本記事では、神奈川県職員採用試験の面接対策で必要な、県の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

神奈川県庁の面接試験では、「なぜ神奈川県を志望したのか」「県職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を県政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。県の実情や政策を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、神奈川県ならではの事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と神奈川県政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

神奈川県の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは神奈川県の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 県庁所在地は横浜市(中区)。関東地方の南西部に位置し、東京都、山梨県、静岡県と接する。
  • 3つの政令指定都市(横浜市、川崎市、相模原市)を有する全国唯一の都道府県であり、県内には合計33の市町村がある。
  • 県土は全国的に見ると小規模(全国43位)だが、人口は約919万人(東京都に次ぐ全国第2位)に達する。2025年国勢調査の速報では、人口は前回調査から減少した一方、世帯数は増加した。人口減少と世帯の小規模化が同時に進行中
  • 県の北西部には、箱根や丹沢をはじめとする温泉地・景勝地が広がっており、国内外から多くの観光客が訪れる。南側は相模湾に面しており、中でも湘南エリアは海水浴やマリンスポーツを楽しめる関東有数のリゾート海岸として親しまれている。
  • 南東部に位置し、東京湾と相模湾を隔てる三浦半島には、豊かな農水産業や観光資源に加え、アジア太平洋地域において最大規模の軍港都市(横須賀市)が立地。
  • 県東部には京浜工業地帯が広がり、首都圏の産業活動を支えている。また横浜市と川崎市を中心に都市機能や研究開発機関が集積し、全国有数の大都市圏が形成されている。
  • 日本の近代化に大きく貢献した横浜港は、日本を代表する国際貿易港であり、物流を支える「総合物流港湾」としての役割だけでなく、日本最大級のクルーズターミナルや、赤レンガ倉庫などに代表されるウォーターフロントの観光拠点としても機能している。
  • 県財政は構造的に余裕のない状況が続いている。人口や企業の集積を背景に県税収入の規模は大きい一方、介護・医療・子育てに関する経費や、老朽化した県有施設・インフラの更新費用などの増加が見込まれている。限られた財源を効果的に配分し、必要な行政サービスを維持しながら将来世代の負担にも配慮する財政運営が課題となっている。

神奈川県の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「神奈川県の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、県土の広さ、経済規模、市町村構成など、県政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口約919万人(全国2位)
年少人口(0-14歳)約100万人(11.1%、全国値11.1%)
生産年齢人口(15-64歳)約566万人(62.9%、全国値59.6%)
老年人口(65歳以上)約234万人(26.0%、全国値29.3%)
総面積約2,416km²(全国43位)
総世帯数約435万世帯
市町村数33市町村
政令指定都市横浜市・川崎市・相模原市
名目県内総生産約37兆3,313億円(全国4位)

県内総生産は2023年度県民経済計算による数値、人口と世帯数は2025年国勢調査速報、年齢別人口の全国値は人口推計(総務省統計局)の令和7年1月1日現在の確定値です。年齢別人口は年齢不詳を除いて算出しているため、合計は一致しません。

数字から考えられる県政課題

神奈川県は現在も全国有数の人口規模を持ちますが、人口が多いことだけを強みとして捉えるのは不十分です。人口減少への転換、単身世帯や高齢世帯の増加、地域による人口動向の違い、行政・医療・介護分野の人材不足などをあわせて考える必要があります。

県の現状を聞かれたときは、規模の大きさと転換点をひと続きにして話すと、認識の確かさが伝わります。

「神奈川県は約920万人が暮らす大規模な県ですが、人口減少局面に入り、世帯数は増加しているとされています。今後は人口規模だけでなく、単身化や高齢化を踏まえた行政サービスの提供が重要になると考えています」

神奈川県の経済・産業

経済・産業構造の概要

  • 名目県内総生産は約37.3兆円(2023年度・前年度比5.4%増)。内閣府「県民経済計算」の都道府県比較では東京・大阪・愛知に次ぐ全国4位の経済規模
  • 一人当たりの県民所得は334万9千円(2023年度・前年度比5.6%増)。
  • 産業別の構成は第三次産業76.5%・第二次産業22.6%・第一次産業0.1%。サービス業を中心としつつ、製造業の比重も大きい。
  • 業種別では製造業(18.3%)が最大で、不動産業(17.5%)、研究開発などを含む専門・科学技術、業務支援サービス業(11.9%)が続く。

つまり、「サービス経済化が進む一方で、最大の業種は今も製造業」という二本柱の構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:県民経済計算|令和5年度

農林水産業

都市のイメージが強い神奈川県ですが、一次産業も個性的です。農業産出額は744億円(令和6年)で野菜が約5割を占め、だいこんの収穫量は全国5位・キャベツは全国7位(主産地は三浦半島)。

県西部ではみかん・うめ・キウイフルーツ・茶の生産が盛んで、うめとキウイフルーツの生産量は全国4位

漁業は東京湾と相模湾という性質の異なる二つの海で展開し、三浦市の三崎漁港は遠洋マグロ漁業の基地です。(出典:神奈川県の農林水産業の概要|令和7年版

工業

「京浜工業地帯」の名のとおり、神奈川県は今も全国有数の工業県です。製造品出荷額等は18兆4,795億円(2023年)で全国4位

輸送用機械(21.8%)・石油・石炭製品(13.7%)・化学(11.1%)が上位で、臨海部の素材・エネルギー産業と内陸の自動車関連産業という組み合わせです。

横浜港・川崎港は国が指定する国際戦略港湾で、県内には企業の研究所や技術開発部門も多く立地しています。(出典:総務省・経済産業省「経済構造実態調査」|2023年実績

情報サービス業・研究開発

研究開発やコンサルティングなどを含む専門・科学技術、業務支援サービス業は4兆4,487億円(構成比11.9%)で、全国と比べた集積度が高く、「研究開発力」は神奈川経済の強みです。県の実施計画も「県民目線のデジタル行政」を掲げており、デジタル技術の活用は産業政策と行政運営の両面で最重要テーマのひとつです。

観光業

入込観光客数は延べ2億806万人(令和6年)で過去最高。横浜・川崎(7,887万人)、湘南(5,036万人)、箱根(3,377万人)の順に多く、性格の異なる観光地を併せ持つのが特徴です。

日帰り客が約9割を占める構造のため、宿泊や地域内の消費への波及、観光客の集中への対応が政策課題になります。(出典:入込観光客調査|令和6年

神奈川県の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、神奈川県が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「県の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

人口減少と少子高齢化

2025年国勢調査の速報では、前回調査から人口が減少しました。県の基本構想は、2040年頃に高齢者数と高齢化率がともにピークを迎え、総人口は900万人を下回るという見通しを示しています。

子育て支援だけでなく、若者の生活基盤、教育、住宅、雇用、地域交通、医療・介護人材などを関連付けて考える必要があります。

大規模災害への備え

地震、津波、台風、豪雨、土砂災害、火山災害など、地域によって異なる災害リスクがあります。東京湾沿岸の工業地帯、大規模な交通網、多数の観光客や帰宅困難者など、人口・産業集積地域特有の危機管理も必要です。

脱炭素と産業活動の両立

家庭、交通、建築物、工場など幅広い分野で温室効果ガス削減に取り組む必要がある一方、企業の技術開発、設備投資、エネルギー転換を支援し、産業競争力と両立させる視点も求められます。

多文化共生と誰もが暮らしやすい地域づくり

国際港湾を持ち、外国籍県民も暮らす神奈川県では、生活情報の多言語化、日本語学習、教育、就労、災害時の情報提供などが課題となります。なお、軍港都市・横須賀をはじめ、県内には現在も12か所の米軍基地(県土の約1%)があり、県は基地との共存を模索すると同時に、既存施設の整理・縮小・返還の促進を国に働きかけています。(参考:基地問題に対する取り組み

地域間の状況の違い

県東部の都市地域と、三浦半島・県西部では、人口構成、産業、交通事情、行政需要が異なります。県の総合計画は、地域における取り組みを5つの地域政策圏に分けて整理しています。

地域政策圏主な市町村特徴と課題のキーワード
川崎・横浜横浜市、川崎市人口・企業・港湾の集積。国際化、交通、脱炭素、石油コンビナートを含む防災
三浦半島横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市など軍港都市・横須賀の基地との共存、海・歴史・農水産・観光の資源、人口減少・高齢化・地域交通
県央相模原市、厚木市、大和市、海老名市など交通の結節点。製造業・物流の拠点、都市化への対応、渋滞
湘南平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、秦野市など海岸観光と住宅地・大学・農業の共存。津波対策、交通混雑
県西小田原市、南足柄市、箱根町、湯河原町など箱根の観光・温泉・農林業と、人口減少・中山間地域の維持

「取り組みたい仕事」を考えるときも、どの地域のどんな課題を想定しているのかまで具体化しておくと、回答に説得力が出ます。

神奈川県の重点政策|新かながわグランドデザイン

神奈川県の総合計画は「新かながわグランドデザイン」(令和6年3月策定)です。基本理念に「いのち輝くマグネット神奈川」を掲げ、2040年を展望する基本構想と、2024年度から2027年度までの具体的な政策を示す実施計画によって構成されています。(出典:新かながわグランドデザイン

計画を貫く考え方

実施計画が4年後のめざす姿として掲げるのは「県民目線のデジタル行政でやさしい社会の実現」です。受験生としては、①手続きの負担を減らす ②必要な人へ情報や支援を届ける ③人手不足を補う ④データを政策立案に活用する ⑤デジタルを使いにくい人を取り残さない、という具体像で理解しておくとよいでしょう。

5つの政策テーマと13のプロジェクト

テーマ扱う主な分野
Ⅰ 希望の持てる神奈川子ども・若者への支援、教育・人材育成
Ⅱ 持続的に発展する神奈川未病・健康長寿、文化・スポーツ、観光・地域活性化、経済・労働
Ⅲ やさしさがあふれる神奈川共生社会、多文化共生などの支え合い
Ⅳ 安全・安心が確保された神奈川防災・減災、治安、健康危機管理
Ⅴ 持続可能な社会を支える神奈川脱炭素・環境、都市基盤・交通

面接では、自分の取り組みたい仕事がどのテーマに位置づくのかを一言添えられるだけで、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります。

令和8年度の県政運営のポイント

令和8年度の一般会計当初予算は2兆3,759億円と過去最大(前年度当初比107.2%)で、県立福祉機構の設立、DV・ストーカー被害者への支援、宇宙関連産業の振興、未病改善の社会システムづくり、GREEN×EXPO 2027に向けた取り組みなどが重点として挙げられました。

一方で県財政に余裕はなく、計753件・約124万時間分の削減効果を見込む行政改革も並行して進められています。(出典:知事議会提案説明|令和8年2月

POINT|13のプロジェクトをすべて暗記しなくてよい

名称をすべて覚えることが自治体研究の目的ではありません。関心分野を一つか二つ選び、「①何が課題か → ②県はどんな状態を目指すか → ③現在の事業 → ④県だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験・強みをどう生かすか」の順で調べましょう。

悪い例「神奈川県の観光振興に携わりたいです」

改善例「県内各地域への周遊を促して、観光消費が横浜や箱根など一部の地域に偏らない仕組みづくりに携わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

神奈川県の公表資料は量が多いので、志望分野から逆算して選ぶのが現実的です。下の4点がその入口になります。

  • 神奈川県職員採用試験の受験案内/職員採用案内・職種紹介
  • 新かながわグランドデザイン(概要版)
  • 最新年度の当初予算・県政運営に関する資料/関心分野の個別計画
  • 県勢要覧(人口・産業・福祉・観光などの統計を分野別に収録)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、神奈川県庁専用の面接想定問答集をご用意しています。神奈川県の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

神奈川県庁の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

神奈川県の面接の概要

ここからは、神奈川県の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

神奈川県の面接の流れ

神奈川県のⅠ種試験は、最終合格者を第2次試験の結果のみで決定する人物重視の試験です。第2次試験は論文試験50点と人物試験300点で構成され、第1次試験(教養・専門)の得点は最終合格に持ち越されません。

配点の大半を占めるのは人物試験ですから、面接とグループワークの準備が合否を大きく左右します。

項目内容(令和8年度・Ⅰ種試験〈行政〉)
試験の段階第1次試験(教養試験・専門試験)→ 第2次試験(論文試験・人物試験)※論文試験は第1次試験日に実施
面接の種類個別面接2回(第1回は1人約15分、第2回は1人約30分)
集団形式グループワーク(40分)。課題は第1次試験の合格通知とあわせて知らされます
人物試験の配点グループワーク50点+第1回個別面接50点+第2回個別面接200点(計300点)
面接カードあり(神奈川県での名称は「面接票」)。第1次試験の合格後にA4で印刷・記入し、当日持参します
面接以外の検査性格などについての質問紙法(選択式で答えるアンケート形式)による検査(第2次試験日に実施・人物試験の参考資料)

注目してほしいのは配点の偏りです。人物試験300点のうち、第2回個別面接だけで200点と、約30分の面接に全体の3分の2が集中しています。

用意した答えを言えるかではなく、掘り下げられても自分の言葉で答え続けられるかが問われる構造だと言えます。

手続の面でも、準備を前倒しすべき理由があります。面接票は第1次試験の合格後にA4サイズで印刷して記入し、当日持参する様式です。

合格を知ってから経験を思い出しにいくのでは、記入と面接の準備が同じ数日に重なります。グループワークの課題も第1次試験の合格通知とあわせて示されるため、この時期は考えることが一気に増えます。

第1次試験を終えた時点で経験の棚卸しが済んでいる状態を目標にしてください

あわせて、第2次試験日には性格などについての質問紙法による検査が行われ、人物試験の参考資料として使われます。選択式で答えるアンケート形式のもので、対策して得点を上げる種類の検査ではありません

ただし、ここでの回答と面接での受け答えが大きく食い違えば、その差異は面接官の関心事になります。良く見せようと回答を寄せていくより、どちらにも同じ自分で答えるほうが結果的に楽です

なお、Ⅰ種試験(行政)の採用予定人員は110人程度です。第1次試験は教養試験と専門試験(いずれも択一式・各100点・各2時間)、第2次試験の論文試験は記述式1題・1,200字程度・1時間30分・50点という構成で、論文は第2次試験の種目でありながら第1次試験日に実施されます。

筆記と論文を早い段階で終え、後半は人物評価に集中させる設計だと読み取れます。

上記の試験構成は、神奈川県人事委員会発出の令和8年度受験案内にもとづくⅠ種試験(行政)のものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

神奈川県が求める人物像

神奈川県は受験案内で、求める人物像として「県民目線(Empathy)」「アグレッシブ・チャレンジ(Aggressive・Challenge)」「プロフェッショナル(Professional)」の3つを公表しています。(参考:県の職員採用案内自己PRでは、「積極性があります」と述べるだけでなく、その能力を使って何を行い、周囲や相手にどのような変化をもたらしたのかまで説明しましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。神奈川県の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ本県を志望するのですか?「県で働く」という選択の理由を、自分の言葉で筋道立てて話せるか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動パターンから、入庁後にも再現できる強みを確かめています
⑤ 学業・経歴(大学等の)専攻分野を選んだ理由を教えてください自分の選択を説明できるか。学んだことと仕事の接点を作れているか
⑥ 適性・将来10年後、どんな職員になっていたいですか?働く姿をどこまで具体的に描けているか。組織の中で成長する見通し
⑦ 公共性・社会性最近、気になっている社会問題はありますか?社会への関心の深さと、それを行政の仕事として捉え直す視点

ここまでは、受験先がどこであっても共通して準備できる範囲です。神奈川県の面接で問われる中身は、この土台の上に県固有の事情が重なります。

合否を分けるのは「神奈川県ならでは」の質問

「なぜ市役所ではなく、県庁を志望するのですか?」
「神奈川県の課題は何だと思いますか。あなたならどう取り組みますか?」

1問目は県と市町村の役割分担を、2問目は県政の現在地を問う質問です。第2回個別面接は約30分あります。

この2問から話が広がったときに県の事実を持っていなければ、そこで会話が止まります逆に言えば、答えを支える材料はあらかじめ用意できます

面接で使いやすい「神奈川県の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい神奈川県の事実答え方のヒント
人口減少令和7年国勢調査速報で人口は919万3,657人と全国2位ながら、前回調査から0.5%減。増加から減少に転じた6府県の一つ「人口全国2位の県でも減少が始まった」という転換点を押さえると、課題認識の一言に厚みが出ます
県の総合計画「新かながわグランドデザイン」(令和6年3月策定)。基本構想は2040年を展望し、実施計画(2024〜2027年度)は5つのテーマ・13のプロジェクトで構成やりたい仕事を13プロジェクトのどれかに位置づけて話せると、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります
防災・危機管理県の地震被害想定調査(令和5〜6年度)は6つの想定地震を検討。最大の大正型関東地震では、冬の18時のケースで死者約1万9,780人・建物全壊約30万3,300棟を想定防災を語るなら、関東大震災級を正面から見据えた県の想定に触れ、事前の備えの話へつなげます
多文化共生外国人県民数は28万4,889人(令和7年1月1日現在)約28.5万人という規模感を踏まえ、言葉や制度の壁を減らす県の役割を自分の経験と結べると強い
大規模プロジェクト「GREEN×EXPO 2027」(2027年国際園芸博覧会)を横浜市の旧上瀬谷通信施設で開催予定。1都3県で初めての万博開催地が県内であること自体が、観光・環境・交通のどの志望分野からでも話をつなげられる材料になります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 県職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

神奈川県は、三つの人物像に加えて人物試験の種目と配点まで受験案内で公表しています。評価の観点は、まずこの公表された設計から読み取るのが確実です。

グループワーク40分・第1回個別面接15分・第2回個別面接30分という時間配分と、そこに置かれた50点・50点・200点という重みは、集団の中での振る舞いを一度確認したうえで、ひとつの経験を長い時間かけて掘り下げる構造を示しています。

ここから先は、公表資料の外側にある一般論として読んでください。自治体の採用面接では、過去にとった行動の事実から採用後の再現性を見る、コンピテンシー評価という考え方が広く使われています。

神奈川県が評価方法として公表しているわけではありませんが、これを踏まえると、答えの完成度より経験の中身が問われる理由が見えてきます。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
県民目線(Empathy)相手が何に困っているのかを、自分で確かめてから動いた場面があるか30分の面接では、ひとつの出来事を相手の反応まで含めて語る長さが要ります。場面を絞って深く用意しておく
アグレッシブ・チャレンジうまく運ばない状況で、次の一手を自分で決めた経験があるか40分のグループワークを想定し、役割を取りにいった経験と、意見が割れたときの動き方を言葉にしておく
プロフェッショナル身につけた知識や技能を、仕事の成果に変える道筋を説明できるか県が実施計画で掲げる「県民目線のデジタル行政」のように、学んだことが誰の負担を減らすのかまで結び付けて話す

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和8年度の受験案内を読み、試験日程と面接票の記入項目を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を県の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で県の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、神奈川県庁専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

神奈川県の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

神奈川県庁の想定問答集を見る

さいごに

神奈川県の試験は、筆記の得点を持ち越さず、第2次試験だけで最終合格者を決めます。筆記で出遅れたと感じている人にも、面接から一気に届く道が開かれている試験です。

最後まで諦めず、自分の言葉で語る練習を重ねてください。その道を自分のものにできるよう、当日まで一日ずつ積み上げていってください。