本記事では、土岐市職員採用試験の面接対策で必要な、土岐市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

土岐市役所の面接試験では、「なぜ土岐市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。土岐市の採用試験は8つの区分に分かれ、主要な職種にはそれぞれ社会人枠が併設されています。

まず自分がどの区分から入るのかを決めたうえで、ここに並べた事実を、自分の経歴と土岐市の仕事が重なる場所を探す材料として使ってください。

第1部|自治体研究編

土岐市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは土岐市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口は53,471人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、市域は116.02km²、人口密度は461人/km²。
  • 同じ美濃焼の産地に並ぶ多治見市の人口密度が1,139人/km²であるのに対し、土岐市は461人/km²。同じ産地の圏内にありながら、人の暮らす場所はより広く散らばっている。
  • 接するのは多治見市・瑞浪市・可児市・可児郡御嵩町と、愛知県の豊田市・瀬戸市。県境をまたいで6つの自治体と向き合う位置にある。
  • 美濃焼の産地は多治見市・土岐市・瑞浪市にまたがっており、土岐市はその一角を占める。
  • 令和8年1月1日現在の住民基本台帳では、65歳以上が33.1%、75歳以上が20.1%。市民のおよそ5人に1人が後期高齢者にあたる。
  • 職員採用試験は8つの区分に分かれ、一般事務職・土木技術職・建築技術職・保育職のそれぞれに社会人枠が置かれている。
  • 7月試験は令和9年4月採用の事務職・技術職・保育職と令和8年10月採用の事務職が対象で、9月試験は消防職・清掃職・調理員が対象。
  • 市の花はキキョウ、市の木はヒトツバタゴ。市役所は土岐市土岐津町土岐口に置かれている。

土岐市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「土岐市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

土岐市を数字で押さえるなら、5万3千人台という人口の規模、116.02km²という市域、そして75歳以上が2割を超えているという年齢構成の3点です。あわせて県の数字も表に入れてあります。

項目内容
総人口53,471人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積116.02km²
人口密度461人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
65歳以上の割合33.1%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)
75歳以上の割合20.1%(同上)
隣接自治体多治見市・瑞浪市・可児市・可児郡御嵩町/愛知県豊田市・瀬戸市
市の花・市の木キキョウ/ヒトツバタゴ
市役所所在地土岐市土岐津町土岐口2101番地
(参考)岐阜県の推計人口1,879,539人(令和8年4月1日現在)
(参考)岐阜県の製造業就業者割合25.0%(全国6位。全国の割合は16.0%)

65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。この統計における土岐市の総人口は53,471人で、割合の分母にもこの値を用いています。総人口・総面積・人口密度・隣接自治体・市の花と木・市役所所在地の各行は、基準日の異なる公表値をまとめたものです。県の推計人口は令和7年国勢調査の速報値を基準とした推計であり、調査の基準が住民基本台帳とは違うため、市の割合をそのまま県の割合と突き合わせることはできません。

数字から考えられる市政課題

土岐市の116.02km²は岐阜県全体の約1万621km²の1%あまりにあたります(出典:岐阜県の概要|令和8年)。

人口密度461人/km²という値は、隣の多治見市の1,139人/km²と比べれば半分以下です。同じ産地の圏内にありながら、土岐市は人の暮らす場所がより分散しているということになります。

道路も上下水道も公共交通も、5万3千人のために116km²へ張りめぐらせなければならない。この条件は、施設の統廃合や移動手段の確保といった判断に、そのまま効いてきます。

年齢構成のほうはさらに具体的です。令和8年1月1日現在の住民基本台帳では、土岐市の65歳以上は33.1%、75歳以上は20.1%にのぼります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。

3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という構成です。

県が推計人口として公表している値は調査の基準が違うため、そのまま並べて優劣を論じることはできませんが、後期高齢者が2割を超えているという事実自体が、通院の足、買い物、災害時の避難といった場面で市の仕事量を押し上げます。

この2つの数字は、面接でそのまま使えます。たとえば次のような言い方です。

「土岐市は5万3千人ほどの市ですが、面積は100平方キロメートルを超えると知りました。75歳以上の方が2割を超えていますので、通院や買い物のための移動をどう支えるかが、これから重くなっていくのではと感じています」

土岐市の経済・産業

美濃焼の産地の一角として

土岐市は多治見市・瑞浪市とともに美濃焼の産地を形づくる地域にあります。やきものは、原料の採掘から成形、焼成、流通までが地域内で完結してきた産業であり、窯業の集積は雇用だけでなく、道路や上下水道、廃棄物の処理といった市の実務にも接してきました。

面接で産業の話をするなら、産地の名前を挙げるところで止めず、産地であることが市役所のどの仕事に跳ね返るかまで考えておくと、話の輪郭がはっきりします。

県の雇用を支えているものづくり

岐阜県は就業者に占める製造業の割合が25.0%で全国6位です(全国の割合は16.0%)。令和2年国勢調査による産業別の構成比を見ても、第2次産業が32.6%です。

つまり、県の雇用の重心は工場や作業場の側にあるという構造です。

土岐市が土木技術職3名、建築技術職若干名という枠を設けて技術職を継続的に募集していることも、この土台と無関係ではありません。産業振興や公共施設の管理を志望分野に挙げるなら、地場の窯業と県全体のものづくりを一続きに捉えて話しましょう。

県内を流れる観光の量

令和6年の岐阜県の観光入込客数は延べ6,655万7千人、観光消費額は総額4,012億73百万円で、前年比31.8%増と過去最高を更新しました。外国人延べ宿泊者数は192.9万人です(出典:岐阜県観光入込客統計調査|令和6年)。

ただし同じ調査で入込客数の伸びが大きかった地点として挙がるのは白川郷や高山市街地など飛騨地域で、県内の人の流れは特定の拠点に集まりやすいことも読み取れます。

土岐市の観光を語るなら、県全体の伸びに乗る話ではなく、産地としての土地柄を訪れる理由にどう変えるか、という道筋のほうが市の仕事に近くなります。

土岐市の主な行政課題

第1部でここまで見てきた条件を並べ直すと、土岐市の課題は次の5つに整理できます。面接で市の課題を問われたときの引き出しとして押さえておきましょう。

人口の減り方が県全体と重なっていること

岐阜県の人口は2015年から2020年の5年間で203万人から198万人へ減り、2006年から出生数が死亡数を下回る自然減が続いています。

近年は6千人に及ぶ勢いで転出超過が続き、15歳から34歳の転出が多く、理由としては「職業上」が最多、転出先は愛知県が最大です(出典:岐阜県人口問題研究会中間報告|令和6年12月)。

県は、社会減対策で各自治体が似た施策を並べ、人口の奪い合いになっている状況を課題として自認しています。愛知県豊田市・瀬戸市と接する土岐市は、その流れの真上にあります。

後期高齢者2割の暮らしを116km²で支える

75歳以上が20.1%という構成は、支援を必要とする人の数だけでなく、その人たちがどこに住んでいるかという問題を伴います。人口密度461人/km²の市域では、集約して支える方法と、出向いて支える方法を組み合わせざるをえません。

福祉や健康、地域公共交通を志望分野にするなら、「どこに住んでいる人を想定した施策か」という問いを自分の中に置いておきましょう。

地震への備え

県が公表している被害想定調査によれば、南海トラフの巨大地震では県内の死者が最大470人、建物の全壊が35,000棟に達すると見込まれています。

県内の内陸直下型地震では、阿寺断層系地震で死者最大900人・建物全壊16,000棟という想定も示されています(出典:岐阜県南海トラフの巨大地震等被害想定調査|平成23〜24年度)。

これらは県全体の数字ですが、避難所の配置や物資の運び方は市の実務です。防災を語るなら、想定の大きさより、分散した集落へどう手を届かせるかという段取りの側に関心を向けてください。

県境をまたぐ生活圏との付き合い方

土岐市が接する6つの自治体のうち2つは愛知県です。買い物も通勤も進学も、県境を越えて選ばれる環境にあります。

市が住民サービスを設計するとき、比較の対象は県内の市だけではありません。

子育て支援でも住まいの支援でも、隣県の市の水準が住民の判断材料に入ってくる。この事実は、志望動機で「住みやすさ」を語るときの前提になります。

働き手をどう集めるか

土岐市の採用試験には、一般事務職・土木技術職・建築技術職・保育職のそれぞれに社会人枠が併設されています。8つの区分のうち4つが社会人枠という構成です(出典:令和8年度土岐市職員採用試験(7月試験)|令和8年度)。

加えて7月試験では令和9年4月採用と令和8年10月採用の事務職を同時に募集し、9月試験で消防職・清掃職・調理員を扱っています。入口をこれだけ細かく開いている背景には、新卒の応募だけでは必要な職種と人数がそろわなくなっている事情があるとみてよいでしょう。

土岐市の重点政策|市の計画と、県が示す産業・広域の枠

土岐市が現在どの総合計画に沿って市政を運んでいるかは、市公式サイトの最新版を必ず自分で開いて確認してください。計画は数年ごとに改定され、その年度の施政方針で力の入れどころも動きます。ここでは、その計画の外側にあって市の施策の前提になっている、県の見通しと広域の動きを整理します。

県が置いた前提

岐阜県総人口は、このまま人口減少が進めば2050年に137万人まで減り、2020年比で61万人(約31%)の減少になると推計されています。内訳は15歳から64歳が47万人減、0歳から14歳が11万人減、65歳以上が4万人減です。

減るのは働く世代と子どもで、高齢者の減り方はごくわずかだという見通しが、県の施策の前提に置かれています。

市町村の計画がこの推計と無関係に立てられることはありません。土岐市の事業を読むときも、県が何を前提にしているかを先に押さえておくと、意図がつかみやすくなります。

広域の道路網という条件

東海環状自動車道は愛知・岐阜・三重の3県にまたがる総延長約153kmの高速道路で、岐阜県内の区間は約99kmにのぼります。起点は愛知県豊田市の豊田東ジャンクション、終点は三重県四日市市の新四日市ジャンクションで、西回り区間はいまも建設中です(出典:東海環状自動車道の概要|令和8年)。

県境をまたいで人と物が動く土地に位置する市にとって、広域の道路網は企業の立地にも通勤の範囲にも関わります。

産業や都市計画を志望分野にするなら、市域の内側だけで完結しない条件があることを頭に入れておきましょう。

POINT|作文で書くことと、面接で話すことを分けない

土岐市の一般事務職・技術職は、第2次試験で作文試験と面接試験が同じ段階に置かれています。別々の対策として構えると、書いた内容と話した内容がずれます。①関心のある分野を1つ決める、②その分野で土岐市の現状を示す数字を1つ用意する、③その数字から生じている困りごとを場面として書き出す。この3つを共通の土台にしておけば、作文でも面接でも同じ芯から話せます。

悪い例「陶磁器の歴史ある土岐市で、地域の魅力を発信する仕事がしたいです」

改善例「まずは窓口で市民の方の相談を受けながら仕事を覚えたいです。そのうえで、75歳以上の方が5人に1人という市ですので、移動の手段をどう確保するかという仕事に関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

土岐市の採用ページは「土岐市職員をめざすあなたへ」「採用試験情報」「説明会・インターンシップ情報」「先輩からのメッセージ」の4区分で構成されています。まず自分の区分の要項を特定し、残りは志望分野に近いものを1つ選んで読み込んでください。

  • 土岐市職員採用試験の受験要項(自分が受ける区分と採用年月のもの)
  • 土岐市の職員採用ページの「先輩からのメッセージ」(仕事の中身をつかむため)
  • 土岐市の総合計画と、直近年度の予算について市が出している説明資料
  • 岐阜県人口問題研究会の中間報告(県が何を前提にしているかを押さえるため)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、土岐市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。土岐市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

土岐市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

土岐市役所の面接の概要

ここからは、土岐市の試験がどう組み立てられ、どの段階で人物が見られるのかを、市の受験要項と当研究会の分析から押さえていきます。

土岐市役所の試験の構成

令和8年度の7月試験(令和9年4月採用)は3段階です。第1次試験が教養試験と適性検査、第2次試験は一般事務職・技術職が作文試験と面接試験、保育職が面接試験と実技試験(ピアノ、読み聞かせ等)、そして第3次試験は全職種が面接試験です。

つまり面接試験が第2次と第3次の2回置かれ、一般事務職・技術職はその1回目で作文も課されるという設計になっています。

項目内容(令和8年度・7月試験)
試験の段階第1次・第2次・第3次の3段階
第1次試験教養試験、適性検査
第2次試験(一般事務職・技術職)作文試験、面接試験
第2次試験(保育職)面接試験、実技試験(ピアノ、読み聞かせ等)
第3次試験全職種とも面接試験
試験区分A一般事務職(大学卒)、B一般事務職【社会人枠】、C土木技術職(大学卒)、D土木技術職【社会人枠】、E建築技術職(大学卒)、F建築技術職【社会人枠】、G保育職、H保育職【社会人枠】の8区分
採用予定人員A一般事務職(大学卒)12名、C土木技術職(大学卒)3名、E建築技術職(大学卒)若干名、G保育職10名程度、H保育職【社会人枠】5名程度
提出書類試験申込書・受験票および履歴書(申込前3か月以内の写真〈縦4cm×横3cm〉を貼付)
申込方法オンラインまたは書類(郵送・持込)
年度内の実施回7月試験は令和9年4月採用の事務職・技術職・保育職と令和8年10月採用の事務職、9月試験は令和9年4月採用の消防職・清掃職・調理員

ここに整理したのは、令和8年度土岐市職員採用試験(7月試験)の案内に記載された内容です。面接試験が個別面接か集団面接かの別、集団討論の有無、配点、求める人物像については、採用試験情報ページ・各募集ページのいずれにも記載がありません。また土岐市は募集終了後も各ページを「受付終了」の表示で残す運用のため、年度や採用年月の異なる募集ページが並びます。【令和9年4月採用】と【令和8年10月採用】を取り違えないよう注意してください。試験の構成・日程・配点等は年度や区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身の区分の最新の要項をご確認ください。

土岐市役所が求める人物像

土岐市の採用試験情報ページと各募集ページには、求める人物像として掲げられた文言はありません。

そのかわり、市は職員採用ページを「土岐市職員をめざすあなたへ」「採用試験情報」「説明会・インターンシップ情報」「先輩からのメッセージ」の4区分で構成し、試験の情報と並べて働く人の姿を見せる作りにしています(参考:土岐市の職員採用|令和8年)。何を大事にしているかは、この構成からも読み取れます。

案内が語っているのはここまでです。ここから先は、8つの区分の並べ方から何が言えるかという話になります。

一般事務職・土木技術職・建築技術職・保育職のそれぞれに社会人枠を重ねる採用は、新卒だけで職場を組み立てない設計です。年齢も職歴もそろわない人が同じ課に並ぶ以上、教わる側にも教える側にもその日のうちに回れる身軽さが要ります。

加えて人口5万3千人台で116.02km²を受け持つ規模ですから、一人が抱える分野の幅も自然と広くなります。

手順の決まっていない相談を、誰かに渡さず引き取って調べ切れるか。そこが土岐市の試験で確かめられている部分だとみておくと、準備の的が絞れます。

土岐市の場合、提出するのは試験申込書・受験票と履歴書だけで、面接カードにあたる別様式は案内にありません。つまり、あなたの情報は履歴書という限られた紙面と、2回の面接での受け答えから伝わることになります。

限られた紙面に書ける経験を一つ選び、それが土岐市の仕事のどの場面に置けるかまで考え抜いておくことが、この試験でいちばん効く準備になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。土岐市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までは迷わずに来られましたか面接が2回ある試験では、最初のやり取りの構えが印象として残りやすい
② 動機・志望民間企業ではなく市役所を選ぶ理由は何ですか社会人枠が並ぶ試験では、働き方を比べたうえでの選択かどうか
③ 自己理解周囲からはどんな人だと言われますか自己認識と他者からの評価のずれを、自分で扱えているか
④ 経験・行動人と意見が食い違ったときの経験を教えてください相手のある仕事での動き方。技術職も保育職も、調整が仕事の中心にある
⑤ 学業・経歴これまでの学びや仕事で身につけたことは何ですか作文で書けることを、話し言葉に置き直せるか
⑥ 適性・将来土岐市のどんな部署で働いてみたいですか8つの区分がある市の職域を、どこまで具体的に描けているか
⑦ 公共性・社会性最近読んだ記事で気になったものはありますか情報の入手先と、話をどこで締めるかという判断

並べてみればわかるとおり、ここに顔を出す問いは全国どこの官公庁でも共通しています。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。本当の分かれ目は、次の「土岐市ならでは」の質問にあります。

合否を分けるのは「土岐市役所ならでは」の質問

「なぜ岐阜県庁ではなく、土岐市役所なのですか」
「土岐市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも土岐市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「土岐市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい土岐市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か接する6自治体のうち2つは愛知県。県境をまたいで暮らしが動く圏域のなかで、住民に直接サービスを届ける単位が市にあたる制度の役割分担を並べるより、隣県の市と比べられる立場で暮らしの支えをつくる仕事だ、という具体の話へ下ろすと伝わります
市の規模と広がり人口53,471人、面積116.02km²、人口密度461人/km²。多治見市の1,139人/km²と比べて人の住む場所が分散している「小さい市だから何でもできる」ではなく、分散した市域に届ける難しさをどう引き受けるかまで話してください
高齢化の水準65歳以上33.1%、75歳以上20.1%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)5人に1人が75歳以上という一点に絞り、通院や買い物の足という具体の場面へ結び付けると話がぶれません
産業の土台多治見市・瑞浪市とともに美濃焼の産地を形づくる。岐阜県は就業者の製造業割合25.0%で全国6位やきものの歴史を語るのではなく、産地であることが雇用や施設管理の仕事にどう跳ね返るかを一言添えましょう
採用の設計8区分のうち4つが社会人枠。7月試験は令和9年4月採用と令和8年10月採用を同時に扱う自分がどの区分から入るのかを明示し、その入口を選んだ理由まで説明できるようにしておいてください

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

土岐市が2回の面接で確かめようとしているのは、ここまで挙げてきた資質が、あなたの行動として実在するかどうかです。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
分散した市域を前提にした発想116.02km²に5万3千人が暮らす条件を、自分の関心分野へ引き付けて話せるか移動、見守り、施設の配置のうち1つに絞り、土岐市で起こりそうな場面を1つ用意しておきましょう
書いたことと話すことの一致第2次試験の作文と面接が同じ段階にあり、内容の食い違いが見えやすい関心分野を1つに決め、その分野の事実と自分の経験を、書くときも話すときも同じ順序で並べられるようにしておきましょう
入口の選び方に対する説明8区分のうちなぜその区分を選んだのかを、自分の経歴から説明できるか社会人枠を選ぶなら前職の何を持ち込むのか、新卒区分なら何を一から覚える構えなのかを言葉にしておきましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

土岐市は面接試験が2回置かれているぶん、同じ話題を別の角度から問われる可能性があります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 採用試験情報ページで、自分の職種がどの回(7月試験・9月試験)で募集されるかを確かめる
  2. 「受付終了」の表示のまま残る過年度ページに注意し、【令和9年4月採用】と【令和8年10月採用】のどちらの募集かを必ず確認する
  3. 申込前3か月以内の写真を用意し、履歴書の下書きを早めに始める(面接での発言と食い違わないように)
  4. 一般事務職・技術職を受ける場合は、第2次試験の作文で扱いそうなテーマを、話し言葉でも説明できるようにしておく
  5. 第1部から、志望する区分に近い事実を2つ選び、資料を見ずに説明できるか試す
  6. 模擬的に声に出し、面接が2回あることを前提に、同じ話を二通りの角度から話す練習をする

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の履歴書づくりと、そこに書いた経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、土岐市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

土岐市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

土岐市役所の想定問答集を見る

さいごに

土岐市の試験は、教養試験と適性検査を抜けたあと、作文と面接、そしてもう一度の面接という順で進みます。書く場面と話す場面が続けて用意されているということは、同じ人の同じ考えが二度、別の形で確かめられるということです。

116.02km²に5万3千人が暮らし、そのうち5人に1人が75歳以上というまちで、あなたは誰のどんな困りごとを引き受けるつもりなのか。

履歴書に書ける一行を、二度の面接で掘り下げられるところまで温めてから本番に臨んでください。