中津川市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。

中津川市消防本部の面接試験では、「なぜ中津川市消防本部を志望したのか」「消防官として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を消防の仕事でどう活かしたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。令和8年度から採用試験の仕組みが見直され、教養試験が廃止された経緯を知っておくことで、どの消防本部にも当てはまる一般論を避け、中津川市消防本部に固有の事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と中津川市消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

中津川市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは中津川市消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 中津川市消防本部は中津川市が単独で設置する消防本部で、構成市町村は中津川市の1団体のみである。
  • 組織は消防総務課・警防課・予防課・救急指令課の4課と、中消防署・西消防署・北消防署の3署、坂下分署・蛭川分署・加子母分署の3分署で構成されている。
  • この4課3署3分署を動かしている消防吏員は121人で、うち女性は5人(令和7年4月1日現在)。
  • 令和6年中の出動件数は、火災27件に対し救急3,637件・救助60件で、救急が圧倒的多数を占めている。
  • 採用試験は中津川市職員採用試験の消防職・救急救命士区分として実施され、令和8年度から教養試験が廃止され、適性検査がWEBで自宅受検できる方式に変更された。
  • 令和8年度の消防職・救急救命士区分の募集人数は「若干人」とされている。
  • 採用後は「中津川市消防本部まで1時間程度で参集可能な距離」に居住することと、準中型以上の自動車免許を採用5年以内に自費で取得することが条件になっている。
  • 令和8年2月16日から、多治見市・中津川市・瑞浪市・恵那市・土岐市の5市で東濃5市消防指令センターの共同運用が始まっている。

中津川市消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「中津川市消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

下の表には、単独設置の中規模本部を支える体制がどれほどの規模なのかが分かるよう、管内人口・組織体制・出動件数を集めています。

項目内容
設置形態単独(中津川市が設置。構成市町村は中津川市の1団体)
所在地中津川市かやの木町1-10
管内人口72,453人(住民基本台帳、令和8年1月1日現在)
署所3署3分署(中消防署・西消防署・北消防署、坂下分署・蛭川分署・加子母分署)
消防吏員数121人(うち女性5人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数27件(令和6年中)
救急出動件数3,637件(令和6年中)
救助出動件数60件(令和6年中)
初任給大学卒232,000円・短期大学卒216,500円・高等学校卒200,300円(令和9年4月採用の場合)
試験の段階回次で異なる二段階または三段階(詳細は第2部1章)

管内人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)、組織体制は中津川市公式サイト、消防吏員数・出動件数は総務省消防庁の公表データ(令和7年4月1日現在・令和6年中)、初任給は中津川市職員採用試験案内によります。

中津川市消防本部の所在地は中津川市かやの木町1-10で、採用後はこの本部まで1時間程度で参集可能な距離に住むことが条件になっています。

管轄が3署3分署に及ぶ広さであることを踏まえると、この参集条件は暮らし方そのものに関わる、受験前に理解しておきたい事実です。あわせて採用試験案内には初任給の額も示されており、採用後の生活設計を考える材料の一つになります。

数字が語る中津川消防の実務

令和6年中の出動を並べると、火災27件に対して救急は3,637件でした。約135倍という開きは、消火よりも救急の対応が業務の大部分を占めることを示しています。

吏員121人という体制で、3署3分署という広い配置を保ちながら救急需要を支えている点は、この本部を理解するうえでの土台になります。(出典:全国消防本部データ|総務省消防庁)

また、中津川市の高齢化率は34.3%(75歳以上20.6%・住民基本台帳、令和8年1月1日現在)です。高齢化の進み方は、救急需要や火災予防のあり方に直結するテーマとして押さえておきましょう。

「中津川市消防本部では、救急の出動が火災の100倍を超えると聞きました。高齢化率も3割を超えているとのことなので、増える救急需要にしっかり対応できる職員になりたいと考えています」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 中津川市は岐阜県の東端に位置する東濃地方の一角で、中山道の中津川宿・落合宿・馬籠宿を有する。馬籠宿は石畳の坂道沿いに町並みが続く「坂の宿場町」として知られる。
  • リニア中央新幹線の中間駅「岐阜県駅」が千旦林地区(JR中央本線美乃坂本駅に近接)に設置される予定で、市施行の周辺土地区画整理事業が進行中である。
  • 令和8年2月16日からは、多治見市・瑞浪市・恵那市・土岐市とともに東濃5市消防指令センターの共同運用が始まっている。

つまり中津川市消防本部は、宿場町の歴史的な町並みと、リニア新駅の整備が進む新しい動きの両方を管轄に抱える本部だと整理できます。宿場町の記憶とリニア新駅という新旧の要素が同じ管内に同居している点まで語れると、志望動機の輪郭がはっきりします。(出典:リニア中央新幹線について|岐阜県公式サイト)

阿寺断層帯のリスク

岐阜県内には阿寺断層帯をはじめ多数の活断層帯が分布しており、県の被害想定調査(平成23〜24年度)では、阿寺断層系地震で死者最大900人・全壊16,000棟という想定が示されています。阿寺断層帯は中津川市域を含んでおり、地震への備えはこの本部にとって重い課題です。(出典:岐阜県南海トラフの巨大地震等被害想定調査|岐阜県)

豪雨災害で市域が受けた影響

令和2年7月豪雨(7月7日から8日)では、中津川市を含む6市に大雨特別警報が発表され、中津川市付知では降り始めからの降水量が1,094.5mmに達しました。県内では死者・行方不明者は生じませんでした。

平成30年7月豪雨でも、県内16市町村に発表された大雨特別警報の対象に中津川市が含まれています。このときの岐阜県内全体の被害は、住家全壊12棟・半壊236棟・床上浸水72棟・床下浸水420棟に上り、避難指示(緊急)の対象は102,094人にのぼりました。

断層による地震だけでなく、豪雨への備えも欠かせないことがわかります。(出典:令和2年7月豪雨災害検証報告書の概要|岐阜県)

中津川市消防本部の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、中津川市消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

中津川市消防本部の3,637件(令和6年中)という救急出動は、全国的な増加の流れの中にあります。同じ令和6年中、全国の救急自動車の出動は771万8,380件(前年比1.0%増)で、昭和38年の統計開始以来で最も多い水準でした。

搬送された人のうち65歳以上が63.3%、軽症(外来診療)が46.8%を占めます。中津川市消防本部にとっては、高齢化率34.3%という地域の実情と重なる課題です。(出典:令和7年版 救急・救助の現況)

大規模災害への備え

前章のとおり、阿寺断層系地震では死者最大900人という想定が示され、令和2年7月豪雨では市内で1,000mmを超える降水量も記録されています。

全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が緊急消防援助隊に登録しており、単独の本部で対応しきれない規模の災害には、こうした広域応援の枠組みも欠かせません。地震と豪雨の両方を意識した備えが、中津川市消防本部にとっての課題です。

広域指令の共同運用と連携

令和8年2月16日、東濃5市消防指令センターが運用を開始し、多治見市・中津川市・瑞浪市・恵那市・土岐市の5市の119番通報を一括して受信し、東濃地域の消防拠点に出動指令を送る体制になりました。1市単独で指令業務を担っていた体制から、5市共同の体制へと変わったことで、他市の消防本部との連携をどう深めるかが新たな課題になっています。(出典:消防指令の共同運用について|多治見市公式サイト)

人材確保と女性消防吏員の活躍

消防吏員121人のうち女性は5人で、割合は約4.1%。全国平均(約3.8%・168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)をやや上回る水準です。

国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げており(平成27年度策定)、中津川市消防本部にとっても、性別を問わず多様な人材を確保していくことは大きなテーマです。1時間参集や免許取得といった条件を踏まえたうえで、幅広い層から人材を確保できるかが問われています。(参考:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)

重点方針|刷新された採用試験と参集の条件

確認した中津川市職員採用試験案内及び中津川市消防本部公式ページの本文には、消防本部単独の運営方針や基本理念に相当する記載はありません(2026年9月時点)。一方で、令和8年度に見直された採用試験の仕組みと、採用後の参集条件には、中津川市消防本部ならではの特徴が表れています。

教養試験の廃止とWEB適性検査

中津川市職員採用試験は、案内の「昨年からの変更点」として教養試験の廃止と、適性検査のWEB受検(自宅受検可能)への変更を明示しています。

4月試験(大卒・短大卒・救急救命士)は第一次が適性検査(WEB)と体力試験、第二次がグループディスカッション、第三次が個人面接という三段階、9月試験(高卒)は第一次が適性検査(WEB)とグループディスカッションと体力試験、第二次が個人面接という二段階で、回次によって構成が異なります。(出典:令和8年度中津川市職員採用試験案内)

採用後の参集条件と資格取得

受験資格には「採用後、中津川市消防本部まで1時間程度で参集可能な距離に在住できる方」という条件が付き、準中型以上の自動車免許を持たない場合は採用5年以内に自費で取得することが求められます。管轄が広い地域に及ぶ中で、迅速に参集できる生活拠点を維持できるかが、受験の前提条件になっています。

POINT|制度変更の背景まで理解する

「教養試験がなくなったから受けやすい」という理解だけでは不十分です。「①消防の仕事とは何か → ②中津川市消防本部はどんな体制で管内を守っているか → ③自分の経験・強みをどう生かすか」の順で、変更の意味を自分の言葉に置き換えて組み立てましょう。

悪い例「教養試験がなくなって受けやすくなったので、中津川市消防本部を志望します」

改善例「中津川市消防本部の採用試験では、令和8年度から教養試験がなくなったと知りました。まずは体力試験の7種目にしっかり対応できる基礎を作りながら、グループディスカッションや個人面接でも自分の考えを伝えられるように準備していきたいです」

あわせて確認したい公式資料

4月試験と9月試験とでは対象学歴も試験構成も異なるため、採用試験案内ではまず自分が該当する回次を見極めることを優先しましょう。管内の統計や広域指令の仕組みは、面接で数字や事実を交えて語れるように、時間のあるときに読み込んでおけば十分です。

  • 令和8年度中津川市職員採用試験案内(消防職・救急救命士区分)
  • 中津川市消防本部公式ページ(組織体制)
  • 総務省消防庁の公表データ(全国の消防吏員数・出動件数等の統計)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、中津川市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。中津川市消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

中津川市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

中津川市消防本部の面接の概要

ここからは、中津川市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。回次によって試験構成が異なる分、自分の該当する回次に沿って読み進めてください。

中津川市消防本部の面接の流れ

中津川市職員採用試験の消防職・救急救命士区分は、4月試験(大卒・短大卒・救急救命士)が適性検査・体力試験→グループディスカッション→個人面接の三段階、9月試験(高卒)が適性検査・グループディスカッション・体力試験→個人面接の二段階という、回次で異なる構成です。(出典:令和8年度中津川市職員採用試験案内)

項目4月試験(大卒・短大卒・救急救命士)9月試験(高卒)
試験の段階三段階。第一次=適性検査(WEB)・体力試験/第二次=グループディスカッション/第三次=個人面接二段階。第一次=適性検査(WEB)・グループディスカッション・体力試験/第二次=個人面接
面接の種類個人面接1回(第三次)個人面接1回(第二次)
面接以外の検査体力試験(立幅とび・上体起こし・腕立伏臥腕屈伸・時間往復走・握力・長座位前屈・懸垂の7種目)とグループディスカッション体力試験(同7種目)とグループディスカッション
配点公表されていません。最新の受験案内でご確認ください

注目したいのは、グループディスカッションを実施する段階が回次によって異なる点です。4月試験では第二次に独立して置かれるのに対し、9月試験では第一次の中で適性検査・体力試験とあわせて実施されます。

受験申込は原則としてWEBの応募フォームで行い、フォーム内の「自己PR」欄が自由記載になっているため、事前にどう書くかを整理しておくと安心です。WEBでの申込みが難しい場合は、申込書とエントリーシートを郵送する方法も用意されています。

第一次試験の会場は、4月試験・9月試験とも中津川市役所本庁会議棟大会議室及び中津川市消防本部です。(出典:令和8年度中津川市職員採用試験案内)

上記の試験構成は、中津川市が公表する令和8年度中津川市職員採用試験案内における消防職・救急救命士区分のものです。配点等は案内に記載がなく、公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。試験の構成・日程は年度によって変わることがあります。受験の際は、必ず最新の受験案内でご確認ください。

中津川市消防本部が求める人材

中津川市は、消防職の受験者に向けた「求める人物像」を、採用試験案内にも消防本部のページにも掲げていません(2026年9月時点・当研究会調べ)。代わりに手がかりになるのが、選考の組み立て方です。

集団で議論する場と、一対一で問われる場を別々の段階に置く試験では、一般に、どちらか一方だけで通用する見せ方ではなく、両方で同じ人物像が立ち上がることが重んじられるといわれます。グループディスカッションと個人面接という異なる場面で人物を確かめる設計を踏まえると、集団の中での立ち振る舞いと、一対一での説明力の両方が評価されやすいと考えられます。

中津川市消防本部の場合、3署3分署という体制で管内をカバーし、東濃5市消防指令センターという他市との共同運用も始まっている以上、周囲と協力しながら動く姿勢が欠かせない要素になりそうです。1時間参集という条件も踏まえ、自分がどんな生活設計でこの仕事に向き合うのかを、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。中津川市消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ中津川市消防本部を志望するのですか?消防官という仕事と中津川という土地を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの長所と短所を教えてください自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。壁にぶつかったときの対処が現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れたことは何ですか?結果の大きさよりも、取り組みの筋道を自分の言葉でたどれるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?体力試験に象徴される、現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

ただし、この7項目はどこを受けても問われる共通部分です。ここを埋めただけでは他の受験者と横並びになり、差がつくのは中津川市消防本部を選んだ理由に踏み込む次の2問になります。

合否を分けるのは中津川市消防本部ならではの質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官なのですか?」
「なぜ中津川市消防本部を志望したのですか?管内のどの地域に関心がありますか?」

1問目は数ある公安系の職業の中から消防を選んだ理由を、2問目は管内の地域そのものへの関心の深さを確かめる質問です。いずれも、調べた量がそのまま答えの厚みに変わる質問です。面接で使いやすい「中津川市消防本部の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい中津川市消防本部の事実答え方のヒント
組織の成り立ち中津川市が単独で設置し、3署3分署という体制で管内72,453人(住民基本台帳・令和8年1月1日)を守る(詳細は第1部1章・2章)単独設置ならではの体制の広さを、自分の言葉で説明できるようにする
出動の実態令和6年中の出動は火災27件に対し救急3,637件。約135倍の開きがある(詳細は第1部2章)救急が業務量の大半を占めることを前提に語る
大規模災害への備え阿寺断層系地震の被害想定は死者最大900人・全壊16,000棟(平成23〜24年度調査)(詳細は第1部3章)被害の規模だけでなく、想定と実績の違いも理解して語る
広域指令の共同運用令和8年2月16日から多治見市・瑞浪市・恵那市・土岐市と東濃5市消防指令センターを共同運用(詳細は第1部4章)他市の消防本部との連携という視点も持っていることを示す
採用試験の仕組み令和8年度から教養試験が廃止され、4月試験と9月試験で構成が異なる(詳細は第1部5章・第2部1章)自分が受ける回次の試験構成を正確に説明できるようにする

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

中津川市が公表しているのは試験の段階と種目までで、それぞれの配点は明らかにされていません。グループディスカッションと個人面接という2つの異なる場面で、順に人物を確かめていく設計である点が、公表された選考設計から読み取れる特徴です。

ここに、消防に限らず公務員の採用面接で広く共有されている一般論をひとつ重ねておきます。過去にとった行動の事実を掘り下げて採用後の再現性を測る、いわゆるコンピテンシー評価の考え方です。

中津川市消防本部がこの手法を採ると公表しているわけではありませんが、集団と個別の両方で人物を確かめる場面では、備え方の目安になります。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
集団の中での立ち振る舞いグループディスカッションで、他の受験者とどう関わるか自分の主張を通すことより、他の受験者の発言を受けて考えを述べられているかを意識する
個人面接での一貫性グループディスカッションで見せた姿勢と、個人面接で語る内容に食い違いがないか集団の場での自分の役割を、個人面接でも同じ軸で説明できるようにしておく
参集条件への理解1時間参集という条件を踏まえた、生活設計や覚悟が語れるか免許取得や居住地の条件まで理解したうえで、志望動機に接続する

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

中津川市消防本部のように、グループディスカッションと個人面接の両方が課される試験では、なおさらです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和8年度の受験案内を読み、自分が該当する回次(4月試験・9月試験)と試験構成、WEB応募フォームでの申込方法を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、チームで動いた具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。グループディスカッションを想定した練習も、個人面接の練習と並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で中津川市消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、グループディスカッションと個人面接の両方に向けて準備する時間は限られています。効率よく仕上げるための教材として、中津川市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

中津川市消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、個人面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。4月試験・9月試験のどちらを受ける場合も、早めに取り組んでおくと安心です。

中津川市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

中津川市消防本部は、中津川市単独の設置ながら、3署3分署という体制で管内72,453人の暮らしを守り、令和8年2月からは東濃5市消防指令センターの共同運用にも参加しています。救急出動が火災の130倍を超え、阿寺断層系地震や豪雨といった災害リスクにも向き合いながら、令和8年度からは教養試験を廃止した新しい採用試験が始まりました。

試験は4月試験・9月試験で構成が異なり、いずれもグループディスカッションと個人面接の両方で人物が確かめられます。ここまでの内容を自分の言葉に置き換え、本番までに何度も声に出して練習しておいてください。