本記事では、秦野市職員採用試験の面接対策で必要な、秦野市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

秦野市役所の採用試験では、「なぜ秦野市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「これまでの経験をどんな場面で生かせるのか」といった質問が想定されます。令和8年度前期の試験では申込の受付時に個別面接が行われるため、書類を出しに行った日が、そのまま最初の面接の日になるという点を早い段階で頭に入れておきましょう。

受付の日から本番が始まる試験ですから、以下の内容は早い時期に一度通して読み、秦野市政と自分の関心の接点を書き出しておいてください。

第1部|自治体研究編

秦野市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは秦野市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 面積は103.76平方キロメートルで、市は採用案内で県内で5番目の大きさと説明している。
  • 人口は157,784人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で県内19市の12番目、人口密度は1,521人/平方キロメートルで17番目。広い市域に人が薄く広がっている市である。
  • 神奈川県の県央西部に位置し、丹沢の山々と渋沢丘陵に囲まれた地形。名水百選に選ばれた秦野盆地湧水群を擁する。
  • 住民基本台帳にもとづく高齢化率は31.7%。県内19市のうち30%を超えるのは7市で、秦野市はそのひとつ。
  • 市が掲げる都市像は「水とみどりに育まれ誰もが輝く暮らしよい都市(まち)」で、実現のための基本目標を5つ置いている。
  • 一般会計予算額は671億4,000万円、市職員数は1,088人(男性64.1%・女性35.9%)。
  • 職員採用試験は前期・中期・後期と年度内に複数回実施され、同一年度内に同じ職種の試験を重ねて受けることはできない。
  • 令和8年度前期は、第1次試験の1日目が申込受付時の個別面接、2日目が筆記という組み立てになっている。

秦野市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「秦野市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

秦野市の条件は、面積と高齢化率という二つの数字に集約されます。県内19市のなかでの位置と、県全体の値を並べて確認してください。

項目内容
総人口157,784人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積103.76km²(県内19市で5番目。市の採用案内も県内5番目の大きさと記載)
人口密度1,521人/km²(上記の総人口と総面積から算出。県内19市で17番目)
65歳以上人口・高齢化率50,002人・31.7%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)
75歳以上人口・75歳以上率29,874人・18.9%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)
世帯数74,384世帯(市の採用案内に記載)
一般会計予算額671億4,000万円(市の採用案内に記載)
市職員数1,088人(男性64.1%・女性35.9%)
隣接自治体厚木市、伊勢原市、平塚市、大井町、中井町、松田町、山北町、清川村
市役所所在地〒257-8501 神奈川県秦野市桜町一丁目3番2号
(参考)神奈川県の総人口9,194,723人(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)
(参考)神奈川県の高齢化率25.8%、75歳以上率15.4%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)

人口・面積・隣接自治体・市役所所在地は、公表値をもとに当研究会が整理したものです(総人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在で、人口密度はこれを総面積で割って算出しています。県内順位も同じ基礎データで19市どうしを比べたものです)。世帯数・一般会計予算額・市職員数と面積の県内順位に関する説明は、秦野市が公表した令和8年度前期の職員採用案内によります。65歳以上・75歳以上の人口と割合は、総務省が公表する住民基本台帳にもとづく令和8年1月1日現在の値で、国勢調査や推計人口とは調査そのものが異なるため、国勢調査ベースの数値と直接は比べられません。

数字から考えられる市政課題

住民基本台帳にもとづく令和8年1月1日現在の値で、秦野市の高齢化率は31.7%、75歳以上率は18.9%です。同じ基準の神奈川県全体は25.8%・15.4%ですから、県の水準を6ポイント近く上回っていることになります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省)|令和8年1月1日現在

比率を人数に置き換えると輪郭がはっきりします。65歳以上は50,002人、そのうち75歳以上が29,874人。

市民のおよそ3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という構成です。

介護や医療、見守りに関わる施策の対象が、市の人口規模に比して厚いということを意味します。

ここに面積の条件が重なります。103.76平方キロメートルという市域は県内19市で5番目に広い一方、人口密度は17番目です。

支援が必要な人が増えていく市で、その人たちが広い範囲に散らばっているという組み合わせは、拠点の置き方と移動手段の確保を市政の中心的な論点にします。

面接では、この二つを次のようにつないで話せます。

「秦野市は高齢化率が3割を超えていて、県の平均よりかなり高いと知りました。市の面積も県内で5番目に広いと聞きましたので、支援を必要とする方のところまでどう届けるかが大事になるのではと感じています」

秦野市の経済・産業

水とみどりが市の看板になっている

秦野市は「自然と共生し市民と協働するまち『秦野市』」を掲げ、丹沢の山々と渋沢丘陵に囲まれた自然と、名水百選に選ばれた秦野盆地湧水群を市の魅力として打ち出しています。先人の挑戦によって発展してきた歴史を受け継ぎながら、「みんなでつなぐ 未来のHADANO」をテーマに、誰一人取り残されないまちづくりを進めるとしています(出典:令和8年度前期 秦野市職員採用案内|令和8年度

神奈川県全体を見ると、県土は西部の山地、中央の平野と台地、東部の丘陵と沿岸部に大きく分けられ、気候は温暖で雨量の多い太平洋側気候です(参考:神奈川県のプロフィール|令和7年水とみどりは景観の話ではなく、市の産業と暮らしの土台だという捉え方をしておくと、環境分野を志望しない受験者でも話をつなげられます。

県の観光のなかでの位置

令和6年に神奈川県を訪れた入込観光客数は2億806万人(前年比8.9%増)で過去最高となりました。

内訳は日帰りが1億8783万人で90.3%を占め、宿泊は2023万人です。

エリア別では横浜・川崎7887万人、湘南5036万人、箱根3377万人、三浦半島1627万人と公表されています(出典:神奈川県入込観光客調査|令和6年

県の観光の主軸は臨海部と箱根にあります

だからこそ、内陸の市が観光を語るときには、通過する人を数える発想ではなく、市の自然や水をどう体験の形に変えるかという発想が要ります。

市内の観光の状況は市の公表資料で確認したうえで、県全体の流れとの違いを自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

市と町村が接する場所に立つ

秦野市が境を接するのは、厚木市、伊勢原市、平塚市の3市と、大井町、中井町、松田町、山北町、清川村の5つの町村です。神奈川県は33市町村(19市13町1村)で構成されており(参考:神奈川県の市町村|ページ更新2026年1月秦野市は接する相手の過半が町村という位置にあります

規模の違う自治体と隣り合うということは、広域で連携する場面で秦野市が担う役割が相対的に大きくなりやすいということでもあります。

医療、消防、公共交通といった単独では抱えきれない分野でどう手を組むか。

この視点は「なぜ県庁ではなく市役所か」を語るときにも効いてきます。

秦野市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、秦野市政が向き合うテーマの輪郭が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

県を大きく上回る高齢化

高齢化率31.7%・75歳以上率18.9%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)は、県全体を大きく上回ります。

さらに神奈川県は、新かながわグランドデザイン基本構想で、2040年頃に高齢者数と高齢化率がともにピークを迎え、総人口は900万人を下回ると見通しています(出典:新かながわグランドデザイン基本構想|策定版

県より先行して高齢化が進む市では、県全体の見通しが現実になる時期も早いと考えるのが自然です。

広い市域に薄く分布する人口

面積は県内19市で5番目、人口密度は17番目という組み合わせは、施設や交通の設計を難しくします

同じ人数の市民を対象にしても、密集した市に比べて移動の距離と時間がかかるからです。

どこに何を置くかという判断そのものが、この市では福祉政策の一部になります

地域公共交通や地域の集まりの場が話題になったとき、この構造から説明できるようにしておきましょう。

大規模地震への備え

神奈川県が被害想定調査の対象としている想定地震は6つあり、そのなかには神奈川県西部地震も含まれます。

最も深刻な大正型関東地震が冬18時に発生した場合、県全体で死者19,780人、建物全壊303,300棟が想定されています(出典:神奈川県地震被害想定調査|令和5〜6年度調査

これは県全体を対象とした想定であり、秦野市域の被害想定と避難所の運営方針は市の地域防災計画で確認してください

山地に近い市では土砂災害への備えも論点になりますので、市の防災の考え方をあわせて読んでおきましょう。

1,088人の組織で671億円の予算を動かすということ

ここからひと段落だけ、当研究会の推測を書きます。

人口16万人前後の市役所は、政策づくりを専門に担う人員を厚く置ける規模ではない一方、地域の中心として周辺自治体や関係機関と向き合う場面も多い、いわば中間の位置にあります。

企画の仕事と窓口の仕事が同じ職員の一日のなかに並び、異動のたびに新しい分野へ入っていく働き方になりやすいということです。

秦野市は人事異動をおおむね3年から5年ごとのジョブ・ローテーションとし、希望する職場を申告できる自己申告制度を設けています。

国や県、他団体への派遣も行われています。

一つの分野を極める前に、次の分野へ移ることを前提にした人の育て方だと読めます。

面接では、器用さを誇るのではなく、知らない仕事に入ったときの自分なりの手順を語れると噛み合います。

秦野市の重点政策|都市像と5つの基本目標

秦野市が掲げる都市像は「水とみどりに育まれ誰もが輝く暮らしよい都市(まち)」です。この都市像を実現するために、5つの基本目標が置かれています(出典:令和8年度前期 秦野市職員採用案内|令和8年度

基本目標扱う分野の見当
① 誰もが健康で共に支えあうまちづくり健康、医療、福祉、地域での支えあい
② 生涯にわたり豊かな心と健やかな体を育むまちづくり教育、生涯学習、スポーツ、文化
③ 名水の里の豊かな自然と共生し安全・安心に暮らせるまちづくり自然環境、水、防災、暮らしの安全
④ 住みたくなる訪れたくなるにぎわい・活気あるまちづくり定住促進、産業、観光、まちのにぎわい
⑤ 市民と行政が共に力を合わせて創るまちづくり市民協働、行政運営、情報の共有

並べてみると、①が高齢化率31.7%という市の現実に、③が水とみどりという市の資源に、それぞれ正面から対応していることが分かります。

市の課題と市の資源が、そのまま基本目標の言葉になっているという構造です。

志望動機を組むときは、自分の関心がどの目標の下に入るのかを最初に決めてしまうと、話の筋がぶれません。

POINT|5つ覚えるより、1つを掘る

基本目標を暗唱できても評価にはつながりません。自分の関心に近いものを1つ選び、その目標が置かれた背景にある市の数字や環境まで説明できるようにしておきましょう。

悪い例「秦野市の自然を守る仕事に関わりたいと思っています」

改善例「秦野市は名水百選に選ばれた湧水があると知りました。水を守ることが、そのまま観光や暮らしの安心にもつながる分野だと思いますので、そこに関わる仕事をしてみたいです」

あわせて確認したい公式資料

網羅する必要はありません。志望動機に直接つながるものを選び、中身を自分の言葉で言い直せるところまで読んでおきましょう。

  • 秦野市の職員採用案内と、受験する時期(前期・中期・後期)の募集要項
  • 秦野市の総合計画(都市像と5つの基本目標の全体像)と、最新年度の予算資料
  • 秦野市地域防災計画(市域の被害想定、土砂災害や避難所の考え方)
  • 水環境や湧水の保全に関する市のページ
  • 志望分野の個別計画(高齢者福祉、地域公共交通、産業振興など)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、秦野市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。秦野市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

秦野市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

秦野市役所の面接の概要

ここからは、募集要項に書かれている試験の姿と、そこから読み取れる準備の要点を順に見ていきます。

秦野市役所の試験の流れ

令和8年度前期の試験は、第1次試験(1日目・2日目)、第2次試験、最終試験という組み立てです。特徴は1日目にあります。

申込を受け付ける会場で、その場で個別面接が行われるのです。

第1次試験は1日目と2日目の両方を受ける必要があり、どちらかを欠席すると受験を辞退したものとして扱われます。

項目内容(令和8年度前期)
試験の段階第1次試験(1日目・2日目)→ 第2次試験 → 最終試験。第2次試験があるのは事務職Aのみです
第1次試験(1日目)全職種で個別面接(10分程度)。申込受付後に実施されます
第1次試験(2日目)総合適性検査(60分間)と記述試験。土木職・建築職は適性検査と専門試験(120分間)、保健師職・栄養士職は適性検査も加わります
総合適性検査の中身文章読解力、数的能力、論理的思考能力、人文・社会・自然に関する一般知識、基礎英語に関する択一式の筆記検査
記述試験の中身秦野市職員になろうとする意欲等や、行政課題等に対しての問題意識、論理性、文章構成力等を評価する試験(事務職Aほかは75分間、事務職Bは60分間)
第2次試験(事務職A)グループワーク(35分程度)と適性検査(35分程度)
最終試験全職種で個別面接(20分程度)
提出書類申込書・エントリーシート・受験票の3点を、受験者本人が申込受付の会場へ持参します(土木職・建築職はエントリーシート(その2)も提出)
採用予定人員事務職A 10名程度。事務職B(障がいのある方)、土木職、建築職、保健師職、栄養士職は各若干名
配点試験種目別の配点は募集要項に記載がありません

上記は秦野市が公表した令和8年度前期の職員採用案内・募集要項にもとづく内容です。秦野市は前期のほかに中期・後期の採用試験を実施しており、時期によって募集職種と試験の構成が異なります。また、提出書類の名称は申込書・エントリーシート・受験票であり、面接カードという様式は置かれていません。受験の際は、必ず自分が受ける時期・職種の最新の募集要項をご確認ください(出典:令和8年度前期 秦野市職員採用案内・募集要項|令和8年度

配点が公表されていない以上、人物試験の比重を数値で語ることはできません。

ただし、入口の1日目と出口の最終試験がどちらも個別面接だという構成は要項から確認できます。

筆記の前に一度会い、すべてが終わる場面でもう一度会う。受験者の印象を、期間の最初と最後に置いて確かめる設計だと読んでおきましょう。

受験者数と合格者数から見る

令和7年度の実施結果として、事務職は受験者185人に対し最終合格者22人、土木職は15人に対し6人、建築職は3人に対し1人、保健師職は6人に対し1人、栄養士職は13人に対し3人と公表されています(事務職と土木職・建築職は、令和7年度中に実施した採用試験すべての合計)。

事務職の合格者は受験者のおよそ8人に1人という水準です。

数字を怖がる必要はありませんが、10名程度の採用枠に対してどの程度の人が集まるのかは、準備量を決める材料になります

秦野市役所が求める人物像

令和8年度前期の採用案内と募集要項、および市の職員採用ページには、「求める人物像」と題した見出しは置かれていません。

そのかわりに市が繰り返し掲げているのが、都市像「水とみどりに育まれ誰もが輝く暮らしよい都市(まち)」と、5つの基本目標です。

とりわけ最後の「市民と行政が共に力を合わせて創るまちづくり」は、職員に何を期待しているかを直接に示しています。

もう一つの手がかりが、記述試験の説明文です。

市はこの試験で「秦野市職員になろうとする意欲等や、行政課題等に対しての問題意識、論理性、文章構成力等」を評価すると明記しています。

意欲と問題意識が、論理性と並べて評価項目に置かれているということは、面接でも同じ観点が問われると考えるのが自然です。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。秦野市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク緊張していますか?場慣れの有無ではなく、想定外の一言に自然な調子で返せるか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?民間でもできる動機で止まっていないか。職業選択の筋道が経験とつながっているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観視できているか。短所とどう付き合っているかまで語れるか
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください困難の大きさではなく、その場面で何を考え、どう動いたかという行動の中身
⑤ 学業・経歴卒業論文(研究)のテーマについて、簡単に説明してください専門外の相手に伝わる言葉へ翻訳する力。学びを仕事へつなげる視点
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか?市の仕事への理解の解像度。希望どおりの配属でなくても働ける柔軟さ
⑦ 公共性・社会性最近関心を持ったニュースは何ですか?社会の動きへのアンテナと、それについて自分の意見を一言で述べられるか

ただし、この7カテゴリーは秦野市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「秦野市ならではの事情を踏まえた質問」です。

差がつくのは「秦野市役所ならでは」の質問

「なぜ神奈川県庁ではなく、秦野市役所なのですか?」
「秦野市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

1日目の個別面接は10分程度です。

長い説明を組み立てる時間はありませんから、最初の一言で市を見ている角度が伝わるかが勝負になります。

10分でも出せる事実を5つに絞り、それぞれの切り出し方を添えました。

質問テーマ知っておきたい秦野市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か秦野市は3市と5つの町村に接し、規模の異なる自治体に囲まれた位置にある。市職員数は1,088人県と市の役割を制度で説明するより、周辺の町村と向き合う場面がある市の立ち位置から、自分が関わりたい距離感を語ります
市の高齢化高齢化率31.7%・75歳以上率18.9%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)で、県全体の25.8%・15.4%を大きく上回る3人に1人という言い換えを使い、面積が県内5番目という条件と組み合わせて、届け方の課題として語ります
市の資源名水百選に選ばれた秦野盆地湧水群があり、丹沢の山々と渋沢丘陵に囲まれる景色の感想で終わらせず、水とみどりが基本目標③に組み込まれている点まで触れ、暮らしの安全と結び付けます
市の方向性都市像は「水とみどりに育まれ誰もが輝く暮らしよい都市(まち)」。5つの基本目標が置かれている都市像を復唱せず、5つのうち自分の関心に近い目標を一つ挙げ、そこに入りたい理由を経験から述べます
市の規模と予算一般会計予算額671億4,000万円、市職員数1,088人(男性64.1%・女性35.9%)数字を暗記した印象を与えないよう、この人数で市域全体を回す働き方に触れ、幅広い仕事への構えを示します

5つを持ち歩く必要はありません。志望する職種に近い行を1つ決め、そこから「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話を、10分の面接でも収まる長さに詰めておきましょう。

想定される評価の観点

面接は、市が掲げる方向性に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
市民と力を合わせる姿勢立場の違う人と一緒に何かを作った経験があるか基本目標⑤の「市民と行政が共に力を合わせて創る」に対応する場面を選び、自分が調整役に回った具体的なやりとりを用意する
問題意識の持ち方目の前の状況に対して、何がおかしいと感じ、どう確かめたか記述試験でも問題意識が評価項目に挙げられているため、意見の強さではなく、そう考えた根拠を説明できるようにしておく
幅広い仕事への構え希望と違う役割を任されたときの向き合い方異動が3年から5年のサイクルで、事務職の最初の配属は窓口部門が多いという市の説明を踏まえ、未経験の仕事への入り方を語れるようにする

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

秦野市は1日目の10分と最終試験の20分で、時間の長さが違う面接を二度受けます。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、短い版と長い版の両方で用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 受験する時期(前期・中期・後期)と職種を決め、募集要項で申込書・エントリーシートの記入項目と受付会場での流れを確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 提出するエントリーシートの控えを手元に置き、そこに書いた内容から10分で話せる範囲を決めておく。受付日がそのまま面接日になるため、書類と発言を先にそろえておく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

独学で対策を進めていて答えの型が固まらない場合は、秦野市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

秦野市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

秦野市役所の想定問答集を見る

さいごに

秦野市の前期試験では、書類を持って受付に行った日に最初の個別面接が待っています。

準備の開始が早いほど有利に働く設計だといえます。

県内で5番目に広い市域に16万人が暮らし、3人に1人が65歳以上という条件のなかで、水とみどりを掲げ続ける市。

その市で自分は誰の暮らしに関わりたいのか。

10分でも20分でも同じ芯から話せるところまで、言葉を練っておきましょう。