本記事では、各務原市職員採用試験の面接対策で必要な、各務原市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

各務原市役所の面接試験では、「なぜ各務原市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

令和8年度の試験は第1次から第3次までの3段階で、面接は第2次と第3次の計2回。同じ人物を、別の場面で二度確かめる設計になっています。

二度の面接で話がぶれないこと。それが各務原市の選考で最初に問われる条件です。第1部の事実は、その土台を作るために集めています。

第1部|自治体研究編

各務原市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは各務原市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口143,570人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、岐阜市・大垣市に次ぐ県内3番目の人口規模です。市域は87.81平方キロメートル、人口密度は1,635人/km²にのぼります。
  • 平成14年以降、連続で岐阜県内トップの製造品出荷額等を記録しており、航空機・自動車などの輸送用機械器具を中心に産業が集積しています。
  • 平成23年に市内の一部が、国の国際戦略総合特区「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」に指定されました。
  • 市内には航空自衛隊岐阜基地と川崎重工業岐阜工場が立地しています。
  • 65歳以上の割合は28.9%、75歳以上は17.9%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、岐阜県全体の31.2%・18.5%をいずれも下回ります。
  • 市が掲げる将来都市像は「もっとみんながつながる笑顔があふれる元気なまち ~しあわせ実感かかみがはら~」です。
  • 市の花はつつじ、市の木は松。市役所は各務原市那加桜町一丁目69番地にあります。
  • 令和8年度の職員採用試験は第1次から第3次までの3段階で、面接は第2次試験と第3次試験の計2回課されます。

各務原市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「各務原市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

各務原市を数字でつかむときの軸は、面積の小ささと人口の多さの組み合わせです。市域87.81平方キロメートルは岐阜県全体の約1万621平方キロメートルの1%に満たない一方、人口は県全体のおよそ7%を占めます。

項目内容
総人口143,570人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積87.81km²
人口密度1,635人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
65歳以上の割合28.9%(岐阜県全体は31.2%)
75歳以上の割合17.9%(岐阜県全体は18.5%)
65歳以上の人数41,458人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)
将来都市像もっとみんながつながる笑顔があふれる元気なまち ~しあわせ実感かかみがはら~
市の花・市の木つつじ・松
市役所所在地各務原市那加桜町一丁目69番地
(参考)岐阜県の人口1,879,539人(令和8年4月1日現在の推計人口)
(参考)岐阜県の面積約1万621km²(全国第7位)

高齢化に関する3項目は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)から取っています。この統計における各務原市の総人口は143,570人、岐阜県全体は1,935,253人で、割合の分母にもこれらを用いています。総面積・市の花・市の木・市役所所在地は、公表されている値をもとに整理しました。表の総人口143,570人はこの住民基本台帳の値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。参考として併記した県の人口は令和7年国勢調査の速報値を基準とする推計値であり、調査の基準が異なるため、住民基本台帳の値と同じ列に並べて比べることはできません。

数字から考えられる市政課題

高齢化率だけを見れば、各務原市は岐阜県全体より2.3ポイント低い水準にあります。しかし割合の低さは、支える相手が少ないことを意味しません。

65歳以上の人数は41,458人にのぼります。その人数が、87.81平方キロメートルの中で暮らしています。

密集していることは、行政にとって利点でもあり難しさでもあります。移動の負担は小さく、施設は使いやすい配置にできます。

一方で、住宅と工場と農地が近い距離で隣り合うため、生活環境をめぐる調整の場面は多くなります。

面接では、各務原市の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「各務原市は高齢化率でいえば県の平均より低いのですが、人数で見ると4万人を超える方が65歳以上だと知りました。人口が集まっている市だからこそ、必要な支援の総量は大きいのではと感じています」

各務原市の経済・産業

県内トップの製造品出荷額を支える集積

各務原市は平成14年以降、連続で岐阜県内トップの製造品出荷額等を記録しています。中心にあるのは航空機・自動車などの輸送用機械器具で、市内には航空自衛隊岐阜基地と川崎重工業岐阜工場が立地しています(出典:各務原市ものづくりナビ)。

つまり、「県内で最も多くのものをつくる市」という産業構造が、この市の税収も雇用も支えているということです。

産業振興を志望分野に挙げるなら、企業誘致の話にとどめず、既にある集積をどう次の世代へつなぐかという視点まで用意しておきましょう。

航空宇宙産業クラスター形成特区という枠組み

平成23年、市内の一部が国の国際戦略総合特区「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」に指定されました。1つの企業や1つの市の取組ではなく、国の制度の中に位置づけられた産業集積だということです。

特区という枠組みは、市が単独で完結しない仕事の存在を示しています。国や県、近隣自治体、企業と足並みをそろえる場面が業務に含まれるという理解は、志望動機を語るときに効いてきます。

岐阜県のものづくりという文脈

岐阜県全体では、就業者に占める製造業の割合が25.0%と全国順位6位(全国の割合は16.0%)で、産業別構成比は第1次産業2.9%、第2次産業32.6%です(令和2年国勢調査)(出典:岐阜県の概要)。

県の産業構造そのものが製造業に厚く、その中で最も多くの出荷額を生んでいるのが各務原市です。県全体の話をするときと市の話をするときで、数字の意味がどう変わるかを整理しておくと、面接で混乱しません。

各務原市の主な行政課題

数字と産業の姿を並べてみると、各務原市が向き合う論点の形が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

割合ではなく人数で立ち上がる高齢化

65歳以上28.9%という割合(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)は県全体より低いものの、人数は41,458人にのぼります。介護、医療、見守り、移動といった支援の総量は、割合ではなく人数で決まります。

県全体の見通しも厳しく、岐阜県人口問題研究会中間報告(令和6年12月)は、県の総人口が2050年に137万人(2020年比で61万人・約31%の減少)になると推計しています(出典:岐阜県人口問題研究会中間報告|令和6年12月)。

いま比較的若い市であることは、備える時間がまだ残っているという意味でもあります。

製造業に厚い産業構造をどう保つか

製造品出荷額等が県内トップであるという強みは、そのまま特定分野への依存という論点にもなります。航空機や自動車をめぐる環境が変われば、市の雇用も税収も影響を受けます。

航空宇宙産業クラスター形成特区という枠組みは、その集積を次の産業へつなぐための仕掛けでもあります。

強みを守る施策と、強みに寄りかからないための施策。この2つを分けて理解しておくと、産業分野の質問に厚みのある答えができます。

若い世代の県外流出という県全体の課題

岐阜県では近年、転出超過が年6千人に達する勢いで続いており、15歳から34歳の転出超過が多く、「職業上」の理由による転出が最多、愛知県への転出が最大とされています。

外国人県民は2023年末現在で約6.9万人が在住しています(出典:岐阜県人口問題研究会中間報告|令和6年12月)。

働く場が豊富な各務原市であっても、この流れの外にいるわけではありません。同報告は、社会減対策で各自治体が似た施策を実施し人口の奪い合いになっている状況も課題に挙げています。

定住施策を語るなら、この指摘への向き合い方まで考えておきましょう。

採用の設計そのものを変えたこと

令和8年度から、各務原市は職員採用試験の仕組みを大きく変えました。公表されている主な変更点は3つです。例年7月実施だった第1次試験を4月に実施し、最終合格発表を6月とする日程の早期化。第1次試験のSPI方式への統一で、教養・専門試験等の対策は必要ないとされたこと。そして行政職への10月採用枠の追加です(出典:各務原市職員採用試験案内|令和8年度)。

受験しやすさを高める方向へ制度を動かしたということは、それだけ人材の確保が市政の課題になっているということです。この変更は、受験者にとって直接の追い風でもあります。

重点政策|「しあわせ実感かかみがはら」という将来都市像

各務原市が掲げる将来都市像は「もっとみんながつながる笑顔があふれる元気なまち ~しあわせ実感かかみがはら~」です。

この都市像を支える基本理念として、「誇り~ひとを育む~」「やさしさ~くらしを守る~」「活力~まちを支える~」の3つが示されています(出典:各務原市人材育成・確保基本方針|平成29年改定)。

総合計画の名称や直近の予算額は、改定・編成のたびに変わります。実際に引用する前に、市公式サイトで現行の資料に当たってください。

3つの理念の読み方

「誇り」は人を育てること、「やさしさ」は暮らしを守ること、「活力」はまちを支えること。この並びは、教育・福祉・産業という行政の主要分野におおむね対応しています。

受験生としては、自分がやりたい仕事がこの3つのどれに近いのかを先に決めておくと、志望動機の軸が定まります。

そのうえで、都市像の中心にある「しあわせ実感」という言葉に注目してください。事業の実施件数ではなく、市民がどう感じたかを成果と見なす姿勢がここに表れています。

岐阜県の財政と防災という背景

各務原市の事業は、県の財政運営と地続きです。岐阜県の令和8年度当初予算(一般会計)は9,569億円で、過去最大の規模となりました(参考:令和8年度当初予算の概要|岐阜県)。

ただし規模の大きさは余裕を意味しません。県の令和5年度決算では財政力指数0.54003、経常収支比率92.1%で、自由に使える財源の幅は限られています(出典:総務省|令和5年度都道府県財政指数表)。

防災に目を向けると、県内で想定される地震のうち被害が最も大きいのは養老−桑名−四日市断層帯地震で、死者は最大3,100人、建物の全壊は68,000棟と見込まれています(出典:岐阜県|南海トラフの巨大地震等被害想定調査(平成23〜24年度))。市の施策を読むときは、県のこうした前提のどこに各務原市が関わっているのかという目で見ると理解が進みます。

POINT|「対話」という言葉を自分の経験で埋める

各務原市の公表文書には、繰り返し「対話」という言葉が出てきます。ここで必要なのは言葉を借りることではなく、自分が誰とどんな対話をして、その結果何が変わったのかを語れるようにしておくことです。1つの場面を選び、相手の反応まで含めて思い出しておきましょう。

悪い例「市民の皆様との対話を大切にしながら、まちづくりに貢献したいです」

改善例「アルバイト先で、常連のお客様から品ぞろえについて何度か意見をいただいたことがあります。店長に伝えて棚を一部変えてもらったところ、その方が喜んでくださいました。市の仕事でも、まず話を聞いて動くところから始めたいです」

あわせて確認したい公式資料

時間が限られているなら、試験案内と人材育成・確保基本方針の2つに絞ってください。この2つで、市が言葉にしている人物像の全体像がつかめます。

  • 各務原市職員採用試験案内(最新年度のもの)と、市の職員採用のページ
  • 各務原市人材育成・確保基本方針(求められる職員像を3点で整理)
  • 各務原市の総合計画と、最新年度の予算に関する市の説明資料
  • 各務原市ものづくりナビ(市の産業集積の全体像を押さえるため)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、各務原市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。各務原市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

各務原市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

各務原市役所の面接の概要

ここからは、各務原市の選考がどう進むのか、そして2回ある面接をどう捉えればよいのかを、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

各務原市役所の試験の構成

令和8年度の各務原市職員採用試験(行政、土木、建築、電気、保育士/民間企業等職務経験者・大学卒程度・短大卒程度)は、第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階です。

第1次試験は全職種が適性検査(SPI3)で、会場は全国のテストセンターまたはオンライン。第2次試験は行政・土木・建築・電気が面接、保育士が実技と面接。第3次試験は全職種が面接です。

項目内容(令和8年度)
試験の段階第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階
第1次試験全職種で適性検査(SPI3)。会場は全国のテストセンター会場またはオンライン会場
適性検査の内容性格検査と基礎能力検査(「言語分野」と「非言語分野」の基礎的な能力を図る検査)
第2次試験行政・土木・建築・電気は面接。保育士は実技と面接(実技は「職務遂行上必要な技術を有するかどうかを判断する試験」)
第3次試験全職種で面接
面接の内容第2次・第3次ともに「面接による人物・性格等の総合判断」。集団形式の面接や討論についての記載はありません
令和8年度の主な変更点①例年7月実施の第1次試験を4月に実施し最終合格発表は6月とする日程の早期化 ②第1次試験のSPI方式への統一(教養・専門試験等の対策は不要) ③行政職への10月採用枠の追加(10月採用枠と4月採用枠は重複して受験可)
申込方法インターネットの専用申込フォーム。顔写真のデータ添付が必要で、「申込完了確認メール」が受験票を兼ねます。「申込完了後に入力内容を変更することはできません。」
申込時の入力事項志望動機(200字まで)、従事したい仕事(200字まで)、興味のある事(趣味等・180字まで)、自分の長所や強み・それに伴うエピソード(900字まで)、自覚している自分の性格(100字まで)、他の就職活動状況、その他自由入力欄
試験の免除「一級建築士資格を有する方は、第1次試験を免除します。第2次試験から受験ください。」
採用予定人員行政(民間企業等職務経験者・令和9年4月1日採用)15人程度、行政(大学卒程度・令和8年10月1日採用)5人程度、土木3人程度、建築若干人、電気若干人、保育士5人程度
最終合格後採用候補者名簿に登載され、そのうちから採用者が決定されます(名簿登載者が全て採用されるとは限りません)
初任給民間企業等職務経験者244,420円、大学卒程度234,320円、短大卒程度218,665円(いずれも地域手当を含む・令和8年4月1日現在)。勤務時間は1日7時間45分、原則週38時間45分

この構成でまず押さえたいのは、面接の回数です。第2次と第3次の2回とも「面接による人物・性格等の総合判断」とされており、筆記や専門試験で挽回する余地がありません。

第1次はSPI3のみですから、選考の実質は面接2回にあると考えて準備するのが妥当です。

加えて、申込フォームの入力事項が実質的な面接カードとして機能します。長所や強みのエピソードだけで900字まで書けますから、ここに何を置くかが二度の面接の出発点になります。

上記の試験構成は、各務原市の令和8年度職員採用試験案内にもとづくものです。各試験種目の配点、および第2次・第3次の面接の形式(面接官の人数・所要時間等)は案内に記載がなく、公表されていません。試験の構成・区分・日程は年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

各務原市役所が求める人物像

各務原市の場合、求める人物像にあたる文言は2つの系統で公表されています。1つは受験案内の冒頭に置かれた呼びかけで、次のように書かれています。

「各務原市は、「しあわせを実感できるまち」を目指しています。市民の皆様と「対話」を重ねながら、まちの未来の姿・想い・目標を共有する気概を持ち、課題に対して着実・果敢に挑んでいける方の申込みをお待ちしています。」

もう1つは「各務原市人材育成・確保基本方針」(平成29年改定)が示す「求められる職員像」で、こちらは3点にまとめられています。

  • 市民から信頼される職員
    全体の奉仕者として使命感と責任感を持って市民のために行動し、対話を大切にしてコミュニケーションに基づいた協力関係を築ける職員。
  • 企画力・創造力を持つ職員
    困難な課題にも果敢に挑戦し、前例や固定観念にとらわれない柔軟な発想で解決方法を探っていける職員。
  • 自ら学び続ける職員
    市民と対話を重ねながら市民ニーズや地域の実情を的確に把握し、デジタル化やSDGsの推進など時代の変化に柔軟に対応して新たな課題に挑戦できる職員。

2つの系統に共通するのは「対話」の一語です。ここからは、その一語を面接の場でどう見せるかという当研究会の解釈になります。

注目したいのは、3点のうち2点に「対話」が明記されていることです。各務原市は、市民の声を聞くことを心構えではなく職員の職務能力として位置づけています。

自己PRで「コミュニケーションが得意です」と述べるだけでは、この基準に届きません。誰の話を聞き、その結果として何を変えたのかまで語れる状態にしておきましょう。

市の条件も、この方向を後押ししています。人口143,570人に対して市域は87.81平方キロメートル、人口密度1,635人/km²というまとまった市域です。

住民と行政の距離が近く、現場で聞いた話がそのまま施策の材料になりやすい規模だといえます。

一方で、行政職の採用予定は令和9年4月採用と令和8年10月採用を合わせて20人程度。1人が受け持つ範囲は決して狭くありません。

現場の声を拾う力と、拾った話を自分の担当分野で形にする力の両方が要る環境だと見ておいてよいはずです。

最後に、選考の設計との関係です。申込フォームの入力内容は完了後に変更できず、その内容をもとに第2次と第3次で二度、角度を変えて確かめられます。

入力欄に置いた自分と、面接に座る自分がずれないこと。それが各務原市の選考を通る条件です。

だからこそ、900字の欄には飾った話ではなく、追加で聞かれても答えに詰まらない出来事を選んでください。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。各務原市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日で2回目の面接になりますが、いかがですか二度目の場面で、前回と同じ調子を保てているか
② 動機・志望申込時に書いた志望動機を、あらためて説明してください200字にまとめた内容を、口頭でどこまで広げられるか
③ 自己理解自覚している自分の性格を教えてください申込時の入力項目に対応する質問。書いた内容との一致
④ 経験・行動相手の意見を聞いて自分の考えを変えた経験はありますか市が繰り返し掲げる「対話」を、行動として説明できるか
⑤ 学業・経歴学んだことを市の仕事にどうつなげられそうですかSPI3では測れない領域を、業務の言葉へ言い換える力
⑥ 適性・将来希望と違う分野に配属されたらどうしますか行政職の採用が20人程度という規模で、担当が広がる前提の理解
⑦ 公共性・社会性気になっている社会の出来事を一つ挙げてください関心の持ち方と、それを市の仕事へ引き寄せられるか

もっとも、この7つの範囲は受験者の誰もが備えてきます。第2次で一度答えた内容は、第3次でもう一段掘られると考えておいたほうがよいでしょう。二度の面接で評価が分かれるのは、その先の各務原市固有の問いです。

合否を分けるのは「各務原市役所ならでは」の質問

「なぜ岐阜県庁ではなく、各務原市役所なのですか」
「各務原市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「各務原市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい各務原市の事実答え方のヒント
各務原市の産業平成14年以降連続で県内トップの製造品出荷額等。航空機・自動車などの輸送用機械器具が集積し、航空自衛隊岐阜基地と川崎重工業岐阜工場が立地企業名を挙げるだけで終えず、その集積が市の雇用と税収にどう効いているかまで話すと、産業の理解が伝わります
なぜ県庁ではなく市役所か市域87.81km²に人口143,570人、人口密度1,635人/km²。行政職の採用予定は10月採用と4月採用を合わせて20人程度市民との距離の近さを理由に挙げ、市が掲げる「対話」という言葉に自分の経験を重ねると、志望理由として筋が通ります
高齢化の見え方65歳以上は28.9%と県全体より低いが、人数は41,458人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)割合と実数の違いに触れられると、統計の読み方ができる受験者として印象に残ります
将来都市像「もっとみんながつながる笑顔があふれる元気なまち ~しあわせ実感かかみがはら~」。基本理念は「誇り」「やさしさ」「活力」の3つ自分のやりたい仕事が3つの理念のどれに位置づくかを一言添えると、市の方向を踏まえた志望だと伝わります
特区という枠組み平成23年に市内の一部が国際戦略総合特区「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」に指定された市単独で完結しない仕事があるという理解を示し、国や県、企業と足並みをそろえる場面まで言及しましょう

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「求める人物像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
市民から信頼される職員相手の話を聞いたうえで、自分が何を変えたか市の方針は「対話を大切にし、コミュニケーションに基づいた協力関係を築くこと」を挙げています。聞いた結果として起きた変化まで話せる場面を選んでください
企画力・創造力を持つ職員前例のないやり方を試した経験があるか方針は「前例や固定観念にとらわれない柔軟な発想」を求めています。うまくいかなかった試みでも、なぜそうしたのかを説明できれば材料になります
自ら学び続ける職員必要に迫られて自分で学んだ経験を語れるか方針はデジタル化やSDGsへの対応も挙げています。誰にも指示されずに学び始めた経験を1つ、着手のきっかけから話せるようにしておきましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

各務原市は面接が2回ありますから、同じ経験を別の面接官から違う角度で掘られる場面も想定されます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の試験案内を読み、受ける職種と採用時期(10月採用枠か4月採用枠か)を確認する
  2. 申込フォームの入力事項を紙に書き出し、900字までの長所・エピソード欄から先に下書きを作る
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 「求められる職員像」の3点それぞれに、自分の経験を1つずつ割り当てる
  5. 対応表の事実を2つ選び、申込フォームに書いた内容と食い違わないかを確かめる
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の入力事項の下書きと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、各務原市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

各務原市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

各務原市役所の想定問答集を見る

さいごに

各務原市の選考は、SPI3を越えたあとが本番です。第2次と第3次、二度の面接はどちらも人物・性格の総合判断とされており、申込時に入力した内容は途中で書き換えられません。

つまり、申込ボタンを押した時点で使う材料は決まっているということです。

県内で最も多くのものをつくる市が、「対話」という言葉を職員像の中心に置いている。その組み合わせの意味を自分なりに考えて、二度の面接で同じ答えを、違う言葉で話せる状態にしておいてください。