本記事では、大垣市職員採用試験の面接対策で必要な、大垣市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

大垣市役所の面接試験では、「なぜ大垣市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

大垣市の大学卒程度・事務は、筆記のあとに集団討論と個別面接を重ねる3段階の選抜です。人と向き合う場面が二度あるぶん、市について語れる材料の量が、そのまま持ち時間の密度を決めます。

市の数字と市が掲げている都市像を先に押さえ、そのうえで自分の経験をどこに接続するかを考えていきましょう。

第1部|自治体研究編

大垣市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは大垣市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 住民基本台帳の人口は156,158人で、岐阜県内21市のうち岐阜市に次ぐ2番目の規模です(令和8年1月1日現在)。
  • 市域は206.57km²、人口密度は756人/km²です(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。
  • 接している自治体は13にのぼり、岐阜市・羽島市・瑞穂市のほか、滋賀県米原市・犬上郡多賀町、三重県いなべ市とも境を接しています。
  • 木曽川・長良川・揖斐川の堆積によってできた地下水盆の上にあり、良質な地下水が自噴する井戸が市内各所にあることから「水の都」と呼ばれます。平成7年には国土交通省の「全国水の郷100選」に選ばれました。
  • 市はこの水を軸に「水都大垣再生プロジェクト」を進めています。
  • 65歳以上の割合は28.4%、75歳以上は16.7%で、岐阜県全体の31.2%・18.5%をいずれも下回ります(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。
  • 市の花はサツキ、市の木はクスノキ。市役所は大垣市丸の内二丁目29番地にあります。
  • 職員採用は区分ごとに要項が分かれ、大学卒程度・資格免許職のほかに民間企業等職務経験者、技能労務職、早期枠が公表されています。

大垣市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「大垣市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

大垣市の数字を読むときの軸は、県内で2番目という人口の大きさと、県全体より低い高齢化率の組み合わせです。県の縮小を先に体験している市ではなく、県の中では比較的余力が残っている側に立っている。この位置取りが、市政の優先順位のつけ方に効いてきます。

項目内容
総人口156,158人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)
65歳以上人口44,287人(28.4%。岐阜県全体は31.2%)
75歳以上人口26,029人(16.7%。岐阜県全体は18.5%)
総面積206.57km²
人口密度756人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体岐阜市・羽島市・瑞穂市・安八郡安八町・神戸町・輪之内町・不破郡垂井町・関ケ原町・揖斐郡池田町・養老郡養老町、滋賀県米原市・犬上郡多賀町、三重県いなべ市
市役所所在地大垣市丸の内二丁目29番地
(参考)岐阜県の人口1,879,539人(令和8年4月1日現在の推計人口)
(参考)岐阜県の面積約10,621km²(全国7位)

65歳以上・75歳以上の人口と割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。この統計における大垣市の総人口は156,158人、岐阜県全体は1,935,253人で、割合の分母にもこれらを用いています。表に併記した岐阜県の人口1,879,539人は、令和7年国勢調査の速報値を基準とした県公表の推計人口であり、調査の基準が異なるため住民基本台帳の数値とそのまま比較することはできません。総面積・隣接自治体・市役所所在地は、いずれも公表値をもとに当研究会が整理したものです。

数字から考えられる市政課題

15万人規模の市で高齢化率が3割を下回るというのは、県全体の平均と比べれば穏やかな構成です。ただし、これは大垣市だけが人口減少と無縁だという意味ではありません。

岐阜県は2050年に人口137万人へ減少すると推計されており、その内訳は15歳から64歳が47万人減、0歳から14歳が11万人減、65歳以上が4万人減です(出典:岐阜県人口問題研究会中間報告|令和6年12月)。

減るのは主として働く世代であり、高齢者が増えるというより、支える側が細るという形の人口減少が県全体の見通しです。

大垣市が今の年齢構成を保てるかどうかは、この県全体の流れの中でどれだけ働く世代に選ばれ続けられるかにかかっています。たとえば面接では、大垣市の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「大垣市は県内で2番目に人口の多い市で、65歳以上の割合も3割を下回っていると知りました。ただ岐阜県全体では2050年に137万人まで減るという推計が出ていて、減る中心は働く世代だと聞きました。今まだ余力があるうちに、働く人に選んでもらえる仕組みを作っておく仕事に関わりたいです」

大垣市の経済・産業

県の製造業という土台の上にある市

岐阜県は、就業者に占める製造業の割合が25.0%で全国6位です(全国の割合は16.0%)(出典:岐阜県の概要)。

働く人のおよそ4人に1人がものづくりの現場にいるという県の構造は、企業の立地相談や人材確保の支援といった市の仕事の前提になります。大垣市が採用試験の要項の冒頭で「産業文化都市」という言葉を使っているのも、この土台と無関係ではありません。

水を都市の看板に据えるという選択

大垣市は、木曽三川の堆積によってできた地下水盆の上にあります。良質な地下水が自噴する井戸が市内各所にあることから「水の都」と呼ばれ、平成7年には国土交通省の「全国水の郷100選」に選定されました。

市はこれを過去の名残として扱わず、「水都大垣再生プロジェクト」という現在進行の取組として位置づけています(参考:水の都|大垣市公式サイト)。

観光や景観の話題を志望分野に選ぶなら、名所を挙げるより、地下水という資源を市がどう使い続けようとしているかという角度のほうが、実際の担当業務に近づきます。

県境の向こう側とつながる位置

大垣市が接している13の自治体には、滋賀県米原市・犬上郡多賀町、三重県いなべ市が含まれます。県境をまたいで3つの市町と隣り合っているという条件は、通勤や買い物、災害時の応援といった場面が県の外まで及ぶことを意味します。

県の広域交通の整備も進んでおり、東海環状自動車道は3県にまたがる総延長約153kmのうち岐阜県内区間が約99kmを占め、西回り区間の建設が続いています(参考:東海環状自動車道の概要)。

交流人口の面では、岐阜県全体の令和6年の観光消費額が4,012億73百万円(前年比31.8%増)と過去最高を更新しています(出典:岐阜県観光入込客統計調査|令和6年)。

人の流れが県境で止まらない場所で働く、という感覚は面接でも伝わりやすい素材です。

大垣市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、大垣市が向き合っている論点が浮かび上がります。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

働く世代の転出をどう食い止めるか

岐阜県では近年、年6千人に届く規模の転出超過が続いています。とくに15歳から34歳の転出超過が多く、理由としては「職業上」が最多、行き先は愛知県が最大です。

県の人口問題研究会は若年女性の流出を最大の課題と位置づけ、就職や転職の時期の転出超過が出生数の減少に影響していると指摘しています(出典:岐阜県人口問題研究会中間報告(関連資料)|令和6年12月)。

県内でも人口規模の大きい大垣市にとって、進学や就職で一度出た人にどう戻ってもらうかは避けて通れないテーマです。

自治体どうしが同じ施策を並べてしまう構造

同じ中間報告は、社会減対策で各自治体が似た施策を実施し、結果として人口の奪い合いになっている状況も課題に挙げています。自然減対策についても、財政の制約などから個々の自治体の努力だけでは限界があるとしています。

子育て支援や移住施策を志望動機に据えるなら、「隣の市がやっているから」ではなく、大垣市の条件から出発した理由が要ります。県内で2番目の人口規模と、市街地が地下水盆の上にまとまっているという地理は、その理由を組み立てる材料になります。

県内で被害が最大と想定される直下型地震

大垣市の西隣にあたる不破郡垂井町を起点として、三重県桑名市を経て四日市市に至る長さ約60kmの養老−桑名−四日市断層帯があります。

想定される地震の規模はマグニチュード8程度で、30年以内の発生確率はほぼ0%から0.8%、平均活動間隔は1,400年から1,900年、最新の活動時期は13世紀から16世紀とされています(出典:養老−桑名−四日市断層帯の長期評価)。

岐阜県の被害想定調査では、この地震による県内の被害が死者最大3,100人・建物全壊68,000棟・避難者最大241,000人と、県内の想定地震の中で最大とされています(出典:岐阜県南海トラフの巨大地震等被害想定調査|平成23〜24年度)。

防災を語るなら、備蓄や避難所の話にとどめず、隣接する町や県外の市との応援関係まで視野に入れておきたいところです。

県境をまたぐ生活圏での調整

13の自治体と接し、うち3つが県外という条件は、日常業務の中に他団体との調整が入り込みやすいことを意味します。河川の管理、広域の道路、消防や医療の応援は、いずれも市域の内側だけで完結しません。

東海環状自動車道の西回り整備が進めば、人の動く範囲はさらに広がります。市役所の仕事を「市民との距離の近さ」だけで語ると、この面が抜け落ちます。

基礎自治体でありながら、県や近隣県の団体と机を並べる場面があるという理解は、志望動機に厚みを与えます。

重点政策|みんなで創る 希望あふれる産業文化都市

大垣市が令和8年度の職員採用試験要項の冒頭に掲げているのは、未来都市像「みんなで創る 希望あふれる産業文化都市」という一文です。採用の入口に置かれているということは、この都市像に向かって働ける人を採りたい、という意思表示にほかなりません(出典:令和8年度大垣市職員採用試験要項(大学卒程度・資格免許職)|令和8年度)。

都市像を3つの言葉に分けて読む

この一文は、3つの部分に分けると扱いやすくなります。「みんなで創る」は、市が単独で決めて実施するのではなく、市民や事業者と一緒に形にするという進め方の宣言です。

「産業」は、就業者の4人に1人が製造業という県の構造の上に立つ市の性格を指します。そして「文化」は、地下水と水路が作ってきた景観や暮らしの積み重ねを、これからも都市の資源として扱うという姿勢の表れと読めます。

3語のうちどれか1つを選び、自分の経験と重ねて語れる状態にしておけば、志望動機は具体になります。

計画そのものは市の現行版で確かめる

本記事で扱っているのは、採用試験の要項という一次資料に書かれた都市像までです。計画そのものは改定のたびに名称も期間も変わりますから、中身に踏み込むなら市公式サイトの現行版を自分で開き、どの分野に予算と人が割かれているかを確かめてください。

要項に書かれた都市像と、計画に並ぶ事業の名前が頭の中でつながったとき、志望動機は自分のものになります。面接で問われるのは計画の暗記量ではなく、そのつながりを自分の言葉で説明できるかどうかです。

POINT|施策名を並べても志望動機にはならない

覚えた事業名の数は、面接での評価にほとんど関係しません。大垣市の数字を1つ選ぶ、その数字が誰の暮らしに効いているかを想像する、市がその領域で何をしているかを確かめる、自分の経験と重なる部分を探す。この4段を踏めば、事業名を挙げなくても話は成立します。

悪い例「水の都である大垣市で、まちづくりに貢献したいです」

改善例「はじめは市の仕事の全体を覚えることに時間を使いたいです。そのうえで、大垣市は自噴する井戸を今も都市の資源として扱っていると知りましたので、水辺の風景を暮らしの中に残していく仕事に関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

読む順番を決めておきましょう。最初は自分が受ける区分の試験要項、次に志望分野に近いものを1つ選び、要点を自分の言葉で言い直せるところまで持っていけば十分です。

  • 令和8年度の大垣市職員採用試験要項(自分が受ける区分のもの)
  • 大垣市の総合計画と、直近年度の予算に関する市の説明資料
  • 大垣市公式サイトの「水の都」に関するページ(水都大垣再生プロジェクトの現在地を知るため)
  • 岐阜県人口問題研究会中間報告(県全体の人口の見通しを押さえるため)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、大垣市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。大垣市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

大垣市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

大垣市役所の面接の概要

ここからは、令和8年度の試験要項で確かめられる大垣市の選抜の形と、そこから読み取れる準備の重心を整理していきます。

大垣市役所の試験の流れ

大垣市の大学卒程度・資格免許職の試験は、受ける職種によって段階の数が変わります。

事務は第1次の筆記、第2次の集団討論、第3次の作文と面接という3段階。事務以外の職種は、第1次の筆記のあと第2次で作文と面接を受ける2段階です。

事務の受験者だけが、集団討論と個別面接という性格の違う2つの人物試験を通過する必要があるという設計になっています。

項目内容(令和8年度・大学卒程度/資格免許職)
試験の段階事務は第1次試験(筆記試験)→第2次試験(集団討論)→第3次試験(作文試験・面接試験)の3段階。事務以外の職種は第1次試験(筆記試験。保育士・幼稚園教諭のみ実技試験を併せて実施)→第2次試験(作文試験・面接試験)の2段階
筆記試験択一式による筆記試験(120分)。時事、社会、人文に関する一般知識と、文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈に関する一般知能から出題
作文試験文章による表現力、課題に対する理解力についての筆記試験(60分)
面接の種類要項の注記は「【面接試験】個別面接による試験」
集団形式事務のみ集団討論あり。要項の注記は「【集団討論】社会性、協調性等についての集団討論による試験」
採用予定人員大学卒程度は事務20人程度、事務(福祉)5人程度、技術(土木)(電気設備)(建築)各5人程度。資格免許職は保育士・幼稚園教諭5人程度、保健師5人程度、薬剤師や救急救命士などは各若干人(要項の注記で「若干人:1〜5人」と定義)
各種目の配点令和8年度の要項に、各試験の配点・満点や人物試験の比重の記載はありません
提出書類同要項に面接カード等の事前提出書類の記載はありません。申込は「大垣市電子申請サービス」による電子申請が原則で、複数の試験区分への申込みや申込後の変更はできません

配点が公表されていないため、「面接で何点取れば逆転できるか」という逆算はできません。その代わりに読み取れるのは、事務では人物を見る場面が二度あり、しかも最終段階の第3次試験には作文と面接の両方が置かれているという構造です。

最終合格者は採用候補者名簿に登載され、欠員の状況に応じて採用者が決まります(名簿の有効期間は原則1年)。書いて示す力と、話して示す力の両方が最後まで問われる試験だと理解しておきましょう。

上記の試験構成は、大垣市の令和8年度職員採用試験要項(大学卒程度・資格免許職)にもとづく内容です。令和8年度は、このほかに民間企業等職務経験者、技能労務職、早期枠(土木、建築、保育士・幼稚園教諭)の区分も公表されており、区分ごとに試験構成が異なる可能性があります。試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって変わりますので、受験の際は必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

大垣市役所が求める職員像

大垣市は試験要項の冒頭で、未来都市像の実現に向けて「市民協働で行動する職員」「経営感覚と先見性を持つ職員」「新たな課題に挑戦する職員」の3つを求める職員像として掲げています。面接対策の言葉に翻訳すれば、①誰かと一緒に物事を進めた経験、②限られた資源の中で優先順位をつけた経験、③前例のない場面で自分から動いた経験、の3本を用意しておけば、質問の大半には材料が届くということです。

ここから先は、要項に並ぶ数字を当研究会なりに読み解いた話になります。集団討論を挟む3段階という選抜の形と、事務で20人程度という採用規模。

人口15万人台の市は、政令市のように分野ごとに専門部署が細かく分かれているわけではなく、かといって数人で全庁を回すわけでもありません。同期が20人前後いる一方で、一つの部署が受け持つ分野は広い。

そのため、担当が変わっても仕事の型を持ち込める人、自分の担当の外にも目が届く人に重みが置かれていても不思議ではありません。

大垣市の場合、この読み筋を裏づける条件がもう一つあります。13の自治体と接し、うち3つが県外という位置です。

庁内の調整と、他団体との調整が、同じ担当者の机の上に並ぶ場面が起こりやすい環境だと言えます。

大垣市の事務では、第2次の集団討論と第3次の面接で、同じ人が二度見られます。討論の場での振る舞いと、面接で語る経験の中身が食い違わなければ、二つの場は互いの裏づけになります。

用意しておきたいのは受け答えの台本ではなく、人の輪の中で自分が実際にどう動いたかを、場面ごと思い出せる材料のほうです。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。大垣市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までは迷わずに来られましたか本題前のやりとりで、声の出し方と表情がどう動くか
② 動機・志望岐阜県内にも市役所は多くありますが、大垣市を選んだ理由は何ですか県内2番目という人口規模を、志望の理由にどこまで落とし込めているか
③ 自己理解集団の中では、引っ張る側と支える側のどちらになることが多いですか自己認識の内容と、集団討論での実際の振る舞いが一致しそうか
④ 経験・行動意見の違う相手と一つの結論を出した経験を教えてください押し切ったのか、間に立ってまとめたのか。討論形式の試験と地続きの質問
⑤ 学業・経歴これまでで一番長く続けたことは何ですか続いた理由の説明。作文で問われる課題への理解力とも重なる
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたら、どう働きますか事務20人程度という採用規模の中で、配属の幅をどう受け止めているか
⑦ 公共性・社会性最近読んだニュースで、行政に関わるものはありましたか筆記で問われる時事や社会の知識を、自分の意見へ変換できるか

ただし、ここまでは大垣市を受ける人だけが準備してくる領域ではありません。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。では、どこで差がつくのか。それが次の「大垣市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「大垣市役所ならでは」の質問

「なぜ岐阜県庁ではなく、大垣市役所なのですか」
「大垣市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「大垣市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい大垣市の事実答え方のヒント
人口と年齢構成住民基本台帳の人口156,158人は県内21市で2番目。65歳以上28.4%・75歳以上16.7%は、県全体の31.2%・18.5%を下回る(令和8年1月1日現在)数字を言い切ったあと、県が2050年に137万人へ減るという見通しを添えると、余力のある今だからできることへ話が進みます
なぜ県庁ではなく市役所か13の自治体と接し、うち3つは滋賀県・三重県の市町。市の仕事に県境をまたぐ調整が入り込む住民に近いという一般論だけで止めず、県境の向こう側と机を並べる場面がある市だという具体で補うと、大垣市を見て選んだことが伝わります
水の都という都市の性格木曽三川の堆積による地下水盆の上にあり、自噴する井戸が各所に。平成7年に全国水の郷100選に選定され、水都大垣再生プロジェクトが進む観光名所として語るより、水を資源として維持し続ける仕事だと捉え直すと、市の担当業務の姿に近い話になります
災害への備え隣接する垂井町を起点とする養老−桑名−四日市断層帯の地震は、県の被害想定で県内最大(死者最大3,100人・建物全壊68,000棟)被害の規模に触れたうえで、隣接13自治体との応援関係まで話を伸ばすと、市域の内側で完結しない備えという視点が示せます
市が掲げる都市像試験要項の冒頭に未来都市像「みんなで創る 希望あふれる産業文化都市」と、求める職員像3項目3語のうち自分の経験と重なる1語を選び、その言葉で自己PRの結論を言い直しておくと、要項を読んできた人だと分かります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「求める職員像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
市民協働で行動する職員誰かと一緒に物事を進めた場面で、相手をどう巻き込んだか未来都市像の「みんなで創る」に正面から対応する観点です。事務では第2次の集団討論でこの姿勢が振る舞いとして見られると考えて臨みましょう
経営感覚と先見性を持つ職員限られた時間やお金の中で、何を後回しにしたかの判断大垣市は事務で20人程度を採る一方、資格免許職の多くは若干人(1〜5人)の採用です。人を増やせない前提で成果を出す発想を、身近な経験から説明できるようにしておきましょう
新たな課題に挑戦する職員前例のない場面で、自分から手をつけたことがあるか第3次では60分の作文試験で課題への理解力も測られます。挑戦の話は結果よりも、着手までに何を調べたかを具体化しておくと、書く場面でもそのまま使えます

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 自分が受ける区分の最新の試験要項を開き、事務と事務以外で段階の数が違うことを自分の目で確認する
  2. 大垣市電子申請サービスでの申込みは複数区分への申込みも申込後の変更もできないため、出す区分を決めきってから手続きに入る
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 事務で受けるなら、集団討論を想定して「賛否を述べる前に前提をそろえる」進め方を口に出して練習する
  5. 未来都市像の3つの言葉から1つを選び、その語で自己PRの結論を言い切れるところまで詰める
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、これまでの経験の棚卸しと、その経験を大垣市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、大垣市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

大垣市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

大垣市役所の想定問答集を見る

さいごに

大垣市の事務の試験は、択一式の筆記を抜けたあとに集団討論があり、その先で作文と個別面接が待っています。話す力と書く力、そして人の輪の中での振る舞いが、それぞれ別の場面で確かめられる構成です。

要項に配点は書かれていませんから、どこかで大量に稼いで他を補うという発想は通用しません。

県内で2番目の人口を抱えながら、県境の向こう側とも隣り合う市で、自分が何を担いたいのか。

その答えを、要項の3つの職員像のどれかに引き寄せて言葉にできたとき、準備は形になります。落ち着いて、一つずつ積み上げていってください。