本記事では、千葉市職員採用試験の面接対策で必要な、千葉市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

千葉市役所の面接試験では、「なぜ千葉市を志望したのか」「市職員としてどんな仕事に取り組みたいのか」「これまでの経験を市政でどう活かせるのか」といった質問が想定されます。千葉市の上級試験では、人物を見る試験に何点が配分されているかまで公表されています。どこにどれだけ時間を使うかを、数字から逆算して決められます。

本記事の掲載内容を参考に、自分の関心と千葉市政の接点を整理し、面接での回答づくりに役立ててください。

第1部|自治体研究編

千葉市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは千葉市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 1992年4月1日に政令指定都市へ移行した、千葉県内で唯一の政令指定都市である。政令指定都市は地方自治法で「政令で規定する50万以上の市」と定められ、他の市町村より多くの権限や財源を持つ(全国20市)。
  • 人口は986,605人、世帯数は484,154世帯(令和8年1月1日現在)。中央区221,812人、花見川区177,477人、稲毛区160,614人、美浜区155,403人、若葉区144,139人、緑区128,138人の6区で構成される。
  • 令和7年国勢調査の速報値では994,970人で、令和2年の974,951人から20,019人(2.1%)増えた。人口100万人に手が届く位置まで来ている
  • 市長は令和8年第1回市議会定例会の提案理由で、令和7年中は約8,700人の社会増となり、全ての世代において転入超過となったほか、出生数も増加したと述べている。
  • 幕張新都心には約600社の企業が活動し約6万人が就業する。幕張メッセやZOZOマリンスタジアムが立地し、年間約4,800万人が来訪する。
  • 加曽利貝塚(若葉区)は平成29年に国の特別史跡へ指定された。市内には約120か所の貝塚がある。市の花はオオガハス、市の木はケヤキ。
  • 面積は271.76km²で、市域面積は県内第3位。延長約42kmの海岸線と13の河川を擁し、緑被率は48.6%(令和2年)である。
  • 2026年6月1日、市は千葉開府900年の節目を迎えた。記念式典や記念まつり、記念パレードのほか、まちの成り立ちを解説する授業を全ての市立小中学校等で一斉に行う取組みが令和8年度を通じて進められている。

千葉市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、「千葉市の大体のスケール感」を押さえておくことは重要です。

以下の表には、人口規模と6区の内訳、市域の広さ、年齢構成を並べました。千葉市がどのくらいの規模の都市なのかを、面接で一言で説明するための材料です。県全体の数値も、大きさの見当をつけるために添えています。

項目内容
総人口986,605人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総世帯数484,154世帯(令和8年1月1日現在)
行政区数6区(中央区・花見川区・稲毛区・若葉区・緑区・美浜区)
年少人口(0-14歳)108,330人(11.0%)
生産年齢人口(15-64歳)615,074人(62.7%)
老年人口(65歳以上)257,527人(26.3%)
総面積271.76km²(県内第3位の市域面積)
人口密度3,630人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体佐倉市、四街道市、習志野市、八千代市、八街市、東金市、大網白里市、市原市、茂原市
(参考)千葉県の総人口6,258,512人(令和7年10月1日現在・国勢調査速報値)
(参考)千葉県の面積5,156.48km²(全国第28位)

人口・世帯数・区別人口は令和8年1月1日現在、面積は令和7年10月1日に国土地理院が公表した値で、いずれも千葉市の職員採用パンフレットによります。年齢3区分別の人口は住民基本台帳に基づく令和6年3月末現在(総数980,931人)の値です。人口密度は住民基本台帳・令和8年1月1日現在による値です。千葉県の数値は千葉県公式サイトの統計によります。最新値は千葉市統計ポータルサイトであわせてご確認ください。

数字から読み取れる市政の論点

人口が増えている政令指定都市。そこだけを見ると、課題の少ない自治体に見えます。ただ、内訳を開くと話が変わります。

令和6年中の千葉市の人口増加は4,997人でしたが、その中身は自然動態が6,015人の減少、社会動態が11,012人の増加でした。出生者数は5,502人(前年比262人減)、死亡者数は11,517人(前年比441人増)です(出典:千葉市の人口動向|令和6年版

増えているのではなく、転入超過が自然減を打ち消して支えている人口だということです。

もう一つ、年齢の内訳です。住民基本台帳をもとにした集計では、令和8年1月1日現在の千葉市の高齢化率は26.3%、75歳以上の割合は16.0%です。

同じ集計による千葉県全体は27.6%・16.5%ですから、県平均をわずかに下回る水準にあります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在

なお、この住民基本台帳による数値と、国勢調査をもとに算出される高齢化率は調査そのものが異なります。数字が近く見えても、並べてそのまま比較することはできません。

千葉市基本計画は、総人口が2020年代前半をピークに減少へ転じ、高齢者人口は2045年頃まで継続的に増加する見通しを示しています。面接では、次のように人口の話を組み立てられます。

「千葉市の人口は100万人に近づいていて、去年も8千人を超える社会増があったと聞きました。ただ中身を見ると、生まれる方より亡くなる方のほうが多い状態が続いていて、転入で支えられている人口なのだと思います。だからこそ、選ばれる理由をどう保つかと、増えていく高齢の方の暮らしをどう支えるかを、同時に進める必要があるのではと感じています」

千葉市の経済・産業

幕張新都心という県内随一のビジネス拠点

千葉市の経済を語るときに外せないのが幕張新都心です。約600社の企業が活動し、約6万人が就業しています。国際的な業務機能、本社機能、先端産業の研究開発機能が集まり、年間約4,800万人が訪れるエリアです。

核となるのは国際的なイベントや会議が開催される幕張メッセで、千葉ロッテマリーンズの本拠地であるZOZOマリンスタジアムも立地しています(出典:千葉市企業立地ガイド(幕張新都心地区)

企業誘致やにぎわいづくりを志望動機に置くなら、この地区が具体的な舞台になります。

働く場所と住む場所が同じ市内にある

千葉市の経済的な性格を一つの数字で示すなら、昼夜間人口比率98.1%です。千葉市基本計画によれば、この値は首都圏の政令指定都市で最も高く、地域経済循環率も87.2%と相対的に高い水準にあります。

市民の通勤先は市内が過半数(約59%)を占めます(出典:千葉市基本計画|令和5〜14年度

つまり昼と夜で人口がほとんど変わらない、職住近接型の政令指定都市だということです。これは経済統計の話にとどまりません。

平日の昼間も市民が市内にいるということは、保育や介護、地域の見守りといった行政サービスの需要が、都心へ通勤する住宅都市とは違う形で市内に立ち上がることを意味します。市政の仕事を考えるときの前提として押さえておきたい数字です。

千葉県の産業構造の中での位置

県全体の産業も知っておくと、市の話に奥行きが出ます。千葉県では京葉臨海地域に石油精製・石油化学・鉄鋼などの素材産業がコンビナートを形成しており、製造品出荷額等は約15兆8,925億円で全国第6位(2023年経済構造実態調査)。

年間商品販売額は約13兆3,998億円で全国第9位(2022年同調査)、農業産出額は4,029億円で全国第4位(令和5年)です(出典:千葉県の産業|経済構造実態調査ほか

素材産業も商業も農業も全国上位に並ぶ県で、千葉市はその県庁所在地にあたります。市の話をするときも、この県の産業の広がりを背景として押さえておくと、説明に厚みが出ます。

交通の結節点という立地

千葉市は首都東京まで約40kmの地点にあり、JRを使えば東京から千葉まで総武線快速で約39分、東京から海浜幕張まで京葉線快速で約28分です。成田国際空港と、東京湾アクアラインの接岸地である木更津市からは、それぞれ約30kmの距離にあります。

市内には千葉都市モノレール(愛称タウンライナー)が走り、営業距離15.2kmは懸垂型モノレールとして世界一の長さとしてギネス世界記録に登録されています。

空港の側でも変化が進んでおり、成田空港では2028年度末の供用開始を目指してC滑走路の新設とB滑走路の延伸が進み、年間発着枠を50万回へ拡大する計画です。県内の人とものの流れが変われば、その結節点にある千葉市の役割も変わります。

千葉市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、千葉市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

増加局面の終わりをどう迎えるか

千葉市基本計画は、2040年を展望した重要な社会変化として、総人口が2020年代前半をピークに減少へ転じ、高齢者人口が2045年頃まで増加し続ける人口構造の変化を挙げています。市長も提案理由で、本市においても近い将来、人口減少へと転じることは避けられず、新たな局面を迎える歴史的な転換期にあるという認識を示しました。

増えている今のうちに、減る前提の仕組みへ切り替えられるかが問われている局面です。開府900年という節目を、その切り替えの起点にすると位置づけているのが今の市政です。

政令指定都市の中では重い財政指標

令和6年度決算に基づく実質公債費比率は10.4%で、政令指定都市20市の中では17位。他の政令市の平均は6.5%です。

将来負担比率は120.1%で同16位、他の政令市の平均は63.3%となっています。いずれも早期健全化基準(実質公債費比率25.0%・将来負担比率400.0%)は下回っているものの、政令市の中では下位に位置します(出典:千葉市の財政の現状|令和6年度決算

令和8年度の当初予算は一般会計5,417億円(前年度比1.7%減)、特別会計4,792億6,900万円、合計1兆209億6,900万円(合計で前年度比1.0%増)です。市長は限られた行財政のリソースを「今」真に必要な事業に重点的に活用すると述べています。

何をやるかと同じ重さで、何を見直すかを判断する仕事が市職員に求められる、ということです。

大規模地震と高潮への備え

千葉市地震ハザードマップは、マグニチュード7.3・震源が千葉市役所付近の「千葉市直下地震」を想定して、市内の想定震度や建物被害を示しています。

県が令和8年5月26日に公表した地震被害想定調査では、千葉県北西部直下地震(モーメントマグニチュード7.3・最大震度6強)について、全壊・焼失建物約76,000棟、死者約2,400人、避難者約87.2万人(2週間後)と県全体で想定されています(出典:千葉県地震被害想定調査|令和6・7年度

令和8年度は、想定最大規模の高潮に備えた新たな避難計画の策定、雨水対策重点地区での雨水管や雨水貯留槽の整備、下水道の重要幹線・処理場等の耐震化、指定避難所への持ち運び可能な蓄電池の整備などが進められます。

海岸線を42km持ち、6つの区で地形も市街地の成り立ちも異なる市ですから、防災を語るなら市全体の平均ではなく、自分が関わりたい地区の想定まで確かめておきたいところです。

開府900年を機に動き出す都市の作り直し

令和8年度の市政では、長期的な視点で「今」から着手すべきプロジェクトとして、新湾岸道路をはじめとする広域道路ネットワークの整備、千葉駅周辺の再整備、千葉マリンスタジアムやアルティーリ千葉の新アリーナ、市民会館などの整備が並びます。千葉駅周辺については「千葉駅周辺の活性化グランドデザイン」の改定作業が進み、令和8年5月には一部改定案の市民意見募集が始まりました。

交流を生み出し、雇用や消費といった経済効果をもたらす都市基盤をどう具体化するかが、この数年の千葉市の主題です。まちづくりや経済分野を志望するなら、名称を覚えるだけでなく、なぜ今この順番で進めるのかを考えておきましょう。

千葉市の重点政策|千葉市基本計画

千葉市の市政運営の最上位にある計画が「千葉市基本計画」(計画期間は令和5年度から令和14年度までの10年間)です。基本構想の基本理念は「人間尊重・市民生活優先」、基本目標は「人とまち いきいきと幸せに輝く都市」。

そのうえで、10年後に目指す千葉市の姿(未来像)として「みんなが輝く 都市と自然が織りなす・千葉市」が掲げられています。この計画は人口ビジョンと総合戦略を兼ねています。

4つの戦略的視点

未来像を実現するための道筋として、計画は4つの戦略的視点を置いています。「100年先に引き継ぐ 持続可能なまちづくり」「ゆとりを生み・活かす 創造的なまちづくり」「世界とつながる 多様性を活かした インクルーシブなまちづくり」「都市機能の集積を活かした 地域経済・社会の活性化」の4つです。

都市空間の将来像としては「千葉市型コンパクト・プラス・ネットワーク」を掲げ、人口減少や少子高齢化が進行しても安心して暮らし続けられる姿を目指すとしています。

まちづくり総合8分野

施策は8つの分野に整理されています。志望する仕事がどこに位置づくのかを確かめておきましょう。

分野分野の目標
1 環境・自然気候変動に対応し、豊かな自然と共生する持続可能なまちを実現します
2 安全・安心災害など様々なリスクに対応し、安全・安心に暮らせるまちを実現します
3 健康・福祉みんながいきいきと、健やかに安心して暮らせるまちを実現します
4 子ども・教育夢と思いやりの心を持ち、未来を拓く子どもたちが育つまちを実現します
5 地域・社会多様性を力に、みんなでまちづくりを進める地域社会を実現します
6 文化芸術・スポーツ市民の文化芸術・スポーツ活動が広がる、創造性豊かなまちを実現します
7 都市・交通市民の快適な暮らしと活発な交流を支える、魅力と愛着が感じられる都市を実現します
8 地域経済地域経済を支える産業や人材が育ち、新たな価値が生まれるまちを実現します

令和8年度の市政運営のポイント

令和8年度の予算編成では、新たに策定する第2次実施計画の初年度として計画事業の着実な推進を図ることと、持続的な財政運営に資する取組みを実施することの2点が基本方針とされました。

まず取り組む事業として市長が挙げたのは物価高対策で、下水道使用料は6か月間、基本使用料と10立方メートルまでの従量使用料を無料とし、市営水道エリアでは基本料金と従量料金をそれぞれ2割減免します。

分野別では、子ども・教育に関わる事業が目を引きます。給食費は食材料費の高騰分を交付金で負担して保護者の負担額が変わらないようにし、「こども誰でも通園制度」の実施施設を拡充し、待機児童ゼロを継続するための民間保育園などの整備を進めます。

市立学校体育館への冷暖房設備の設置も予定されています。交通の分野では、路線バス事業者と運転手養成への支援、デマンド型交通の本格運行が挙げられました。

暮らしを支える事業と、都市の作り直しを同時に走らせているのが令和8年度の姿です。

POINT|8分野をすべて覚える必要はない

分野の名称を暗記することが自治体研究の目的ではありません。関心のある分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②市はどんな状態を目指すか → ③今どんな事業をしているか → ④千葉市だからこそ担える役割は何か → ⑤自分の経験をどう生かせるか」の順で調べていきましょう。

悪い例「千葉市の子育て支援に携わりたいです」

改善例「まずは窓口の仕事で、市民の方の相談を直接うかがうところから始めたいです。その上で、千葉市は待機児童ゼロを続けながら通園の制度も広げていますので、預ける場所を増やすだけでなく、必要な人に情報が届くようにする仕事に関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 千葉市職員採用試験の受験案内と試験概要(最新年度・千葉市人事委員会)
  • 千葉市基本計画(概要版パンフレット)
  • 令和8年第1回市議会定例会の市長提案理由(千葉市では、これが実質的な施政方針にあたります)
  • 千葉市スマートシティ推進ビジョン、千葉市行政デジタル化推進指針(行政のデジタル化は論文でも出題されています)
  • 都市アイデンティティ戦略プラン(加曽利貝塚・オオガハス・千葉氏・海辺の4資源)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、千葉市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。千葉市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

千葉市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

千葉市役所の面接の概要

ここからは、千葉市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。なお、千葉市の採用試験を実施しているのは千葉市人事委員会です。市長部局の人事課とは別の組織が試験を運営しています。

二段階選抜と、公表されている配点

令和8年度の上級・資格免許職(上級相当)は、第一次試験と第二次試験の2段階で、第三次試験は設けられていません。事務(行政A)を例に、構成を整理します。

項目内容(令和8年度・上級・事務(行政A))
試験の段階二段階選抜。第一次試験 → 第二次試験。第三次試験は設けられていません
第一次試験教養試験(択一式55問中45問選択解答・150分)と専門試験。筆記試験の成績で対象者を決めたうえで「面談試験」を実施
面談試験主として人物、性格等についての個別面談。態度、表現力、積極性、協調性、ストレス耐性等に着目
第二次試験論文試験(記述式60分・800字程度)、適性検査、面接試験(個別面接)。適性検査の結果は面接試験の参考とされます
配点第一次=教養試験100点+専門試験100点+面談試験200点=400点/第二次=論文試験50点+面接試験150点=200点
最終合格の決め方試験概要に「最終合格者は、第二次試験の結果により決定し、第一次試験の成績は反映されません」と明記
集団形式事務(行政B)のみ、第一次試験で集団討論試験を実施。行政Bの配点は第一次=教養試験100点+集団討論試験200点=300点、第二次=自己PR論文試験50点+面接試験150点+語学加算10点=210点。事務(行政A)に集団討論はありません
提出書類面接カードにあたる書類は上級の試験概要に記載がありません。申込みは電子申請で、いずれか1区分に限られます

上記は令和8年度千葉市職員採用試験(上級)の試験概要にもとづく事務(行政A)の内容です(出典:千葉市職員採用試験(上級)試験概要|令和8年度。試験の構成・日程・配点等は、年度や試験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

この配点表は、そのまま準備の設計図として使えます。第一次400点の半分を面談試験が、第二次200点の4分の3を面接試験が占めているからです。

しかも最終合格は第二次試験だけで決まり、第一次の成績は持ち越されません。筆記の高得点は第一次の通過には効きますが、最後の順位には残らないということです。

そこから導かれる準備の順序は明確です。第一に、筆記は通過ラインを越えるところまで仕上げます。令和6年度の事務(行政A)では、筆記試験のボーダーラインは200点満点中100.00点でした。

第二に、200点を占める第一次の面談試験に備えます。ここは主として人物と性格を見る個別面談で、着眼点も公表されています。

第三に、最終合格を決める面接試験150点に、最も濃い準備を充てます。時間配分を筆記に寄せすぎると、配点の重い側が手薄になります

令和7年度の実施結果から読めること

数字の裏づけも見ておきましょう。令和7年度の実施結果は次のとおりです。

区分(令和7年度)採用予定申込受験第一次合格最終合格競争倍率
事務(行政A)65人363人287人188人113人2.5倍
事務(行政B)8人164人130人28人11人11.8倍
上級・資格免許職(上級相当)の合計各区分ごとに設定921人727人408人214人3.4倍

事務(行政A)では、受験287人のうち面談試験の対象者が224人、第一次合格が188人でした。第一次の合格最低点は400点満点中166.67点、最終合格の合格最低点は200点満点中102.00点です(出典:令和7年度千葉市職員採用試験実施結果

競争倍率2.5倍という数字だけを見ると穏やかに見えますが、最終合格の合格最低点が200点満点で102.00点であることの意味は小さくありません。面接150点の出来が、そのまま合否ラインの上下を決めているということです。

もう一つ、志望動機を組み立てるうえで知っておきたい数字があります。人事委員会は、令和5年度試験の合格者のうち市外在住者が約6割だったと公表しています。

千葉市に住んでいることは要件でも前提でもありません。市外から受ける人が多数派の試験だと分かっていれば、「住んでいるから」に頼らない志望理由を用意しておく必要が見えてきます。

千葉市役所が求める人材像

千葉市は、求める人材像として次の4項目を公表しています。

「千葉市への愛着と誇りを持ち、市民に信頼される職員」「多様な主体と連携し、共創する職員」「変化をとらえ、改革・改善に取り組む職員」「自ら成長し、組織目標達成に貢献する職員」の4つです。

面接でどこを見るかについても、人事委員会は説明しています。「態度、表現力、積極性、協調性などに着目し、千葉市をよりよくしていくために取り組んでいこうとする意欲やコミュニケーション能力などを重視して、職員としての資質に優れた方を積極的に評価しています」というのがその文言です。

人物像の4項目と、面接の着眼点。この2つを並べて読むと、市が何を確かめたいのかの輪郭が見えてきます。

公表されている文言はここまでです。以下は当研究会の編集的な見立てとして読んでください。

千葉市の職員は、6つの区役所で市民一人ひとりの手続きに向き合う仕事と、100万人に届こうとする都市の10年先を組み立てる仕事とを、同じ組織の中で行き来します。増えている今のうちに減る前提の仕組みへ切り替えるという課題も、その往復の上に乗っています。

こうした環境では、窓口で見聞きした一つの事例を制度の側の言葉に置き直せる人や、庁内外の相手を巻き込んで話を前に進められる人に、比重が置かれやすいのではないかと当研究会は見ています。

公表された4項目のうち「多様な主体と連携し、共創する」「変化をとらえ、改革・改善に取り組む」の2つは、まさにその往復に対応する記述だといえます。自己PRでは、自分が動いた結果として何が前に進んだのかまで話せるように準備しておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。千葉市の面談試験と面接試験も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイクここまでどうやって来ましたか身構えていない場面での話し方と表情
② 動機・志望民間企業ではなく市役所を選ぶ理由は何ですか職業選択の筋道が自分の経験とつながっているか
③ 自己理解自分の弱みを挙げて、どう付き合っているか教えてください弱みを認めたうえで対処まで語れるか
④ 経験・行動意見が違う相手と一つの結論を出した経験はありますか意見の対立をどう扱ったかという行動の中身
⑤ 学業・経歴学んできたことを、専門外の人に説明してください相手に合わせて言葉を選び直せるか
⑥ 適性・将来希望と違う区役所の窓口に配属されたらどうしますか異動や配属を前提とした組織で働く覚悟
⑦ 公共性・社会性最近気になった千葉市に関する出来事はありますか市への関心が日常のレベルで続いているか

ただし、この7カテゴリーは千葉市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「千葉市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「千葉市役所ならでは」の質問

「なぜ千葉県庁ではなく、千葉市役所なのですか」
「千葉市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

千葉市の試験では、こうした問いに答える機会が2度あります。第一次の面談試験と、第二次の面接試験です。

同じテーマを、別の面接官から角度を変えて問われる前提で用意しておく必要があります。以下では、答えるための「千葉市の事実」を面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい千葉市の事実答え方のヒント
人口の現在地令和8年1月1日現在の人口は986,605人。令和6年中の増加4,997人の内訳は自然動態が6,015人減、社会動態が11,012人増。基本計画は2020年代前半をピークに減少へ転じると見通す「増えている市」で止めず、増加の中身が転入超過であることまで言い切ると、統計を読んだ人の答えになります
なぜ県庁ではなく市役所か千葉市は政令指定都市として6つの区役所を持ち、市民に身近な窓口と、100万人規模の都市の企画を一つの組織で担っている県と市の一般論を並べるのではなく、区役所という現場を持つ組織で働きたい理由を、自分の経験に結び付けて話します
市の最上位計画「千葉市基本計画」(令和5〜14年度)。未来像は「みんなが輝く 都市と自然が織りなす・千葉市」で、まちづくり総合8分野に施策を整理やりたい仕事が8分野のどこに入るかを一言添えると、計画を読んだうえでの志望だと伝わります
財政の状況令和6年度決算の実質公債費比率10.4%は政令市20市中17位、将来負担比率120.1%は同16位。令和8年度当初予算の一般会計は5,417億円で前年度比1.7%減数値の暗唱ではなく、限られた財源の中で優先順位を判断する仕事だという理解を示すところまで進めます
開府900年と都市の再整備2026年6月1日に千葉開府900年。新湾岸道路への働きかけ、千葉駅周辺の活性化グランドデザインの改定、千葉マリンスタジアム再構築の基本計画策定などが進む記念事業の話に寄せず、節目を将来の都市基盤づくりの起点にしようとしている市の意図まで読み取って話します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1つか2つに絞り、事実から自分の問題意識、そして市職員として関わりたい仕事までを一息で話せる形にしておくことです。

想定される評価の観点

面接は、市が公表する人材像に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
千葉市への愛着と誇り市外在住の合格者が約6割を占める試験である以上、居住地ではなく関心の深さで確かめられる市の資料を読んで自分が引っかかった一点を用意する。開府900年でも幕張新都心でもよいので、なぜそこに関心を持ったかまで言えるようにしておく
多様な主体と連携し、共創する力公表された人材像の第2項目。立場の違う相手と一つの結論を作った経験が問われる合意に至るまでに自分が誰に何を働きかけたのかを、順を追って話せるようにしておく
変化をとらえ、改革・改善に取り組む姿勢第3項目。人事委員会が挙げる「積極性」の着眼点とも重なるやり方を変えた経験を一つ選び、変えた後に手間や時間がどう減ったかという結果まで添える

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。千葉市は人物を見る場が第一次と第二次で計2回ありますから、この傾向はより強く出ます。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 千葉市人事委員会の試験概要で、自分の受ける区分の段階構成と配点を確認する。申込みは1区分に限られるため、区分選びが最初の判断になる
  2. 筆記試験は第一次を通過する水準まで仕上げる。令和6年度の事務(行政A)では、筆記のボーダーラインは200点満点中100.00点だった
  3. 高校・大学生活の経験を棚卸しし、学業・課外活動・アルバイトから話せる具体例を1つずつ用意する
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る。第一次の面談試験と第二次の面接試験の両方で使う土台になる
  5. この記事の第1部と固有質問の対応表を読み返し、志望分野に近い事実を2つか3つ選んで、自分の言葉で説明できるようにする
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。論文試験(60分・800字程度)の練習も、考えを整理する材料になる

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。第二次の200点のうち150点が面接である以上、自分のことを語れない状態では点が伸びません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、千葉市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

千葉市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

千葉市役所の想定問答集を見る

さいごに

千葉市の上級試験は、配点が最初から見えている試験です。第一次400点のうち面談試験が200点、最終合格を決める第二次200点のうち面接試験が150点。そして最終合格は第二次だけで決まります。

この数字は、筆記を軽んじてよいという意味ではなく、筆記を通過ラインまで仕上げたあとの時間をどこへ回すかを教えてくれるものです。

人口が100万人に届こうとしながら、増加局面の終わりを見据えて都市を作り直しにかかっている市で、自分は何を担いたいのか。開府900年を経て次の100年へ向かう時期に市役所へ入る世代として、その答えを面談試験と面接試験の2度にわたって語れるところまで、準備を進めていってください。