本記事では、羽島市職員採用試験の面接対策で必要な、羽島市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

羽島市役所の面接試験では、「なぜ羽島市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。羽島市は試験区分の数が多く、区分ごとに課される種目が違うため、まず自分が受ける区分の試験の形を正確につかむところから対策が始まります。

第1部で市の輪郭を押さえ、そこから自分の経験と羽島市政の接点を組み立てていってください。

第1部|自治体研究編

羽島市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは羽島市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 東海道新幹線の岐阜羽島駅と名神高速道路の岐阜羽島インターチェンジをあわせ持つ市。市はこれを中部圏の高速交通の要衝、「岐阜県の玄関口」と位置づけています。
  • 人口は66,151人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、市域は53.66km²、人口密度は1,233人/km²。
  • 県内では岐阜市・大垣市・海津市と、安八郡安八町・輪之内町、羽島郡笠松町に接します。県外では愛知県の一宮市・稲沢市と隣り合っています。
  • 65歳以上の割合は28.7%、75歳以上は16.9%で、いずれも岐阜県全体の31.2%・18.5%を下回ります(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。
  • 市は新幹線岐阜羽島駅への「のぞみ号・ひかり号」停車促進協議会の活動を続けており、駅の位置づけを高めること自体が市の継続的な取り組みになっている点が特徴です。
  • 職員採用試験は年2回実施され、加えて土木Cの随時採用があります。第1回と第2回では募集する区分が異なります。
  • 試験区分には一般事務、土木、建築のほか、社会福祉士、保健師、消防、実務経験者、障がい者、そして自己推薦A・Bが置かれています。
  • 市の花は美濃菊、市の木は貝塚伊吹。市役所は羽島市竹鼻町55番地にあります。

羽島市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「羽島市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、年齢構成、隣接する自治体など、羽島市政を説明するときに手元にあると役立つ項目を並べました。

項目内容
総人口66,151人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積53.66km²
人口密度1,233人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
65歳以上の割合28.7%(岐阜県全体は31.2%)
75歳以上の割合16.9%(岐阜県全体は18.5%)
県内の隣接自治体岐阜市・大垣市・海津市・安八町・輪之内町・笠松町
県外の隣接自治体愛知県一宮市・愛知県稲沢市
広域交通東海道新幹線 岐阜羽島駅、名神高速道路 岐阜羽島インターチェンジ
市役所所在地羽島市竹鼻町55番地
市の花・市の木美濃菊・貝塚伊吹

65歳以上・75歳以上の割合は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値によるもので、この統計における羽島市の総人口は66,151人です。割合の分母にもこの数値を用いました。並記した岐阜県全体の割合も同じ統計にもとづく値です。国勢調査を基準とする県の推計人口とは調査の性質が異なるため、直接の比較はできません。総面積・隣接自治体・市役所所在地・市の花と木は公表値をもとに整理しています。

数字から考えられる市政課題

羽島市の高齢化率28.7%は、岐阜県全体の31.2%より2.5ポイント低く、75歳以上の割合も県を1.6ポイント下回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。

県内では比較的若い側にある市ですが、これは「高齢化への備えが要らない」という意味ではありません。むしろ、県平均より遅れて高齢化が本格化するぶん、備える時間がまだ残されている市だと読むほうが実態に近いはずです。

もう一つ押さえたいのが市域の狭さです。53.66km²という面積は、約1万621km²ある岐阜県全体の1%にも届きません。

そこに6万人を超える市民が暮らし、人口密度は1,233人/km²になります。市域がまとまっていることは、公共施設や交通の再編を考えるうえで有利に働く条件です。

この特徴は、面接での説明にそのまま使えます。たとえば次のような話し方です。

「羽島市は市域がコンパクトで、市民の3割近くが65歳以上と聞きました。県全体よりは若い側だと知って、いま手を打てば間に合う分野がまだあると感じています。移動や見守りの仕組みを、市域の狭さを生かした形で整えていく仕事に関わりたいです」

羽島市の経済・産業

高速交通の結節点という資産

羽島市の経済的な性格を決めているのは、東海道新幹線の岐阜羽島駅と名神高速道路の岐阜羽島インターチェンジという二つの結節点です。市はこの組み合わせを中部圏の高速交通の要衝と位置づけ、「岐阜県の玄関口」と表現しています(出典:羽島市の概要)。

新幹線駅への「のぞみ号・ひかり号」停車促進協議会の活動が続いていることも、この位置づけを市がどれだけ重く見ているかを示しています。

人が「通る」市を、人が「降りて使う」市にできるかが、産業振興の話題では焦点になります。

県の産業構造という土台

市単独の経済統計に触れる前に、岐阜県の産業構造を押さえておくと説明が安定します。県公式の「岐阜県の概要」は、就業者のうち製造業に従事する人の割合を25.0%、全国順位を6位と示しています。全国平均が16.0%ですから、差は小さくありません。

就業者の産業構成比でも第2次産業が32.6%を占めます(出典:岐阜県の概要)。

羽島市が接する愛知県の一宮市・稲沢市も含め、この一帯はものづくりと物流の集積地です。市域が愛知県と直接接しているという事実は、雇用や企業立地を語るときの前提になります。

県全体の観光と、通過する人の流れ

令和6年の岐阜県観光入込客統計調査では、県内の観光入込客数は延べ6,655万7千人、観光消費額は総額4,012億73百万円で前年比31.8%増と過去最高を更新しました。外国人延べ宿泊者数は192.9万人です(出典:岐阜県観光入込客統計調査|令和6年)。

ただし伸びが目立った地点は白川郷や高山市街地など飛騨地域に集まっています。県の玄関口を名乗る市にとって、この数字は自分の実績ではなく、素通りされている可能性を示すデータでもあります。

観光を志望動機にするなら、来訪者数の話ではなく、乗り換え地点を滞在地点に変える方法として語りましょう。

羽島市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、羽島市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

県より遅れてくる高齢化への備え

岐阜県全体では、1世帯当たりの平均世帯人員が2.37人まで下がっています(令和8年4月1日現在の推計人口1,879,539人、793,615世帯)(出典:岐阜県の推計人口|令和8年4月1日現在)。

令和6年12月の県人口問題研究会の中間報告によれば、2050年の県人口は137万人まで落ち込む見通しで、2020年からの減少幅は約31%にのぼります。

羽島市の高齢化率は現在こそ県平均を下回っていますが、県全体の推計が示す方向は同じです。今の余裕をどう使うかが問われます。

名古屋都市圏との近さがもたらす両面

報告はさらに、県から出ていく人が入ってくる人を年6千人規模で上回る状態が続いていること、その中心が15歳から34歳であること、理由では「職業上」が最も多く、行き先は愛知県が最大であることを挙げています。

県がまず名指ししている課題は、若い女性が県外へ移っていく流れだという点も重い指摘です(出典:岐阜県人口問題研究会 中間報告|令和6年12月)。

一宮市・稲沢市と直接接する羽島市は、この構図の最前線にあります。通勤先として名古屋方面を選びながら羽島市に住み続けてもらうのか、市内で働く場を増やすのか。

志望動機でこの論点に触れられると、地理を理解している受験者だと伝わります。

木曽三川に挟まれた低平地の防災

岐阜県の被害想定調査(平成23年度から24年度)では、南海トラフの巨大地震で県内の死者は最大470人、建物全壊35,000棟、避難者161,000人と想定されています。

県内で被害が最大となるのは養老・桑名・四日市断層帯地震で、死者は最大3,100人、建物全壊68,000棟、避難者は最大241,000人という想定です(出典:岐阜県南海トラフの巨大地震等被害想定調査|平成23年度から24年度)。

羽島市が位置するのは、木曽川・長良川・揖斐川が流れる濃尾平野の南部です。

県の被害想定で最も大きな地震が県南西部の断層帯を震源とするという事実は、この地域の市役所を志望するなら押さえておきたい前提になります。

職種の幅に対して、一つの区分の採用は限られる

羽島市の試験区分には、一般事務A・B・C、土木A・B・C、建築A・B、社会福祉士、保健師、消防A・B・C、自己推薦A・B、実務経験者、障がい者が並びます。複数の試験区分を併願することはできません(出典:令和8年度 第2回 羽島市職員採用試験 試験案内)。

事務も土木も建築も福祉も保健も消防も、6万人規模の市が自前で確保しているということです。裏を返せば、一つの区分から入る職員の数は限られます。

職員一人が受け持つ仕事の幅は、この市を語るときの重要な前提です。

なお試験案内には、令和8年4月1日現在の参考として初任給が示されており、大学卒232,000円、短大卒216,500円、高校卒200,300円、期末手当と勤勉手当は年2回で合計4.65月分とされています。

待遇の条件は具体的に公表されている一方で、各種目の配点は示されていません。情報の出方に濃淡があることも、この市の試験を準備するうえでの前提になります。

重点政策|「岐阜県の玄関口」という位置づけ

羽島市の総合計画と当年度の予算方針は、市公式サイトに掲載されている最新版で確認してください。ここでは、その計画を読む前提として、市が自分をどう位置づけているかと、県の政策環境という外枠を整理します。

市が公式に掲げている自己認識

羽島市の公式サイトは、市を中部圏の高速交通の要衝、「岐阜県の玄関口」と説明しています。新幹線駅と高速道路インターチェンジという二つの装置を持つことが、市の自己認識の中心にあります。

停車促進協議会の活動が継続しているのは、駅がある状態を守るのではなく、駅の使われ方を変えようとしていることの表れです。

志望動機を組み立てるときは、交通の話を「便利です」で終わらせず、その便利さを市民の暮らしや市内の経済にどう還元するかまで進めてください。

県の政策環境という外枠

岐阜県が令和7年度に組んだ一般会計の当初予算は9,020億円でした。前年度当初の8,861億円に対して159億円、率にして1.8%の増ですが、知事改選期にあたる年であったため、県はこれを「骨格的予算」と説明しています(出典:岐阜県 令和7年度当初予算|令和7年2月)。

令和5年度決算にもとづく県の財政力指数は0.54003です。県の人口問題研究会は、社会減対策で各自治体が似た施策を並べて人口を奪い合う状況にも触れています。

近隣の市町と競うのか、連携するのか。この論点は「なぜ県庁ではなく市役所なのか」という定番質問にもつながります。

POINT|交通の話を暮らしの話に着地させる

新幹線駅と高速道路の話は、羽島市の志望動機で最も選ばれやすい題材です。だからこそ、そこで止まると差がつきません。「①この交通条件で市民の生活がどう変わるか → ②今の市はそれをどこまで生かせているか → ③生かしきれていない部分は何か → ④市の仕事としてできることは何か → ⑤自分の経験のどこが使えるか」の順に降ろしてみてください。

悪い例「羽島市は交通の便がよいので、その強みを生かした仕事がしたいです」

改善例「羽島市は新幹線の駅と高速道路の出入口を両方持っていて、市も岐阜県の玄関口だと説明していると知りました。ただ、通過するだけの方も多いのではと感じています。降りた方が市内をまわりたくなるきっかけを、地元の事業者の方と一緒につくる仕事に関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

下の4点は、志望動機の材料としても、面接での受け答えの裏づけとしても使えます。受ける区分が決まったら、1点目から順に手を付けてください。

  • 受験する回次の羽島市職員採用試験案内(第1回と第2回で募集区分と試験種目が異なります)
  • 羽島市の総合計画と、その年度の予算に関する市の説明資料
  • 羽島市の概要のページ(市が自分をどう位置づけているかがわかります)
  • 岐阜県人口問題研究会の中間報告(愛知県への転出という構図を押さえるため)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、羽島市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。羽島市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

羽島市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

羽島市役所の面接の概要

ここからは、羽島市役所の試験の形と質問の全体像を、市が公表している試験案内と当研究会の分析にもとづいて整理します。

羽島市役所の面接の流れ

羽島市の試験でまず確認すべきなのは、自分が受ける区分です。同じ第2次試験でも、区分によって課される種目が違う設計になっているためです。以下は第2回試験の内容として案内に示されているものです。

項目内容(令和8年度・第2回試験)
実施回数年2回(第1回・第2回)。このほかに土木Cの随時採用があります
併願複数の試験区分を併願することはできません(日程が異なる試験区分を含む)
第1次試験(一般事務B)基礎能力検査(大学卒業程度)・事務能力検査・適性検査
第1次試験(一般事務C、土木B、建築B、消防B・C)基礎能力検査(高校卒業程度)・事務能力検査・適性検査
検査時間基礎能力検査60分、事務能力検査50分、適性検査45分
第2次試験(一般事務B・C、土木B、建築B)個別面接、集団討論、作文試験
第2次試験(自己推薦A・B)個別面接、集団討論。自己推薦区分は第1次試験でも個別面接があります
第2次試験(実務経験者・障がい者)実務経験者は個別面接。障がい者は作文試験と個別面接
配点各種目の配点と人物試験の比重は試験案内に記載がありません(非公表)
提出書類全区分共通の申込書①・申込書②。区分により実績証明書類、調査書、実務経歴書、申込書③を追加。面接カードという名称の書類はありません

読み取っておきたいのは、一般事務B・Cの第2次試験に個別面接と集団討論の両方が置かれていることです。加えて自己推薦A・Bでは、第1次試験の当日に自己PRシートを60分で作成し、資料の持込や閲覧ができない状態で書いたその内容をもとに、同じ日の午後に個別面接を受ける流れになっています。

その場で書いた文章と、その場で話す内容の一貫性が見られる設計だといえます。自己推薦Aは高校入学以降の実績や成果、自己推薦Bは高校生活での活躍と評定平均値が要件です。

上記の試験構成は、羽島市が公表した令和8年度の職員採用試験案内および第2回試験の試験案内にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。第1回と第2回では募集区分も異なります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

羽島市役所が求める人物像

羽島市の試験案内と採用ページには、「求める人物像」として明文化された箇条書きは掲載されていません。案内の「その他」欄に、職員一人ひとりが心も体も元気にやりがいを持って働けるよう取り組みを進めていること、仕事の効率を上げながら市民サービスの質を高めることを目指していることが書かれているのが、市の姿勢を示す唯一のまとまった記述です。

試験案内に書いてあるのは、ここまでです。ここから先は、同じくらいの規模の市役所に広く当てはまる話になります。

人口6万6千人、市域53.66km²の市が、事務・土木・建築・社会福祉士・保健師・消防という職種を自前でそろえています。一つの区分から入る人数は限られ、担当する範囲は自然と広くなります。

となると、前例のない相談を持ち込まれたときに、手順を自分で組み立てて形にできる人への需要が高くなるはずです。市域が狭く、職員と市民の生活圏が重なりやすい環境であることも、日常の振る舞いの丁寧さが効いてくる理由になります。

もう一つ、羽島市には自己推薦A・Bという入口があります。スポーツ、文化、芸術、研究、地域活動といった分野での実績や、高校生活での活躍を正面から評価する区分を市が用意しているという事実は、この市が経歴の型よりも「自分から動いた記録」を見ようとしていることの手がかりになります。

一般の区分で受ける場合でも、この視点は使えます。申込書に書ける経験のうち、市域の狭さと職種の幅という条件のなかで生きるのはどれか。

手持ちの材料からその一つを選び出す作業が、羽島市の準備の中身になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。羽島市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はここまで、どのくらい時間がかかりましたか受け答えの間合い。長丁場の試験日の終盤でも会話が保てるか
② 動機・志望愛知県側の市ではなく、羽島市を選んだ理由は何ですか県境に接する市だと理解したうえでの志望になっているか
③ 自己理解この試験区分を選んだ理由を教えてください併願ができない試験で、その区分に決めた判断の中身
④ 経験・行動やったことのない役割を任された経験はありますか職種の幅に対して人数が限られる職場で働けるかどうか
⑤ 学業・経歴学んできたことのうち、市の仕事で使えそうな部分はどこですか専門の中身より、翻訳して説明しようとする姿勢
⑥ 適性・将来10年後、市役所でどんな仕事をしていたいですか異動を重ねる前提で将来像を描けているか
⑦ 公共性・社会性身近な地域の活動に関わった経験はありますか自己推薦区分が置かれた市らしく、地域との関わり方の実際

ただし、この7つの枠組みは羽島市に固有のものではありません。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。では、どこで差がつくのか。それが次の「羽島市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「羽島市役所ならでは」の質問

「なぜ岐阜県庁ではなく、羽島市役所なのですか」
「羽島市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「羽島市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい羽島市の事実答え方のヒント
市の位置づけ東海道新幹線 岐阜羽島駅と名神高速道路 岐阜羽島インターチェンジを持ち、市は中部圏の高速交通の要衝、「岐阜県の玄関口」と位置づけている玄関口という言葉を借りるだけで終えず、停車促進協議会が続いている事実まで挙げると、調べた跡が残ります
県境に接する立地県外では愛知県の一宮市・稲沢市と隣接。県は年6千人規模の転出超過が続き、転出先は愛知県が最大近さを利点としてだけ語らず、住む場所として選ばれ続けるために市が何をするか、という問いに変えて答えましょう
人口構成の位置65歳以上28.7%、75歳以上16.9%で、いずれも県全体の31.2%・18.5%を下回る(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)県より若いという事実を、備える時間が残っている条件として述べると、課題認識とセットで示せます
市域の広さ面積53.66km²、人口密度1,233人/km²。県内では岐阜市・大垣市・海津市など6市町、県外では2市と接する移動距離が短いことが施設の再編や巡回サービスにどう効くかまで踏み込むと、生活者の目線が伝わります
採用の間口試験は年2回で、区分は一般事務から消防、実務経験者、自己推薦まで幅広い。併願はできない区分の多さを、市が自前でそろえる職種の広さの裏返しとして説明し、自分の区分を選んだ理由につなげてください

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。羽島市の場合、個別面接と集団討論、区分によっては作文試験まで同じ第2次試験に並ぶため、同じ人物を複数の角度から見る構成になっています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
その場で考えて形にする力自己推薦区分では、資料を見ずに60分で書いた自己PRシートをもとに個別面接が行われます一般の区分で受ける方も、テーマを決めて60分で下書きなしに書く練習を一度やっておくと、当日の負荷が読めます
意見の違いを扱う姿勢一般事務B・Cでは個別面接と集団討論が同じ第2次試験に置かれています討論では発言量より、人の意見を要約して次につなぐ動きが効きます。会議やグループ作業でその役をした経験を用意してください
幅の広い仕事への構え職種は多いが一区分あたりの採用は限られる、という職場の実際をどう受け止めているか希望と違う担当を任された経験を一つ選び、そこで何を身につけたかまで言えるようにしておきましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 第1回と第2回のどちらで、どの区分を受けるかを決める。併願ができないため、ここが最初の分岐になる
  2. 受ける回次の試験案内を読み、自分の区分に課される第1次・第2次の種目をすべて書き出す
  3. これまでの経験を学業・課外活動・アルバイト・地域の活動に分けて棚卸しし、話せる具体例を1つずつ用意する
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 集団討論と作文がある区分では、同じ題材を話す形と書く形の両方で表現する練習をしておく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、羽島市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

羽島市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

羽島市役所の想定問答集を見る

さいごに

羽島市の試験は、区分の数が多い分だけ、最初の選択が対策の中身を決めます。併願ができないので、迷ったまま申し込むと準備が散ります。

自分がどの区分で、どの種目を受けるのかを決めきること。そのうえで、新幹線の駅と高速道路の出入口を持つ6万人の市で自分が何をしたいのかを、申込書に書いた言葉と食い違わない形で話せるようにしておいてください。