那珂市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴基礎データ管轄地域の特性と災害リスク消防課題重点方針)と、面接本番の流れ想定される質問評価の観点を、1ページに整理しました。

那珂市消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ那珂市消防本部なのか」「自分の経験や強みを消防の仕事でどう活かしたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。

管内に原子力発電所の緊急防護措置区域を抱え、市が原子力防災訓練を毎年度重ねているという事情を知っておくことで、どの消防本部にも当てはまる一般論を避け、那珂市消防本部に固有の事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と那珂市消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

那珂市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは那珂市消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 那珂市消防本部は、那珂市を単独で管轄する市直営の消防本部。職員の中核は消防吏員(消防士などの階級を持つ職員)で、97人が在籍する(うち女性2人・令和7年4月1日現在)。
  • 令和6年中の出動件数は火災27件・救急2,748件・救助31件で、救急が出動全体の大半を占める。
  • 消防職の採用は、市長部局が実施する一般の職員採用試験とは別枠で、那珂市消防本部が独自に試験を実施している。
  • 令和8年度の試験区分は「消防A(大学卒業者対象)」「消防B(短期大学・専門学校・高校卒業者対象)」の2区分で、採用予定人員は若干名とされる。
  • 管内には日本原子力発電東海第二発電所のUPZ(緊急防護措置を準備する区域)が広がり、市内全域(本米崎地区を除く)がこれに含まれる市は毎年度、原子力防災訓練を実施している
  • 試験は第一次(SPI3方式+体力審査)、第二次(個人面接+集団討論)の2段階で構成される。

那珂市消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「那珂市消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、管内人口、職員体制、出動件数など、本部の規模と仕事量を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
管内人口52,590人(那珂市・令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口)
高齢化率33.6%(75歳以上率19.3%・令和8年1月1日現在)
設置形態単独(那珂市が設置)
消防吏員数97人(うち女性2人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数27件(令和6年中)
救急出動件数2,748件(令和6年中)
救助出動件数31件(令和6年中)

管内人口・高齢化率は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在によります。消防吏員数・出動件数は総務省消防庁の全国消防本部データ検索(那珂市消防本部のページ)によります。

数字から考えられる那珂市消防の課題

表であらためて目を引くのは、火災27件に対して救急2,748件という開きです。救急は火災のおよそ100倍にのぼり、日々の活動の中心が救急であることを件数の差が物語っています。

あわせて見ておきたいのが高齢化率です。

那珂市の高齢化率33.6%は、茨城県全体の高齢化率31.2%(令和7年9月15日現在・推計値)をやや上回っています。高齢化の進み方は救急需要と直結するため、この2つの数字は切り離せません

「那珂市では令和6年の1年間で救急の出動が2,700件を超えたと聞きました。高齢化率も県平均を上回っていますので、限られた97人という体制で増える救急要請にどう応えていくかが、これからの課題ではないかと考えています」

管轄地域の特性と災害リスク

東海第二発電所と原子力防災の枠組み

  • 那珂市は、日本原子力発電東海第二発電所を対象とした原子力防災の枠組みの中に市内全域が位置づけられています。
  • 市内のPAZ(予防的防護措置を準備する区域・おおむね5km圏内)は本米崎地区、UPZ(緊急防護措置を準備する区域・おおむね5〜30km圏内)は本米崎地区を除く市内全域にあたります。
  • 那珂市の広域避難先は筑西市・桜川市で、令和6年度時点で「那珂市広域避難計画」は策定中(案)の段階にあります。

(参考:原子力防災|那珂市

つまり那珂市消防本部の管轄は、火災や救急への日常的な対応の舞台であると同時に、市の全域が原子力防災の区域区分に位置づけられた地域でもあります。管内のどこに勤務しても、地域がこうした枠組みの中にあることを知っておくのが、業務理解の前提になります。

令和6年度原子力防災訓練にみる備え

那珂市は令和6年11月24日8時から12時頃にかけて、市役所(災害対策本部室)、額田小学校、ふれあいセンターすがや、なかLuckyFM公園を会場に原子力防災訓練を実施しました。

訓練は「災害対策本部運営訓練」「住民情報伝達訓練」「PAZ避難行動確認訓練・UPZ屋内退避訓練」「住民避難(一時移転)訓練」の4項目で構成され、住民141名(額田地区・菅谷地区の避難訓練参加者)、関係機関74名、市職員79名が参加しました。

訓練の想定は、当日午前7時に茨城県北部沖を震源とする地震(東海村・震度6強、那珂市・震度6弱)が発生し、東海第二発電所で機器故障・常用給水系停止により警戒事態、全交流電源喪失により施設敷地緊急事態、原子炉への注水機能喪失により全面緊急事態へと段階が進展するというものでした。

内閣総理大臣が緊急事態宣言を発出し、市はPAZに広域避難、UPZに屋内退避の措置を実施したうえで、その後フィルタ付きベント装置が機能喪失し、市内モニタリングポストでOIL2(20マイクロシーベルト毎時)相当が24時間継続したことから、対象地域に一時移転を指示する、という段階まで想定した内容です。

住民避難(一時移転)訓練では、一時集合所の開設・運営や、安定ヨウ素剤(模擬)の緊急配布、避難経路上での避難退域時検査(車両や衣服の放射性物質による汚染検査と簡易除染)まで実施されています(参考:令和6年度那珂市原子力防災訓練実施報告書

この訓練には茨城県、筑西市、桜川市、那珂警察署、内閣府、原子力規制庁など9機関が参加しており、外部評価は日本原子力研究開発機構原子力緊急時支援・研修センターが実施しています。市は令和3年度から令和6年度まで、毎年度この訓練を実施・報告しており、継続して体制を確かめています

茨城県全体の地震リスク

那珂市固有の地震被害想定は確認できませんが、茨城県全体でみると、県の地震被害想定調査(平成30年12月公表)では県内に3つの想定地震が置かれ、県南部に大きな被害をもたらす「茨城県南部の地震」は死者90人から180人(うち夏12時のケースで90人)、県北部に大きな被害をもたらす「F1断層などの連動による地震」は死者330人・建物全壊焼失11,000棟(夏12時)と、想定3地震の中で最大の被害が見込まれています。

管内固有の数値ではありませんが、県全体の想定規模を知っておくことは組織研究の材料になります(出典:茨城県地震被害想定調査報告書|概要版・平成30年12月

那珂市消防本部の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、那珂市消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の3つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

救急出動は全国的にも増え続けており、令和6年中は771万8,380件と集計開始以降の最多を更新しました(出典:令和7年版 救急・救助の現況

前述のとおり那珂市も令和6年中に2,748件の救急に出動しており、この流れの中にあります。高齢化率が県平均を上回る那珂市では、97人という体制で増える救急需要にどう向き合うかが継続的な課題になります

大規模災害への備えと広域応援

地震や風水害への備えは、どの本部にも共通する課題です。ただ那珂市の場合、第1部3章でみたとおり市の全域が原子力防災の区域区分の中に置かれており、地域防災の前提そのものが他の地域とは異なります。

管内をどう捉えるかを考えるうえで、この点は前提になります。全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が加わる緊急消防援助隊は、一つの本部だけでは対応しきれない規模の災害に全国の消防力で臨む仕組みで、97人という体制の本部を考えるときの前提にもなります。

少人数で大規模災害に向き合うには、日頃からの訓練の積み重ねと、一人ひとりの熱意やチームワークが欠かせません。

人材確保と女性吏員の活躍

那珂市消防本部の消防吏員97人のうち女性は2人で、割合は約2.1%と、全国平均(約3.8%・168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)を下回る水準です。国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げており(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁、97人という規模の中でこの目標に近づいていくには、性別を問わず働き続けられる職場づくりが継続的なテーマになると考えられます。

重点方針|原子力防災にみる那珂市の姿勢

那珂市消防本部は、独自の運営方針や戦略文書を公表資料として掲げていません。

ただ、市が令和3年度から毎年度欠かさず原子力防災訓練を実施し、結果を公表し続けているという事実そのものが、この管轄の重点をよく表しています。本章では、その訓練の枠組みを重点方針に代わる材料として押さえておきます

PAZ・UPZという区域区分と広域避難先

すでに触れたとおり、那珂市内はPAZ(本米崎地区)とUPZ(それ以外の市内全域)に区分され、広域避難先は筑西市・桜川市です。管内のどこに配属されても、自分の勤務地がどちらの区域にあたるのかを把握しておくことは、業務理解の土台になります

令和6年度訓練からみえる備えの内容

令和6年度の訓練では、地震の発生から発電所の事態の進展、住民の屋内退避・広域避難、避難退域時検査、安定ヨウ素剤(模擬)の配布まで、一連の流れを想定した実動訓練が行われました。

訓練の外部評価は日本原子力研究開発機構原子力緊急時支援・研修センターが担い、成果や課題を整理する仕組みも整っています。なお、この訓練の報告書には消防機関が参加機関として記載されておらず、消防の具体的な役割については確認できていません

POINT|訓練の枠組みを、自分の言葉で説明できるようにする

PAZ・UPZという区域名や訓練の項目名を覚えるだけでは足りません。①管内のどこにPAZ・UPZの境界があるか → ②広域避難先がどこか → ③自分がその中でどう役に立ちたいか、の順で自分の言葉に落とし込んでおきましょう。

悪い例「人の命を助けたいので、消防官を志望します」

改善例「那珂市は消防職だけを別枠で採用していて、第二次では個人面接に加えて集団討論も課されます。ですから自分の考えを述べる練習だけでなく、相手の発言を受けて話をまとめる練習も続けてきました。市内は本米崎地区を除く全域が東海第二発電所のUPZに入り、毎年度の原子力防災訓練が重ねられている地域です。97人という体制の中で、年間2,700件を超える救急と原子力防災の備えの両方に向き合える職員になりたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

次の4点は、試験の手続に関わるものと、原子力防災の理解を深める材料になるものに分かれます。受験区分に応じて必要な部分から目を通しておくと効率的です。

  • 那珂市消防職員採用試験の実施要項
  • 那珂市の原子力防災ページ(避難ガイドマップ・訓練実施報告書)
  • 令和6年度那珂市原子力防災訓練実施報告書
  • 那珂市消防本部の内部組織に関する公式サイトの情報

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、那珂市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。那珂市消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

那珂市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

那珂市消防本部の面接の概要

ここからは、那珂市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

那珂市消防職員採用試験の流れ

那珂市消防職員採用試験は、市長部局の一般の職員採用試験とは別枠で、那珂市消防本部が独自に実施する試験です。第一次にSPI3方式と体力審査、第二次に個人面接と集団討論を置く2段階構成になっています。

項目内容(令和8年度)
試験区分消防A(大学卒業者対象)・消防B(短期大学・専門学校・高校卒業者対象)、採用予定人員は若干名
第一次試験1SPI3方式(性格検査・能力検査)
第一次試験2体力審査(腕立て伏せ・起き上がり〔30秒間〕・275メートル疾走)
第二次試験個人面接(主として人物についての評価)+集団討論
身体要件視力は矯正視力を含み両眼で0.7以上かつ一眼でそれぞれ0.3以上、聴力は左右とも正常範囲
提出書類登録用写真

注目してほしいのは、第一次試験がSPI3方式である点です。

公務員試験特有の教養科目の対策をしていなくても受けられる入口が用意されている分、第二次試験の個人面接と集団討論で人物を見極める比重は相対的に大きくなると考えられます。募集案内は毎年同じURLで更新される運用のため、年度を確認するときは掲載日を目安にしましょう。

上記は那珂市が公表する令和8年度那珂市消防職員採用試験の実施要項にもとづくものです。各試験の配点・「求める人物像」に相当する公表文言・面接カード等の提出書類の有無は、実施要項に記載がなく確認できません。試験の構成・内容は年度によって異なる可能性があるため、受験の際は、必ず最新の受験案内をご確認ください。

那珂市消防本部が求める人材

那珂市消防本部について、「求める人物像」を明文で掲げた公表資料は、当研究会が調べた限りでは確認できませんでした。手がかりになるのが、吏員百人前後の単独消防本部に共通しやすい組織の構造です。

署所が少なく部門間の距離が近い規模の本部では、経験を積むにつれて消火・救急・予防・総務と幅広い職務を担う場面が増えやすく、特定分野への専門志向だけでなく、どの持ち場でも学び直して務める柔軟性が評価されやすいと考えられます。もっともこれは那珂市消防本部が示した選考基準ではなく、同規模の本部について当研究会が一般論としてまとめたものです。

97人という体制で原子力防災という特有の課題にも向き合う組織であることを踏まえ、自分の経験や強みをこの本部の業務環境に合う形で語れるように準備しておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。那珂市消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ那珂市消防本部を志望するのですか?消防官という仕事と那珂市を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分自身を客観的に見つめられているか。弱みとの向き合い方に人柄が表れます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください壁にぶつかったときにどう考え、どう動いたかという事実が、現場の仕事にそのままつながります
⑤ 学業・経歴これまでの学業や経験の中で、力を入れたことは何ですか?物事への取り組み方の筋道を、自分の言葉で説明できるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?体力審査の先にある現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

この見取り図は面接準備の骨格になりますが、那珂市消防本部を受ける理由まで踏み込めるかどうかは、次の固有質問で決まります。

合否を分けるのは那珂市消防本部に固有の質問

「警察官や自衛官という道もある中で、なぜ消防官を選んだのですか」
「なぜ那珂市消防本部を志望するのですか」

集団討論という場面がある分、事前にどこまで管内の事情を調べ、自分の考えを言葉にしているかが、他の受験者との違いになって表れます。面接で使いやすい「那珂市の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい那珂市の事実答え方のヒント
救急需要への理解令和6年中の救急出動は2,748件で火災の約100倍、高齢化率は33.6%と県平均を上回る(詳細は第1部2章・4章)火災との件数差と高齢化率の両方を根拠に、救急対応の重みを説明する
原子力防災への理解市内はPAZ(本米崎地区)とUPZ(それ以外の市内全域)に区分され、令和6年度も原子力防災訓練を実施(詳細は第1部3章・5章)区域名を暗記するだけでなく、自分の勤務地がどちらにあたるかを説明できるようにする
広域避難の枠組み那珂市の広域避難先は筑西市・桜川市(詳細は第1部5章)避難先の自治体名まで押さえ、広域的な視点を持っていることを示す
大規模災害への備え全国の消防本部の約99%にあたる718本部から6,661隊の緊急消防援助隊が登録されている(令和6年4月1日現在・詳細は第1部4章)少人数の本部だからこそ広域応援の仕組みが重要になる点を言葉にする
集団討論への向き合い方第二次試験に集団討論が組み込まれている(詳細は第2部1章)他の受験者の意見を踏まえた上で、自分の考えを整理して話す練習をする

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、〈事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと〉という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

那珂市消防本部は試験の段階と種目までは公表していますが、配点や「求める人物像」に相当する公表文言までは明らかにしていません。そこで以下は、この試験の構成に、過去の行動から入庁後の再現性を見通すという一般的なコンピテンシー評価の考え方をあてはめ、当研究会が整理したものです。

個人面接と集団討論という2つの場面がある分、一対一での受け答えと集団の中での立ち居振る舞いの両方が見られる構造だと考えられます。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
現場対応への適性体力審査の3種目に、日頃の備えが表れているか腕立て伏せ・起き上がり・275メートル疾走という種目を、自分の体力づくりに具体的に結びつけて話せるようにする
集団の中での姿勢集団討論で、他の受験者の意見を聞きながら自分の考えを述べられるか一人で目立とうとせず、議論全体に貢献する話し方を意識する
管内への理解原子力防災の区域区分という地域固有の枠組みを含め、那珂市の事情を具体的に語れるかPAZ・UPZの区分や広域避難先など、管内固有の事実を自分の言葉で説明できるようにする

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

那珂市消防本部のように個人面接と集団討論の両方がある試験ではなおさらです。実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和8年度の実施要項を読み、試験区分(消防A・消防B)と提出書類(登録用写真)を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、チームで動いた具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、原子力防災など志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。体力審査に向けたトレーニングと、集団討論を想定した練習も並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で那珂市消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、那珂市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

那珂市消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。第一次がSPI3方式で受けやすい分、第二次の個人面接と集団討論の準備に時間を多く割ける受験生ほど有利になりやすい試験です。

那珂市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

那珂市消防本部は、97人の消防吏員で那珂市全域を単独で支える本部です。第一次のSPI3方式・体力審査、第二次の個人面接・集団討論という2段階の試験を通じて、火災や救急への日常的な対応力が問われます

あわせて、市の全域が原子力防災の区域区分に含まれるという管内の事情も、地域を理解するうえでの土台になります。PAZ・UPZの区分や広域避難先といった事実を暗記するだけでなく、そうした地域で住民の安全を支える一員として何をしたいのかを、自分の言葉にできるよう準備を重ねていってください

97人という少数精鋭の体制で管内5万人余りの暮らしを支える仕事を目指す皆さんを、当研究会は応援しています。