には持ち越されない仕組みですから、準備の重心は明確に後半へ置くべきだといえます。
上記の試験構成は令和9年4月1日採用の常陸大宮市職員採用試験案内にもとづく一般事務等のものです。前年度は第2次試験の内容が異なっており、試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって変わります。また、隣接する常陸太田市は市名がよく似ていますが別の自治体で、試験の段階数も第2次試験の内容も常陸大宮市とは異なります。資料を集めるときは、市名の取り違えにご注意ください。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験案内でご確認ください。
常陸大宮市役所が求める人物像
「求める職員像」という見出しの独立した公表文言はありません。ただし、試験案内の冒頭には市からのメッセージが置かれており、これが実質的に人物像を示しています。
キャッチコピーは「まちに寄り添い、大きな挑戦を。」。本文では、住民一人ひとりの顔が見えるこのまちでは自分の仕事の成果を地域の変化として実感できるとしたうえで、市を「もっと魅力的にもっと活力あるまちにしたい」という熱意と誠意を持つ人の応募を待っていると述べています。
もう一つの手がかりが、第2次試験のグループワークです。試験案内はこれを、グループで協力して特定の課題やテーマに取り組む試験だと説明し、評定項目として協調性、コミュニケーション能力、論理的思考力、課題解決力を挙げています。
討論で相手を負かす場ではなく、初対面の人と協力して課題に答えを出す場です。この4つと冒頭メッセージを重ねれば、評価されやすい資質は「人の中で役割を見つける力」「限られた時間で結論まで運ぶ力」「市の将来像に自分を接続する熱意」の3点に整理できます。
個別面接が配点の半分を占める試験ですから、抽象的に「責任感があります」とだけ言うのでは足りません。その力を働かせて何に取り組み、まわりの状態がどう変わったかまで詰めておきましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。常陸大宮市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 会場までの道のりで、気づいたことはありますか | 用意していない問いへの反応。観察の細やかさ |
| ② 動機・志望 | 安定を求めているだけではないかと言われたら、どう答えますか | 志望理由が待遇以外の言葉で立っているか |
| ③ 自己理解 | やり直せるなら変えたい選択はありますか | 自分の判断を振り返り、言葉にできるか |
| ④ 経験・行動 | チームで意見をまとめた経験を教えてください | 集団の中での立ち位置と、実際に取った行動 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んだことのうち、行政の仕事に活きそうなものはどれですか | 知識を仕事の場面へ翻訳できるか |
| ⑥ 適性・将来 | 10年後、市のどんな場面に関わっていたいですか | 時間軸を持った仕事観の描き方 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 人口が減っていく地域で、行政が守るべきものは何だと思いますか | 優先順位についての自分なりの考え |
ただし、この7カテゴリーは常陸大宮市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「常陸大宮市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「常陸大宮市役所ならでは」の質問
どちらも常陸大宮市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「常陸大宮市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい常陸大宮市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と位置 | 人口37,142人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積348.45km²は県内32市で第2位、人口密度107人/km²は県平均の約4分の1 | 「自然が豊かです」で止めず、広さと人口の薄さが市の仕事にどんな難しさを生むかまで踏み込みます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 県は第3次茨城県総合計画(令和8〜11年度)で県全体の方向を定め、市は「人が輝き安心・快適で活力と誇りあふれるまち」という将来像を掲げる | 県と市の役割の違いを述べて終わらせず、市の将来像のどの言葉に自分が関われるかを名指しします |
| 市の課題 | 県の総人口は前回の国勢調査から75,802人(2.6%)減った(令和7年速報集計)。県内の65歳以上人口は852,737人 | 県全体の数字を借りたうえで、集落が点在する常陸大宮市ではその影響がどう表れるかに話を寄せます |
| 県境と広域連携 | 栃木県の那須烏山市・茂木町・那珂川町と接し、県内では常陸太田市・那珂市・大子町・城里町と隣り合う | 県境をまたぐ暮らしを前提に、単独で担う仕事と隣と分け合う仕事の線引きについて自分の考えを持っておきます |
| 試験の性格と志望 | 試験区分ごとの配点も、基準点が全科目で満点の5割であることも試験案内で公表され、不合格者は本人に限り得点と順位の開示を請求できる | 配点が公表されている試験だからこそ、面接で何を伝えきるかを逆算して用意してきたと示せます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、前述の「評価されやすい資質」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 人の中で役割を見つける力 | 集団の中で自分がどの位置に立ち、何を引き受けたか | 第2次試験のグループワークが協調性やコミュニケーション能力を評定することを踏まえ、話をまとめた経験と、あえて聞き役に回った経験を1つずつ用意しておく |
| 限られた時間で結論まで運ぶ力 | 与えられた課題に対し、道筋を立てて答えに向かえるか | グループワークの評定に論理的思考力と課題解決力が含まれることを意識し、市の人口密度107人/km²という数字から言えることを3分で述べる練習をしておく |
| 市の将来像に自分を接続する熱意 | 志望が市の方向と噛み合っているか | 「人が輝き安心・快適で活力と誇りあふれるまち」という将来像の言葉を一つ選び、自分の経験のどこがそこに触れるのかを説明できるようにしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 常陸大宮市公式サイトの職員採用のページを確認し、受験する区分の試験案内を保存して、配点表と基準点の記述まで読む
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、市の面積と人口密度、県全体の人口と防災の見通しから、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 声に出して練習する。グループワークがあるため、初対面の相手に自分の考えを短く述べてから相手に問い返す、という往復も練習に入れておく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、常陸大宮市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
常陸大宮市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
常陸大宮市の採用試験は、どこに力を入れるべきかを受験者に開示している試験です。第1次試験の成績は最終合格に持ち越されず、判定に使われるのは第2次試験と最終試験の合計200点。
その半分にあたる100点が個別面接に置かれ、グループワークの80点を足せば180点が人とのやり取りに関わります。裏を返せば、筆記を通過したあとに何を語れるかで結果が決まるということです。
語る材料は、この記事の前半にあります。面積348.45km²は県内32市で2番目に広く、人口密度107人/km²は県平均の4分の1。
久慈川と那珂川が流れ、栃木県の3つの市町とも境を接しています。市が掲げる「人が輝き安心・快適で活力と誇りあふれるまち」という将来像の中から、自分が手を伸ばせる言葉を一つ選んでみてください。その一言が決まれば、面接で話す順番も自然に決まります。