本記事では、茂原市職員採用試験の面接対策で必要な、茂原市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
茂原市役所の面接試験では、「なぜ茂原市を志望したのか」「市職員としてどんな仕事をしたいのか」「これまでの経験をどう活かせるのか」といった質問が想定されます。茂原市の募集要項は、第2次試験と第3次試験の内容をいずれも「主として、人柄・性向等についての個別面接による試験」と説明しており、人柄を見る個別面接が二度重ねられる試験です。
本記事の掲載内容を手がかりに、自分の経験と茂原市政の接点を整理し、面接での回答づくりに役立ててください。
第1部|自治体研究編
茂原市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは茂原市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口85,070人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積99.92km²・人口密度851人/km²の市である。
- 接するのは千葉市、市原市、大網白里市と、長生郡の長柄町・睦沢町・長南町・白子町・長生村。県都千葉市と、長生郡の5つの町村の双方に境を接する位置にある。
- 市役所は〒297-8511 千葉県茂原市道表1に置かれている(団体コード12210-6)。
- 市の花はコスモス、市の木はツツジである。
- 職員採用試験の第1次試験は各都道府県のテストセンター会場で受ける方式。会場と日程は、示された期間の中から受験者が希望を選ぶ。
- 第2次試験・第3次試験はいずれも「主として、人柄・性向等についての個別面接による試験」。集団面接・集団討論についての記載はない。
- 募集要項には、「茂原市に勤務する意思のない方の受験、模擬試験代わりの受験は固くお断りします」と明記されている。
- 採用予定人員は一般事務職(上級)20名程度のほか、初級・土木・建築・保健師・社会福祉士・介護支援専門員・保育士 幼稚園教諭の区分が置かれている。
- 千葉県全体では、令和7年国勢調査の速報値で人口6,258,512人となり、前回(令和2年)から25,968人減少した。県人口の減少は大正9年の第1回調査以降はじめてである。
茂原市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、「茂原市はどのくらいの規模で、どこに位置するのか」を言葉にできる状態にしておくことが出発点になります。
次の表は、市政の性格を説明するときに引き合いに出しやすい項目に絞ってまとめたものです。県内での位置づけが分かるよう、千葉県全体の数値も添えました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 85,070人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 99.92km² |
| 人口密度 | 851人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 千葉市、市原市、大網白里市、長生郡長柄町、睦沢町、長南町、白子町、長生村 |
| 市役所所在地 | 〒297-8511 千葉県茂原市道表1 |
| 市の花・市の木 | コスモス・ツツジ |
| (参考)千葉県の総人口 | 6,258,512人(令和7年10月1日現在・国勢調査速報値) |
| (参考)千葉県の面積 | 5,156.48km²(全国第28位) |
| (参考)千葉県の海岸線 | 531km(令和5年12月31日現在) |
茂原市の面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理したものです。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。千葉県に関する数値は、千葉県公式サイトの統計・地理資料に基づきます。市の統計の最新値は、茂原市公式サイトであわせてご確認ください。
県都と町村の間に立つ市
面積99.92km²に85,070人。人口密度は851人/km²です。
千葉県全体は面積5,156.48km²(令和7年4月1日現在)に6,258,512人(令和7年国勢調査速報値)ですから、県を平均すると1km²あたりおよそ1,200人。つまり茂原市の密度は、県を平均した水準の7割ほどにとどまります(参考:千葉県の姿|面積・地形)。
より目を引くのは、接する相手の顔ぶれです。片側では県都である千葉市と境を接し、もう片側では長生郡の5つの町村と接しています。
県内で最も大きな市と、規模の小さな町村の、両方に隣り合う位置にあるということです。市民の暮らしの向きも、千葉市の側を向く人と、周辺の町村と一体で動く人に分かれると考えられます。面接では、次のように位置と規模をまとめて話せます。
茂原市の経済・産業
千葉県の産業をどう押さえるか
市の経済を語る前提として、県の産業の輪郭を押さえておきましょう。千葉県の農業産出額は4,029億円で全国第4位(令和5年)。
野菜1,336億円が全国第4位、米569億円が同第9位、鶏卵504億円が同第1位です(出典:千葉県の産業|経済構造実態調査ほか)。また、県内漁港の水揚金額は443億円で全国第6位(令和4年)、海面漁業漁獲量は79,158トンで全国第9位(令和5年)となっています(出典:数字で見る千葉県)。
他方で京葉臨海地域には石油精製・石油化学・鉄鋼のコンビナートが集まり、県の製造品出荷額等は約15兆8,925億円で全国第6位です(2023年)。農林水産と重化学工業がどちらも全国上位にある県という構図は、面接で県と市の関係を語るときの下敷きになります。
海に向かう地形と市の位置
千葉県は首都圏の東側で太平洋に突き出した半島で、三方を海に囲まれています。地形は房総丘陵を除けばおおむね平坦で、海岸線の長さは531キロメートルに及びます。
茂原市が接する長生郡の白子町や長生村は、この海沿いに位置する町村です。市そのものは海に面していなくても、隣接する地域の暮らしは海と結び付いているという関係になります。
移動については、千葉県の自動車保有車台数が約375万台で全国第7位です(令和7年3月31日現在)(参考:数字で見る千葉県)。人口密度が県平均を下回る市域では、車があるかどうかが日常の選択肢を大きく左右します。運転をやめた人にどう手段を残すかは、福祉と交通が重なる論点です。
職種の数と、一区分あたりの人数
茂原市が募集する区分は、一般事務職の上級と初級、土木技術職、建築技術職、保健師、社会福祉士、介護支援専門員、保育士 幼稚園教諭に及びます。人口8万人規模の市が、介護支援専門員まで職種として立てているという点は見過ごせません。
産業の統計を眺めるより、この区分の並びを見たほうが、市が日々どんな仕事を抱えているかは早く伝わります。
採用予定人員のほうを見ると、一般事務職(上級)の20名程度を除けば、土木技術職が3名程度で、そのほかの専門職はいずれも若干名です。職種の種類は多く、一区分あたりの人数は絞られています。この二つが同時に成り立っているところに、8万人規模の市の採用の形が表れています。
茂原市の主な行政課題
ここまでの数字と位置を踏まえると、茂原市が向き合う課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
県平均を大きく上回る高齢化
住民基本台帳をもとにした集計では、令和8年1月1日現在の茂原市の高齢化率は34.9%、75歳以上の割合は20.8%です。同じ集計による千葉県全体は27.6%・16.5%ですから、市の高齢化率は県の平均を7ポイント以上上回っています(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。
なお、この住民基本台帳による数値は、後で挙げる国勢調査ベースの県の高齢化率とは調査が異なるため、そのまま並べて比べることはできません。
市民のおよそ3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という水準です。人口密度851人/km²という広がりのある市域で、この割合の高齢化が進んでいます。通院や買い物の距離をどう縮めるかという課題が、統計上の話ではなく目の前の話として存在しているということです。
県が見通す将来と、市の足元の数字
千葉県が総合戦略で示した将来推計(国勢調査を基準とする推計。2021年度の策定時点)では、2020年に628万4千人だった県人口が2060年には514万8千人まで減り、県の高齢化率は2020年の27.6%(先ほどの住民基本台帳による県の値と偶然同じ数字ですが、別の統計です)から2055年に37.2%へ上昇する見込みです(出典:第3期千葉県地方創生総合戦略|人口の将来展望)。
県全体としては、高齢化がこれから数十年をかけて進んでいく段階にあるということです。
県はまた、県内の人口動態に地域差があることを課題とし、社会減の地域では担い手不足の解消が必要だとしています。同じ住民基本台帳の集計で県平均を7ポイント以上上回っている市では、県の平均値を借りて課題を語ると、かえって実態から遠ざかります。面接では、市自身の数字を起点に話を組み立ててください。
津波の想定を含む大規模地震
千葉県の地震被害想定調査(令和8年5月26日公表)は3つの地震を想定しています。とくに房総半島東方沖の地震(Mw8.5・最大震度7)では、全壊・焼失建物約113,600棟、死者約42,100人、避難者約79.6万人と想定され、外房を中心に広く津波浸水が見込まれています。
千葉県北西部直下地震(Mw7.3・最大震度6強)では全壊・焼失建物約76,000棟、死者約2,400人、避難者約87.2万人(2週間後)です(出典:千葉県地震被害想定調査|令和6・7年度)。
茂原市が接する長生郡には海沿いの町村があります。津波が想定される地域と隣り合うということは、避難の受け入れや応援の関係が現実の課題になるということです。防災を語るなら、想定ごとに被害の姿が違うことを踏まえ、市のハザードマップで自分の関わる地区まで確かめておきましょう。
職員の数と、働き方の実際
市は職員の勤務条件を数字で公表しています。一般職の平均年齢は42.8歳、1か月あたりの平均時間外勤務時間は11.2時間、1年あたりの年次有給休暇の平均取得日数は12.14日、夏期休暇は6.8日です(令和7年4月1日現在の実績)。
時間外が月11.2時間という水準は、働き方の面では落ち着いた部類に入ります。
ただし、これは平均です。人数の少ない係で担当が抜けたときに誰が引き受けるのかという問題は、平均値には表れません。少ない人数で幅広い仕事を回すこと自体が、この規模の市の構造的な課題です。
茂原市の重点政策|働く条件の公表と千葉県の課題認識
茂原市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。この章では、面接の準備に直接効く材料として、市が募集要項でどこまでを言葉にしているかを読み解きます。何を書くかという選択に、その市の考え方が出るからです。
働く条件を数字で示している
茂原市の募集要項には、初任給や手当だけでなく、職員の平均年齢、平均給与月額、平均時間外勤務時間、休暇の平均取得日数までが並んでいます。初任給の目安は大学新卒で23万7千円程度、短大新卒で22万2千円程度、高校新卒で20万6千円程度(いずれも地域手当6%を含む)。
期末勤勉手当は1年間で月給の4.65か月分です(令和7年度実績)(出典:茂原市職員採用試験募集要項|令和8年度実施)。
給与も残業も休暇の取得実績も先に開示したうえで応募を受けるという構えです。入ってからのイメージ違いを減らそうという意図が読み取れます。面接でこの話題に触れるなら、条件の良さを評価するのではなく、条件を開示する姿勢が何のためかという側から述べたほうが伝わります。
「勤務する意思」を正面から求めている
もう一つ、茂原市の募集要項には目を引く一文があります。受験申込みは1人一つの試験区分に限られたうえで、「茂原市に勤務する意思のない方の受験、模擬試験代わりの受験は固くお断りします」と書かれています。
併願そのものを禁じる文言ではありませんが、この市で働く意思を持って出願してほしいという要請が、はっきり言葉になっています。
POINT|「意思」は気持ちではなく具体で示す
働く意思を問われたときに、熱意の言葉を重ねても伝わりません。この市の何に関心があり、そこで自分が何をしたいのかという中身が、そのまま意思の証明になります。
悪い例「茂原市で長く働きたいという強い気持ちがあります。第一志望です」
改善例「茂原市は高齢化率が3割を超えていると知りました。私は祖母の通院に付き添っていた時期があって、移動の大変さを近くで見ていましたので、そういう部分を支える仕事に関わりたいと考えています」
県の課題認識と市の現在地
千葉県は、地域による人口動態の差と、社会減の地域における担い手不足を課題として掲げています。茂原市の高齢化率34.9%という数値は、その課題が市の中ですでに進行していることを示しています。
募集要項が勤務の意思を求め、働く条件まで開示しているのは、人を確保することが市政の課題そのものになっているという事情の裏返しだと読むこともできます。
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 茂原市職員採用試験の募集要項(自分が受ける区分・実施年度のもの)
- 茂原市公式サイトの職員採用のページ(2次募集の有無を含む最新の情報)
- 茂原市の市政情報・総合計画・最新の広報紙
- 茂原市のハザードマップ(自分の関わる地区の想定を確かめる材料として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、茂原市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。茂原市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
茂原市役所の面接の概要
ここからは、茂原市役所の試験の形と流れ、質問の全体像、そして差がつく質問への備え方を、市の公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。
茂原市役所の試験の流れ
令和8年度実施(令和9年度採用)の募集要項によれば、試験は第1次から第3次までの3段階です。第1次は基礎能力検査と適性検査で、テストセンター方式によって受験します。
そして第2次・第3次はいずれも「主として、人柄・性向等についての個別面接による試験」です。筆記は機械的に測り、人物は面接で二度確かめるという分担がはっきりしています。
| 項目 | 内容(令和8年度実施・令和9年度採用) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験、第2次試験、第3次試験の3段階 |
| 第1次試験 | 基礎能力検査と適性検査。株式会社日本経営協会総合研究所が提供する検査を使用し、各都道府県のテストセンター会場で、示された期間の中から希望する会場・日程を選んで受験します |
| 基礎能力検査の科目 | 文章読解能力、数的能力、論理的思考能力、基礎英語、人文・社会、自然に関する一般知識。一般事務職(上級・初級)の社会人経験者と、その他専門職の社会人専門職経験者は、文章読解能力・数的能力・論理的思考能力の3科目です |
| 適性検査 | 職員として職務遂行上必要な素質・性格についての検査 |
| 第2次試験 | 主として、人柄・性向等についての個別面接による試験 |
| 第3次試験 | 主として、人柄・性向等についての個別面接による試験 |
| 公務員経験者枠 | 一般事務職(上級)・土木技術職・建築技術職の公務員経験者(大学卒業者)枠は第1次試験が免除され、実質的に個別面接2回で合否が決まります |
| 配点 | 募集要項・市公式ウェブサイトのいずれにも公表がありません |
| 申込・提出書類 | ウェブ申請のみ。市公式ウェブサイトの職員課のページにある申込みフォームから、顔写真のデータを添えて申し込みます。1人一つの試験区分に限られます |
| 採用までの流れ | 第1次試験、第2次試験、第3次試験、採用候補者名簿への登載、就職意思確認、採用の順に進みます |
| 結果の発表 | 市公式ウェブサイトで合格者の受験番号のみが公表されます。第3次試験の合格者へは就職意思確認等の通知が送付されます |
上記の試験構成は、茂原市の令和8年度実施(令和9年度採用)職員採用試験の募集要項にもとづくものです。同じ試験が実施年度と採用年度の二通りで呼ばれるため、資料を探すときは年度の意味に注意してください。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。
この構成で最も重要なのは、面接カードやエントリーシートに相当する提出書類が指定されていないことです。申込みで提出するのはウェブフォームへの入力と顔写真データだけで、事前に長い文章を書いて渡す機会はありません。
つまり、面接官があなたについて知る情報は、その場で話したことがほとんどすべてになります。用意した文章を読み上げる準備ではなく、質問に応じて自分の経験を取り出せる準備が要ります。
なお、茂原市は年によって2次募集を実施することがあります。情報を確かめるときは、どの回の募集についてのものかを必ず特定してください。
茂原市が求める人物像をどう補うか
茂原市の令和8年度実施の募集要項と、市公式ウェブサイトの採用ページの本文には、「求める人物像」としてまとめられた文言は置かれていません。そこで、公表されている別の記述から評価の軸を組み立てます。
手がかりは、第2次・第3次の試験内容の書き方そのものです。市は面接を「主として、人柄・性向等についての個別面接による試験」と説明しています。
能力ではなく人柄と性向という言葉が選ばれている点は、素直に受け取ってよいでしょう。加えて、募集要項が勤務の意思を明確に求めていることも、評価の方向を示しています。
ここまでが募集要項から確かめられることです。ここから先は当研究会の見立てになりますが、人口8万人規模の市では、一つの制度を担当する職員が企画も住民への説明も窓口も関係機関との調整も通しで受け持つことが珍しくありません。
そのため、やったことのない仕事を、調べながら人に聞きながら形にしていけるかどうかが重視されやすくなります。また、職員と市民が仕事以外の場面でも顔を合わせる環境では、日ごろの振る舞いの誠実さが仕事の信用に直結します。
茂原市の場合、募集要項が勤務の意思を正面から求め、働く条件まで数字で開示していることは、長く働く人を迎えたいという構えの表れだと考えられます。装った人物像で臨む必要はありません。すでに経験してきたことの中から、少ない人数で幅広く担う職場で活きる場面を取り出して話してください。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。茂原市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | ここまでの移動は大変でしたか | 構えていない場面での受け答えの温度 |
| ② 動機・志望 | 茂原市で働きたいと思った理由を教えてください | この市を選んだ根拠が、具体的な中身を伴っているか |
| ③ 自己理解 | 周りからどんな人だと言われますか | 自己認識と他者からの見え方がつながっているか |
| ④ 経験・行動 | 知識のない仕事を任されたとき、どうしましたか | 調べる、聞く、確かめるという手順を踏めるか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んだことで、人に説明できるものはありますか | 相手の理解に合わせて話を組み立てられるか |
| ⑥ 適性・将来 | 少人数の職場で働くことをどう考えますか | 一人が広く受け持つ環境を現実的に捉えているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 高齢化について気になっていることはありますか | 数字の受け売りでなく、自分の見聞きした話があるか |
ただし、この7カテゴリーは茂原市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「茂原市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「茂原市役所ならでは」の質問
どちらも茂原市の現状を知らなければその場では答えようがない質問です。裏返せば、この市で働く意思を、事実に支えられた形で示せる場面でもあります。こうした質問に答えるための「茂原市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい茂原市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の位置 | 接する8団体のうち5つが長生郡の町村。一方で県都千葉市とも境を接している | 地理の説明で終えず、大きなまちと小さなまちの間という位置が、市の役割にどう関わるかまで考えて話します |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 市は保健師・社会福祉士・介護支援専門員・保育士 幼稚園教諭まで職種を置き、8万人規模で幅広い分野を自前で担っている | 県と市の違いを述べたうえで、暮らしの困りごとに直接手を伸ばす場所で働きたいという線に着地させます |
| 高齢化の現在地 | 住民基本台帳による令和8年1月1日現在の高齢化率は34.9%、75歳以上は20.8%。千葉県全体の27.6%・16.5%を大きく上回る | 県の推計を引くだけで止めず、市はすでにその段階にあるという前提で、移動や見守りの具体へ話を進めます |
| 市が求める勤務の意思 | 募集要項に「茂原市に勤務する意思のない方の受験、模擬試験代わりの受験は固くお断りします」と明記 | 気持ちの強さを訴えるのではなく、市のどの課題に関心があるかを具体的に挙げることで意思を示します |
| 働き方の実際 | 一般職の平均年齢42.8歳、1か月あたりの平均時間外勤務時間11.2時間、年次有給休暇の平均取得日数12.14日(令和7年4月1日現在の実績) | 条件の良さを志望理由にせず、こうした数字を公表する市の姿勢に触れたうえで、自分がどう働きたいかを述べます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1つか2つに絞り、事実から自分の問題意識、そして市職員として関わりたい仕事までを一息で話せる形にしておくことです。
想定される評価の観点
面接は、市が職員に期待するものに照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 人柄と性向 | 市が面接の内容を人柄・性向等と明記している以上、話の中身より態度や一貫性に目が向く場面がある | 飾らずに話すことを前提に、都合の悪い部分も含めて事実として説明できるよう整理しておく |
| 知らない仕事への向き合い方 | 少人数で幅広く担う市では、未経験の業務をどう進めるかという場面の話が効いてくる | 初めてのことを任された経験を一つ選び、誰に何を聞き、どこまで自分で調べたかを順に話せるようにしておく |
| この市で働く意思 | 募集要項が勤務の意思を明記している以上、志望の本気度は必ず確かめられる | 市外の出身であっても、関心のある課題と、生活者としてどう関わりたいかを具体的に言えるようにしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。茂原市は人柄を見る個別面接が二度ありますから、話の細部まで一致していることが前提になります。
細部まで二度とも一致させたいのであれば、借り物ではなく実体験に根ざした答えを軸に準備してください。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 自分が受ける区分の募集要項を読み、第1次試験の科目と、テストセンターの会場・日程の選び方を確認する
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- この記事の第1部を読み返し、茂原市の高齢化率・位置・働く条件のうち、志望分野に近いものを2つか3つ選んで自分の言葉に直す
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、茂原市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
茂原市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
茂原市の試験は、テストセンターで基礎能力と適性を測ったあと、人柄と性向を見る個別面接を二度重ねる形です。提出する書類が写真とフォームの入力だけということは、あなたを説明する材料が、その場の言葉のほかにないということでもあります。
市民の3人に1人が65歳以上という8万人のまちで、自分は何をしたいのか。募集要項が勤務の意思を求めているのですから、その問いに具体で答えられる状態を、面接の日までに作っておいてください。