岐阜市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。
岐阜市消防本部の面接試験では、「なぜ岐阜市消防本部を志望したのか」「消防官として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を消防の仕事でどう活かしたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。
岐阜市単独の設置でありながら事務委託方式で4市1町を管轄する成り立ちを知っておくことで、どの消防本部にも当てはまる一般論を避け、岐阜市消防本部に固有の事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と岐阜市消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|組織研究編
岐阜市消防本部の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは岐阜市消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 岐阜市消防本部は岐阜市が単独で設置する消防本部だが、平成30年の消防広域化により岐阜市・瑞穂市・山県市・本巣市・北方町の4市1町を「岐阜市への事務委託方式」で管轄している。
- 広域化にともない機構は1本部6署15分署に再編されたが、地域に密着した活動を担う各市町の消防団は広域化の対象外で、体制に変更はない。
- 消防吏員は650人(うち女性15人・令和7年4月1日現在)で、県内でも最大規模の陣容である。
- 令和6年中の出動件数は、火災155件に対して救急29,112件と、救急が圧倒的多数を占める。
- 採用試験は岐阜市消防本部消防総務課職員係が実施し、岐阜市の事務職試験とは所管課が異なる別系統である。
- 試験は年2回実施され、5月受付回は募集10人程度で幅広い年齢層、8月受付回は高校卒業程度の若干名という2つの枠で構成されている。
- 試験要綱の冒頭には「「誇り」を仕事に。」というキャッチコピーが掲げられている。
岐阜市消防本部の基礎データ
面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「岐阜市消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
下の表には、岐阜市を中心とする4市1町、合わせて52万人を超える暮らしを支える体制の規模がわかるよう、管内人口・吏員数・出動件数をまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設置形態 | 単独(岐阜市が設置。平成30年の広域化により、瑞穂市・山県市・本巣市・北方町から岐阜市への事務委託方式で4市1町を管轄) |
| 管内人口 | 529,190人(岐阜市397,364人・瑞穂市56,270人・山県市24,377人・本巣市32,627人・北方町18,552人の合算。住民基本台帳、令和8年1月1日現在) |
| 消防吏員数 | 650人(うち女性15人)※令和7年4月1日現在 |
| 火災出動件数 | 155件(令和6年中) |
| 救急出動件数 | 29,112件(令和6年中) |
| 救助出動件数 | 502件(令和6年中) |
| 試験の段階 | 二段階(第一次:教養科目・消防適性検査・体力検査、第二次:口述試験・集団討論試験・身体検査) |
管内人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)による4市1町の合算、消防吏員数・出動件数は総務省消防庁の公表データ(令和7年4月1日現在・令和6年中)によります。
数字が語る岐阜市消防の実務
まず確かめたいのは、火災155件と救急29,112件という出動件数の隔たりです。190倍近い開きは、消火よりも救急の対応が業務の圧倒的な中心であることを示しています。吏員650人という県内最大級の体制でも、この件数を支えるのは簡単ではありません。(出典:全国消防本部データ|総務省消防庁)
また、管内5市町の高齢化率には大きな差があります。山県市は38.4%(75歳以上22.3%)と特に高く、瑞穂市は22.0%(75歳以上12.5%)にとどまります(いずれも住民基本台帳、令和8年1月1日現在)。
中心市である岐阜市だけでなく、管内全体の年齢構成の差まで理解しておくことが、この本部を志望するうえでの土台になります。
管轄地域の特性と災害リスク
管轄地域の全体像
- 岐阜市消防本部が管轄するのは岐阜市・瑞穂市・山県市・本巣市・北方町の4市1町で、平成30年4月1日の消防広域化により岐阜市への事務委託方式で運用されている。
- 岐阜市は岐阜県の県庁所在地で、管内5市町の中心的な都市である。
- 岐阜県全体では就業者に占める製造業の割合が25.0%(全国順位6位)に達し、就業構造の面でも製造業の存在が大きい。
つまり岐阜市消防本部は、単独設置の本部でありながら、事務委託という形で4市1町という広い管轄を一体的に支えている本部だと整理できます。県庁所在地の都市機能と、周辺市町の実情の両方を理解しておくことが、他の受験者との違いになります。
濃尾地震のリスク
明治24年(1891年)10月28日に発生した濃尾地震は、マグニチュード8.0、死者4,990人・負傷者12,783人・住家全壊50,125棟という甚大な被害をもたらしました。
長さ約76kmの地表地震断層が現れ、根尾谷断層に沿って最大7.4mの左横ずれが生じています。濃尾断層帯の関係市町村には本巣市・岐阜市・山県市が含まれ、管内5市町のうち3市がこの断層帯に関わる地域です。(出典:岐阜県の地震活動の特徴|地震調査研究推進本部)
平成30年7月豪雨の経験
平成30年7月豪雨(平成30年6月29日から)では、岐阜県内16市町村に大雨特別警報が発表され、その中に岐阜市・山県市・本巣市が含まれています。
県全体の被害は死者1人(関市)・重傷2人(岐阜市・高山市)・軽傷1人(関市)、住家全壊12棟・半壊236棟・一部損壊7棟、床上浸水72棟・床下浸水420棟、実避難者9,544人にのぼりました。管内5市町のうち3市が特別警報の対象になったことは、地震だけでなく風水害への備えも欠かせないことを示しています。(出典:平成30年7月豪雨(岐阜県)の記録|岐阜県公式サイト)
管内4市1町の主な消防課題
ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、岐阜市消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
救急需要の増加
この増加は全国的な傾向で、令和6年中の救急出動は771万8,380件(前年比+1.0%)と、昭和38年の集計開始以来で最も多くなりました。搬送人員のうち65歳以上が63.3%、外来診療で済んだ軽症が46.8%を占めます(いずれも令和6年中)。
岐阜市消防本部の29,112件(令和6年中)も、この流れの中にあります。吏員650人という体制でも、増え続ける救急需要への対応は組織全体の大きな課題です。(出典:令和7年版 救急・救助の現況)
大規模災害への備え
前章のとおり、管内5市町のうち3市が濃尾断層帯に関わり、平成30年7月豪雨でも3市が特別警報の対象になりました。
全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が緊急消防援助隊に登録し、大規模災害時には本部の枠を超えて助け合う仕組みが整えられています。地震と風水害の両方を意識した備えが、岐阜市消防本部にとっての重い課題です。(出典:令和6年版 消防白書)
人材確保と女性消防吏員の活躍
消防吏員650人のうち女性は15人で、割合は約2.3%。全国平均(約3.8%・168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)を下回っています。
国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げており(平成27年度策定)、岐阜市消防本部にとっても、性別を問わず多様な人材を確保していくことは大きなテーマです。650人という県内最大級の組織で、女性を含む幅広い人材をどう育てていくかは、これから消防に入る受験者自身にも関わる課題です。(参考:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)
広域化後の一体的な消防体制
平成30年の消防広域化により、岐阜市消防本部は1本部6署15分署という体制で4市1町を一体的に管轄するようになりました。
中心市の岐阜市だけでなく、瑞穂市・山県市・本巣市・北方町という性格の異なる4つの市町を、同じ水準で守る体制づくりが課題です。各市町の消防団は広域化の対象外として維持されており、消防本部と消防団の役割分担への理解も欠かせません。
重点方針|4市1町の広域化と採用の仕組み
確認した岐阜市消防吏員採用試験要綱及び岐阜市公式サイトの本文には、消防本部単独の運営方針や基本理念に相当する記載はありません(2026年9月時点)。一方で、平成30年の消防広域化の経緯と、年2回に分かれた採用試験の仕組みには、岐阜市消防本部ならではの特徴が表れています。
事務委託方式による広域化
平成30年4月1日、岐阜地域4市1町の消防広域化にともない、岐阜市消防本部・中消防署が広域化後の消防本部となり、岐阜市への事務委託方式で運用が始まりました。採用後の居住要件も、管轄する4市1町またはその境界から10km以内と定められており、管内のどこに配属されても対応できる生活設計が前提になっています。
年2回・2つの枠に分かれた採用試験
採用試験は5月受付回と8月受付回の年2回に分かれ、5月受付回は幅広い年齢層を対象に募集10人程度、8月受付回は高校卒業見込みの人を対象に若干名を募集します。教養科目はいずれの回も高卒程度の出題水準で統一されています。
前年度実績では、5月受付回が申込59人に対し最終合格12人、8月受付回が申込7人に対し最終合格4人でした。自分がどちらの回に該当するのかを、早めに確認しておきましょう。
POINT|キャッチコピーの言葉に頼りすぎない
試験要綱に掲げられた「「誇り」を仕事に。」という言葉を、そのまま志望動機に使うだけでは伝わりません。まず消防の仕事そのものへの理解を示し、次に岐阜市消防本部がどんな体制で4市1町を守っているかを押さえ、最後に自分の経験や強みをどう生かすかへつなげる、という順で自分の言葉に置き換えて組み立てましょう。
悪い例「誇りを持てる仕事だと思うので、岐阜市消防本部を志望します」
改善例「岐阜市消防本部は広域化によって、瑞穂市や山県市など4つの市と1つの町をあわせて受け持っていると知りました。高齢化率が4割近い市もあれば2割台の市もあると伺いましたので、地域ごとに違う救急の需要に、同じ水準で応えられる職員になりたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
5月受付回と8月受付回とでは対象年齢も募集人数も異なるため、採用試験要綱ではまず自分が該当する回を見極めることを優先しましょう。全国の吏員数や出動件数を示す統計データは、面接で数字を交えて語れるように、時間のあるときに読み込んでおけば十分です。
- 岐阜市消防吏員採用試験要綱(5月受付回・8月受付回それぞれ)
- 総務省消防庁の公表データ(全国の消防吏員数・出動件数等の統計)
- 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、岐阜市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。岐阜市消防本部の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
岐阜市消防本部の面接の概要
ここからは、岐阜市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。受付回によって受験資格が異なる分、自分の該当する回に沿って読み進めてください。
岐阜市消防本部の面接の流れ
岐阜市消防吏員採用試験は、岐阜市消防本部消防総務課職員係が実施する試験です。第一次で教養科目・消防適性検査・体力検査によって基礎的な学力と適性を確かめたうえで、第二次の口述試験(個別面接)・集団討論試験・身体検査に進む二段階選考という構成になっています。(出典:令和8年度 岐阜市消防吏員採用試験要綱|岐阜市)
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 試験の段階 | 二段階。第一次=教養科目・消防適性検査・体力検査/第二次=口述試験(個別面接)・集団討論試験・身体検査 |
| 面接の種類 | 個別面接(口述試験)1回・集団討論試験1回。いずれも第二次で実施されると要綱に明記 |
| 面接以外の検査 | 体力検査(第一次・腕立て伏せ〈女性は膝つき〉・20mシャトルラン・上体起こし・握力の4種目)、身体検査(第二次・視力・聴力・胸部等の健康診断書提出) |
| 配点 | 公表されていません。最新の受験案内でご確認ください |
| 面接カード | 別様式の提出は求められておらず、オンライン申込フォームの「自己アピール等(400字以内)」等が実質的な面接資料として機能する |
注目したいのは、個別面接と集団討論試験の両方が第二次に置かれている点です。集団討論試験は「社会性、協調性、指導性について試験を行います」と要綱に明記されており、個別面接とは異なる角度から人物が確かめられます。5月受付回・8月受付回のどちらで受験する場合も、この二本立ての構成は変わりません。
また、受験申込は「岐阜市オンライン申請総合窓口サイト」の「職員採用」カテゴリから行う方式です。氏名・生年月日・顔写真・現住所・学歴・職歴・就職活動状況・資格免許に加えて「自己アピール等(400字以内)」を入力しますが、入力途中での一時保存はできないため、あらかじめ書く内容をまとめてから入力に臨むと安心です。
上記の試験構成は、岐阜市が公表する令和8年度の岐阜市消防吏員採用試験要綱の内容によるものです。配点等は要綱に記載がなく、公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。試験の構成・日程は年度によって変わることがあります。受験の際は、必ず最新の受験案内でご確認ください。
最終合格者は岐阜市消防吏員採用候補者名簿に登載され、そこから成績順に採用者が決定されるため、名簿に登載された人がすべて採用されるとは限りません。採用されると岐阜県消防学校に入校し、規律と節度のある生活環境の中で約8か月間、全寮制での教育を受けます(令和2年度は約6か月でしたが、その後の要綱改定で期間が延長されました)。
初任給(地域手当を含む・令和8年度)は大学(4年制)卒247,104円、高校卒221,624円です。条件として、道路交通法に基づく自動車運転免許(第一種普通・準中型・中型・大型のいずれか)を取得できることも求められます。
岐阜市消防本部が求める人材
岐阜市消防本部は、消防吏員について「求める人物像」に相当する文言を試験要綱に明文で公表していません(2026年9月時点・当研究会調べ)。手がかりになるのが、試験要綱の冒頭に掲げられた「「誇り」を仕事に。」というキャッチコピーです。
そのうえで、地方の中核都市クラスの単独消防本部では、救助・予防・救急など役割の分化が進む一方、出動件数では救急が業務量の大半を占めるという構造を踏まえると、現場対応力だけでなく、予防や市民対応など行政的な業務にも対応できる姿勢が評価の軸になりやすいと考えられます。
岐阜市消防本部の場合、平成30年の広域化により1本部6署15分署という体制で瑞穂市・山県市・本巣市・北方町という性格の異なる4市町までを事務委託方式で守っている分、中心市の岐阜市だけでなく管内全体を見渡す視点が求められます。
オンライン申込フォームの「自己アピール等(400字以内)」が実質的な面接資料になる仕組みである以上、限られた文字数の中で自分の経験を的確に言語化しておくことも欠かせません。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。岐阜市消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 試験会場までは、どうやって来ましたか? | 緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます |
| ② 動機・志望 | なぜ岐阜市消防本部を志望するのですか? | 消防官という仕事と岐阜市という土地を、自分の言葉で選べているか |
| ③ 自己理解 | あなたの長所と短所を教えてください | 自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください | 過去の行動の事実。壁にぶつかったときの対処が現場の仕事に通じるか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学生時代に力を入れたことは何ですか? | 結果の大きさよりも、取り組みの筋道を自分の言葉でたどれるか |
| ⑥ 適性・将来 | 体力に自信はありますか? | 体力検査に象徴される、現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか? | 仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識 |
この7つの枠組みは、岐阜市のような事務委託方式の本部でも、大都市の消防局でもおおむね共通します。ここから先、岐阜市消防本部を受ける理由まで踏み込めるかどうかは、次の固有質問で決まります。
合否を分けるのは岐阜市消防本部ならではの質問
岐阜市消防本部が問うてくるのは、組織の成り立ちそのものです。平成30年の広域化で事務委託方式に再編された経緯を押さえていなければ、4市1町を管轄する理由は説明できません。
どちらも、その場の思いつきでは説得力のある答えにたどり着けません。あらかじめ調べておいた分だけ、回答に厚みが出る質問だといえます。
面接で使いやすい「岐阜市消防本部の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい岐阜市消防本部の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 組織の成り立ち | 平成30年4月1日の消防広域化により、岐阜市消防本部・中消防署を岐阜市への事務委託方式で運用する形に再編(詳細は第1部1章・5章) | 「事務委託」という言葉の意味を、自分の言葉で説明できるようにする |
| 管轄区域の範囲 | 岐阜市・瑞穂市・山県市・本巣市・北方町の4市1町を管轄し、居住要件も4市1町の境界から10km以内と定められている(詳細は第1部1章) | 中心市だけでなく、周辺4市町への理解も示せるようにする |
| 出動の実態 | 令和6年中の出動は火災155件に対し救急29,112件。190倍近い開きがある(詳細は第1部2章) | 火災対応だけでなく、救急が業務量の大半を占めることを前提に語る |
| 想定される災害(濃尾地震) | 濃尾地震はマグニチュード8.0・死者4,990人という被害をもたらし、断層帯の関係市町村には本巣市・岐阜市・山県市が含まれる(詳細は第1部3章) | 被害の規模だけでなく、管内複数市町にまたがる断層帯という点にも触れる |
| 採用試験の仕組み | 試験は年2回、5月受付回(幅広い年齢層・10人程度)と8月受付回(高校卒業見込み・若干名)に分かれる(詳細は第1部5章・第2部1章) | 自分がどちらの回に該当するのかを、正確に説明できるようにする |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
岐阜市消防本部は、第二次試験の科目として口述試験(個別面接)と集団討論試験を明示していますが、配点までは公表していません。5月受付回・8月受付回のいずれも同じ科目構成で実施されます。
公表された選考設計に、面接で広く用いられる一般論としてのコンピテンシー評価を重ねて、観点を整理していきます。構成から読み取れるのは、個別面接と集団討論という異なる場面で、二重に人物を確かめる設計だという点です。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 社会性・協調性・指導性 | 集団討論試験で、要綱に明記された3つの観点がどう表れるか | 自分の主張を通すことより、他の受験者の発言を受けて考えを述べられているかを意識する |
| 個別面接での一貫性 | 口述試験で語る内容が、オンライン申込フォームの自己アピール(400字)と食い違わないか | 400字の自己アピールに書いた内容を、面接でも同じ軸で語れるようにしておく |
| 管内全体への理解 | 岐阜市だけでなく、事務委託で管轄する瑞穂市・山県市・本巣市・北方町への理解があるか | 中心市の事情だけでなく、周辺4市町の性格の違いも押さえておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。岐阜市消防本部のように、個別面接と集団討論の両方が課される試験では、なおさらです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 令和8年度の受験案内を読み、自分が5月受付回・8月受付回のどちらに該当するかと試験構成、岐阜市オンライン申請総合窓口サイトでの申込方法を確認する
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、チームで動いた具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。個別面接だけでなく、集団討論試験に向けた練習も並行して進める
優先順位に注意
ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で岐阜市消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、オンライン申込フォームの自己アピールは400字という限られた文字数です。書ききれなかった経験の背景や具体的なエピソードを補うテキストとして、岐阜市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
岐阜市消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、口述試験と集団討論試験のそれぞれに向けた準備を具体的にイメージできるようになります。5月受付回・8月受付回のどちらを受ける場合も、早い時期から取り組んでおくと安心です。
さいごに
岐阜市消防本部は、平成30年の消防広域化にともない、岐阜市・瑞穂市・山県市・本巣市・北方町という4市1町を、岐阜市への事務委託方式で一体的に守っています。650人という吏員体制で、住民基本台帳の合算で52万人を超える暮らしを、火災の190倍近い救急需要や濃尾地震・平成30年7月豪雨のような災害リスクに向き合いながら支えています。
試験は5月受付回・8月受付回の年2回に分かれ、いずれの回も個別面接と集団討論という2つの場面で人物が確かめられます。オンライン申込フォームの自己アピール400字が実質的な面接資料になる分、限られた文字数の中で自分の経験をどう言葉にするかが、この本部の面接では特に問われます。
ここまでの内容を自分の言葉に置き換え、本番までに何度も声に出して練習しておいてください。