取手市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴基礎データ管轄地域の特性と災害リスク主な消防課題重点方針)と、面接本番の流れ想定される質問評価の観点を、1ページに整理しました。

取手市消防本部の面接試験では、「なぜ警察官・自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ取手市消防本部なのか」「消防吏員として何に取り組みたいのか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。取手市の消防職員採用試験は、取手市消防本部総務課が市役所の行政職とは別に独自で実施しており、試験の段階構成も職種名も行政職とは明確に異なります。

この構造を知っておくことで、他の消防本部にも当てはまる一般論ではなく、取手市に固有の事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。試験の全体像を早い段階でつかんでおくことが、限られた準備時間を無駄なく有効に使うための第一歩になります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と取手市消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。エントリーシートの段階から選考が始まる試験なので、早めの準備がとくに効いてくるはずです。

第1部|組織研究編

取手市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは取手市消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 取手市消防本部は、取手市が単独で設置する消防本部。採用試験は市役所の行政職とは別枠で、消防本部総務課が独自に実施している
  • 管内人口は105,978人(住民基本台帳、令和8年1月1日現在)。管轄が取手市の区域と重なるため、市の人口がそのまま管内人口を表す
  • 消防吏員数は180人(うち女性7人・令和7年4月1日現在)。消火・救急・救助の現場を担うのは、消防士などの階級を持つ消防吏員という職員である。
  • 出動件数は火災23件・救急6,536件・救助63件(いずれも令和6年中)。救急が突出して多く、消防の仕事の重心がどこにあるかが読み取れる(第1部2章で詳しく見る)。
  • 職種区分は「上級消防職」「初級消防職」の2区分で、両区分あわせて2名程度の採用が予定されている。
  • 取手市は北相馬郡利根町・つくばみらい市・龍ケ崎市・守谷市のほか、千葉県我孫子市・柏市とも接し、県境をまたいで千葉県側と隣接する立地にある。
  • 受験申込は「いばらき電子申請・届出サービス」を通じた電子申請のみで、郵送や持参による申込みはできない。
  • 消防職の初任給(給料月額・地域手当含む、令和8年4月1日現在)は大学新卒294,560円、高校新卒252,672円。

取手市消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「取手市消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

取手市が単独で置く消防本部ですから、市の人口と管内人口は一致します。その人口に、180人という職員体制、令和6年中の出動件数を添えて並べたのが下の表です。

項目内容
設置形態単独(取手市)
管内人口105,978人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
消防吏員数(うち女性)180人(うち女性7人)※令和7年4月1日現在
出動件数(火災/救急/救助)23件/6,536件/63件(令和6年中)
採用試験の実施方式消防本部総務課が独自実施(市役所行政職とは別枠)

管内人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在によります。消防吏員数・出動件数は総務省消防庁の本部別データ検索によります。

数字から考えられる取手消防の課題

火災23件に対して救急は6,536件(いずれも令和6年中)で、火災・救急・救助を合わせた出動のうち救急が占める割合は9割を超えます。180人という職員体制のうち多くの時間が救急対応に割かれていることがうかがえます。

また、取手市の高齢化率は34.4%、75歳以上率は21.8%(いずれも住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、県平均を上回る高い水準にあります。

「救急の出動が、火災や救助とは桁違いに多いことを知りました。取手市は高齢化率も3割を超えていると聞いていますので、限られた人数で増え続ける救急需要をどう支えていくかが、大きな課題になっているのではと感じています」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 取手市消防本部は取手市を単独で管轄する消防本部で、市域は69.94平方キロメートル。県内の市の中では面積が小さい部類にあたる。
  • 取手市は北相馬郡利根町・つくばみらい市・龍ケ崎市・守谷市に加え、千葉県我孫子市・柏市とも接しており、県境をまたぐ管轄環境にある。
  • 茨城県全体では、令和7年国勢調査速報で人口が2,791,207人となり、令和2年から75,802人(2.6%)減少した(出典:令和7年国勢調査人口速報集計結果|茨城県。令和8年度に始まった第3次茨城県総合計画も、加速する人口減少や超高齢社会への対応を県政運営の基本方針に据えている。

つまり取手市消防本部は、面積が小さく人口密度の高い市域を、千葉県との県境という立地条件のもとで守る消防本部だと整理できます。管轄が取手市1市に完結しているため、地域理解の的を絞りやすいのがこの本部の特徴です。

地震のリスクという視点

県が平成30年12月に公表した地震被害想定調査は、被害の中心が異なる3つの地震を並べて想定しています。このうち県南部に大きな被害をもたらすとされる「茨城県南部の地震」は、死者を全県で90人〜180人(夏12時では90人)、建物全壊焼失を3,400棟(夏12時)と想定しており、県南地域に位置する取手市の管内にとって身近な想定のひとつです。

また、想定3地震の中で最大の被害を見込む「F1断層などの連動による地震」(死者330人・建物全壊焼失11,000棟・夏12時)は県北部が中心、沿岸に津波をもたらす「茨城県沖から房総半島沖にかけての地震」(死者50人・建物全壊焼失9,500棟・夏12時)は沿岸部が中心と、被害の重心は3モデルでそれぞれ異なります。いずれも県全体の想定であって取手市固有の数字ではない点には注意が必要です(出典:茨城県地震被害想定調査報告書|平成30年12月

県境という立地は、被害が広がったときに千葉県側の消防機関との連携が視野に入りやすいという特徴にもつながります。

取手市消防本部の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、取手市消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

救急需要への対応

救急6,536件という数字を、火災23件・救助63件と並べると、この3種類の出動の9割超を救急が占める構造がはっきり見えてきます(前章参照)。全国の救急出動も増加を続けており、令和6年中には771万8,380件に達し、これは昭和38年に統計を取り始めて以来もっとも多い数字です。

180人という職員体制でこの需要をどう受け止め続けるかは、取手市でも共通の課題です(出典:令和7年版 救急・救助の現況

大規模災害への備え

前章で触れたとおり、取手市が位置する県南地域は「茨城県南部の地震」の被害想定の中心にあたります。180人規模の本部であっても、大規模災害が起きた際には全国的な応援体制の一翼を担う立場です。

全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が緊急消防援助隊に登録しており、取手市消防本部もこの枠組みの中で、被災地への応援出動や応援の受け入れに備えています(出典:緊急消防援助隊|消防白書

また、千葉県との県境を管内に持つことも踏まえると、県をまたいだ広域連携への意識も欠かせません。人口密度が高い市域を180人という体制で守っている以上、一人ひとりが火災・救急・救助のどの場面でも即戦力として動ける幅の広さが求められます。

予防・住宅防火

火災の発生件数は年23件(令和6年中)で、救急に比べれば少ない水準です。ただ、全国の住宅火災では、亡くなった方(放火自殺者等除く)の74.5%が65歳以上という数字が出ています(令和5年中762人。出典:住宅火災における死者の状況|消防白書)。

また、取手市の高齢化率は34.4%、75歳以上率は21.8%と、いずれも県平均を上回っており、住宅防火の啓発や査察といった予防業務の重みは今後さらに増していくと考えられます。

人材確保と女性消防吏員の活躍

消防吏員180人のうち、女性は7人(令和7年4月1日現在)で、割合は約3.9%です。全国の消防吏員に占める女性の割合は約3.8%(168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)で、国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げています(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁

取手市消防本部の水準は全国平均とほぼ同じですが、国の目標にはまだ届いていません。多様な人材が働き続けられる環境をどう整えていくかは、これから消防に入る受験者自身にも関わるテーマです。

重点方針|取手市が掲げる重点施策と消防の役割

取手市消防本部は、消防に関する独自の運営方針や重点目標を毎年度公表しているわけではありません(2026年9月時点・当研究会調べ)。このような場合は、管内の地理的な条件や人口構成といった管轄理解を、志望動機を組み立てる際の手がかりにするとよいでしょう

管内の特性を志望動機にどう結びつけるか

取手市消防本部の管内は、面積69.94平方キロメートルというコンパクトな市域に10万人を超える人口が集まり、なおかつ千葉県我孫子市・柏市と接する県境の立地にあります。この2つの特性、すなわち人口密度の高さ県境という位置づけは、救急需要の多さや広域連携の必要性といった、これまでの章で見てきた課題に直結しています。

志望動機を組み立てるときは、抽象的な「地域への思い」ではなく、こうした管内の具体的な条件から話を起こすと説得力が増します。取手市は独自の消防運営方針や重点目標を公表していない一方で、こうした管内の条件そのものが、この本部を理解するための最も具体的な材料になります。

POINT|管内の特性を自分の言葉で説明できるようにする

取手市消防本部を語るうえで欠かせないのは、名称の暗記ではなく、面積の小ささと人口の多さ、そして県境という立地が、日々の救急対応や広域連携にどうつながっているかを自分の言葉で言えることです。エントリーシート審査ではこれまで培った経験や意欲、記述の分かりやすさが総合的に評価されるため、面接前の準備段階からその意識を持っておきましょう。

悪い例「人と接するのが好きなので、消防の仕事に興味を持ちました」

改善例「取手市は面積が小さいわりに人口が多く、救急の出動が消防の仕事の大半を占めていると知りました。現場で経験を積みながら、増え続ける救急需要を支える一員として力になりたいと考えています」

エントリーシートに書いたエピソードと、面接で話す内容がずれていないかを、提出前に自分でも見直しておくと安心です。

あわせて確認したい公式資料

取手市消防本部の受験案内は市の公式サイトで公開されており、申込みは「いばらき電子申請・届出サービス(取手市)」を通じた電子申請のみです。まずは実施要項全体で手続きの流れを確認し、そのうえで管轄の統計データにも目を通しておくと効率的です。

とくにエントリーシートで問われる項目は早めに書き出しておくと、後の面接対策にも直結します。書き出した内容は、時間をおいて何度か読み返し、より伝わりやすい表現になるよう整えておくとよいでしょう。

  • 令和8年度取手市消防職員採用試験実施要項
  • いばらき電子申請・届出サービス(取手市)の案内ページ
  • 茨城県地震被害想定調査報告書
  • 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、取手市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。取手市消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

取手市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

取手市消防本部の面接の概要

ここからは、取手市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

取手市消防本部の面接の流れ

第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階制で、第3次試験に「集団面接」と「個人面接」の両方が置かれているのが取手市消防本部の試験の特徴です。

項目内容(令和8年度・消防職)
実施主体取手市消防本部総務課(市役所行政職とは別枠で実施)
試験の段階第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階
第1次試験の種目エントリーシート審査(内容審査)
第2次試験の種目基礎能力検査(教養試験)・事務能力診断検査・作文試験・体力試験
第3次試験の種目集団面接・個人面接(いずれも主として人柄・対人的能力などについてみる試験)
身体要件視力(矯正可)が両眼0.7以上・一眼0.3以上であること、聴力が正常であること、赤色・青色・黄色の識別ができること(補正含む)

注目してほしいのは、第3次試験で集団面接と個人面接の両方が同じ試験区分の中に置かれている点です。体力試験は懸垂・反復横とび・腕立て伏せ・腹筋・300ヤード(275メートル)疾走の5種目で、第2次試験の中で作文試験とあわせて実施されます。(出典:取手市消防職員採用試験実施要項|令和8年度

第2次試験の筆記2種目も内容が分かれています。基礎能力検査(教養試験)は文章読解能力・数的能力・論理的思考能力・人文社会自然に関する一般知識・基礎英語の5分野から出題され、事務能力診断検査は照合・分類・言語・計算・読図・記憶という6分野の事務能力を測る検査です。

試験結果の開示は第2次試験の不合格者のみが対象で、開示されるのは総合得点及び順位です。

上記の試験構成は、取手市が公表した令和8年度の消防職員採用試験実施要項にもとづくものです。各試験種目の配点は実施要項に記載がなく、公表されていません。試験の構成は年度ごとに更新されることがあります。受験の際は、必ず最新の試験情報をご確認ください。

受験資格にも上級・初級で違いがあります。上級消防職は大学(短期大学を除く)の卒業者または卒業見込みの方、初級消防職は高等学校または高等専門学校の卒業者または卒業見込みの方(高等学校卒業程度認定試験の合格者を含む)が対象で、区分ごとに生年月日の要件も定められています。

いずれも日本の国籍を有しない方は受験できません

取手市が求める人材

取手市消防本部は、消防職員採用試験実施要項の中で「求める人物像」を言葉にして示してはいません(2026年9月時点・当研究会調べ)。手がかりになるのは、第1次試験に置かれたエントリーシート審査です。

この審査は「これまでに培った能力や知識、経験、意欲、シートの構成(見やすさ・分かりやすさ)等を総合的に評価」するとされており、面接に進む前の段階から自分をどう伝えるかが問われています。単に「体力に自信があります」と述べるだけでなく、その体力や経験を取手市の救急需要にどう活かしたいのかまで、エントリーシートの時点から一貫して語れるようにしておきましょう。

また、エントリーシートに書いた内容は、第3次試験の集団面接・個人面接まで一貫して問われ続けることになります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。取手市消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ消防官を、それも取手市消防本部を志望するのですか?消防官という仕事とこの地域を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解自分の短所は、これまでどんな場面で表れましたか?客観的な自己認識ができているか。短所との向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動集団で何かに取り組み、意見が食い違ったときはどう対応しましたか?集団面接に向けた、他者との関わり方の実例
⑤ 学業・経歴学業やアルバイト、部活動で力を入れたことは何ですか?取り組んだ内容と、そこで担った役割を具体的に説明できるか
⑥ 適性・将来体力試験の5種目に向けて、どのような準備をしていますか?交替制勤務を続けていくための体力・生活管理・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官に限らず、公務員に必要な資質は何だと思いますか?公共の仕事への理解と、社会の出来事に対する当事者としての目線

7つの切り口を先に押さえておけば、どんな順番で聞かれても対応しやすくなります。ここから先は、取手市ならではの質問にどう備えるかがポイントになります。

合否を分けるのは取手市に固有の質問

「警察官や自衛官ではなく、消防官を目指した理由を教えてください」
「取手市消防本部を志望する理由と、集団面接ではどんな役割を担うことが多いか聞かせてください」

1問目は消防という仕事そのものへの理解を、2問目は第3次試験で課される集団面接に向けた自己認識を確かめる質問です。後者は、自分が集団の中でどう振る舞う人間かを言語化できていないと、その場で的確に答えるのが難しい質問です。

面接で使いやすい「取手の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい取手の事実答え方のヒント
試験の段階構成エントリーシート審査→筆記・作文・体力試験→集団面接・個人面接の3段階(第2部1章)各段階で何が評価されているかを踏まえ、一貫した自己PRを組み立てられると印象に残ります
救急需要出動件数は救急6,536件に対し火災23件(令和6年中)。火災・救急・救助の合計の9割超が救急(第1部2章)件数の比率を把握していれば、業務理解の解像度が高いと伝わります
管内の立地千葉県我孫子市・柏市と接する県境の立地にある(第1部3章)県をまたいだ連携の視点を持っていることを示せます
女性消防吏員の状況消防吏員180人のうち女性は7人で約3.9%。全国平均約3.8%とほぼ同水準(第1部4章)この本部の状況を踏まえた上で、自分がどう組織に加わりたいかを語れると印象に残ります
試験の受験資格上級は大学卒業(見込み含む)、初級は高校・高専卒業(見込み含む)が対象(第2部1章)自分がどちらの区分に該当するかを明確にしたうえで、その区分に応じた話し方をする

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

取手市が公表しているのは試験の段階と種目までで、配点は明らかにされていません。そこで、公務員の採用面接で広く用いられるコンピテンシー評価、すなわち過去の行動の事実から採用後の働き方を確かめる見方を、取手市の3段階の試験構成に重ねて整理しました

これは市が公表した評価基準ではなく、あくまで一般論としての整理です。集団面接では他の受験者と並んで受け答えをする分、個人面接とは違った角度から人柄が観察されると考えられます。

評価の観点(一般論)面接でどう確かめられるか準備のポイント
行動の一貫性エントリーシートから面接まで、経験や意欲を一貫して語れているか書類の内容と面接での発言に食い違いが出ないよう、同じ経験を繰り返し整理しておく
周囲との協働集団面接のように、他者の意見を聞きながら自分の考えを伝えられるか集団の中で自分がどんな役割を担いやすいかを事前に振り返っておく
地域への理解数ある消防本部の中から取手市を選んだ理由を、具体的に語れるか人口密度や県境の立地といった管内の条件と、消防の仕事の接点を自分の言葉にする
文章での表現力エントリーシート審査でシートの構成・分かりやすさまで評価される話し言葉と書き言葉、どちらでも同じ内容を一貫して伝えられるようにしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。集団面接と個人面接の両方が課される取手市の試験ではなおさらです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和8年度の実施要項を読み、上級・初級どちらの区分に該当するかと、電子申請の手順を確認する。申請には直近3か月以内に撮影した証明写真のデータも必要になる
  2. これまでの経験を棚卸しする。集団での役割に限らず、部活動やアルバイトから、周囲と協力して物事を進めた具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルする。集団面接を意識して、他者の発言を受けての受け答えも練習しておく。体力試験の5種目も、期間を決めて計画的に仕上げていく

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で取手市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。エントリーシートの記述内容は面接まで一貫させる必要があるため、早い段階から文章として整えておきましょう。体力試験の準備も、直前になって慌てないよう、早めから計画的に取りかかっておくことをおすすめします。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、取手市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

取手市消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。集団面接と個人面接という2種類の面接それぞれに合わせた準備を、早めに始めておくと安心です。

エントリーシートの提出から最終試験まで一貫した自分の言葉を保つことが、取手市の試験を乗り切る近道になります。特に集団面接は個人面接とはまた違った緊張感があるため、事前の練習が本番での落ち着きに直結します。

取手市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

取手市消防本部は、取手市が単独で設置し、市役所行政職とは別枠で消防本部総務課が採用試験を実施している本部です。第1次のエントリーシート審査に始まり、第2次の筆記・作文・体力試験、第3次の集団面接と個人面接という3段階を経て採用が決まります。

救急が出動の大半を占める実情と、千葉県と接する県境の立地の両方を踏まえたうえで、自分の経験のどこが活かせるのかを言葉にしていってください。

エントリーシートに書いた内容は最終段階の面接まで一貫して問われることになるので、早い段階から自分の言葉を固めておくことが近道です。

10万人を超える暮らしを守る仕事に挑む皆さまを応援しています。