本記事では、高山市職員採用試験の面接対策で必要な、高山市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

高山市役所の面接試験では、「なぜ高山市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

高山市の事務(大卒程度)は、第一次試験が択一式の教養試験、第二次試験が個別面接という構成です。筆記を通過したあと、人物を確かめる場面は個別面接の一度に集約されます。

その一度きりの場に、何を持って座るのか。第1部に並べた事実は、そのための材料として集めたものです。

第1部|自治体研究編

高山市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは高山市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 市域は2,177.61平方キロメートルで、市公式サイトは高山市を「日本一大きな市」と紹介しています。東西約81キロメートル、南北約55キロメートルの広がりがあります。
  • 人口は81,590人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。市公式サイトによれば、岐阜県内では7番目の規模にあたります。
  • 市域の92.1%が森林です。最低標高436メートル(上宝町吉野)から最高標高3,190メートル(奥穂高岳)まで、3,000メートル近い高低差を1つの市の中に抱えています。
  • 接しているのは飛騨市・郡上市・下呂市・大野郡白川村と、長野県・富山県・石川県・福井県の4県の市町です。県境が市域を取り巻いています。
  • 春の山王祭と秋の八幡祭からなる高山祭の屋台行事は、平成28年12月1日にユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の一つとして記載が決まりました。春は12基、秋は11基の屋台が曳き出されます。
  • 令和6年の岐阜県観光入込客統計調査では、高山市街地エリアの入込客数が前年比11.6%増となりました。県はこの年に入込客数が増えた地点の一つとして、このエリアを挙げています。
  • 職員採用試験は第一次試験・第二次試験の2段階です。事務(大卒程度)の第一次試験は択一式の教養試験(大卒程度)、第二次試験は個別面接試験という組み立てになっています。
  • 市の花はこばのみつばつつじ、市の木はいちい。市役所は高山市花岡町二丁目18番地にあります。

高山市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「高山市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

高山市の数字は、面積2,177.61平方キロメートルと人口81,590人という2つの値の落差で覚えるのが早道です。岐阜県の面積が約1万621平方キロメートルですから、県土のおよそ2割を1つの市が占めていることになります。

項目内容
総人口81,590人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積2,177.61km²
市域の広がり東西約81km・南北約55km
森林率92.1%
標高最低436m(上宝町吉野)から最高3,190m(奥穂高岳)
65歳以上の割合33.9%(岐阜県全体は31.2%)
75歳以上の割合20.7%(岐阜県全体は18.5%)
隣接自治体飛騨市・郡上市・下呂市・大野郡白川村/長野県大町市・松本市・木曽郡木曽町/富山県富山市/石川県白山市/福井県大野市
市の花・市の木こばのみつばつつじ・いちい
市役所所在地高山市花岡町二丁目18番地
(参考)岐阜県の人口1,879,539人(令和8年4月1日現在の推計人口)
(参考)岐阜県の面積約1万621km²(全国第7位)

65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。この統計での高山市の総人口は81,590人、岐阜県全体は1,935,253人で、割合の分母にもこれらを用いています。参考として併記した県の人口は令和7年国勢調査の速報値を基準とする推計値です。基準となる調査が異なるため、住民基本台帳の数値と同じ列に並べて比較することはできません。

数字から考えられる市政課題

人口を市域で割ると、1平方キロメートルあたり40人に届きません。

市民が広く散らばって暮らしているということであり、道路も上下水道も公共交通も、同じサービスを同じ水準で届けるための手間が、面積のぶんだけ積み上がります。冬になれば除雪がそこに重なります。

そこへ高齢化が乗ります。65歳以上は33.9%、75歳以上は20.7%で、岐阜県全体の31.2%・18.5%をいずれも上回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。

市民のおよそ5人に1人が75歳以上という構成では、通院や買い物の足、独居世帯の見守り、雪の季節の生活支援が、離れた集落ごとに同時に立ち上がります。

たとえば面接では、高山市の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「高山市はおよそ3人に1人が65歳以上だと知りました。市域が日本で一番広いということは、その方たちの暮らす場所も広く散らばっているということだと思います。冬の雪も含めて、そこに手を届かせる仕事に関わりたいです」

高山市の経済・産業

人を受け入れることが産業になっている

令和6年の岐阜県観光入込客統計調査では、県全体の観光入込客数が6,655万7千人、観光消費額は総額4,012億73百万円(対前年比31.8%増)で過去最高を更新しました。外国人の延べ宿泊者数は192.9万人です。

県はこの年に伸びた地点として飛騨地域を挙げており、高山市街地エリアは前年比11.6%増でした(出典:岐阜県観光入込客統計調査|令和6年)。

つまり、「外から来た人の消費を市内に落とす」という構造が高山市の経済を支えているということです。観光を志望分野に挙げるなら、集客の話ではなく、受け入れる側の人手と施設をどう保つかという角度で準備すると実務に近づきます。

森林92.1%という土地の使われ方

市域の9割超が森林であることは、そのまま産業の姿にも表れています。令和9年4月採用の職員採用試験では、技術職として農業と土木・建築、資格免許職として獣医師、そして経験者枠として林業が募集されました(出典:高山市職員採用試験案内|令和9年4月採用)。

どの職種を募集するかは、その自治体が何を抱えているかの表明でもあります。山と農地を管理し続けることが市の仕事の一部であるという事実は、事務職を志望する場合でも押さえておく価値があります。

岐阜県のものづくりという背景

岐阜県全体では、就業者に占める製造業の割合が25.0%と全国順位6位(全国の割合は16.0%)です(出典:岐阜県の概要)。産業別の構成比は第1次産業2.9%、第2次産業32.6%で、こちらは令和2年国勢調査にもとづく数値です。

観光地としての印象が強い市であっても、所属する県の雇用の土台にはものづくりがあります。

高山市で働くことは、飛騨地域の市政に関わることであると同時に、この県の経済の一角を担うことでもあります。

高山市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、高山市が向き合っている論点が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

県平均を上回る高齢化と、県全体の人口減少

65歳以上33.9%、75歳以上20.7%という水準(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)は、岐阜県全体をそれぞれ2.7ポイント、2.2ポイント上回ります。

県の人口問題研究会中間報告(令和6年12月)は、このまま人口減少が進めば県の総人口は2050年に137万人(2020年比で61万人・約31%の減少)になると推計し、15歳から34歳の転出超過、なかでも愛知県への転出が最大であることを課題に挙げています(出典:岐阜県人口問題研究会中間報告|令和6年12月)。若い世代が県外へ出ていく流れの先端に、高山市のような地方部の市が置かれています。

雪・雨・地震・火山が同じ市域に重なる

岐阜県の被害想定調査は、高山・大原断層帯地震について死者最大870人・建物全壊17,000棟と見込んでいます(出典:岐阜県南海トラフの巨大地震等被害想定調査|平成23〜24年度)。

加えて、県内には焼岳・乗鞍岳・御嶽山・白山・アカンダナ山の5つの活火山があり、うち4つは気象庁の常時観測火山として24時間体制で監視されています(参考:岐阜県の活火山(岐阜地方気象台))。

水害の記録も新しく、令和2年7月豪雨では高山市船山で1,409.0ミリの雨量が観測され、市には大雨特別警報が発表されました。

県土の54.9%が豪雪地帯に属し、雪崩危険箇所は県内に1,630箇所あります。1つの災害に備えれば済む市域ではありません。

山岳観光の裏側にある遭難対応

令和6年に岐阜県内で発生した山岳遭難は94件・遭難者104人で、そのうち北アルプスでの発生が38.3%(36件)を占めます。60歳以上の遭難者が53.8%、単独登山者が約4割、県外から訪れた遭難者が約6割です(出典:岐阜県の山岳遭難|令和6年中)。

奥穂高岳を市域に含む高山市にとって、山は観光資源であると同時に、外から来た人の安全を引き受ける対象でもあります。観光振興と安全確保は、この市では同じ話の裏表です。

広い市域を、限られた人数で担うという条件

令和9年4月採用の募集で、事務(大卒程度)の採用予定は4名から6名、事務(社会人経験者)は2名から3名です。この人数に技術・資格免許・経験者枠が加わって、2,177.61平方キロメートルの市政が回っています。

試験案内が示す事務職の職務内容は「本庁及び支所の各部局における予算・経理、税務、福祉、戸籍・住民登録、環境政策、農政、観光・産業振興、国際交流、総合企画等の行政各分野に関する業務」です。

支所が市域に置かれていることと、担当分野がこれだけ広いことは、セットで理解すべき事実だといえます。

重点政策|人材育成の方針と職務の広がり

高山市が職員に何を期待しているかを最も直接に書いている文書は、市公式サイトの行政経営のページに置かれた「高山市第六次人材育成基本方針」です(参考:高山市第六次人材育成基本方針)。志望先を調べるときは、受験案内と並べてこの方針を開いてください。

なお、市の総合計画と直近の予算資料は改定のたびに姿を変えます。数字を引くときは、必ず市公式サイトの最新版に当たってください。

試験案内が並べた仕事の範囲を読む

市の重点がどこにあるかを知る手がかりは、実は受験案内の中にもあります。事務職の職務内容として並ぶのは、予算・経理、税務、福祉、戸籍・住民登録、環境政策、農政、観光・産業振興、国際交流、総合企画といった分野です。

ここに国際交流と観光・産業振興が明記されていることは、外国人を含む来訪者の受け入れが日常業務の一部だということを意味します。農政が並んでいることは、山と農地の管理が市の課題であることの裏づけです。

職務内容の列挙は、その市の政策領域の一覧としても読めます。

岐阜県の財政と計画という背景

高山市の予算も事業も、県の財政の状況と無縁ではいられません。岐阜県の令和7年度当初予算(一般会計)は9,020億円で、前年度当初の8,861億円から159億円(1.8%)の増でした。

ただし知事改選期のため骨格的予算として編成されています(参考:岐阜県当初予算の概要|令和7年度)。県の財政力指数は0.54003、経常収支比率は92.1%です(令和5年度決算)。

県も市も、使える財源に余裕があるわけではありません。市の事業を読むときは、県が向いている方向のどこに高山市が手を伸ばしているのかという目で見ると、狙いがつかみやすくなります。

POINT|事業名を並べても志望動機にはならない

覚えるべきは名称ではなく順序です。高山市の数字を1つ選ぶ、そこから生まれる困りごとを具体的な場面として描く、市の取組を確かめる、市だから担える理由を言う、自分の経験を重ねる。この5つの順で組み立てれば、そのまま話の骨格になります。

悪い例「豊かな自然と歴史ある町並みを持つ高山市で、観光振興に取り組みたいです」

改善例「配属先はどこであっても、まずその分野を自分で調べ切れるようになりたいです。そのうえで、市街地の観光客が前の年より1割以上増えたと聞きましたので、受け入れる側の住民や事業者の負担を軽くする仕事に関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

下に挙げた4点のうち、まず時間を割く価値があるのは試験案内と人材育成の方針です。県の資料は、志望分野に関係する部分だけ拾えば足ります。

  • 高山市職員採用試験案内(最新のもの)と、市の職員採用ページ
  • 高山市第六次人材育成基本方針(市の行政経営のページに掲載)
  • 高山市の総合計画と、最新年度の予算に関する市の説明資料
  • 岐阜県の当初予算資料と人口問題研究会の報告(県全体の方向を押さえるため)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、高山市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。高山市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

高山市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

高山市役所の面接の概要

ここからは、高山市の採用試験がどう進み、一度きりの個別面接に何を持ち込めばよいのかを、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

高山市役所の試験の構成

令和9年4月採用の高山市職員採用試験は、第一次試験・第二次試験の2段階です。

事務(大卒程度)の第一次試験は択一式の教養試験(大卒程度)で、一般知能(文章理解、判断・数的推理、資料解釈等)と一般知識(時事、社会・人文、自然に関する知識)が出題されます。第二次試験は個別面接試験で、案内には「面接による口述試験を行います。」と記されています。

項目内容(令和9年4月採用・令和8年度実施)
試験の段階第一次試験・第二次試験の2段階
事務(大卒程度)の第一次教養試験(大卒程度)。一般知能(文章理解、判断・数的推理、資料解釈等)と一般知識(時事、社会・人文、自然に関する知識)を択一式で出題
事務(社会人経験者)等の第一次職務能力試験と職務適応性検査。職務能力試験は「論理的に思考する力、文章を正確に理解する力、統計等の資料を分析する力、国内外の社会情勢への理解等を確認するための基礎的な出題」の択一式
経験者枠・公務員経験者枠「第一次試験(筆記試験)は行いません」とされ、個別面接試験のみで選考
第二次試験個別面接試験。集団面接・集団討論の実施は試験案内に記載がありません
適性検査「教養試験及び専門試験の受験者は適性検査、性格特性検査を実施します」とされています
加点外国語に関する資格等を有している場合、第一次試験の結果に加点(資格を証明するものの添付が必要)
申込方法インターネットからの申込みが原則。採用プラットフォーム「パブリックコネクト」に会員登録し、基本情報・職歴・学歴(中学校から入力)・自己PRを登録したうえで、高山市役所ページの「職員募集」からエントリー
提出書類資格等証明書の写し、職務経験調査票(経験者枠・公務員経験者枠のみ)、最終学校の卒業(見込)証明書・成績証明書など。証明書の原本は第一次試験当日に提出(経験者枠・公務員経験者枠は面接試験日に提出可)
併願「令和8年度に実施する本市の採用試験において、併願はできません。」
結果の開示受験者本人に限り総合得点と順位を開示。結果通知の受領から1か月以内に市役所本庁舎4階総務課で請求(電話・手紙・電子メール等による請求は不可)
採用予定事務(大卒程度)4名から6名、事務(社会人経験者)2名から3名のほか、技術(農業・土木・建築)、資格免許(保健師・保育士・社会福祉士・獣医師・看護師)、経験者枠(林業・土木・建築)、公務員経験者枠
初任給の例大卒程度232,000円、短大卒程度216,500円、高卒程度200,300円(令和8年度)

注目したいのは、試験の設計そのものが受験者に何を求めているかです。第一次試験に択一式の教養試験を課すという選択は、基礎的な学力を最初のふるいに使うということです。

そのうえで、人物を確かめる場面は第二次試験の個別面接ただ一度に置かれています。筆記の準備と面接の準備は、どちらかに寄せてよい試験ではありません。

上記の試験構成は、高山市の令和9年4月採用(令和8年度実施)の職員採用試験案内にもとづくものです。各試験種目の配点、および人物試験の比重を示す数字は試験案内に記載がなく、公表されていません。試験の構成・区分・日程等は、年度や受験区分によって変わることがあります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

高山市役所が求める人物像

高山市の令和9年4月採用試験案内と、市の職員採用ページの本文には、求める職員像を項目立てで示した記載はありませんでした。ただし市は「高山市第六次人材育成基本方針」を公表しており、職員に期待することはそちらに整理されています。

まずはこの方針を読むのが、遠回りに見えて最短です。

そのうえで、試験案内が職務内容として並べた分野の幅そのものが、もう一つの手がかりになります。ここからはその読み方の話です。

事務職の担当分野は予算・経理から税務、福祉、戸籍・住民登録、環境政策、農政、観光・産業振興、国際交流、総合企画にまで及び、勤務先には本庁だけでなく支所が含まれます。一方、事務(大卒程度)の採用予定は4名から6名です。

この2つを重ねると、入庁後に「その分野の担当が自分しかいない」状況に置かれる可能性が高いことが見えてきます。

担当が回ってきたばかりの制度でも、根拠になる規定や過去の経緯を自分でたどり、判断のつかない点を残さずに持ち帰れるかどうか。高山市の規模と職務範囲では、この進め方ができる人が働きやすいでしょう。

もう一点、勤務地の広がりも無視できません。事務職の勤務先には本庁だけでなく支所が含まれ、2,177.61平方キロメートルの市域を分担して支える体制がとられています。

担当する地域の産業や暮らしぶりにどれだけ関心を向けられるかは、この市では仕事の速さそのものに関わってきます。そしてこの市の採用試験は併願ができません。

他の職種と比べて選ぶという逃げ道がない以上、パブリックコネクトの登録画面に書く自己PRも、面接で話す内容も、高山市に向けた一通りだけになります。登録の段階で選んだ経験が、そのまま個別面接の下敷きになると考えておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。高山市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどちらから来られましたか市域が広く、来場の経路も人それぞれです。事実を短く返せる呼吸
② 動機・志望民間企業ではなく市役所を選んだ理由を教えてください併願のできない試験を選んだ判断を、自分の言葉で説明できるか
③ 自己理解周りから指摘される自分の弱点は何ですか登録時に書いた自己PRと、口頭で語る自己像がずれていないか
④ 経験・行動誰も担当していない仕事を引き受けた経験はありますか採用が数名という規模で任される幅に、耐えられる素地があるか
⑤ 学業・経歴学んできたことで市の仕事に使えそうなものはありますか教養試験では測れない部分を、業務の言葉へ言い換えられるか
⑥ 適性・将来支所への配属や転居についてどう考えていますか2,177平方キロメートルの市域で働く前提が共有できているか
⑦ 公共性・社会性最近気になった社会の動きを教えてください一般知識の出題範囲と重なる領域への、日常的な関心の持ち方

ただし、この7つは受験者の多くが用意してくる領域です。択一式の教養試験を越えてきた人たちが、似た答えを持って並びます。

差がつくのはこの先、「高山市ならでは」の質問のほうです。

合否を分けるのは「高山市役所ならでは」の質問

「なぜ岐阜県庁ではなく、高山市役所なのですか」
「高山市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「高山市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい高山市の事実答え方のヒント
市域の広さ2,177.61km²で、市公式サイトは「日本一大きな市」と紹介。東西約81km・南北約55km、森林率92.1%広さを驚きとして述べて終わらせず、支所を含む組織でその市域をどう回しているかという運営の話まで進めましょう
なぜ県庁ではなく市役所か事務職の職務内容は本庁と支所の各部局で予算・経理から国際交流、総合企画まで及ぶ。事務(大卒程度)の採用予定は4名から6名少人数で幅広い分野を担う環境を、自分がどう働きたいかという希望と結び付けると、規模の話が志望理由として立ちます
高齢化の水準65歳以上33.9%、75歳以上20.7%で、いずれも岐阜県全体を上回る(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)割合を挙げただけでは足りません。広い市域で冬に通院や買い物をどう続けるかなど、場面を一つ選んで自分の関わり方まで話してください
観光の受け入れ令和6年の県観光入込客統計で高山市街地エリアは前年比11.6%増。高山祭の屋台行事は平成28年にユネスコ無形文化遺産へ記載来訪者の数を誇る話に流さず、受け入れる住民と事業者の負担をどう軽くするかという行政側の論点へ進めてください
災害への備え高山・大原断層帯地震は死者最大870人・建物全壊17,000棟と想定。令和2年7月豪雨では高山市船山で1,409.0ミリを観測想定の数字を挙げたうえで、雪と雨と地震が同じ市域で起こる前提に触れると、防災の話が一段具体になります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「求める人物像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
自分で調べて形にする力手本のない用件に、どこまで自力で答えを出したか事務職の担当分野には税務から国際交流まで並びます。配属を選べない前提で、知らない領域に自分から入っていった経験を1つ用意しておきましょう
短く言い切る力専門用語を避け、要点から先に話せるか第二次試験は「面接による口述試験」の一度きりです。話が長くなる自覚がある人は、1つの経験を30秒で言い切る練習から始めてください
この市で働き続ける見通し雪の季節や支所での勤務を、どう受け止めているか高山市の試験は併願ができません。他の受験先と比べたうえでここを選んだ理由を、生活者としての言葉で言えるようにしておきましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

人物を見る機会が一度しかないぶん、掘り下げは1つの話題に集中します。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の試験案内を読み、受ける職種と区分(事務の大卒程度か社会人経験者か、経験者枠か)を先に確定させる
  2. パブリックコネクトに会員登録し、中学校から入力する学歴欄と自己PR欄を、時間をとって書き上げる
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 教養試験の出題範囲(一般知能と一般知識)を確認し、筆記と面接に割く時間の配分を先に決める
  5. 第1部の事実を2〜3個選び、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の自己PRの書き上げと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、高山市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

高山市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

高山市役所の想定問答集を見る

さいごに

高山市の事務(大卒程度)は、択一式の教養試験を越えた先に個別面接が一度あるだけの構成です。しかもこの市の採用試験は併願ができません。

そこで話す内容は、どこかで使い回した答えではなく、高山市のためだけに用意した一通りになります。

日本一広い市域の、どの場所の、誰の暮らしに関わりたいのか。その一点をはっきりさせて臨めば、面接の時間はむしろ足りないくらいに感じられるはずです。