本記事では、千葉県職員採用試験の面接対策で必要な、千葉県の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

千葉県庁の面接試験では、「なぜ千葉県を志望したのか」「県職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を県政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。県の実情や政策を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、千葉県ならではの事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と千葉県政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

千葉県の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは千葉県の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 県庁所在地は千葉市(中央区)。関東地方の東部に位置し、西で東京都・埼玉県、北で茨城県と接する。
  • 三方を海に囲まれ、太平洋に突き出た半島という地形が最大の特徴。房総丘陵(200〜300メートル級)を除けばほぼ平坦で、海岸線は約531キロメートルに及ぶ。南房総の沿岸は暖流(黒潮)の影響を受ける温暖な気候。
  • 人口は約626万人で、令和2年国勢調査では全国第6位。首都圏の一角として、東京湾岸から半島の農山漁村まで、性格の異なる地域を一つの県に抱える。
  • 県東部には成田国際空港が立地し、日本を代表する国際空港として物流・人流の玄関口になっている。県北西部の東京湾岸には京葉工業地帯(京葉臨海コンビナート)が広がり、素材産業が集積する。
  • 都市のイメージが強い一方で、農業産出額は全国第4位(令和5年)の農業県でもある。鶏卵は全国第1位で、ネギなど全国有数の産地となっている品目も多い。
  • 神奈川県川崎市と木更津市を結ぶ東京湾アクアライン(全長15.1キロメートル、平成9年開通)が湾を横断し、房総半島と対岸を短時間で結んでいる。
  • 県財政に構造的な余裕はない状況が続いている。人口や企業の集積を背景に県税収入の規模は大きい一方、医療・介護・子育てに関する経費や、老朽化した社会資本の更新費用の増加が見込まれ、限られた財源を効果的に配分する財政運営が課題となっている。

千葉県の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「千葉県の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、県土の広さ、財政の規模など、県政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口約626万人(令和7年国勢調査速報。令和2年国勢調査では全国第6位)
高齢化率27.6%(令和2年)。2055年には37.2%まで上昇と推計
総世帯数約288万世帯(令和7年国勢調査速報)
総面積5,156.48km²(全国第28位)
海岸線の長さ約531km(令和5年12月末)
県庁所在地千葉市(政令指定都市)
一般会計当初予算2兆2,535億円(令和8年度)
1人当たり県民所得316万3千円(令和4年度)

人口・世帯数は令和7年国勢調査(速報値)、全国順位は令和2年国勢調査、高齢化率と将来推計は県の資料、面積は令和7年4月1日現在、県民所得は令和4年度、当初予算は令和8年度当初予算案による数値です。

数字から考えられる県政課題

千葉県は現在も全国有数の人口規模を持ちますが、人口が多いことだけを強みとして捉えるのは不十分です。令和7年国勢調査の速報値では、大正9年の調査開始以来はじめて総人口が減少に転じました

県内では2011年に死亡数が出生数を上回る自然減が始まっており、高齢化率も上昇が続く見通しです。人口規模だけでなく、若い世代の定住、医療・介護の担い手確保、地域による人口動向の違いを、あわせて考える必要があります。

たとえば面接では、千葉県の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「千葉県はおよそ626万人が暮らす大きな県ですが、令和7年の速報で、調査開始以来はじめて人口が減ったと聞きました。これからは人口の多さだけでなく、高齢化や地域ごとの人口の差を踏まえた行政サービスが大切になると考えています」

千葉県の経済・産業

経済・産業構造の概要

  • 製造品出荷額等は約15兆8,925億円で、全国第6位(2023年)。臨海部のコンビナートが県の工業を支える。
  • 年間商品販売額は約13兆3,998億円で全国第9位(2022年)。
  • 農業産出額は4,029億円で全国第4位(令和5年)。品目別では鶏卵が全国第1位。
  • 漁港の水揚金額は443億円で全国第6位(令和4年)。海に囲まれた地形を生かした漁業も盛ん。

つまり、臨海部の重化学工業と、全国有数の農林水産業がともに大きいという産業構造を押さえておくと、産業振興や雇用、食の話題に対応しやすくなります。(出典:数字で見る千葉県|令和7年

工業

県北西部の東京湾岸には京葉工業地帯(京葉臨海コンビナート)が広がり、石油精製・石油化学・鉄鋼などの素材産業が集まっています。製造品出荷額等は約15兆8,925億円で全国第6位(2023年)です。

内陸に目を向けると、東葛地域にはものづくりの中小企業やベンチャー、大学が集まり、かずさ地域にはバイオテクノロジーや精密機械などの先端技術産業が立地しています。

面接で産業や雇用を語るなら、臨海部の重厚長大な産業と、内陸の研究開発型産業という二つの顔を押さえておくと説明に厚みが出ます。(出典:千葉県のすがた(産業)|令和7年

農林水産業

都市のイメージが強い千葉県ですが、農業産出額は4,029億円で全国第4位(令和5年)の農業県でもあります。品目別では鶏卵が全国第1位、野菜が全国第4位で、ネギをはじめ全国有数の産地となっている品目が多いのが特徴です。

三方を海に囲まれた地形を生かした漁業も盛んで、漁港の水揚金額は全国第6位(令和4年)です。

「都市と農林水産業が近い距離で共存している」ことは、食や地産地消、担い手の確保を語るときの土台になります。

成田空港を核とした産業

千葉県の産業を語るうえで欠かせないのが成田国際空港です。空港では「更なる機能強化」として、新たなC滑走路(3,500メートル)の整備と、B滑走路の延伸(2,500メートルから3,500メートルへ)が、2028年度末の供用開始を目指して進められています。

これにより年間の発着枠は50万回に拡大する計画で、県は「新しい成田空港」構想のもと、空港を核とした国際的な産業拠点の形成を掲げています。

県の資料では、発着枠が50万回に達したときの旅客数を約7,500万人、貨物量を約300万トン、空港内で働く人を約7万人へと見込んでおり、その規模の大きさがうかがえます。

物流や観光、雇用まで波及効果が及ぶため、志望分野を問わず一度は目を通しておきたいテーマです。(参考:新しい成田空港|令和7年

観光業

観光では、年間の観光客数が約1億6,442万人(令和5年)にのぼります。南房総の海や花、成田山新勝寺、東京湾アクアラインと海ほたる、養老渓谷の温泉など、都心に近い立地と多彩な観光資源を併せ持つのが強みです。

都心から日帰りで訪れやすい立地をどう宿泊や地域内の消費につなげるかは、観光振興を志望する人にとって具体的な論点になります。

千葉県の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、千葉県が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「県の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

本格的な人口減少社会への対応

令和7年国勢調査の速報値で、千葉県の総人口は約626万人となり、大正9年の調査開始以来はじめて減少に転じました。高齢化率は令和2年の27.6%から2055年には37.2%まで上昇すると見込まれ、県内では2011年に自然減が始まっています。

県は総人口が1970年から2020年の50年間で約2倍まで増えた後、減少局面に入ったと現状を捉えており、子育て支援や若い世代の定住、教育、雇用、医療・介護の担い手確保を関連づけて進める必要があります。

大規模災害への備えと危機管理

三方を海に囲まれ太平洋に突き出た半島という地形は、地震・津波・台風のリスクと隣り合わせです。県が令和8年に公表した地震被害想定調査では、想定される地震のうち房総半島東方沖の地震で死者が最大の約4万2,100人と見込まれ、外房を中心に広く津波浸水が想定されています。

半島特有の交通の寸断や集落の孤立への備えも欠かせません。(出典:千葉県地震被害想定調査|令和8年公表

成田空港の機能強化と波及効果の最大化

成田空港の発着枠が50万回へ拡大する見通しの中、その効果をいかに県全体へ広げるかが課題です。空港周辺の産業用地の整備、北千葉道路をはじめとする道路ネットワークの強化、地元での人材確保などを一体で進め、空港を核とした地域づくりにつなげることが求められています。

県土の東西・南北を結ぶ交通の充実も鍵で、川崎市と木更津市を結ぶ東京湾アクアラインでは、休日の混雑を和らげるためのETC時間帯別料金の社会実験も続けられてきました。

超高齢化に対応した医療・福祉の充実

高齢化率が2055年に37.2%へ上昇する見込みの中、医療・介護の提供体制と担い手の確保が急務です。介護現場の生産性向上や、在宅医療の充実、健康寿命を延ばす取組など、増え続けるニーズにどう応えるかが問われています。

地域間の状況の違い

同じ千葉県でも、人口が増える地域と減る地域があります。県は総合計画で、地理的な条件をふまえて県内を6つのゾーンに分けて整理しています。

「取り組みたい仕事」を考えるときも、どの地域のどんな課題を想定しているのかまで具体化しておくと、回答に説得力が出ます。

ゾーンめざす方向性(総合計画)人口の動き
東葛・湾岸多様な産業と都市機能の一層の充実、都市間競争での優位性向上社会増
印旛成田空港の拡張を生かした空港を核とする国際的な産業拠点の形成社会増
香取・東総農林水産業の産地機能の強化と、成田空港等を生かした産業展開社会減
九十九里圏央道の整備効果の取り込みと「九十九里」のブランド化社会減
南房総・外房自然環境を生かした観光や移住・二地域居住の促進社会減
内房道路網を介した交流機能を生かした幅広い産業の活用社会増

千葉県の重点政策|千葉県総合計画

千葉県の総合計画は「千葉県総合計画 〜千葉の未来をともに創る〜」(令和7年10月策定)です。県政の最上位に位置づく総合的な計画で、おおむね10年後を見据えた基本構想編と、令和7年度から10年度までの4年間の施策を示す実施計画編で構成されています。(出典:千葉県総合計画 〜千葉の未来をともに創る〜

計画を貫く考え方

計画の基本理念は「県民を守り、支え、そして飛躍する千葉の実現」です。県は、直面するピンチをチャンスに転換するという考えのもと、取り組むべき課題を「6つのチャレンジ」として整理しています

受験生としては、①頻発化・激甚化する災害への備え ②本格的な人口減少社会への対応 ③成田空港の拡張効果の最大化 ④超高齢化に伴う医療・福祉ニーズへの対応 ⑤多様性を活力にした共生社会づくり ⑥独自の自然・文化を生かした魅力の発信、という6つの柱で理解しておくとよいでしょう。

六つの基本目標

基本目標扱う主な分野
Ⅰ 危機管理体制の構築と安全の確保防災・減災、治安、感染症などの健康危機管理
Ⅱ 千葉経済圏の確立と社会資本の整備産業振興、成田空港、稼げる農林水産業、道路・交通
Ⅲ 超高齢化時代に対応した医療・福祉の充実医療提供体制、高齢者福祉、障害者福祉
Ⅳ こども・若者の可能性を広げる千葉の確立子育て支援、教育
Ⅴ 誰もがその人らしく生きる・分かり合える共生社会の実現男女共同参画、外国人の活躍・多文化共生、協働
Ⅵ 独自の自然・文化を生かした魅力ある千葉の創造脱炭素・環境、観光・移住、文化・スポーツ

面接では、自分の取り組みたい仕事がどの基本目標に位置づくのかを一言添えられるだけで、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります。

令和8年度の県政運営のポイント

令和8年度の一般会計当初予算は2兆2,535億円で、これは新しい総合計画を策定してから初めての通年予算です。

成田空港周辺の産業用地の整備や「稼げる農業」の推進、被災者支援システムの導入、匿名・流動型犯罪グループの分析ツールの導入、こども誰でも通園制度の支援、県営水道の管路耐震化などが盛り込まれました。脱炭素の分野では、家庭や中小事業者の省エネ設備導入への支援に加え、太平洋沿岸地域への洋上風力発電の導入に向けた検討も進められます。

千葉らしい取組としては、令和9年度に開催される「全国豊かな海づくり大会」に向けた機運の醸成や、「発酵県ちば」の魅力発信、誕生20周年を迎えるチーバくんを生かした情報発信、ちばアクアラインマラソン2026の開催なども挙げられています。(出典:令和8年2月定例県議会 知事あいさつ

POINT|事業をすべて暗記しなくてよい

事業名をすべて覚えることが自治体研究の目的ではありません。関心のある分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②県はどんな状態を目指すか → ③いまどんな事業があるか → ④県だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験や強みをどう生かすか」の順で掘り下げましょう。

悪い例「千葉県の農業の振興に携わりたいです」

改善例「まずは県職員として、農家の方の声を聞くところから始めたいです。その上で、担い手の高齢化が進んでいますので、若い世代に向けたスマート農業の後押しに取り組んでいきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 千葉県職員採用試験の受験案内/職員採用案内
  • 千葉県総合計画 〜千葉の未来をともに創る〜(概要版)
  • 最新年度の当初予算・知事あいさつ/関心分野の個別計画
  • 数字で見る千葉県などの統計資料

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、千葉県庁専用の面接想定問答集をご用意しています。千葉県の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

千葉県庁の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

千葉県の面接の概要

ここからは、千葉県の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

千葉県の面接の流れ

千葉県の上級試験(通常枠)は、第1次試験と第2次試験の2段階で行われ、第2次試験は面接を中心とした人物試験です。とくに一般行政Aでは、教養・専門・論文の筆記が各100点であるのに対し、人物試験は400点と、最大の配点が置かれています。

項目内容(令和8年度・上級〈通常枠〉一般行政A)
試験の段階第1次試験(教養試験・専門試験・論文試験)→ 第2次試験(人物試験)
人物試験の内容個別面接(口述試験)と適性検査。集団面接・集団討論は受験案内に記載なし
配点教養試験100点・専門試験100点・論文試験100点・人物試験400点(合計700点)
一般行政Bの特徴専門試験がなく、第1次試験で自己アピールシートを作成。個別面接に5分程度のプレゼンテーションを含む
提出書類一般行政Bの「自己アピールシート」(第1次試験当日に作成し第2次試験で使用。それ自体に配点はなし)

注目したいのは配点の比重です。人物試験の400点は、教養・専門・論文を合わせた300点を上回ります

用意した答えを言えるかどうかよりも、掘り下げられても自分の言葉で話し続けられるかが問われる構造だと言えます。

上記は、千葉県人事委員会が公表する令和8年度上級試験(通常枠・一般行政A)の受験案内にもとづくものです。令和8年度は制度の見直しで、通常枠のほかに早期枠(春・秋)が設けられており、区分により試験構成が異なります。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

千葉県が求める人物像

千葉県は、受験案内や採用案内のトップページで「求める人物像」を一つの決まり文句として大きく掲げているわけではありません(採用サイトの別のページに関連する記述がある可能性はあります)。

そこで本記事では、総合計画が掲げる「行政経営の基本的視点」から、面接で見られている資質を読み解いておきましょう。県は、県政運営の土台として市町村や現場を重視する現場主義、県民や民間との協働・共創、デジタル技術の活用を掲げています。

自己PRでは、「積極性があります」と述べるだけでなく、その力を使って何を行い、周囲や相手にどのような変化をもたらしたのかまで説明しましょう。(参考:千葉県職員採用試験の受験案内

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。千葉県の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ本県を志望するのですか?「県で働く」という選択の理由を、自分の言葉で筋道立てて話せるか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動パターンから、入庁後にも再現できる強みを確かめています
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れて取り組んだことは何ですか?自分の選択を説明できるか。学んだことと仕事の接点を作れているか
⑥ 適性・将来10年後、どんな職員になっていたいですか?働く姿をどこまで具体的に描けているか。組織の中で成長する見通し
⑦ 公共性・社会性最近、気になっている社会問題はありますか?社会への関心の深さと、それを行政の仕事として捉え直す視点

ただし、この7カテゴリーは千葉県に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「千葉県ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「千葉県ならでは」の質問

「なぜ市役所や国ではなく、千葉県庁を志望するのですか?」
「千葉県の課題は何だと思いますか。あなたなら県職員としてどう取り組みますか?」

どちらも、千葉県の現状と県の計画を知らなければ、その場では答えようがない質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「千葉県の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい千葉県の事実答え方のヒント
人口減少令和7年国勢調査速報で人口は約626万人と全国有数ながら、大正9年の調査開始以来はじめて減少に転じた「人口が多い県でも減少が始まった」という転換点を一言添えると、課題認識に厚みが出ます
半島性と地域差県内は6つのゾーンに分かれ、東葛・湾岸や印旛は社会増、香取・東総や南房総・外房は社会減が続く志望のきっかけになった地域を一つ挙げ、その地域ならではの事情に触れると具体的になります
成田空港C滑走路の新設とB滑走路の延伸で、年間発着枠を50万回へ拡大する計画(2028年度末の供用開始が目標)空港の効果を「自分の志望分野にどう結び付くか」まで言えると、一歩踏み込んだ回答になります
防災・危機管理令和8年公表の地震被害想定調査では、房総半島東方沖の地震で死者が最大の約4万2,100人と想定数字の暗記ではなく、半島という地形の弱さと備えの必要性をセットで語ると伝わります
県の総合計画「千葉県総合計画 〜千葉の未来をともに創る〜」(令和7年10月策定)は、6つの基本目標と15の政策分野で構成やりたい仕事をどの基本目標に位置づけるかを言えると、県の方向性を踏まえた志望に見えます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 県職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、先ほど読み解いた資質に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
現場を重視する姿勢(県民目線)相手の立場に立って考え、実際に動いた経験があるか千葉県は都市も農山漁村も抱えるため、立場の違う相手に合わせて動いた場面を用意しておく
主体性と協働自分から動き、周囲を巻き込んで物事を前に進めた経験があるか結果の大小より「なぜ動こうと思い、誰とどう協力したか」を話せるようにする
課題解決力と学ぶ姿勢課題の原因を整理し、解決に向けて工夫を重ねられるか半島性や地域差のような答えが一つでない課題に、どう向き合うかを言葉にしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和8年度の上級試験(通常枠)受験案内を読み、第1次・第2次の試験構成と配点、一般行政Bであれば自己アピールシートの記入項目を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い千葉県の事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を県の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で県の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、千葉県庁専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

千葉県の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

千葉県庁の想定問答集を見る

さいごに

千葉県の採用試験は、人物試験に最も大きな配点が置かれ、面接での受け答えがそのまま合否に直結します

都心に近い都市部から、農山漁村や半島の海辺まで、性格の異なる地域を一つの県の中に抱えているのが千葉県です。だからこそ面接では、あなたがどの地域のどんな課題に関心を持ち、そこで自分の何を生かしたいのかを、自分の言葉で語れるかどうかが問われます。

この記事で押さえた事実を出発点に、あなた自身の経験と結び付ける作業を、本番まで少しずつ積み重ねていきましょう。