本記事では、流山市職員採用試験の面接対策で必要な、流山市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
流山市役所の面接試験では、「なぜ流山市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みを市政のどこで活かせるのか」といった質問が想定されます。流山市は人材育成基本方針で目指す職員像を掲げ、それを4つの「C」に分けて言語化しています。
どんな職員になってほしいかが、頭文字4つで整理されている市です。
本記事の掲載内容を参考に、自分の経験と流山市政の接点を整理し、面接での回答づくりに役立ててください。
第1部|自治体研究編
流山市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは流山市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口は214,972人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積は35.32km²、人口密度は6,086人/km²である。
- 接しているのは松戸市、柏市、野田市と、埼玉県の三郷市・吉川市の5自治体。接する相手の2つは埼玉県の市である。
- 住民基本台帳による令和8年1月1日現在の集計で、高齢化率は22.1%、75歳以上の割合は13.6%。県全体の同じ集計(27.6%・16.5%)をいずれも大きく下回る。
- 市役所は〒270-0192 千葉県流山市平和台1丁目1番地1に置かれている(団体コード12220-3)。
- 市の花はツツジ、市の木はツゲである。
- 人材育成基本方針(令和7年3月改定)が目指す職員像を『流山を愛し、流山市民の幸せのために行動する職員』と定め、これを4つの側面「4C職員」に分けて示している。
- 職員採用試験の受験案内は、表紙に「市民の『ありがとう』を創る仕事に挑戦!! 熱い意欲に満ちた応募をお待ちしています!」を掲げている。
- 一般行政上級はA(教養試験と専門試験)とB(社会人向けの職務能力試験)の二本立てで、第1次試験の中身がまったく異なる。
流山市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、「流山市がどんな年齢構成の市なのか」を数字で語れることは重要です。
流山市の場合、人口や面積よりも年齢構成が話の中心になります。表は人口と市域に続けて高齢化率と75歳以上の割合を置き、市の若さが数字で追えるようにしました。千葉県全体の数値を同じ表に入れてあるのは、その若さを県と引き比べて確かめるためです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 214,972人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 35.32km² |
| 人口密度 | 6,086人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 高齢化率 | 22.1%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳による集計) |
| 75歳以上の割合 | 13.6%(同上) |
| 接している自治体 | 松戸市、柏市、野田市、埼玉県三郷市、埼玉県吉川市 |
| 市役所所在地 | 〒270-0192 千葉県流山市平和台1丁目1番地1 |
| 市の花・市の木 | ツツジ・ツゲ |
| (参考)千葉県の総人口 | 6,258,512人(令和7年10月1日現在・国勢調査速報値) |
| (参考)千葉県の面積 | 5,156.48km²(全国第28位) |
流山市の人口・面積・接している自治体・市の花木は公表値をもとに整理したものです(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。高齢化率と75歳以上の割合は住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の集計によります。市の統計の最新値は、流山市公式サイトであわせてご確認ください。
数字から見える市政の論点
この市を語るうえで一番強い数字は、面積でも人口でもなく年齢構成です。住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の集計で、流山市の高齢化率は22.1%。
同じ集計による千葉県全体の27.6%を5.5ポイント下回り、県内37市のなかで3番目に低い水準にあります。75歳以上の割合も13.6%で、県全体の16.5%を下回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。
なお、この高齢化率は住民基本台帳をもとにした集計であり、基礎データ表に並べた国勢調査速報値の県人口とは調査そのものが異なります。出どころの違う数値を直接比べないよう気をつけてください。
市域は35.32km²で、千葉県内37市のなかでは狭いほうです。そこに21万人あまりが暮らし、人口密度は6,086人/km²。
千葉県全体をならすと1km²あたりおよそ1,200人ですから、県の平均の5倍に達します。狭い市域に、比較的若い世代が多く集まっているというのが、数字から見た流山市の姿です。
若い世代の多さという特徴は、たとえば次のように答えへつながります。
流山市の経済・産業
千葉県の産業構造のなかで
千葉県の産業は地域ごとに性格が分かれています。京葉臨海地域には石油精製・石油化学・鉄鋼などの素材産業がコンビナートを形成し、製造品出荷額等は約15兆8,925億円で全国第6位(2023年経済構造実態調査)。
年間商品販売額は約13兆3,998億円で全国第9位(2022年同調査)です。県は、東葛地域にものづくりの中小企業やベンチャー企業、大学が集積すると説明しています(出典:千葉県の産業|経済構造実態調査ほか)。
流山市の経済は、この県全体の産業地図に市の人口構成を重ねると見えてきます。市内にどんな事業所があるかを追うより、若い世代が多く集まっていることがどんな需要を生んでいるかを考えるほうが、この市の実像に近づけます。
若い年齢構成が生む需要
高齢化率が県全体より5ポイント以上低いということは、裏を返せば子育て世代と働く世代の割合が大きいということです。保育、学校、公園、住宅、通勤の足。
若い市には、若い市に特有の需要が集中します。流山市が保育士を独立した職種として、しかも年度の途中からの採用を含む形で募集していることは、その需要の表れの一つだと読めます。
もう一つ押さえておきたいのが、接している自治体のうち三郷市と吉川市が埼玉県にあるという点です。暮らしの範囲が県境をまたいでいるということでもあります。
働く場所も学ぶ場所も市の外にあることが珍しくないという条件のもとで、それでもここに住み続けたいと思ってもらえるか。この市の経済を支えているのは、その選択の積み重ねです。産業や雇用に関心があるなら、企業誘致の話だけでなく、暮らしの質という側面から語れるようにしておきましょう。
流山市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、流山市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
若い市が抱える、将来の宿題
令和7年国勢調査の速報値によると、千葉県の総人口は6,258,512人で、前回(令和2年)から25,968人減りました。人口減少は大正9年の第1回調査以降で初めてです(出典:令和7年国勢調査 速報値|千葉県)。県は県内の人口動態に地域差があるとし、社会増のゾーンと社会減のゾーンに分けて整理しています。
流山市はいま、県内でも年齢構成の若い側にいます。ただし、若さは固定された性質ではありません。
ある時期に集まった世代は、同じ時期にそろって年齢を重ねます。いま保育を必要としている層が、いずれ介護を必要とする層になります。
目の前の需要に応えながら、20年後、30年後に必要になる備えを同時に進める。この二重の作業が、若い市の宿題です。志望動機で子育て支援に触れるなら、その先まで見ている姿勢を一言添えられると印象が変わります。
保健所は県、保健センターは市という役割分担
流山市は保健所を設置していません。千葉県の松戸健康福祉センター(松戸保健所)が、松戸市・流山市・我孫子市を管轄しています(出典:保健所に関するよくある質問|流山市)。市が設置している保健センターとは別の組織です。
この違いは、面接で意外なほど効いてきます。健康や衛生の分野を志望する人が、市の保健センターと県の保健所を混同したまま話すと、そこで理解の浅さが見えてしまうからです。
県が担う部分と市が担う部分が実際に分かれている市だという事実は、「なぜ県庁ではなく市役所なのか」という問いに答えるときの具体的な材料にもなります。県が広域の役割を持ち、市が住民に近い役割を持つ。その分担を、抽象論ではなく自分の市の実例で語れる人は強いです。
大規模地震への備え
千葉県の地震被害想定調査(令和8年5月26日公表)では、千葉県北西部直下地震(モーメントマグニチュード7.3・最大震度6強)で全壊・焼失建物が約76,000棟、死者が約2,400人、避難者は2週間後の時点で約87.2万人と想定されています。大正型関東地震(モーメントマグニチュード7.9の地震動・8.0の津波、最大震度7)では全壊・焼失建物が約33,800棟、死者が約920人と、被害の出方は想定する地震によって変わります(出典:千葉県地震被害想定調査|令和6・7年度)。
1km²あたり6,086人が暮らす市域では、避難所に人が集中しやすくなります。加えて、子育て世代が多いということは、避難の場に小さな子どもが多いということでもあります。
防災を志望分野にするなら、流山市のハザードマップで自分に関わりのある地区の想定と避難先を確かめたうえで、誰が避難してくるのかまで具体的に考えておきましょう。
二つの入口から人を採るという工夫
流山市は一般行政上級をAとBの二本立てにしています。Aは教養試験と専門試験、Bは社会人向けの職務能力試験で、受験案内はBについて「基礎的な内容が出題されるので、特別な対策や勉強は不要」としています。
令和7年度の実施状況を見ると、上級Aは応募89人、上級Bは応募101人でした(出典:流山市職員採用試験の実施状況|令和7年度)。
公務員試験の勉強を積んできた層と、いま働いている層。性格の違う二つの母集団から、同じ職種の職員を採ろうとしているということです。
年度の後半に実施された回では、一般行政上級が採用予定5名程度に対して応募93人。消防士(初級)も採用予定20名程度に対して応募78人という状況でした。募集の機会を複数持つことで必要な人数を確保するという運び方が定着していることがうかがえます。
重点政策|人材育成基本方針と「4C職員」
流山市の総合計画と最新の予算方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。ここで扱うのは、受験生にとって直接役に立つ文書、すなわち市がどんな職員を育てようとしているかを書いた人材育成基本方針です。
目指す職員像と4つの「C」
流山市人材育成基本方針(令和7年3月改定)は、目指す職員像を『流山を愛し、流山市民の幸せのために行動する職員』と設定しています。そのうえで、この職員像を具体化する4つの側面を「4C職員」として整理し、あわせて8つの能力を示しています。
| 4つのC | 方針が示す側面と能力 |
|---|---|
| Citizen | 流山を愛する力/市民の立場で考える力 |
| Compliance | 市民への責任力/職務に関する知識力 |
| Challenge | やる気と熱意ある実行力/将来を見通した判断力 |
| Cost | 柔軟な発想力/市政のマネジメント能力 |
上記は流山市人材育成基本方針(令和7年3月改定)が示す4つの側面と8つの能力です。市の職員採用ページにも4つの「C」の説明がありますが、そちらのページの更新日は令和5年6月30日で、改定前の表現のままとなっています。原典を引用する場合は方針本体を優先してください。
この4つの並べ方には順序があります。まず市民の側から考え(Citizen)、次に責任をもって職務にあたり(Compliance)、そのうえで新しいことに挑み(Challenge)、限られた資源のなかで形にする(Cost)。
最後にコストが置かれているのは、実行できて初めて意味があるという考え方の表れと読めます(出典:流山市人材育成基本方針|令和7年3月改定)。
採用ページが語りかけていること
市の職員採用ページ「職員採用試験を受験する方へのメッセージ」も、4つの「C」を受験生向けの言葉で説明しています。市民の視点を持ち協働によるまちづくりを推進する職員、コンプライアンス意識を持ち市民から信頼される職員、社会状況の変化に対応し新たな課題にも取り組むチャレンジ精神のある職員、コスト意識・経営意識を持ち的確な判断や行動ができる職員(参考:職員採用試験を受験する方へのメッセージ|流山市)。
そして受験案内の表紙には、「市民の『ありがとう』を創る仕事に挑戦!! 熱い意欲に満ちた応募をお待ちしています!」という一文が置かれています。「ありがとう」を創る、という言い方には、待っていれば感謝が集まるわけではないという含みがあります。自分から動いて初めて生まれるもの、という捉え方です。
POINT|4つのCを全部語ろうとしない
4つすべてに自分を当てはめようとすると、どれも薄くなります。自分の経験がもっとも当てはまる1つを選び、その裏づけとなる出来事を細部まで語れるようにしてください。残りの3つは、掘られたときに一言で返せる程度の備えがあれば十分です。
悪い例「流山市の求める4C職員のうち、私はチャレンジとコストの両方に当てはまると考えています」
改善例「アルバイト先で、備品の発注を毎回同じ量で続けていたので、実際に使った量を1か月記録してみました。そのうえで発注量を減らす提案をして、無駄を減らすことができました。流山市がコスト意識を挙げていると知って、こういう小さいところの積み重ねなのだと感じています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 流山市職員採用試験の受験案内(自分が受ける区分の最新のもの)
- 流山市人材育成基本方針(令和7年3月改定。4つの「C」と8つの能力を確認する)
- 流山市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
- 流山市のハザードマップ(自分に関わりのある地区の想定を知る材料として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、流山市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。流山市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
流山市役所の面接の概要
ここからは、流山市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。
上級Aと上級Bで、第1次試験が別物になる
令和8年度の試験でまず確認すべきは、自分が受ける区分の第1次試験の中身です。同じ「一般行政上級」でも、AとBでは求められる準備がまったく違います。
| 区分(令和8年度) | 採用予定 | 第1次試験 | 第2次試験 | 第3次試験 |
|---|---|---|---|---|
| 一般行政上級A | 上級A・B合計20名程度 | 教養試験(択一式40問・2時間)、専門試験(択一式40問・2時間)、適性検査(択一式150問・20分) | 面接試験 | 個別面接および受験資格・申込事項の調査 |
| 一般行政上級B(社会人向け) | 上級A・B合計20名程度 | 職務能力試験(択一式60問・1時間)、適性検査 | 面接試験 | 個別面接および受験資格・申込事項の調査 |
| 保育士 | 4名程度 | 職種ごとの試験 | 実施しない | 個別面接 |
| 一般行政(障害者対象・初級/上級) | 初級・上級計2名程度 | 教養試験(択一式40問・1時間30分)、適性検査2種 | 個別面接 | なし |
上級Aの専門試験は、憲法、行政法、民法、経済学、財政学、社会政策、政治学、行政学、国際関係から出題されます。一方の上級Bは職務能力試験のみで、受験案内は「基礎的な内容が出題されるので、特別な対策や勉強は不要」としています。
同じ採用枠を、まったく違う入口から目指すことになるということです。採用予定は上級A・Bを合わせて20名程度で、いずれの職種も障害者の採用を含むとされています(出典:令和8年度 流山市職員採用試験 受験案内|流山市)。
上記は令和8年度の流山市職員採用試験の受験案内に基づく内容です。各試験の満点や人物試験の比重といった配点は、確認した受験案内に記載がなく公表されていません。試験の構成・日程・配点・募集職種等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の受験案内でご自身の区分の内容をご確認ください。
面接が2回あるのは上級A・Bだけ
この試験でもっとも特徴的なのが、第2次試験の面接試験が一般行政上級A・Bにだけ課されるという構成です。保育士など上級A・B以外の職種は、第1次試験の次が第3次試験の個別面接で、面接の機会は一度きり。上級を受ける人だけが、面接の場を2回くぐることになります。
これは負担が重いという話ではありません。一度で決まらない分、立て直す余地があるということでもあります。
第2次試験で言い足りなかったことを、第3次試験で言い直せる。逆に、第2次試験で話した内容と第3次試験で話す内容がずれていれば、そこは見られます。2回を通して一貫した人物像を見せられるかどうかが問われる構成です。
第3次試験の内容にも注目しておきましょう。受験案内は「主として、人柄・性向等についての個別面接による試験」に加えて、「受験資格の有無及び申込事項の真否等についての調査」を挙げています。
申込みの際に書いた内容が、最後の段階で確かめられるということです。電子申請の入力欄を埋めるときから、後で説明を求められる前提で書いてください。
総合順位が口頭で開示される
不合格になった場合、希望すれば第1次・第2次・第3次それぞれの「総合順位」を口頭で開示してもらえます。結果通知の発送から1か月間、本人が受験票を持参して総務部人材育成課へ申し出る形で、電話や手紙による申出はできません。
この仕組みは、次の受験を考えている人にとって貴重です。どの段階で、どのくらいの位置にいたのか。
感触ではなく順位という形で分かるからです。結果を材料に変えられる仕組みが用意されているということは、覚えておいて損はありません。
流山市役所が求める人物像の見られ方
市が掲げる職員像と4つの「C」は第1部で見たとおりです。面接対策の言葉に翻訳すれば、Citizenは相手の立場から物事を見た経験、Complianceは決まりを守り抜いた場面、Challengeは前例のないことに手を出した経験、Costは限りある資源をやりくりした工夫、をそれぞれ用意しておくということになります。
市が文書で示しているのは、ここまでです。この先は公表資料の外側にある話として、当研究会の見立てを書きます。
20万人規模で近隣自治体と密接につながる市役所では、一人の職員が担当する分野が広く、住民との距離も近くなります。流山市の場合、保健所を県が担っているように、市が自前で持つ機能とそうでない機能がはっきり分かれています。
そのため、自分の担当範囲の内と外を見分けたうえで、外の相手につなぐところまで自分の仕事として引き受けられる人に、面接官の目は向きやすくなります。目指す職員像が「行動する職員」という言い方で締められている点も、この読み方と重なります。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。流山市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 市役所まではどのように来ましたか | 身構えていない場面での話しやすさ |
| ② 動機・志望 | 近隣の市ではなく流山市を選ぶ理由は何ですか | 似た条件の市が並ぶなかで選択の根拠を持っているか |
| ③ 自己理解 | 自分の性格を一言で表すと何ですか | 自分を短く言い切れるかどうか |
| ④ 経験・行動 | 自分から言い出して始めたことはありますか | 指示待ちで終わらない姿勢の裏づけ |
| ⑤ 学業・経歴 | これまでの経験を市の仕事にどう活かせますか | 経験と職務のつなぎ方を自分で描けているか |
| ⑥ 適性・将来 | 希望と違う分野に配属されたらどうしますか | 組織で働く前提が持てているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 税金で仕事をすることをどう受け止めていますか | 公の資源を使う立場への自覚 |
ただし、この7カテゴリーは流山市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「流山市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「流山市役所ならでは」の質問
どちらも、この市の年齢構成と立ち位置を知らなければ答えようがない質問です。裏を返せば、数字を一つ握っているだけで説得力が跳ね上がる質問でもあります。答えるための材料を、面接で使いやすいものに絞って整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい流山市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| なぜ県庁ではなく市役所か | 市は保健所を設置しておらず、千葉県の松戸健康福祉センターが松戸市・流山市・我孫子市を管轄している | 県と市の役割分担を一般論で語らず、この分担が実際に流山市で成り立っている例として説明し、そのうえで住民に近い側で働きたい理由を述べます |
| 流山市の魅力と課題 | 住民基本台帳による高齢化率22.1%は県内37市で3番目に低い水準。市域は35.32km²で人口密度は6,086人/km² | 若さを魅力として挙げるだけで終わらせず、同じ世代がそろって年を重ねる将来まで見通した課題として語ります |
| 採用の仕組み | 一般行政上級はA(教養・専門試験)とB(職務能力試験)の二本立てで、採用予定はA・B合わせて20名程度 | 自分が選んだ入口を選んだ理由から話し、もう一方の受験者と何が違うのかを自分の言葉で説明できるようにします |
| 目指す職員像 | 人材育成基本方針(令和7年3月改定)が『流山を愛し、流山市民の幸せのために行動する職員』を掲げ、4C職員として整理している | 4つを並べるのではなく、自分がもっとも近い1つを選び、その裏づけになる出来事を細部まで話します |
| 防災 | 県の被害想定調査は千葉県北西部直下地震・大正型関東地震・房総半島東方沖の地震を対象とし、想定する地震ごとに被害の出方が異なる | 県の想定に触れたうえで、密度の高い市域であることと、子育て世代が多いという年齢構成まで結び付けて具体化します |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1つか2つに絞り、事実から自分の問題意識、そして市職員として関わりたい仕事までを一息で話せる形にしておくことです。
想定される評価の観点
面接は、市が掲げる目指す職員像に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 2回の面接で一貫していられるか | 一般行政上級A・Bには第2次試験の面接試験と第3次試験の個別面接があり、面接の機会が2回ある | 2回とも同じ軸で話せるよう、志望動機の核を一文にまとめておく。1回目で話した内容を記録し、2回目でそれを踏まえて広げる準備をしておく |
| 申込内容を説明し切れるか | 第3次試験には受験資格の有無および申込事項の真否等についての調査が含まれる | 電子申請で入力した内容を手元に控え、書いた一行ごとに背景を説明できるようにしておく |
| 自分から動いた事実があるか | 目指す職員像は「行動する職員」で締めくくられ、受験案内の表紙も挑戦を呼びかけている | 言われて動いた話ではなく、自分が言い出して始めた出来事を一つ選び、始めた理由と途中の工夫まで語れるようにしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。第3次試験は人柄や性向を見る個別面接ですから、そこで最も深く掘られると考えておきましょう。
自分がやったことを細部まで言葉にしておく作業は、そこで求められる実体験に根ざした答えを作る作業と重なります。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 自分が受ける区分(一般行政上級A・B、保育士、障害者対象など)を先に決め、最新の受験案内で段階と科目を確認する。上級AとBでは第1次試験が別物になる
- 電子申請サイトから申し込む準備をする。郵送や持込みによる受付はなく、入力した内容は第3次試験で確かめられる前提で書く
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、年齢構成の数字と、保健所を県が担っているという役割分担を、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、事実から問題意識、市職員としてやりたい仕事までを一続きの話に編む
- 人材育成基本方針の4つの「C」から自分に一番近い1つを選び、その裏づけになる出来事を声に出して話してみる。上級A・Bを受けるなら、2回の面接で同じ軸を保てるかを確かめる
優先順位に注意
ステップ4と5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の申込内容を丁寧に固めることを優先してください。流山市では、申込事項が最終段階の調査対象になっています。埋めるだけの気持ちで書いた一行が、最後の面接で自分の首を絞めることがあります。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、流山市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
流山市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
流山市の一般行政上級は、AとBという性格の違う二つの入口から同じ20名程度の枠を目指す仕組みになっています。そして面接は2回。
第2次試験で言えなかったことを、第3次試験で言い直せる構成です。市域は35.32平方キロメートル、そこに21万人あまりが暮らし、高齢化率は千葉県全体を5ポイント以上下回ります。
いま子育てをしている世代が、やがてそろって年齢を重ねていく。その時間差をどう埋めていくかが、この市の次の仕事になります。
市が掲げる目指す職員像は、愛することと行動することの二つで組み立てられていました。受験案内の表紙にある「ありがとう」を創るという言葉も、待っていては生まれないという意味に読めます。
あなたが自分から動いた出来事はどれか。それを一つ選んで、2回の面接で同じ声で語れるように準備を進めてください。