松戸市消防局を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴基礎データ管轄地域の災害リスク消防課題重点方針)と、面接本番の流れ想定される質問評価の観点を、1ページに整理しました。

松戸市消防局の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ松戸市消防局なのか」「24時間勤務という働き方をどう理解しているか」といった、交替制勤務という働き方そのものへの理解を前提とする質問が想定されます。上級・初級あわせて25名程度という大きな採用枠の意味まで踏まえておくと、他の受験者と違う厚みのある説明ができるようになります。

52万人近い人口を単独で支える組織の規模と、働き方の制度そのものを理解したうえで、自分の経験と松戸市消防局の仕事との接点を、面接での回答にひとつずつ、丁寧に、着実に落とし込んでいきましょう。

第1部|組織研究編

松戸市消防局の特徴

採用予定人数の規模からも、この局が置かれている状況が見えてきます。まずは松戸市消防局の全体像を確認しておきましょう。

人事課が実施する市の職員採用試験の一区分として位置づけられている点も、最初に押さえておきたい前提です。

  • 松戸市消防局は、人口約50万人の松戸市を単独で管轄する市直営の消防局である。消防職の採用は、松戸市が実施する令和8年度(第2回)職員採用試験の一区分として行われる。
  • 試験区分は消防職の上級(符号S)と初級(符号T)の2区分で、募集人数は上級・初級を合わせて25名程度という大きな規模である。
  • 消防吏員は525人(うち女性25人・令和7年4月1日現在)で、令和6年中の出動件数は火災130件・救急31,585件・救助613件である。
  • 消防局の所在地は松戸市松戸新田114-5である。
  • 毎日勤務者(交替制ではない勤務形態の職員)に限り、令和8年10月1日からフレックスタイム制の導入が予定されている。
  • 最終合格者は原則として全員が採用され、採用候補者名簿に登載されたうえで、欠員の状況に応じて順次採用される仕組みが取られている。

単独の市消防局としては規模の大きい部類に入り、令和8年度は25名程度という比較的大きな採用枠が設けられています。フレックスタイム制の導入という働き方の見直しが進んでいる点も、この局を理解するうえで押さえておきたい特徴です。

50万人近い人口を支える体制と、制度の見直しが同時に進んでいるという状況を、志望動機の中でどう位置づけるかが準備の出発点になります

松戸市消防局の基礎データ

50万人規模の都市を1つの消防局が受け持つと、数字はどう見えるのか。松戸市消防局が単独でどれだけの人口・仕事量を支えているかを、次の表から読み取ってみてください。

項目内容
管轄市松戸市(単独)
管内人口約50.2万人(住基人口・令和8年1月1日現在501,850人)
消防吏員数525人(うち女性25人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数130件(令和6年中)
救急出動件数31,585件(令和6年中)
救助出動件数613件(令和6年中)
令和8年度(第2回)採用予定消防職上級・初級あわせて25名程度
初任給(地域手当込み)大学卒266,200円・高校卒234,410円(令和8年4月現在)

消防吏員数・出動件数は総務省消防庁が公表する全国の消防本部データによります(吏員数は令和7年4月1日現在、出動件数は令和6年中)。管内人口は住民基本台帳に基づく人口・人口動態及び世帯数(令和8年1月1日現在)による松戸市分の数値です。全国の消防本部データ|松戸市消防局

救急31,585件が意味する仕事量

火災出動が年間130件であるのに対し、救急出動は31,585件と桁が二つ違います。吏員525人という体制で、1日あたり平均80件を超える救急出動に応じている計算になる規模です。

松戸市の高齢化率は25.7%、75歳以上の人口が占める割合は15.7%(いずれも住基令和8年1月1日現在)で、今後も救急需要が増えていくことが見込まれます。

約50万人という人口規模を踏まえると、救急・火災・救助のいずれの活動も相応の件数に上ることが基礎データからうかがえます

「松戸市消防局は500人あまりの体制で、年間3万件を超える救急に対応していると聞きました。人口50万人規模の都市を単独で支えているからこそ、救急体制の維持がとても重要な課題なのではと感じています」

管轄地域の特性と災害リスク

東京に隣接する住宅都市

  • 松戸市は千葉県の北西端に位置し、江戸川を挟んで東京都と隣接する。
  • 都心へのアクセスの良さから住宅都市として発展し、県内でも人口規模の大きい自治体のひとつである。
  • 市域は江戸川沿いの低地から台地まで広がり、都市化が進んだ市街地が大部分を占める。

松戸市の高齢化率25.7%(住基令和8年1月1日現在)は、千葉県全体の約28%(千葉県が公表する高齢者人口統計・2026年時点)を下回っており、県内では年齢構成の若い側に位置します。(参考:千葉県の高齢者人口

二十世紀梨発祥の地としての歴史

松戸市は、明治時代に市内で発見された梨の木が「二十世紀梨」という品種の起源になったことで知られています。農地から住宅都市へと姿を変えてきた歴史そのものが、現在の松戸市の都市構造の土台になっているという点は、この土地の成り立ちを理解するうえで押さえておきたい背景です。

かつて広がっていた農地の多くは宅地化が進み、現在では住宅が密集する市街地が市域の大部分を占めています

内陸直下型地震のリスク

千葉県地震被害想定調査(令和8年5月26日公表)の「千葉県北西部直下地震」(Mw7.3、最大震度6強)は、全県で全壊・焼失建物約76,000棟、死者約2,400人、避難者約87.2万人(2週間後)と想定している、県北西部を中心とした地震です。

江戸川に隣接し東京都心に近い松戸市は、この内陸直下型地震の想定範囲に含まれる地域にあたります。

これらは調査に基づく想定値であり、過去に実際に生じた被害の記録ではありません。面接で触れる際は、どちらの話をしているのかを明確にしましょう。(出典:千葉県地震被害想定調査

人口密集地における住宅密集のリスク

住宅都市として発展してきた松戸市は、市街地に住宅が密集するエリアを抱えています。人口約50万人という規模の都市を単独で管轄する消防局にとって、地震発生時の同時多発火災や避難行動の混雑にどう備えるかは、都市の成り立ちそのものと結び付いた課題だと言えます。

江戸川に沿った低地部分では、地震による揺れの影響が周辺の台地部分と異なる可能性もあり、地域ごとの特性を踏まえた備えが求められます

松戸市の主な消防課題

50万人規模の住宅都市を単独で支える体制と、比較的若い年齢構成。この2つが重なるところに、この局が抱える課題が現れます。

基礎データと地域の姿から、次の4つを取り上げます。

救急需要の増加

救急出動は全国的にも増え続けており、令和6年中は771万8,380件と集計開始以降の最多を更新しました。

松戸市消防局の令和6年中の救急出動31,585件は、火災出動130件と比べて桁が二つ違い、全国と同じ増加基調の中に置かれています。人口約50万人という規模を踏まえると、今後も救急需要の増加が続くことが見込まれます(出典:令和7年版 救急・救助の現況

大規模災害への備え

千葉県北西部直下地震のような内陸直下型地震が起きれば、525人という体制だけでは対応しきれない場面が想定されます。その不足を全国規模で補うために設けられているのが緊急消防援助隊で、全国の消防本部の約99%にあたる718本部から6,661隊が登録されています(令和6年4月1日現在)

江戸川に近く東京都心にも隣接する立地を踏まえ、応援を受ける側・出す側の両方の立場を理解しておくことが、大規模災害への備えを語るうえでの土台になります

働き方の見直しと交替制勤務の両立

松戸市消防局の消防職は、原則として24時間の2交替制勤務です。毎日勤務者に限ってフレックスタイム制が令和8年10月1日から導入される予定であることから、交替制勤務を続ける現場の職員と、柔軟な働き方が広がる毎日勤務の職員が、同じ組織の中で併存していくという構造が見えてきます。

どちらの働き方にも対応できる組織運営が、これからの課題になります。交替制勤務は8時30分から翌日の8時30分までを1回の勤務とし、1週間あたり平均38時間45分・4週間ごとに8日(4勤務)が週休日という制度で運用されています。

人材確保と女性消防吏員の活躍

消防吏員525人のうち女性は25人で、割合は約4.8%です。全国平均は約3.8%(消防吏員168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)ですから、これを上回る水準にあります。25名程度という令和8年度の採用規模を踏まえると、この水準を維持・向上させながら、幅広い人材を確保していくことが今後の課題になります。(参考:女性消防吏員の活躍推進|消防庁

重点方針|働き方の見直しと組織体制

松戸市消防局は、独自の運営方針や基本理念にあたる文書を、2026年9月時点で公式には公表していません(当研究会調べ)。そのかわり、毎日勤務者へのフレックスタイム制導入という制度変更そのものが、組織が今どこに力を入れているかを物語っています。

令和8年度(第2回)採用試験では、上級・初級あわせて25名程度という規模の採用が予定されており、最終合格者は原則として全員が採用候補者名簿に登載されます。

名簿の登載期間は令和10年4月1日までとされ、卒業のタイミングに応じて令和9年4月より前に採用されることもあります。まとまった人数を計画的に受け入れながら、柔軟な働き方も同時に整えていこうとする姿勢がうかがえます。

既に学校等を卒業している人は、令和9年4月より前に採用されることもあるとされており、採用時期についても一定の柔軟性を持たせた運用がなされています。(出典:令和8年度(第2回)松戸市職員採用試験受験案内〔消防職〕

あわせて確認したい公式資料

次の2点のうち、受験案内は申込方法や試験内容、提出書類を確かめるために、消防局のページは日々の活動や統計をつかむために活用してください。

  • 令和8年度(第2回)松戸市職員採用試験受験案内〔消防職〕
  • 松戸市消防局の公式ページ

受験案内には健康診断書の提出や電子申請の手順など、実務的な準備事項が細かく示されています。申込を始める前に一度目を通し、必要な書類や検査の項目を早めに確認しておきましょう。

第1次・第2次いずれの不合格者にも、順位及び総合得点を本人が来庁して確認できる制度がある点も、あわせて知っておくと安心です。電話やはがきでの請求、代理人による請求はできない点にも注意が必要です。

なお、ここまでの内容は、そのまま覚えれば知識にはなります。ただ、面接で問われるのは知識の量ではなく、その知識を自分の話として差し出せるかどうかです。

制度の説明で止まってしまえば、次の一問で行き詰まります。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、松戸市消防局専用の面接想定問答集をご用意しています。この局の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

松戸市消防局の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

松戸市消防局の面接の概要

ここからは、松戸市消防局の試験の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公表されている資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

健康診断書の提出まで求められる試験だからこそ、手続き面の準備も早めに進めておくことが大切です。上級・初級という2つの試験区分があるため、自分がどちらに該当するかも最初に確認しておきましょう。

採用試験の流れ

採用試験は松戸市の人事課が令和8年度(第2回)試験として実施しており、第1次試験(択一式教養試験・作文・適性検査)、第2次試験(適性検査・体力検査・個人面接)の2段階で構成されています。

適性検査はテストセンターではなくWeb受検の方式で、電子申請に登録したメールアドレスに受検案内が届き、指定期間内に各自のパソコンやスマートフォンで受検します。会場に足を運ぶテストセンター方式と異なり、受検の日時・場所を自分で選べる分、体調や環境を自分で整える意識が求められます

項目内容(令和8年度第2回・消防職上級・初級)
実施主体松戸市総務部人事課が第2回試験として実施
採用予定人員上級・初級あわせて25名程度
試験の段階第1次試験(択一式教養試験・作文・Web適性検査)、第2次試験(適性検査・体力検査・個人面接)の2段階
面接の種類個人面接(第2次試験で実施。集団面接・集団討論の記載は受験案内になし)
提出書類第1次試験合格者は健康診断書を第2次試験集合時に提出(身長・体重・腹囲・視力・聴力・血圧・尿検査・胸部レントゲン・心電図・糖代謝・貧血・脂質代謝・肝機能等の項目)
申込方法松戸市オンライン申請システムによる電子申請のみ

上記の内容は、2026年9月時点で松戸市が公表している令和8年度(第2回)職員採用試験受験案内〔消防職〕にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の受験案内をご確認ください。

健康診断書の検査項目には、現在治療中の病気や既往歴、自覚・他覚症状の有無といった項目も含まれています。単に検査を受けて終わりではなく、自分の健康状態を正確に把握し、必要な準備をしたうえで受診することが求められる項目だと理解しておきましょう。

あわせて、電子申請システムに登録する顔写真データは、面接試験の際の履歴書用の写真としても使用されます。

松戸市消防局が求める人材

松戸市は、消防職の受験案内において「求める人物像」という言葉そのものは使っていません(2026年9月時点・当研究会調べ)。このような場合に軸となるのが、コンピテンシー評価という考え方です。

応募者が実際にとった行動を掘り下げて質問し、その内容から入庁後の再現性を確認しようとする手法で、公務員試験の面接で広く採用されています。あわせて、吏員525人という規模の組織で、現場の実働だけでなく、査察や指導といった行政的な業務にも幅広く対応できるかという視点が、評価のポイントになり得ます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。松戸市消防局の面接も、この見取り図をもとに準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はここまでどのように来ましたか?本題に入る前のやりとりに、その人らしい話し方が出ます
② 動機・志望なぜ松戸市消防局を志望するのですか?消防官という仕事と、この土地で働くことを、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解自分の短所をどう受け止めていますか?自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動目標に向けて努力した経験を教えてください過去の行動の事実。粘り強さが現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴学生時代に最も打ち込んだことは何ですか?物事への向き合い方と、続けてきた期間から見える粘り強さ
⑥ 適性・将来体力検査に向けて、どんな準備をしていますか?交替制勤務と現場活動を続けるための体力面での自己管理
⑦ 公共性・社会性消防官という公務員に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

7つのカテゴリーを一通り確認したら、次は松戸市消防局ならではの固有質問に移ります。ここで組織の規模や制度をどれだけ具体的に語れるかが、他の受験者との差になります。

25名程度という採用規模だからこそ、他の受験者と横並びの答えにならないよう、自分の言葉で語る準備が欠かせません

合否を分けるのは固有質問への準備

「数ある公安系の仕事の中で、なぜ消防官を志望したのですか?」
「松戸市消防局は上級と初級をあわせて25名程度という大きな枠で募集していますが、この規模をどう受け止めていますか?」

1問目は職業選択の理由を、2問目はこの局ならではの採用規模への理解を確かめています。単なる暗記ではなく、なぜこの規模の採用が行われているのかまで考えたうえで答えられるかが問われる質問です。

答えを組み立てる材料を、採用の規模に関わるものから順に挙げていきます。

質問テーマ知っておきたい松戸市消防局の事実答え方のヒント
採用規模の大きさ令和8年度第2回試験の採用予定は上級・初級あわせて25名程度(詳細は第1部1章・2章)大きな採用枠の中で自分がどう貢献したいかを具体的に語れます
働き方の見直し毎日勤務者に限り、令和8年10月1日からフレックスタイム制が導入される(詳細は第1部4章・5章)組織が働き方の多様化にも取り組んでいることへの理解を示せます
救急需要の実態令和6年中の救急出動は31,585件で、火災出動130件と桁二つの差がある(詳細は第1部2章・4章)救急を軸に、この局の業務量への理解を伝えられます
内陸直下型地震のリスク千葉県北西部直下地震では全県で死者約2,400人、避難者約87.2万人と想定されている(詳細は第1部3章)あくまで想定値である点を押さえたうえで、備えの必要性を語れます
試験の構成2段階制で、第2次試験に適性検査・体力検査・個人面接が置かれる(詳細は第2部1章)健康診断書の提出まで含めた準備の周到さを示せます

5つを網羅する必要はありません。自分の経験に引き寄せられるテーマを1つか2つ選び、局の事実を起点に、自分が何を課題と受け止め、消防吏員として何に取り組みたいのかまで、ひと続きで話せる状態にしておきましょう。

なぜそのテーマを選んだのかを言えるようにしておくと、答えに芯が通ります。

想定される評価の観点

松戸市は消防職について、試験の段階と種目までは公表していますが、各段階の配点や求める人物像までは明らかにしていません。第1次に教養・作文・適性検査、第2次に適性検査・体力検査・個人面接を置く構成からは、知識・体力・人物のそれぞれを別の角度から確かめようとする組み立てだと読み取れます。

第1次・第2次のいずれの不合格者にも総合得点・順位が開示される制度があることからも、選考プロセス自体は一定の透明性を持って運用されていると考えられます。

作文試験が第1次に置かれている点からも、文章による表現力も評価の一部に組み込まれていると考えられます

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
業務への幅広い適応力現場活動だけでなく、査察や指導といった行政的な業務にも対応できるか特定の分野だけでなく、幅広い経験を積む意欲を言葉にしておく
体力面の裏付け第2次試験の体力検査を見据えた準備を計画的に進めているか始めた時期と、そこからの変化を数字や頻度で語れるようにしておく
組織規模への理解50万人規模の都市を単独で支える組織の一員としての自覚があるか大きな組織の中で自分がどう貢献したいかを具体的に語れるようにする

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

松戸市消防局のように面接が第2次の1回に集約されている場合は、その1回でどこまで踏み込まれても答えられるかが問われます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでに集めた材料を、申込から本番までの流れに沿って並べ直します。

  1. 令和8年度(第2回)職員採用試験受験案内〔消防職〕を読み、試験区分(上級・初級)と提出書類(健康診断書等)を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、目標に向けて努力を続けた具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。第2次試験の体力検査に向けたトレーニングも並行して進めておく

健康診断書は第1次試験合格後に取得する必要があるため、ステップ1の段階で受診できる医療機関や検査項目を確認し、早めに準備の見通しを立てておきましょう。申込時に登録する顔写真データがそのまま履歴書用の写真として使われる点も、忘れずに確認しておきたいポイントです。

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。25名程度という採用枠の大きさを知っている状態と、その枠の中で自分が選ばれる理由を語れる状態は、別のものです

悪い例「採用予定が25名程度と多いので、受かりやすそうだと思って志望しました」

改善例「学生時代、部活動でチームの目標に向けて粘り強く努力を続けた経験があります。松戸市消防局が年間3万件を超える救急に対応していると知り、その体制を支える一員として、地道な努力を積み重ねていきたいと考えています」

健康診断書の準備を含めて、この試験は手続きの工程が複数あるからこそ、早めの着手が結果につながります。

なお、面接対策を独学で最短ルートで仕上げたい場合は、松戸市消防局専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

質問ごとに、回答例と、その質問で確かめられていること、そして評価を落としやすい答え方までを並べて示しています。

第2次試験に適性検査・体力検査・個人面接がまとまって置かれる構成ですから、面接の骨組みを早い段階で固め、体力面の調整とあわせて仕上げていくと安心です。健康診断書の準備と面接対策を同時並行で進めることで、直前期に慌てずに済みます

松戸市消防局の想定問答集を見る

さいごに

松戸市消防局は、約50万人が暮らす松戸市を単独で管轄する消防局です。上級・初級あわせて25名程度という大きな採用枠、毎日勤務者へのフレックスタイム制導入、そして健康診断書の提出まで含む丁寧な選考プロセスは、この局を志望するうえで押さえておきたい特徴です。

試験は第1次の教養試験・作文・Web適性検査に続いて、第2次に適性検査・体力検査・個人面接が置かれる2段階です。面接では、大きな採用枠の中で自分がどう貢献したいかを、具体的な経験にもとづいて説明できるようにしておきましょう。

第1次・第2次いずれの不合格者にも結果が開示される制度がある点は、選考の透明性という観点からも押さえておきたい事実です

年間3万件を超える救急に対応してきた組織の一員として、吏員525人が支えてきた体制に、自分の経験と努力を積み重ねながら近づいていきましょう。健康診断や体力検査の準備も、面接対策と同じ熱量で進めていくことが大切です。

二十世紀梨発祥の地から住宅都市へと姿を変えてきたこの土地で、消防官として何を担いたいのかを、自分の言葉で語れるように、一つずつ準備を積み上げていきましょう