中濃消防組合消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。
中濃消防組合消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ中濃消防組合消防本部なのか」「自分の強みや経験を消防の仕事でどう活かしたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。関市・美濃市という管轄の広がりや組合という組織の性格を知っておくことで、どの消防本部にも当てはまる一般論を避け、説得力のある説明がしやすくなります。
ここで押さえた材料をもとに、自分の強みや関心と中濃消防組合消防本部の仕事との接点を考え、面接での回答づくりに役立ててください。
第1部|組織研究編
中濃消防組合消防本部の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは中濃消防組合消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 中濃消防組合消防本部は、関市・美濃市の2市が構成する一部事務組合が設置し、組合自らが職員採用試験を実施する消防本部である。構成市が採用して組合へ派遣する型ではなく、問い合わせ窓口も組合消防本部総務課である。
- 関市と美濃市の両市域を受け持つ消防吏員は163名で、うち女性が6名である(令和7年4月1日現在)。
- 令和6年中の出動件数は、火災38件に対し救急5,080件、救助62件で、救急が圧倒的多数を占めている。
- 令和8年度の職員採用試験は第1回(大学卒程度)と第2回(高校卒業以上)の年2回実施され、いずれも職種は消防吏員である。採用予定人数は両回の試験案内とも「4名程度」と記載されているが、両回の合計か各回別かは明示されていない。
- 第1次試験は筆記・適性検査・体力試験、第2次試験は作文と個人面接の2段階で、集団討論・集団面接は課されないことが試験案内に明記されている。
- 身体要件として、視力(矯正視力を含む)が両眼0.7以上かつ一眼それぞれ0.3以上であることが求められ、裸眼視力そのものには制限がない。
- 関市は古くから刃物産業の集積地として知られ、関鍛冶伝承館や刃物まつりなど刃物を軸にした取組が公式に位置づけられている。
- 初任給(令和8年4月1日現在)は大学卒232,000円、短期大学卒216,500円、高等学校卒200,300円で、扶養手当・住居手当・通勤手当・期末勤勉手当等の制度も用意されている。
中濃消防組合消防本部の基礎データ
面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「中濃消防組合消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
次の表には、構成市町村・管内人口と消防吏員の体制、そして出動件数という、この本部の規模と仕事の量を語るのに欠かせない項目を集めました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 構成市 | 関市・美濃市(2市) |
| 管内人口(合算) | 101,871人(関市83,152人+美濃市18,719人・住民基本台帳・令和8年1月1日) |
| 消防吏員数 | 163名(うち女性6名)※令和7年4月1日現在 |
| 救急出動件数 | 5,080件(令和6年中) |
| 火災出動件数 | 38件(令和6年中) |
| 救助出動件数 | 62件(令和6年中) |
消防吏員数・出動件数は総務省消防庁の公表データ(令和7年4月1日現在・令和6年中)によります。管内人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の構成市2団体の合算値で、高齢化率は関市32.2%・美濃市38.1%とそれぞれ異なるため合算せず団体別に扱っています。
数字から見える中濃消防組合の仕事量
目を引くのは救急の数字です。火災の出動が年間38件であるのに対し、救急出動は5,080件と、130倍を超える開きがあります。関市・美濃市を合わせた管内人口約10万人の規模で、消防の仕事の中心が救急にあることがよくわかります。
2つの構成市の高齢化率を見ると、関市が32.2%であるのに対し美濃市は38.1%(いずれも令和8年1月1日現在)と、6ポイント近い差があります。75歳以上人口の割合も関市18.5%・美濃市22.0%(同時点)とやはり美濃市の方が高く、同じ組合の管内でも構成市によって高齢化の進み方が異なる点は、志望動機を語るうえでも押さえておきたい事実です。
管轄地域の特性と災害リスク
管轄地域の全体像
- 中濃消防組合消防本部は、刃物産業の集積地である関市と、規模の異なる美濃市の2市を管轄する組合消防本部である。
- 管内人口は前章のとおり合算で101,871人。関市が83,152人、美濃市が18,719人で、規模の異なる2つの市を1つの本部が支えている。
- 岐阜県全体では、人口減少がこのまま進めば県の総人口が2050年に137万人になるという推計が示されている(令和6年12月・岐阜県人口問題研究会中間報告)。
つまり中濃消防組合消防本部は、規模の異なる2つの構成市にまたがる管内を、163名という体制で横断的に支える本部だと整理できます。どちらか一方の市だけを見て志望動機を組み立てると、面接で管内全体への視点を問われたときに弱くなります。
地震・豪雨のリスク
地震調査研究推進本部の評価では、関市を含む岐阜県内の本巣市・岐阜市・山県市・美濃加茂市・加茂郡坂祝町などにまたがる濃尾断層帯(根尾谷断層帯でM7.3程度、梅原断層帯でM7.4程度・いずれも30年以内の発生確率はほぼ0%)が分布しています。(出典:濃尾断層帯|地震調査研究推進本部)
実際に発生した災害としては、平成30年7月豪雨で関市に死者1名・軽傷1名の人的被害が生じ、関市を含む県内16市町村に大雨特別警報が発表されました。このときは岐阜市・高山市でも重傷者2名が出るなど県内全域に被害が広がり、避難勧告の対象は139,914人、実際に避難した人は9,544人にのぼりました。
県内の最大雨量は郡上市ひるがので1,214.5mm(6月28日から7月8日にかけて)を記録しています。令和2年7月豪雨でも関市板取地区で降り始めからの降水量が1,220.5mmに達し、県内で1,000mmを超えた11地点の一つとなりました。
この豪雨では飛騨川を中心に河川の氾濫や土砂災害が発生した一方、県内では死者・行方不明者は生じず、発生した孤立集落も道路啓開により2日間で解消されています。(出典:平成30年7月豪雨|岐阜県まとめ、令和2年7月豪雨災害検証報告書の概要|岐阜県)
中濃消防組合消防本部の主な消防課題
ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、中濃消防組合消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。
救急需要の増加
救急の需要は全国で膨らみ続けています。令和6年中、救急自動車の出動は全国で771万8,380件を数え、昭和38年に統計を取り始めて以来の最多となりました(出典:令和7年版 救急・救助の現況)。
中濃消防組合の5,080件(令和6年中)もこの流れの中にあり、美濃市の高齢化率38.1%という水準を踏まえると、地域による需要の偏りにも目を配る必要があります。
大規模災害への備え
濃尾断層帯による大規模地震が発生すれば、中濃消防組合消防本部は全国から駆けつける緊急消防援助隊を管内に迎える立場になり得ます。
緊急消防援助隊には、全国の消防本部の約99%にあたる718本部から6,661隊が登録されています(令和6年4月1日現在・出典:令和6年版 消防白書|総務省消防庁)。平成30年7月豪雨・令和2年7月豪雨と、大雨に伴う災害を経験してきた地域だけに、平時からの備えの厚みが求められます。
予防・住宅防火
関市は刃物産業の集積地であり、市内には工場・作業場が多く点在しています。産業施設と住宅が近接する地域では、防火・予防の指導がより重要な意味を持ちます。(参考:関の刃物|関市)
人材確保と女性吏員の活躍
163名の消防吏員のうち女性は6名で、割合は約3.7%です。この数字は全国平均(約3.8%・168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)と大きくは変わりません。
国は「令和8年度当初までに5%」とする目標を掲げており(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)、性別を問わず長く働き続けられる環境かどうかは、志望を決めるうえでも確かめておきたい視点です。
地域防災力の維持
関市・美濃市という2つの構成市にまたがる組合であることは、地域防災力の面でも特徴になります。
市域をまたいだ連携や、構成市それぞれの自治会・自主防災組織との関係づくりが、常備消防だけでは埋めきれない部分を補う役割を担っています。採用試験案内が職務内容の一つに掲げる震災対策・防災訓練指導・消防水利の整備は、平時の備えを地道に積み重ねる仕事であり、災害が起きてからではなく、起きる前の関わり方が問われる分野でもあります。
重点方針|構成市の総合計画と消防
中濃消防組合消防本部そのものの重点方針にあたる単独の公表文書は確認できませんが、採用試験案内が示す職務内容6項目から、組合が実務上どこに重きを置いているかを読み取ることができます。関市・美濃市それぞれの地域の実情に、この6項目をどう当てはめるかが組合の実務の中心になります。
- 災害等の防除・鎮圧、救助、救急等
- 建物の安全指導、火災予防のための立ち入り検査、危険物施設の安全対策、防火・防災管理者等への指導、火災原因調査等
- 住民の安全確保、高齢者・障がい者の安全確保、消防広報等
- 消防車両・機器の整備等
- 震災対策、防災訓練指導、消防水利の整備等
- その他消防行政に関する業務
関市と刃物産業
関市は刃物産業の集積地として知られ、関鍛冶伝承館や刃物まつりなど刃物を軸にした取組が公式に位置づけられています。工場や作業場が住宅地に近接する地域特性は、火災予防の観点からも意識しておきたい事実です。
美濃市と組合の広域性
美濃市は関市よりも小規模な自治体で、高齢化率も38.1%と組合内でもっとも高い水準にあります。規模の異なる2つの市を1つの消防本部が支える構造だからこそ、どちらの市に配属されても対応できる柔軟性が実務上も求められます。
POINT|職務内容6項目を自分の関心に接続する
中濃消防組合消防本部は求める人物像を明文では公表していません。だからこそ、試験案内に示された職務内容6項目のうち、自分がどこに関心を持つのかを具体的なエピソードとあわせて語れるようにしておきましょう。
悪い例「消防の仕事にあこがれていたので、中濃消防組合消防本部を志望しました」
改善例「学生時代に地域の防災訓練に参加し、住民の方々が不安そうにしている様子を見て、安心を届ける仕事に関心を持ちました。関市と美濃市という異なる地域性を持つ2つの市を1つの本部で支えている点に魅力を感じ、どちらの地域でも住民の安全や安心を守れる消防吏員になりたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
下の3点は、手続の確認用と志望動機づくり用の役割に分かれます。手続の確認は早めに一度済ませ、志望動機づくりの材料は回答を練るたびに読み返すと効果的です。年齢要件や試験の内容は年度・回によって異なるため、最終的には必ず最新版の内容をよくご確認ください。
- 中濃消防組合の職員採用試験案内(令和8年度・第1回〈大学卒程度〉・第2回〈高校卒業以上〉)
- 中濃消防組合消防本部の公式サイト・採用試験情報ページ
- 関市の刃物産業に関する公式ページ
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字をただ丸暗記しただけの状態では、面接本番での深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、中濃消防組合消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。中濃消防組合消防本部の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
中濃消防組合消防本部の面接の概要
ここからは、中濃消防組合消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
中濃消防組合消防本部の面接の流れ
令和8年度は第1回(大学卒程度)と第2回(高校卒業以上)の2回実施され、いずれも第1次が筆記試験・適性検査・体力試験、第2次が作文試験と個人面接という2段階で構成されています。第1次の筆記科目は第1回が「教養試験」、第2回が「職務基礎力試験」と、回によって名称が異なります。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 試験の段階 | 2段階制。第1次=筆記試験(第1回は教養試験、第2回は職務基礎力試験)・適性検査・体力試験、第2次=作文試験・面接試験 |
| 面接の種類 | 個人面接(試験案内に明記。集団討論・集団面接は課されない) |
| 体力試験 | けんすい・シャトルラン・その他(当日指示)の3種目 |
| 作文試験 | 課題式・1題50分 |
| 身体要件 | 視力(矯正視力を含む)が両眼0.7以上かつ一眼それぞれ0.3以上(裸眼視力に制限なし) |
| 受験資格の一部 | 日本国籍を有する人(地方公務員法第16条の欠格条項該当者は受験不可。拘禁刑以上の刑に処せられその執行を終わるまでの人、中濃消防組合の職員として懲戒免職の処分を受けその日から2年を経過しない人等が該当する) |
採用予定人数は第1回・第2回とも「4名程度」と案内されていますが、両回の合計なのか、各回それぞれの人数なのかは試験案内に明示されていません。
合計人数として断定せず、最新の受験案内で確認する姿勢が大切です。受験資格は第1回・第2回とも「平成8年4月2日以降に生まれた人」であることが共通し、学歴要件だけが大学卒程度と高校卒業以上とで分かれています。
上記の試験構成は、中濃消防組合が公表する令和8年度の職員採用試験情報にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や回によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身が該当する回の最新の試験情報をご確認ください。
申込は専用のオンラインフォームから行い、試験当日は受験票に顔写真(縦4cm・横3cm、無帽で上半身正面向きの本人と確認できるもの)を貼付して持参します。
第1次・第2次とも試験会場は中濃消防組合消防本部(関市西欠ノ下5番地)で、結果は組合ホームページへの掲載と本人宛の文書で通知されます。2つの構成市のどちらに住んでいても、試験は同じ会場で受けることになる点も、組合という組織の性格をよく表しています。
中濃消防組合消防本部が求める人材
中濃消防組合消防本部は、求める人物像を明文では公表していません(当研究会調べ)。採用ページには「一緒に市民を守るために働きませんか?」という呼びかけの言葉が掲げられていますが、これは募集のキャッチコピーであり、求める人物像を示す公式な文言ではない点には注意が必要です。
参考になるのは、関市・美濃市という2つの構成市にまたがる組合という組織の性格です。管内が複数の市町村に広がる組合・広域連合の本部では、どの署所・どの市で働くことになっても対応できる姿勢や、構成市ごとの人口・高齢化・災害リスクの違いへの理解が重視されやすいと言えそうです。
志望動機が関市か美濃市のどちらか一方だけで完結していると、面接で管内全体への視点を問われたときに弱くなる点にも注意してください。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。中濃消防組合消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 試験会場までは、どうやって来ましたか? | 緊張をほぐす雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます |
| ② 動機・志望 | なぜ中濃消防組合消防本部を志望するのですか? | 消防官という仕事と関市・美濃市という土地を、自分の言葉で選べているか |
| ③ 自己理解 | あなたの短所(弱み)は何ですか? | 自己分析の深さと、弱みへの向き合い方に人柄が表れます |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください | 壁にぶつかった経験から何を学んだかが、現場対応力の判断材料になります |
| ⑤ 学業・経歴 | 体力試験に向けて、どのような準備をしてきましたか? | けんすいやシャトルランなど、具体的な種目への取り組み方と計画性 |
| ⑥ 適性・将来 | 関市と美濃市のどちらに配属されても構いませんか? | 管内が複数の市にまたがる組合であることへの理解と柔軟性 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか? | 仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識 |
この7カテゴリーの土台自体は、大規模な本部でも、組合方式の中濃消防組合消防本部でも大きくは変わりません。差がつくのは、この先に続く中濃消防組合消防本部に固有の質問にどこまで具体的に答えられるかです。
合否を分けるのは中濃消防組合消防本部に固有の質問
2問目のような固有質問は、関市・美濃市の地域性を具体的に調べていなければ答えに窮する質問です。答えを支える材料は、中濃消防組合消防本部の実データから前もって組み立てられます。
| 質問テーマ | 知っておきたい中濃消防組合消防本部の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 想定される災害(地震) | 濃尾断層帯が関市を含む地域に分布し、根尾谷断層帯でM7.3程度の地震が想定されている(詳細は第1部3章) | 断層帯の名前を挙げるだけでなく、組合としてどう備えるかまで考えを述べられると印象が変わります |
| 想定される災害(豪雨) | 平成30年7月豪雨で関市に人的被害が生じ、令和2年7月豪雨でも板取地区で1,220.5mmの降水量を記録した(詳細は第1部3章) | 実際に起きた災害の事実を、日頃の備えの大切さへつなげて話せると具体性が増します |
| 救急需要の増加 | 令和6年中の救急出動は5,080件で火災の130倍を超える。美濃市の高齢化率は38.1%(数値の詳細は第1部2章・4章) | 件数に加えて、構成市による高齢化の差にまで触れると理解の深さが伝わります |
| 組織の性格 | 関市・美濃市の2市が構成する一部事務組合で、組合自らが職員採用試験を実施している(詳細は第1部1章) | 組合という組織の仕組みを正しく理解していることを示せます |
| 関市の刃物産業 | 関市は刃物産業の集積地で、関鍛冶伝承館や刃物まつりなど刃物を軸にした取組がある(詳細は第1部5章) | 産業と住宅が近接する地域での予防業務への理解を示す材料になります |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防官としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
中濃消防組合消防本部は、配点や合否の決定方法までは公表していません。そこで一つの軸になるのが、公務員試験で広く用いられるコンピテンシー評価、つまり過去の行動事実から入庁後の再現性を判断する考え方です。
あわせて、個人面接のみで人物を確かめる構造そのものも、準備の手がかりになります。集団討論がない分、一対一でどこまで深く自分の考えを説明できるかが重要になります。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 一対一での説明力 | 集団討論のない個人面接で、自分の考えを筋道立てて話せるか | 友人との会話ではなく、初対面の相手に一つの話題を掘り下げて説明する練習をしておく |
| 広域への理解 | 関市・美濃市という異なる2つの地域を1つの本部が支える構造を理解しているか | どちらの市の特徴も、自分の言葉で1つずつ説明できるようにしておく |
| 体力面での準備 | けんすい・シャトルランなどの体力試験に、計画的に取り組んできたか | 種目ごとの記録や、取り組みの過程を具体的に語れるようにする |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 令和8年度の受験案内を読み、自分が該当する回(第1回大学卒程度/第2回高校卒業以上)と体力試験の種目、身体要件を確認する
- 高校・大学生活を棚卸しする。一人で粘り強く取り組んだ場面と、周囲と協力して結果を出した場面を1つずつ選び出す
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、関市・美濃市それぞれの特徴を自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、事実から自分の問題意識、消防官としてやりたいことへの一続きの話に編む
- 個人面接を想定して口に出してリハーサルし、答えるたびに深掘りへの返しを書き足していく。けんすい・シャトルランの練習も並行して続ける
優先順位に注意
ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で中濃消防組合の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、中濃消防組合消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
中濃消防組合消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。第1回・第2回のどちらで受験するか迷っている方も、あわせてご活用ください。
さいごに
中濃消防組合消防本部は、関市・美濃市の2市が構成する一部事務組合で、163名の消防吏員が組合として直接採用を行っています。第1次に筆記・適性検査・体力試験、第2次に作文と個人面接という2段階の選考で、集団討論がない分、一対一の対話でどこまで具体的に語れるかが問われます。
刃物産業の集積地である関市と、高齢化が進む美濃市という異なる地域性を持つ2つの市を、1つの本部が支えている点は、この本部を志望するうえで押さえておきたい特徴です。濃尾断層帯や過去の豪雨災害に向き合ってきた地域で、消防吏員がどのように働いているかを自分の言葉で説明できるよう、ここまでの内容を何度も読み返しておいてください。
採用試験案内が示す6項目の職務内容にも改めて目を通し、自分がどこに関心を持つのかを整理しておくと、面接での説得力が増します。