本記事では、千葉県警察・警察官採用試験の面接対策で必要な、千葉県警察の特徴基礎データ県内の治安情勢重点方針面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

千葉県警察の面接試験では、「なぜ千葉県警察を志望したのか」「千葉県の治安をどう見ているのか」「これまでの経験を警察の仕事でどう活かすのか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。千葉県の治安の現状と、県警察が毎年公表している活動方針を押さえておけば、どこの県警察にも当てはまってしまう抽象的な答えを避け、千葉の事情に即した説明ができます。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と千葉県警察の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

千葉県警察の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは千葉県警察という組織の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 千葉県全域を管轄し、管轄人口は約626万人。令和7年国勢調査の速報値では625万8,512人で、大正9年の第1回調査以来はじめて前回を下回った。(出典:国勢調査速報値|令和7年
  • 県土の面積は5,156.48km²で全国28位。東京都と神奈川県を合わせた面積を上回る広さがあり、三方を海に囲まれた半島であり、531kmの海岸線を持つ。(出典:千葉県のすがた|令和7年
  • 県警察本部が置かれているのは千葉市中央区。県庁所在地の千葉市は政令指定都市であり、本部組織には千葉市警察部がある。
  • 本部は、総務部・警務部・生活安全部・地域部・刑事部・交通部・警備部の7部のほか、組織犯罪対策本部、千葉市警察部、警察学校で構成される。
  • 生活安全部にはサイバー犯罪対策課が置かれ、サイバー空間での犯罪に専従で当たる体制がとられている。(出典:サイバー犯罪対策課|令和8年
  • 管内には成田国際空港がある。空港は機能強化が進められており、C滑走路の新設とB滑走路の延伸によって年間発着枠を50万回へ拡大する計画で、その規模になれば空港内で働く人は約7万人になると見込まれている。(出典:成田空港の更なる機能強化|令和7年
  • 在留外国人は増加を続けており、令和7年6月末時点で県総人口の3.9%を占める。言葉の壁を越えた対応や、外国人住民が地域に溶け込むための働きかけが、日常の警察活動でも身近な課題になっている。(出典:外国人住民数|令和7年6月末
  • 県北西部の東葛地域や湾岸には人口が集まる一方、南房総・外房、九十九里、香取・東総の各ゾーンでは人口の社会減が続く。都市部と半島部の両方を、ひとつの県警察が受け持っている。

千葉県警察の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「千葉県警察の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、管轄人口、管轄面積、本部の組織、犯罪情勢など、組織の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
管轄区域千葉県全域
管轄人口約626万人(6,258,512人・令和7年国勢調査速報値)
管轄面積5,156.48km²(全国28位)
本部所在地千葉市中央区
本部の組織総務部・警務部・生活安全部・地域部・刑事部・交通部・警備部の7部、組織犯罪対策本部、千葉市警察部、警察学校
世帯数2,875,923世帯(令和7年国勢調査速報値・前回調査から102,083世帯増)
刑法犯認知件数39,976件(令和7年確定値・前年比4.1%増)
刑法犯検挙率34.3%(令和7年)

管轄人口・世帯数は令和7年国勢調査の速報値(千葉県公表)、管轄面積と全国順位は千葉県の公表資料、刑法犯認知件数(警察が発生を把握した犯罪の件数)と検挙率は千葉県警察が公表する犯罪統計(令和7年確定値)にもとづく数値です。警察署・交番の設置数や職員数は、最新の公表資料でご確認ください。

数字から考えられる治安課題

千葉県警察の規模をつかむ手がかりは、人口と地形の関係にあります。面積は全国28位と広く、しかも県土の三方が海に接する半島です。

首都圏の通勤圏として人が集まる北西部と、人口の減少が続く外房や南房総が、同じ管内に並んでいます。「首都圏の市街地と半島の集落を、ひとつの組織で受け持つ」という理解を持っておくと、このあと見る犯罪の内訳も読み解きやすくなります。

もうひとつ押さえたいのが、人口の局面が変わったことです。令和7年国勢調査の速報値で県人口は625万8,512人となり、調査開始の大正9年以来はじめて減少に転じました。

ところが世帯数は287万5,923世帯へと10万世帯以上増えています。人が減っているのに世帯が増えるのは、一人暮らしや少人数の世帯が広がっているからです。

警察の目から見れば、異変に気づいてくれる同居人がいない家が増えていくということでもあります。

たとえば面接では、千葉県の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「千葉県は面積が全国で28番目と広くて、三方を海に囲まれている県だと知りました。北西部には人が集まる市街地があって、南のほうには人が減っている地域もあると聞きます。同じ県の中でも求められる警察の仕事は違うと思いますので、どちらの現場でも役に立てる警察官になりたいと考えています」

千葉県の治安情勢

刑法犯の認知状況と検挙率

令和7年の確定値で、千葉県内の刑法犯認知件数は39,976件、前年比4.1%増となりました。4万件に迫る水準です。

検挙率は34.3%で、認知した事件のうち検挙に至るのはおよそ3件に1件という計算になります。認知件数は「警察が把握した犯罪の件数」ですから、その増加には通報や相談が届くようになった面も含まれます。

それでも、増えていく事件に検挙を追いつかせることが重い課題である点は変わりません。面接では、起きた事件を検挙することと、そもそも起こさせないための働きかけを、切り離さずに語れると仕事理解の深さが伝わります。

罪種別に見た千葉の特徴

刑法犯の内訳を見ると、千葉県の土地の条件と重なる傾向が浮かびます。

罪種認知件数(令和7年)
刑法犯総数39,976件(前年比4.1%増)
侵入盗3,637件
自動車盗539件
強盗78件
殺人48件
ひったくり25件

千葉県警察が公表する犯罪統計(令和7年確定値)にもとづく数値です。

目を引くのは、住宅や店舗に入り込む侵入盗が3,637件にのぼることと、自動車盗が539件を数えることです。千葉県は東京湾アクアラインや高速道路で首都圏の中心と直結し、成田空港という国際的な出入口もあります。

人と物が絶えず動く土地だという条件は、盗まれた物や車が短い時間で管内の外へ持ち出されうる条件でもあります。住宅街で起きる身近な犯罪と、県境をまたいで動く犯罪の両方に目を配る立場にある、と整理しておきましょう。

「電話de詐欺」という独自の呼び名

千葉県警察は、特殊詐欺を「電話de詐欺」という独自の名称で呼んでいます。平成27年に公募で決まった呼び方です。

電話が入口になる詐欺をひとまとめに指す言葉へ切り替えたところに、注意を呼びかける相手を広げようとするねらいが読み取れます。対策も、自動音声で県民の電話へ注意を呼びかけるコールセンターの運用や、金融機関と連携した被害の未然防止など、警察官が直接回りきれない範囲へ警告を届ける形で組み立てられています。(出典:電話de詐欺の被害防止|令和8年

この対策が重みを増す理由は人口構成にあります。県が公表する高齢者人口の資料では、千葉県の高齢化率は令和8年時点で約28%です。

(出典:高齢者人口の状況|令和8年さらに県の第3期地方創生総合戦略は、2055年の高齢化率を37.2%(2020年は27.6%)と見込んでおり、2.7人に一人が高齢者になる計算です。狙われる側の年齢層が厚くなっていく以上、被害の入口をどれだけ塞げるかが問われます。

交通と人の流れ

千葉県が公表する「数字で見る千葉県」によると、県内の自動車保有車台数は約375万台で全国7位(令和7年3月末)です。川崎と木更津を結ぶ全長15.1kmの東京湾アクアラインでは、土日祝の混雑を緩和するためのETC時間帯別料金の社会実験が、令和5年7月から令和8年3月まで実施されました。

県内の車の多さに、県外から流入する車が重なる構図です。

そこへ観光の人流が加わります。同じ資料によれば、県内の年間観光客数は1億6,441万人(令和5年)に上ります。

海水浴やマリンスポーツの季節には沿岸部へ、大型連休には主要な観光施設へと人が集中し、時期によって交通の負荷がかかる場所が変わります。令和8年の活動方針が、飲酒運転の根絶や歩行者の保護、自転車その他の小型モビリティの安全利用を交通の柱に置いているのも、こうした事情の上にあります。

千葉県の主な治安課題

ここまでの数字と取組を踏まえると、千葉県警察がいま向き合っている課題が見えてきます。面接で「千葉県の治安上の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

増加局面にある刑法犯と体感治安

令和7年に刑法犯認知件数が39,976件(前年比4.1%増)まで増えたことは、統計上の変化にとどまりません。自分の生活圏で事件が起きたという実感は、統計とは別の速さで広がり、「この街は大丈夫か」という不安に変わります。

検挙率が34.3%という水準にあることも、被害に遭った人の納得感を考えれば軽い話ではありません。令和8年の活動方針が最初の活動重点に「地域の犯罪情勢に即した」という言葉を置いているのは、県内を一律には扱わず、地域ごとの実情に合わせて手を打つという構えの表れです。

電話de詐欺と匿名・流動型犯罪グループ

活動重点の1番目と2番目には、いずれも電話de詐欺と匿名・流動型犯罪グループの名が挙がり、2番目にはSNS型投資詐欺やロマンス詐欺も加わります。SNSで実行役を募って犯行を繰り返す集団は、指示役が匿名の陰に隠れ、末端だけが短期間で入れ替わっていく構造です。

実行役を検挙するだけでは被害が止まらないため、組織の実態解明と資金源を断つ取組、そして募集に応じてしまう人を出さないための働きかけまでが、ひと続きの課題になります。令和7年度の作文試験でも、匿名・流動型犯罪グループによる犯罪情勢を踏まえて県民の期待に応える方策を問う出題がありました。

サイバー空間の脅威

生活安全部にサイバー犯罪対策課という専従部門が置かれていること自体が、この領域に人と体制を割く必要があるという判断の表れです。活動方針も、対処能力の向上、悪質・巧妙化する手口の実態解明、官民が連携した被害防止という三方向を並べています。

詐欺も投資の勧誘も入口がインターネットであることが当たり前になり、被害に気づいた時点では相手をたどる手がかりが乏しいことも珍しくありません。空港を通じて国内外の人と物が行き交う県でもあり、被害も加害も県境の内側では完結しないという前提で考える必要があります。

交通事故の防止と道路利用者の安全

自動車保有車台数は令和7年3月末時点で全国7位です。そこへ首都圏の各地から入ってくる車が重なり、観光の時期にはさらに増えます。

この条件のもとで交通の安全を保つのが千葉県警察の交通部門です。活動方針は、県民の交通安全意識を高める取組とあわせて、地域の実情に応じた交通環境の整備と、事故分析を踏まえた指導取締りを掲げています。

取締りだけで完結しない領域であり、教育や広報を通じて人の行動をどう変えてもらうかが問われます。自転車で通学してきた経験がある人なら、日々の走り方を思い返すところから自分の言葉を作れるはずです。

首都直下地震と風水害への備え

千葉県は全市町村が国の首都直下地震緊急対策区域に指定されています。県の地震被害想定調査では、千葉県北西部直下地震(最大震度6強)で全壊・焼失が約76,000棟、死者が約2,400人。

房総半島東方沖の地震(最大震度7)では全壊・焼失が約113,600棟、死者は約42,100人にのぼり、津波による浸水域は外房側で特に広くなると想定されています。(出典:千葉県地震被害想定調査|令和6・7年度

脅威は地震だけではありません。令和元年房総半島台風では、房総半島を中心に大きな被害が出ました。

海に開かれ、平地の広がる県土は、暴風も高潮も河川の氾濫も起こりうる条件を備えています。活動方針の5番目の活動重点には、テロの未然防止と並んで、県民を災害から守るための取組が置かれました。

避難の呼びかけ、道路の交通規制、行方不明者の捜索といった仕事は、いずれも平時の訓練の積み重ねの上に成り立ちます。

重点方針|令和8年千葉県警察活動方針

千葉県警察は、その年の活動の方向性を『令和8年千葉県警察活動方針』という名称で公表しています。他の県警察で「運営方針」「運営重点」と呼ばれているものにあたります。

令和8年の重点目標に掲げられたのは「安全安心を実感できるくらしの実現」で、基本姿勢として「頼れる、誇れる、思いやりのある千葉県警察」という言葉が置かれました。(出典:千葉県警察活動方針|令和8年

方針の読み方

この方針は、重点目標・基本姿勢・活動重点6項目という3層で構成され、数値目標は掲げられていません。読むときに立ち止まってほしいのは、重点目標の「実感できる」という一語です。

犯罪の件数が減ることと、県民が安全だと感じられることは同じではありません。統計が良くなっても不安が消えなければ達成とはみなさない、という構えがこの言葉に表れています。

基本姿勢に並ぶ3語も、同じ方向を向いています。頼れるかどうかを決めるのは、現場へ着くまでの速さと、そこでの判断の的確さです。

誇れるかどうかは、重大事件や大規模災害という苦しい局面での仕事ぶりに表れます。思いやりは、県民にとって何が最善かを考え抜く姿勢を指します。

3つとも、警察の側の都合ではなく、受け取る側がどう感じるかを起点に置いた言葉です。「どんな警察官になりたいか」を考えるときの手がかりにしてください。

6つの活動重点

令和8年の活動重点は次の6項目です。あわせて、それぞれが指す内容を受験生向けに当研究会の言葉でかみ砕きました。

活動重点(公式の項目名)受験生向けの解説
① 地域の犯罪情勢に即した総合的な犯罪抑止対策と子供・女性・高齢者を守る取組の推進地域ごとに犯罪の起き方を分析し、住民や関係機関と組んで電話de詐欺などの抑止に当たる。子供・女性・高齢者の身の安全を守る取組も強化する
② 県民生活を脅かす犯罪の徹底検挙と犯罪組織の壊滅に向けた取組の推進凶悪犯罪や侵入窃盗・自動車盗・金属盗、電話de詐欺やSNS型投資詐欺を確実に検挙し、匿名・流動型犯罪グループなどの組織そのものを解明して潰す
③ サイバー空間の脅威に対する総合対策の推進巧妙化する手口の実態を解明して取締りを強化するとともに、民間と連携した被害防止を進め、組織の対処能力を高める
④ 交通安全意識の高揚と交通環境の整備等による交通事故防止対策の推進飲酒運転の根絶、歩行者の保護、自転車や小型モビリティの安全利用を働きかけ、事故分析にもとづく取締りと道路環境の整備を組み合わせる
⑤ テロ・災害対策の推進と対日有害活動対策の強化テロを未然に防ぎ、県民を災害から守る備えを進める。あわせて国益を損なう違法行為への情報収集と取締りを強化する
⑥ 働きやすい職場環境の形成と職員相互の連帯多様な働き方を受け入れる組織文化をつくり、ワークライフバランスを定着させる。職員同士の信頼にもとづく連帯で組織として力を発揮する

面接では、自分が取り組みたい仕事がこの6つのどれに当たるのかを一言添えられるだけで、方針を読んだ上での志望だと伝わります。あわせて見落とさないでほしいのが、6番目が職員自身の働き方に向けられていることです。

県民に向き合う活動と、それを支える組織の内側を同じ表に並べているのは、人が疲れ切った組織では県民に頼られる仕事はできないという整理にほかなりません。長く働き続けたいという気持ちは、この方針と矛盾しないのです。

POINT|6つの活動重点を丸暗記する必要はない

項目名を並べて言えることが組織研究の目的ではありません。関心のある分野を1〜2つ選び、県内で何が起きているのか(数字)、県警察はどう手を打とうとしているのか(活動重点)、自分はどの現場で何をしたいのか、の順で調べていきましょう。

悪い例「千葉の安全を守れる警察官になりたいです」

改善例「まずは交番の勤務から、受け持つ地域の方の暮らしを知ることを大事にしたいです。その上で、千葉県では特殊詐欺を電話de詐欺と呼んで注意を呼びかけていると知りましたので、お年寄りの多い地区を回るときには、その呼び名を使って一言添えるところから取り組んでいきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、大事なところを自分の口で語れる状態に仕上げておきましょう。

  • 警察官採用試験の受験案内(試験の種目・受験資格・申込方法)
  • 千葉県警察の採用案内ページ(仕事の内容と面接カードの様式)
  • 令和8年千葉県警察活動方針(重点目標・基本姿勢・活動重点6項目)
  • 犯罪統計・交通事故統計のページ(数字は毎年更新されるため最新値を確認)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、千葉県警察専用の面接想定問答集をご用意しています。千葉県警察の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

千葉県警察の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

千葉県警察の面接の概要

ここからは、千葉県警察の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

千葉県警察の面接の流れ

千葉県警察の警察官採用試験は、第1次試験と第2次試験の2段階です。令和7年度の公表資料では、第1次試験の学力の種目が教養試験と基礎能力検査(SPI3)の選択制で、両方を受けることはできません。

種目の全体像は次の表のとおりです。(出典:警察官採用試験の試験方法|令和7年度

項目内容(令和7年度・警察官A/B区分)
試験の段階第1次試験 → 第2次試験の2段階
第1次試験(学力)教養試験(択一式・120分・45問全問解答)または基礎能力検査SPI3(テストセンター方式・多肢選択式・65分)の選択制。両者の併願はできない
加点制度資格や技能の審査による加点がある
第2次試験個別面接、適性検査、身体検査、体格・体力検査
面接の種類個別面接。公式の試験方法の説明に集団面接・集団討論の記載はない
面接カード千葉県人事委員会の様式。警察官A(男性・女性)と警察官B(男性・女性)で共通。県警察の公式サイトでWord版とPDF版が配布されている
論(作)文試験取扱いについて公式ページの間で記載が分かれているため、最新の受験案内でご確認ください
配点公表資料で確認できる範囲では明示されていないため、最新の受験案内でご確認ください

上記の試験構成は、令和7年度時点で千葉県人事委員会および千葉県警察が公表していた情報にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

注目してほしい点は2つあります。1つ目は、入口が2種類あることです。

教養試験は120分で45問すべてに解答する形式、基礎能力検査は会場のパソコンで受けるテストセンター方式で65分。求められる力も準備の仕方も違い、しかも併願はできません。

どちらで戦うかを申込の時点で決めることになるため、この選択そのものが受験の戦略になります。

2つ目は、面接カードの様式が公式サイトで配布されていることです。何を書く欄があるのかを事前に知ったうえで準備できるということであり、面接官は初対面の受験者について、まずこのカードを手がかりに質問を組み立てます。

つまり、自分が書いた内容がそのまま質問の入口になります。深く聞かれると困る話を並べるのではなく、掘られてもいくらでも語れる出来事を選んで書くことが、当日の受け答えを大きく楽にします。

加えて、第2次試験には適性検査と体格・体力検査が含まれます。面接での受け答えと適性検査の結果が食い違えば、そこが深掘りの入口になります。

作り込んだ人物像を演じるより、一貫した自分で臨むほうが確実です。

千葉県警察が大切にしていること

千葉県警察は、「求める人物像」と題した文章を独立した形では公表していません。手がかりになるのが、活動方針の基本姿勢に置かれた「頼れる、誇れる、思いやりのある千葉県警察」という言葉です。

組織が自分たちに課している姿がそのまま示されているのですから、採用の場面で見られる資質もここから外れないと考えるのが自然です。

この3語が求めているのは、特別な経歴でも派手な実績でもありません。約束した時間を守り続けたこと、苦しい場面で自分の役割を投げ出さなかったこと、頼まれてもいないのに手を貸したこと

そうした日常の行動の積み重ねが、基本姿勢の言葉とそのまま重なります。自己PRでは、この3つに重なる自分の行動を、具体的な場面とセットで示すことが軸になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。千葉県警察の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望民間企業ではなく、なぜ警察官なのですか?他の進路と並べて考えたうえでの職業理解と、選択の理由の一貫性
③ 自己理解あなたの強み(自己PR)を教えてください強みを、警察の仕事の具体的な場面に置き換えて説明できているか
④ 経験・行動これまでで最も力を入れて取り組んだことは何ですか?実績の大きさではなく、そのときとった行動の事実と、そこから学ぶ姿勢
⑤ 学業・経歴今の学科(進路)を選んだ理由を教えてください進路の選び方に、その人らしい一貫性があるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制の勤務や訓練に耐える体力の裏づけと、日頃の健康管理の習慣
⑦ 公共性・社会性警察官に最も必要な資質は何だと思いますか?職業観の成熟度と、県民を守る仕事への当事者意識

ただし、この7カテゴリーは千葉県警察に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここで大きな差はつきにくいのです。

また、警察官の採用試験では、規律のある生活への適応や、危険を伴う職務に就く覚悟を確かめる質問が向けられることがあります。そうした問いが用意されていると知っておくだけでも、当日の落ち着きが変わります。

合否を分けるのは「千葉県警察ならでは」の質問

「警視庁や隣の県の警察もある中で、なぜ千葉県警察を選んだのですか?」
「千葉県の治安上の課題は何だと思いますか?」

どちらも、千葉県の現状と県警察の活動方針を知らなければ、その場では答えようがない質問です。千葉県は東京都に隣接し、都内へ通勤通学する人も多い県ですから、「なぜ千葉なのか」をどこまで具体的に語れるかが、そのまま志望度の説明になります。

逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「千葉県警察の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい千葉県警察の事実答え方のヒント
治安の現状刑法犯認知件数は令和7年に39,976件で前年比4.1%増、検挙率は34.3%。侵入盗3,637件・自動車盗539件が目立つ4万件に迫る水準まで増えた流れと、侵入盗の多さを一組にして話すと、暮らしに引きつけた現状認識になる
志望動機・やりたい仕事令和8年千葉県警察活動方針の重点目標は「安全安心を実感できるくらしの実現」。活動重点は犯罪抑止と子供・女性・高齢者の保護、徹底検挙と組織壊滅、サイバー、交通、テロ・災害、職場環境の6項目重点目標の「実感」に触れ、件数を減らすだけでなく県民の受け止めまで視野に入れていると示すと、方針を読んだ跡が残る
電話de詐欺への関心千葉県警察は特殊詐欺を「電話de詐欺」と呼び、平成27年の公募で決めた名称。自動音声のコールセンターや金融機関との連携で被害を防いでいる。県の高齢化率は令和8年時点で約28%名称を知っているだけで終わらせず、なぜ全国共通の呼び方を使わずに言い換えたのかを自分なりに説明できるようにしておく
千葉で働く規模感管轄人口は約626万人(令和7年国勢調査速報値)、管轄面積は5,156.48km²で全国28位。北西部には人が集まり、九十九里や南房総では社会減が続く。管内には成田国際空港がある県内のどこに配属されるかで仕事の色が変わる。都市部と半島部の違いに触れたうえで、自分がどの現場で力をつけたいかまで述べる
災害への備え全市町村が首都直下地震緊急対策区域。県の想定では千葉県北西部直下地震で死者約2,400人、房総半島東方沖の地震では死者約42,100人と津波浸水。令和元年房総半島台風の被害も記憶に新しい県内でも内陸と沿岸で想定される被害が違う。自分が育った地域や志望する地域を地図で確かめ、そこで起こりうる事態に引きつけて話す

使い方のコツは、5つを均等に覚えることではありません。自分の関心に近いテーマを1〜2つ選び、県内で起きている事実、それを知って自分が引っかかった点、警察官として立ちたい現場をひと続きで言えるようにしておくと、深掘りされても話が途切れません。

想定される評価の観点

面接は、活動方針の基本姿勢のような組織の価値観に照らして、「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
頼れる=迅速・的確に動く時間や情報が足りない状況で、どう判断して動いたかすぐに決めなければならなかった場面を一つ選び、そのとき何を優先し、何を後回しにしたのかまで書き出しておく
誇れる=真摯に職務へ向き合う成果が見えにくい仕事や苦しい局面でも、途中で手を抜かなかったか活動方針は重大事件や大規模災害での真摯な活動を「誇れる」理由に挙げている。誰も見ていない場面で最後までやり切った作業を一つ用意する
思いやり=県民のために考える言葉になっていない困りごとに気づいて動いた経験があるか活動重点の1番目は子供・女性・高齢者を守る取組。年下の人や高齢の方と関わった場面で、自分から動いた出来事を具体的に思い出しておく

評価の観点の3項目は、令和8年千葉県警察活動方針の基本姿勢「頼れる、誇れる、思いやりのある千葉県警察」を、当研究会が面接対策用に読み替えたものです。

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の受験案内を読み、受験区分を決めたうえで、第1次試験を教養試験と基礎能力検査(SPI3)のどちらで受けるかを選ぶ。併願ができないため、過去に解いた問題との相性を確かめてから決める
  2. これまでの経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学校行事・学業から、そのとき何を考えて何をしたのかまで話せる出来事を一つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 千葉県警察の公式サイトから面接カードの様式を入手し、記入欄に沿って実際に書いてみる。書き終えたら、深く聞かれると困る話が混じっていないかを点検する
  5. 組織研究の材料を集める。この記事の前半から志望分野に近い事実を2〜3個選び、固有質問の対応表とあわせて、聞かれた順にすぐ引き出せる形へまとめておく
  6. 声に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。あわせて第2次試験の体格・体力検査に備え、日々のトレーニングと生活リズムづくりを並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5は、面接カードの完成度と組織研究で他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を警察の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で組織の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、千葉県警察専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

千葉県警察の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までを解説しているので、本番での受け答えを具体的にイメージできるようになります。面接カードに何を書くかを決める段階から使えば、書く材料と話す材料を一度にそろえられます。

千葉県警察の想定問答集を見る

さいごに

千葉県警察の採用試験は、第1次試験の学力の種目を教養試験と基礎能力検査から選べる一方、第2次試験で待っているのは個別面接と適性検査、そして身体と体格・体力の検査です。筆記を通過したあとは、人物をどう見てもらうかにほぼ絞られると考えてよいでしょう。

しかも面接カードの様式は公式サイトで配られています。何を書くかを自分で決められる試験は、準備を積んだ人にとって有利な試験です。

約626万人が暮らす千葉県で、あなたはどの現場に立ちたいのか。活動方針が掲げる「実感できる」という言葉に、自分の経験からどう応えるのか。

面接カードの一行目を書くところから、その答えを作っていってください。