本記事では、飛騨市職員採用試験の面接対策で必要な、飛騨市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。ここで扱うのは岐阜県最北端の飛騨市であり、南に隣接する高山市とは別の団体です。

飛騨市役所の面接試験では、「なぜ飛騨市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

令和8年度の通年募集・一般行政職では、申込の時点で7つの設問に各400文字まで書いて出すことになっています。面接はその文章を土台に進みます。

つまり、書いた時点で面接の半分は始まっています。第1部の事実は、その7枚の下書きに厚みを持たせるための材料です。

第1部|自治体研究編

飛騨市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは飛騨市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 総面積792.53平方キロメートルの約93%を森林が占めています。市公式サイトが「市の概要」で示している数字です。
  • 人口は21,295人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。2万人台の市です。
  • 平成16年2月1日に、古川町・河合村・宮川村・神岡町の2町2村が合併して飛騨市が誕生しました。
  • 岐阜県の最北端に位置し、北は富山県、南は高山市、西は白川村に接します。県庁所在地の岐阜市からは約150キロメートル、高山市の北約15キロメートルという距離感です。
  • 神岡町には、ニュートリノ研究でノーベル物理学賞につながったスーパーカミオカンデをはじめとする宇宙と素粒子の研究拠点が集まっています。市はひだ宇宙科学館「カミオカラボ」を設置しています。
  • 古川町の古川祭「起し太鼓・屋台行事」は気多若宮神社の例祭として毎年4月19日・20日に行われ、国の重要無形民俗文化財であるとともに、平成28年にユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の一つとして登録されました。
  • 市役所は飛騨市古川町本町2-22、標高492.84メートルの位置にあります。
  • 一般行政職の採用は通年募集の形で行われ、第一次試験はSPI3を用いた適性検査です。市は「公務員試験対策は不要」と明示しています。

飛騨市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「飛騨市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

飛騨市を数字でつかむときの軸は、面積792.53平方キロメートルに対して人口が2万人という比です。岐阜県全体の面積が約1万621平方キロメートルですから、県土の7%あまりに、県人口の1%あまりが住んでいる計算になります。

項目内容
総人口21,295人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積792.53km²
森林の割合約93%
65歳以上の割合40.6%(岐阜県全体は31.2%)
75歳以上の割合26.0%(岐阜県全体は18.5%)
市の成り立ち平成16年2月1日に古川町・河合村・宮川村・神岡町の2町2村が合併
位置岐阜県最北端。北は富山県、南は高山市、西は白川村に接する
他都市との距離岐阜市から約150km、高山市の北約15km
市役所所在地飛騨市古川町本町2-22(標高492.84m)
(参考)岐阜県の人口1,879,539人(令和8年4月1日現在の推計人口)
(参考)岐阜県の面積約1万621km²(全国第7位)

総面積・森林の割合・位置・市役所所在地は、飛騨市公式サイト「市の概要」に掲載されている値です。65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値で、この統計における飛騨市の総人口は21,295人、岐阜県全体は1,935,253人です。割合の分母にもこれらを用いています。参考として並べた県の人口は令和7年国勢調査の速報値を基準とする推計値であり、調査の基準が異なるため、住民基本台帳の値と直接並べて比較することはできません。

数字から考えられる市政課題

65歳以上40.6%、75歳以上26.0%という水準は、岐阜県全体をそれぞれ9.4ポイント、7.5ポイント上回ります。

同じ統計で県内21市を並べると、75歳以上の割合は飛騨市が最も高い値です(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。

市民の4人に1人が75歳以上ということは、通院や買い物の移動、独居世帯の見守り、除雪といった支援が、同時にいくつも必要になるということです。

そこに森林93%という土地の条件が重なります。人が暮らす平地はごく限られ、集落は谷筋に沿って点在します。

道路が1本止まれば、生活そのものが止まりかねません。この条件を面接で語るなら、次のように暮らしの場面へ引き寄せた言い方ができます。

「飛騨市は市民の4人に1人が75歳以上だと知りました。市域のほとんどが森林で、集落も離れていると聞きます。冬に道が止まったときでも、暮らしを続けられるようにする仕事に関わりたいと思っています」

飛騨市の経済・産業

神岡の研究拠点という、他にない資源

神岡町の地下には、ニュートリノ研究でノーベル物理学賞につながったスーパーカミオカンデをはじめ、宇宙と素粒子の研究施設が集まっています。市はその成果を市民や来訪者に伝える場として、ひだ宇宙科学館「カミオカラボ」を設置しています(参考:ひだ宇宙科学館カミオカラボ)。

研究拠点が地域にあることは、それ自体が教育・観光・移住の資源になります。

志望動機でこの話題を使うなら、施設の紹介にとどめず、市がその資源をどう市民の側へ開こうとしているかまで触れると深みが出ます。

古川祭と、飛騨地域に集まる観光客

古川祭の起し太鼓・屋台行事は国の重要無形民俗文化財であり、平成28年にユネスコ無形文化遺産に登録されています。

観光の面では、令和6年の岐阜県観光入込客統計調査で県全体の観光消費額が総額4,012億73百万円(対前年比31.8%増)と過去最高を更新し、外国人の延べ宿泊者数は192.9万人でした。

県はこの年に伸びた地点として飛騨地域を挙げており、隣接する白川村の白川郷合掌造り集落は前年比22.1%増となっています(出典:岐阜県観光入込客統計調査|令和6年)。

人が飛騨地域へ向かう流れの中に飛騨市はあります。その流れを市内にどう引き込むかが、観光を語るときの実務的な論点です。

森林と、岐阜県のものづくりという背景

市域の約93%が森林であることは、林業と森林管理が市の仕事の一部であることを意味します。

一方で県全体を見ると、就業者に占める製造業の割合は25.0%と全国順位6位(全国の割合は16.0%)で、産業別構成比は第1次産業2.9%、第2次産業32.6%です(令和2年国勢調査)(出典:岐阜県の概要)。山を抱える市であっても、働く場をつくるという課題は県全体の産業構造と地続きです。

飛騨市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を重ねると、飛騨市が抱える論点が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを用意しておきましょう。

県内の市で最も高い水準の後期高齢化

75歳以上26.0%という値は、令和8年1月1日現在の住民基本台帳で県内21市を並べたときに最も高い水準です。

岐阜県の人口問題研究会中間報告(令和6年12月)は、県の総人口が2050年に137万人まで減ると見ています。2020年からの30年で61万人、割合にして約3割が失われる計算です(出典:岐阜県人口問題研究会中間報告|令和6年12月)。

県全体が向かう先を、飛騨市は先に歩いている位置にあります。

雪と土砂と地震が重なる市域

岐阜県の被害想定調査は、跡津川断層地震について死者最大980人・建物全壊20,000棟を見込んでいます(出典:岐阜県南海トラフの巨大地震等被害想定調査|平成23〜24年度)。

雪の被害も過去に現実のものとなっており、昭和55年12月には飛騨市宮川町で雪崩により2名が亡くなりました。県はこれを受けて昭和61年度から雪崩対策事業を実施しています。

岐阜県では県土の54.9%が豪雪地帯に指定されており、雪崩の危険がある箇所は1,630を数えます(参考:雪崩災害の防止(岐阜県砂防課))。

加えて、平成30年7月豪雨と令和2年7月豪雨では、いずれも飛騨市を含む市町村に大雨特別警報が発表されています。

4つの旧町村を1つの市として運営し続けること

飛騨市は、古川町・河合村・宮川村・神岡町という性格の異なる4地域が1つになって生まれた市です。合併から20年以上が経ちましたが、集落が谷筋に分かれて点在する地形はそのままです。

学校も、診療所も、除雪の路線も、地域ごとに事情が違います。

どの地域のどの事情に、どこまで資源を配分するのか。この判断が市職員の日常に埋め込まれています。

合併の経緯を知っておくと、市の施策が「なぜその形なのか」を理解しやすくなります。

担い手をどう確保するか

飛騨市の一般行政職の採用は、時期を区切った一斉試験ではなく通年募集の形をとっています。専門職の区分も、福祉・企業会計・社会教育・林業・農業委員会・情報システムというように、必要な分野ごとに募集がかけられています。

人口2万人規模の市が、これだけ細かく区分を立てて人を探しているということ自体が、担い手の確保が簡単ではないことをうかがわせます。受験する側から見れば、応募の機会が年間を通じて開かれているということでもあります。

重点政策|2町2村の合併から続く市の枠組み

市の計画文書は、改定のたびに名称ごと変わることがあります。飛騨市公式サイトで現行のものを開いてから読み進めてください。ここで押さえておきたいのは、計画そのものより、市の選択肢をあらかじめ狭めている2つの条件のほうです。

合併市であるという条件

平成16年2月1日、古川町・河合村・宮川村・神岡町の2町2村が合併して飛騨市が生まれました。市の施策は、この4地域をどう束ねるかという問いと切り離せません。

古川の町並みと祭、神岡の研究拠点、河合と宮川の山と集落。同じ市の中に、性格の違う資源と課題が並んでいます。

市の事業を読むときは、それがどの地域を主に念頭に置いたものかを意識すると、狙いがつかみやすくなります。

岐阜県の人口見通しという背景

飛騨市が向き合う人口の問題は、県全体の動きとひと続きです。岐阜県の推計人口は令和8年4月1日現在で1,879,539人(世帯数793,615世帯、1世帯当たり平均世帯人員2.37人)です(参考:岐阜県の推計人口|令和8年4月1日現在)。

県の人口問題研究会は、若い世代の女性が県外へ移っていくことを最重要の課題に挙げ、社会減対策では各自治体が似た施策を実施して人口の奪い合いになっている状況、自然減対策では財政制約により個々の自治体の努力だけでは限界があることを課題に挙げています。

飛騨市の移住定住施策を語るなら、この「奪い合いではない道」をどう考えるかまで踏み込めると、話が一段深くなります。

POINT|施策名を覚えるより、地域を選んで語る

飛騨市は4つの地域が集まった市です。事業名を並べるより、自分が関心を持てる地域と分野を1つずつ選び、そこで起きている困りごとを具体的に描いたほうが、面接では伝わります。エントリーシートの7つの設問に書く内容も、この軸で選ぶと重複しません。

悪い例「豊かな自然に囲まれた飛騨市で、地域の活性化に貢献したいです」

改善例「配属先はどこでも構いませんが、いずれは神岡の研究施設を市民の学びにつなげる仕事に関わりたいです。せっかく世界的な拠点が市内にあるのに、市民が誇りに思う機会が少ないのはもったいないと感じています」

あわせて確認したい公式資料

順番をつけるなら、募集ページと「採用試験の特徴」のページが先です。市の計画は、志望する分野に関係する章だけ拾えば足ります。

  • 飛騨市職員採用試験の募集ページ(一般行政職・専門職の区分ごとに掲載)
  • 飛騨市職員採用情報サイトの「採用試験の特徴」のページ
  • 飛騨市の総合計画と、最新年度の予算に関する市の説明資料
  • 岐阜県人口問題研究会の中間報告(県全体の人口の見通しを押さえるため)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、飛騨市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。飛騨市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

飛騨市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

飛騨市役所の面接の概要

ここからは、飛騨市の選考がどう進むのか、そして申込時に書く7つの設問をどう扱えばよいのかを、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

飛騨市役所の試験の構成

令和8年度の飛騨市職員採用試験(通年募集・一般行政職)は、第一次試験と第二次試験の2段階です。第一次試験は民間企業で広く利用されているSPI3を用いた適性検査で、市は公務員試験の対策は不要としています。第二次試験は個別面接試験です。

項目内容(令和8年度・通年募集・一般行政職)
試験の段階第一次試験・第二次試験の2段階
第一次試験適性検査(SPI3)・性格検査・基礎能力検査。「民間企業で広く利用されている『SPI3』を採用」しており、公務員試験対策は不要とされています
第二次試験一般行政職・技術職は個別面接試験。消防職は個別面接試験と体力試験。集団で行う面接や討論についての記載はありません
エントリーシート申込時に記入。設問は志望動機・転職理由/希望職務/意外だと思われた点/最も力を注いだ成し遂げたこと/取り組んだ経験/挫折経験と克服方法/自己PR の7項目で、各400文字まで
提出書類最終学歴の卒業(見込)証明書および成績証明書
募集の形通年募集。一般行政職の専門職区分(福祉・企業会計・社会教育・林業・農業委員会・情報システム)が区分ごとに募集されるほか、複数回の募集が並行して行われています
市が示す選考の考え方「一人ひとりの個性を直接感じ取り、飛騨市職員としてどのように活躍していただけるかを丁寧に見極めています」

この構成でまず目を引くのは、筆記の負担が軽い代わりに、書いて出す量が多いことです。7つの設問に各400文字ですから、最大で2,800文字の自己申告を提出することになります。

面接官の手元には、あなたが自分で書いた2,800文字が置かれています。質問はそこから生まれると考えて準備するのが自然です。

上記の試験構成は、飛騨市の令和8年度の職員採用試験(通年募集・一般行政職)の公表内容にもとづくものです。各試験種目の配点、および人物試験の比重を示す数字は公表されていません。通年募集では区分ごとに募集が並行して行われており、区分によって試験内容が異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身が申し込む区分の最新の募集ページをご確認ください。

飛騨市役所が求める人物像

飛騨市職員採用情報サイトのトップページ、「採用試験の特徴」のページ、通年募集のページの本文には、求める職員像を項目立てで示した記載はありませんでした。代わりに市が公表しているのは、選考の姿勢のほうです。

「一人ひとりの個性を直接感じ取り、飛騨市職員としてどのように活躍していただけるかを丁寧に見極めています」という一文がそれにあたります。型に合う人を探すのではなく、目の前の人がこの市で何をできるかを見る、という書きぶりです。

ではその「活躍の形」がどう決まるのか。手がかりは、エントリーシートの設問配列にあります。ここから先は、その並びを当研究会がどう読んだかという話です。

7つのうち、志望動機・希望職務・自己PRの3つは多くの自治体で共通する設問ですが、飛騨市は加えて「意外だと思われた点」「最も力を注いだ成し遂げたこと」「取り組んだ経験」「挫折経験と克服方法」を並べています。

うまくいった話と、うまくいかなかった話を、同じ重さで書かせる設計です。

人口2万人規模で、専門職の区分を細かく立てて人を探している市が、失敗の扱い方をわざわざ400文字で聞く。この配列からは、順調な経歴よりも、詰まったときに何をしたかを見ようとする姿勢が読み取れます。

市域の条件も、働き方に直結します。総面積792.53平方キロメートルの約93%が森林で、集落は谷筋に点在します。

人口2万人規模の市では、一度担当した相手の名前と事情が記録より先に記憶に残り、その関係が次の用件まで持ち越されます。

丁寧な応対と、公私の区切りをつける感覚が重く見られる場面は少なくないでしょう。そして提出物は7つの設問と、卒業(見込)証明書・成績証明書だけです。

書いた文章と、目の前で話す本人が一致しているかどうか。飛騨市の選考は、突き詰めればその照合の作業です。

だからこそ準備の中心は、各400文字の枠に何を残すかという取捨選択になります。自分を大きく見せる材料を足す作業ではなく、実際に手を動かした場面を選び直していく作業です。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。飛騨市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日は緊張していますか書面から離れた場面で、素の受け答えがどう出るか
② 動機・志望エントリーシートに書いた志望動機を、口頭で説明してください400文字にまとめた内容を、自分の言葉で言い直せるか
③ 自己理解周りから意外だと言われるのはどんなところですか設問に直接対応する項目。書いた内容と口頭の答えが揃うか
④ 経験・行動挫折した経験と、そこからどう立て直したかを教えてください設問に置かれた「挫折経験と克服方法」の深掘り。立て直しの手順
⑤ 学業・経歴学んだことのうち、市の仕事に使えそうなものはありますかSPI3では測れない領域を、業務の言葉へ言い換えられるか
⑥ 適性・将来冬の勤務や市内での生活について、どう考えていますか雪の多い山間の市で働き続ける前提が共有できているか
⑦ 公共性・社会性関心を持って追いかけているニュースはありますか話題の選び方と、自分の意見を一言添えられるか

ただし、この7つに備えるところまでは、多くの受験者が同じように到達します。エントリーシートを書き上げた人なら、材料はすでに手元にあるはずです。飛騨市の面接で他の受験者と分かれ道になるのは、その先にある市固有の問いのほうです。

合否を分けるのは「飛騨市役所ならでは」の質問

「なぜ岐阜県庁ではなく、飛騨市役所なのですか」
「飛騨市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「飛騨市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい飛騨市の事実答え方のヒント
市の成り立ち平成16年2月1日に古川町・河合村・宮川村・神岡町の2町2村が合併して誕生4地域の性格が違うことに触れ、自分が関心を持つ地域を1つ挙げると、話に足がつきます
なぜ県庁ではなく市役所か人口21,295人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。一般行政職は通年募集で、専門職の区分ごとに人を探している規模の小ささを控えめな理由にせず、1件の用件を最後まで見届けられる働き方を選んだという説明にすると筋が通ります
後期高齢化の水準75歳以上26.0%で、住民基本台帳の統計では県内21市の中で最も高い(令和8年1月1日現在)割合を述べるだけで止めず、雪の季節の通院や見守りなど、実際に困りごとが起きる場面を選んで話しましょう
神岡の研究拠点スーパーカミオカンデをはじめ宇宙と素粒子の研究拠点が集まり、市はひだ宇宙科学館「カミオカラボ」を設置施設の紹介で終えず、市民や子どもがその資源に触れられる仕組みをどう広げるかという視点まで進めてください
災害への備え跡津川断層地震は死者最大980人・建物全壊20,000棟と想定。昭和55年12月には宮川町で雪崩により2名が犠牲になった過去の災害を出来事として述べるのではなく、市域が谷筋に分かれているという地形の条件まで結び付けましょう

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「求める人物像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
書いた内容と本人が一致しているかエントリーシートの記述を、口頭でどこまで細かく再現できるか7つの設問はいずれも400文字までです。書き上げたあと、各項目を1分で話す練習をしておくと、当日そのまま使えます
詰まったときの立て直し方「挫折経験と克服方法」の深掘りで、何を変えたかを説明できるか結果が出なかった話でも構いません。原因をどう見立て、次に何を試したかという手順で書き出しておきましょう
この土地で働き続ける見通し冬の勤務や市内での暮らしを、どう受け止めているか市域の約93%が森林で、集落は谷筋に点在します。訪問先までの移動が仕事の一部になる前提を、自分の言葉で語れるようにしてください

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。飛騨市の場合、その入口は自分が書いた7つの設問です。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 通年募集のページを開き、自分が申し込む区分(一般行政職か、専門職のどれか)を先に確定させる
  2. 7つの設問の下書きを、各400文字の枠に収まる形で一度すべて書き切る
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. SPI3の出題形式を確認し、書類の準備と検査の練習をどう並行させるか予定を組む
  5. 第1部の事実を2〜3個選び、7つの設問の内容と矛盾しないかを突き合わせる
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2のエントリーシートの書き上げと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、飛騨市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

飛騨市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

飛騨市役所の想定問答集を見る

さいごに

飛騨市の選考で最初に問われるのは、7つの設問に何を書くかという判断です。志望動機も、力を注いだことも、挫折した経験も、各400文字。

書ける量には限りがありますから、そこに残す言葉は自然と絞られていきます。市が「一人ひとりの個性を直接感じ取り」たいと書いている以上、そこに置くべきは誰にでも当てはまる正解ではなく、あなたが実際に手を動かした場面のはずです。

2万人が暮らす山あいの市で、どの地域の、誰と働きたいのか。7枚の下書きを書き終えるころには、その答えも形になっているはずです。