本記事では、那珂市職員採用試験の面接対策で必要な、那珂市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

那珂市役所の面接試験では、「なぜ那珂市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みを市政でどう活かすのか」といった質問が想定されます。事務職の試験が第三次試験まで組まれ、その中で個別面接が2回行われることからも、人物を何度も確かめる設計の試験だといえます。

本記事の掲載内容を参考に、自分の経験と那珂市政の接点を整理し、面接での回答づくりに役立ててください。

第1部|自治体研究編

那珂市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは那珂市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口52,590人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積97.82km²・人口密度538人/km²の市である。
  • 水戸市、ひたちなか市、常陸太田市、日立市、常陸大宮市、東茨城郡城里町、那珂郡東海村という7つの自治体と接している。県央から県北へ抜ける位置にあり、暮らしの動きが市境をまたぎやすい。
  • 人口密度538人/km²は、茨城県全体の463.3人/km²(令和5年10月1日現在)を上回る。県内では人が比較的まとまって住んでいる市だといえる。
  • 市名の読みは「なか」市。隣接する那珂郡東海村や、栃木県の那珂川町、河川名の那珂川と表記が紛らわしいため、書類でも面接でも取り違えないよう注意したい。
  • 市役所は〒311-0192 那珂市福田1819-5に置かれている(団体コード08226-1)。
  • 市の花はひまわり、市の木は八重桜。
  • 茨城県全体の人口は令和7年国勢調査の速報集計で2,791,207人となり、前回(令和2年)から75,802人(2.6%)減った。市境をまたぐ動きが多い那珂市では、県全体の減り方が人の行き来にも表れる。

那珂市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、「那珂市がどんな規模で、どこに位置する市なのか」を自分の言葉で言えることは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、位置関係など、市政の性格を説明できる項目を優先して整理しました。規模を測るときの比較先として、茨城県全体の数値もあわせて載せています。

項目内容
総人口52,590人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積97.82km²
人口密度538人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体水戸市、ひたちなか市、常陸太田市、日立市、常陸大宮市、東茨城郡城里町、那珂郡東海村
市役所所在地〒311-0192 茨城県那珂市福田1819-5
市の花・市の木ひまわり・八重桜
(参考)茨城県の総人口2,791,207人(令和7年10月1日現在・国勢調査速報集計)
(参考)茨城県の人口密度463.3人/km²(令和5年10月1日現在)
(参考)茨城県の高齢化率31.2%(令和7年9月15日現在・推計値)

那珂市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです。茨城県の総人口・人口密度・高齢化率は茨城県公式サイトの統計による数値です。市の統計の最新値は、那珂市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から読み取れる那珂市の位置づけ

人口52,590人という規模は、県内では中位にあたります。特徴が出るのは、面積97.82km²と組み合わせたときです。

人口密度538人/km²は茨城県全体の463.3人/km²を上回っており、市域の広さのわりに人が集まって住んでいることがわかります。

7つの自治体と接するという位置とあわせると、市の中で暮らしが完結せず、通勤や通学、買い物が市境をまたいで動きやすい市だと考えられます。

もう一つ押さえたいのが、県全体の人口の減り方です。

茨城県の総人口は令和7年国勢調査の速報集計で2,791,207人となり、前回(令和2年)から2.6%減りました(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計|茨城県

ただし令和6年の1年間で見ると、出生14,556人に対し死亡38,951人と24,395人の自然減である一方、転入125,457人に対し転出118,116人と7,341人の転入超過でもありました(出典:茨城県の人口(年報)|令和6年

移り住む人の流れが県全体を下支えしている以上、隣接自治体が多い市ほど「どこに住むか」の競争にさらされます。面接では、次のように数字と課題をつないで話せます。

「那珂市は人口が5万人ほどで、人口密度は県全体より高いと知りました。水戸市や日立市など7つの自治体と接していますので、住む場所を選ぶときに比べられやすい市だと思います。県全体では出ていく人より移り住む人のほうが多いと聞きましたので、選ばれる側に回るための取組に関わってみたいと感じています」

那珂市の経済・産業

全国有数の農業県という土台

市の産業を語るときは、まず県全体の姿を土台に置くと位置づけが見えてきます。茨城県の農業産出額は5,494億円で全国第3位(2024年)。

2017年から8年連続で3位を保ち、生産農業所得2,002億円は全国第2位です。

内訳は園芸2,629億円(48%)、米1,399億円(26%)、畜産1,286億円(23%)と続きます(出典:茨城県の農業産出額|令和6年

手間と人手のかかる園芸が半分近くを占めるということは、担い手の確保が産地の課題として重くのしかかるということでもあります。

もう一つの顔である製造業

茨城県は農業の県であると同時に、工業の県でもあります。県の製造品出荷額等は12兆1,773億円で全国第7位(令和2年)。

重化学工業が全体の65.1%を占め、化学工業が最も多く、次いで生産用機械器具製造業、電気機械器具製造業と続きます(出典:茨城県の工業|令和2年

農業と重化学工業という性格の違う産業を同時に抱えているのが茨城県の経済です。那珂市のように多くの自治体と接する市では、市民の働く場所が市外にも広がります。

市の産業を考えるときは、市内で完結する話としてではなく、通勤圏の中で暮らしをどう支えるかという視点で見ておくと、面接での話に現実味が出ます。

県の財政から見える、行政の前提

行政の仕事には、常に財源という制約があります。令和7年度の茨城県一般会計当初予算の規模は1兆2,636億94百万円(対前年度当初比1.0%増)。

県債残高は令和7年度末見込みで1兆9,669億円となり、前年度末見込みから419億円減って、2兆円を下回るのは平成23年度以来14年ぶりとなる見通しです(出典:令和7年度当初予算 財政状況の公表|茨城県

県と市では財政の規模も仕組みも違いますが、借金を減らしながら必要な事業を選ぶという構図は、市町村でも同じです。面接で「やりたいこと」を語るときは、ただ増やす提案ではなく、限られた財源の中で何を選ぶかという意識まで見せられると、受け止められ方が変わります。

那珂市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、那珂市を含む茨城県内の市町村が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

隣接自治体が多い市の、選ばれ方

茨城県の推計人口は令和7年1月1日現在で2,806,403人、対前年17,054人(0.60%)の減少にとどまっています。

減少幅がこの水準で収まっている背景には令和6年の7,341人の転入超過があり、県全体の人口は移り住む人によって下支えされている状態です。

あわせて見ておきたいのが世帯数で、同じ時点の1,241,214世帯は対前年13,702世帯の増加です。

人口が減りながら世帯の数は増えているということは、一世帯あたりの人数が細っているということでもあります。

7つの自治体と接する那珂市は、住まいを選ぶ段階でつねに比較される位置にあるといえます。

子育ての環境、住宅、公共交通のどこに手を入れるかという判断が、そのまま人口の動きに返ってきます。

3人に1人が65歳以上という前提

茨城県の65歳以上人口は852,737人、県人口に占める割合は31.2%で、いずれも過去最高を更新しました(令和7年9月15日現在の推計値)(出典:茨城県の高齢者人口|令和7年9月

県民のおよそ3人に1人が65歳以上という水準です。市境をまたいで動く暮らしは、車を運転できるあいだは便利でも、運転をやめた後は一気に不便になります

通院や買い物の足をどう確保するかは、那珂市のような位置にある市ほど具体的な課題になります。

市域を越えて動く暮らしを、どう支えるか

面積97.82km²に約5万2千人が暮らし、7つの自治体に囲まれているという条件は、行政の側から見ると難しさも生みます。

住民の生活圏が市の境界と一致しないため、道路も公共交通も福祉サービスも、近隣自治体との関係の中で考える必要があるからです。

市単独では完結しない仕事が多いということは、他の自治体や関係機関と話をつける場面が多いということでもあります。

面接で協調性や調整力を語るときには、この市の条件と結び付けると説得力が増します。

県北に被害が集中する地震への備え

茨城県地震被害想定調査報告書(平成30年12月公表)は3つのタイプの地震を想定していますが、そのうち県北部に大きな被害をもたらす「F1断層などの連動による地震」は死者330人・建物全壊焼失11,000棟(夏12時のケース)と、想定3地震の中で最大の被害が見込まれています。

県南部に被害が及ぶ「茨城県南部の地震」は死者90人から180人・建物全壊焼失3,400棟、「茨城県沖から房総半島沖にかけての地震」は死者50人・建物全壊焼失9,500棟で沿岸部全域に津波被害が想定されています(出典:茨城県地震被害想定調査報告書の概要|平成30年

死者の内訳は揺れによる建物倒壊がほとんどを占めるとされており、住宅の耐震化や家具の固定といった地道な備えが被害を左右します

自分の住む地区の想定は、市のハザードマップで確認しておきましょう。

那珂市の重点政策|第3次茨城県総合計画と那珂市

那珂市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。茨城県の最上位計画を確かめてから、那珂市の採用情報がどこに置かれているかという話へ進みます。

第3次茨城県総合計画が掲げる基本理念

県の最上位計画は第3次茨城県総合計画(〜「新しい茨城」への挑戦〜)で、計画期間は令和8年度から11年度です。基本理念は「活力があり、県民が日本一幸せな県」

加速する人口減少や超高齢社会への対応、大規模災害リスクへの対応、飛躍的に進化するデジタル技術がもたらす社会変革といった時代の変化を、「新しい茨城」づくりに向けて留意すべき重要な視点として整理しています(出典:第3次茨城県総合計画|令和8〜11年度

これは県の計画であって、那珂市の計画ではありません。

ただ、市の総合計画を読むときには、県が挙げたこれらの変化のうち市がどれを自分の課題として引き受けているか、という目線を持っておくと理解が早くなります。

市の計画と県の計画の関係を一言で説明できるようにしておくと、面接での受け答えにも幅が出ます。

那珂市の採用情報をどこで見るか

那珂市の職員採用に関する情報は、市ホームページの採用に関するページに集約され、募集ごとに実施要項がPDFで公表されます。

令和8年度(令和9年4月1日採用)の実施要項では、職種と採用予定人数が事務(大卒・短大卒)8名程度、土木・建築・保健師・保育士/幼稚園教諭が各若干名と示されました(出典:那珂市職員採用試験実施要項|令和8年度

申込には採用管理システムまたはいばらき電子申請・届出サービスの利用者登録が必要で、申込完了後に他の職種へ変更することはできません。

POINT|申込の段階から試験ははじまっている

那珂市の試験では、全職種共通で第一次試験時に「エントリー審査」が行われます。申込フォームの内容が要項の指定要件を満たしているかに加えて、市職員としての適性や意欲、熱意についても総合的に審査されます。つまり、申込フォームに書いた文章がそのまま評価対象になるということです。書いた内容は必ず控えを残し、面接の前に読み返しておきましょう。

悪い例「地域に貢献できる仕事がしたいと思い、志望しました」

改善例「申込のときにも書いたのですが、市は7つの自治体に囲まれていて、通勤も買い物も市の外へ動きやすいと感じています。だからこそ、住み続ける理由をつくる仕事に関わりたいと思って志望しました」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 那珂市職員採用試験の実施要項(受験する年度・職種のもの)
  • 那珂市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
  • 市のハザードマップ(自分の関わる地区の想定を知る材料として)
  • 第3次茨城県総合計画、茨城県の統計資料(市政の背景を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、那珂市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。那珂市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

那珂市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

那珂市役所の面接の概要

ここからは、那珂市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

那珂市役所の採用試験の構成

令和8年度の実施要項によると、試験は第一次試験、第二次試験、第三次試験及び身体検査・資格調査で構成されます。

第二次試験は第一次試験の合格者に対してのみ、第三次試験は第二次試験の合格者のみに行われ、身体検査と資格調査は第三次試験の合格者だけが受けます。

事務職は集団討論を1回、個別面接を2回くぐり抜けて採用に届く構成です。

項目内容
試験の構成第一次試験、第二次試験、第三次試験及び身体検査・資格調査。第二次は第一次合格者、第三次は第二次合格者のみが対象
第一次試験(事務職)SPI3。試験方法・会場はSPIテストセンター又はインターネット環境が整備されている自宅等
エントリー審査全職種共通で第一次試験時に実施。申込フォームの内容が指定要件(顔写真のサイズや向き、文字数など)を満たしているか、また市職員としての適性や意欲、熱意について総合的に審査
第二次試験(事務職)集団討論及び個別面接。会場は中央公民館
第三次試験(事務職)個別面接。会場は那珂市役所
専門職の第二次・第三次土木・建築・保健師・保育士・幼稚園教諭はいずれも個別面接。集団討論が課されるのは事務職のみ
身体検査・資格調査職務遂行に必要な健康度を有するかどうかを検査し、受験資格の有無等を調査
職種と採用予定人数事務(大卒・短大卒)8名程度、土木・建築・保健師・保育士/幼稚園教諭が各若干名(令和8年度)
申込方法市ホームページの採用に関するページにある採用管理システム又はいばらき電子申請・届出サービス。利用者登録が必要
提出書類登録用写真(5メガバイト以下、縦4×横3の比率、JPEG又はJPG形式、最近3か月以内に撮影した脱帽・上半身・正面向き・無背景)
併願の扱い4月採用は同年10月1日採用との併願が可能。10月採用試験で合格した場合、4月採用の申込は辞退として取り扱われる
職種の変更申込完了後に他の職種へ変更することはできない
配点令和8年度実施要項・採用試験ページのいずれにも記載がなく未公表

上記は令和8年度那珂市職員採用試験の実施要項にもとづく内容です。試験の科目・職種・実施回数は年度によって変わることがあります。受験の際は、必ず最新の受験案内でご自身の職種の試験情報をご確認ください。

この構成の特徴は2つあります。1つは、第一次試験がSPI3で、テストセンターだけでなく自宅等でも受けられる形になっていること。

もう1つは、事務職に限って第二次試験で集団討論が課され、そのうえで個別面接が第二次と第三次の2回あることです。筆記の負担を抑えたぶん、人物を見る工程に重心が置かれていると読めます。

那珂市役所が求める人物像

「求める人物像」として公表された一文は、令和8年度の職員採用試験実施要項にも、市の採用情報のページにも見つかっていません。そこで、試験の組み立てから、評価されやすい資質を考えます。

集団討論があり、個別面接が2回あり、その手前にエントリー審査で申込フォームの記載内容が審査される。

この流れから見えてくるのは、「集団の中で役割を取れること」「2回の面接で崩れない一貫性」「書いた言葉と話す言葉がそろっていること」の3点です。

自己PRでは「協調性があります」と言い切るのではなく、その力を使って何をして、周囲がどう動いたのかまで話せるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。那珂市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までは迷わずにたどり着けましたか構えていない場面での表情と受け答えの自然さ
② 動機・志望民間企業の選考は受けていますか職業選択の理由を、待遇以外の言葉で説明できるか
③ 自己理解自分の短所とは、どう付き合っていますか弱みを認めたうえで、対処のしかたまで語れるか
④ 経験・行動意見が食い違った相手と、どう折り合いをつけましたか対立の場面で何を考え、どう動いたか
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れたことを1分で説明してください要点を選び、時間内にまとめられるか
⑥ 適性・将来10年後、どんな職員になっていたいですか仕事への理解の解像度と、成長の道筋の描き方
⑦ 公共性・社会性公平と平等の違いを、どう考えていますか行政の立場について自分なりの言葉を持っているか

ただし、この7カテゴリーは那珂市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「那珂市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「那珂市役所ならでは」の質問

「なぜ茨城県庁ではなく、那珂市役所なのですか」
「那珂市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも那珂市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料を持っている人だけが、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「那珂市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい那珂市の事実答え方のヒント
市の規模と位置人口52,590人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積97.82km²、人口密度538人/km²。県全体の463.3人/km²を上回る7つの自治体と接する市であることを踏まえ、市境をまたいで動く暮らしをどう支えるかという視点で話を組み立てます
なぜ県庁ではなく市役所か県は第3次茨城県総合計画(令和8〜11年度)で県全体の方向を示し、市は5万人規模の暮らしの窓口を担う役割の違いを述べるだけで終わらせず、第二次と第三次の面接で同じ答えを言い切れるだけの理由を用意しておきます
市の課題県の推計人口は令和7年1月1日現在で2,806,403人(対前年0.60%減)。一方、世帯数は1,241,214世帯と対前年13,702世帯増えている人口は減っても世帯の数は増えているという事実を押さえ、一世帯あたりの人数が細るなかで市の窓口に何が求められるかへ話をつなげます
産業と働く場県の農業産出額5,494億円は全国第3位、製造品出荷額等12兆1,773億円は全国第7位(令和2年)で重化学工業が65.1%農業と工業を両方抱える県だと押さえたうえで、市民の働き方に市役所がどう関われるかを1つ挙げます
試験の組み立て事務職は第三次試験まであり、集団討論1回と個別面接2回。第一次はSPI3とエントリー審査集団討論では結論を急がず、議論のどの役割を引き受けるかを決めて臨むという自分の方針まで言葉にしておきます

コツは、5つを丸ごと覚えることではありません。自分の関心に近いテーマを1〜2つ選び、事実から自分の問題意識へ、そして市職員としてやってみたいことへと一続きにつないでおくと、掘り下げられても話が崩れません。

想定される評価の観点

面接は、前述の「評価されやすい資質」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの整い方ではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
集団の中で役割を取れること集団討論で、議論を前に進める発言ができるか事務職だけに集団討論が課される試験であることを踏まえ、初対面の人と結論を出した経験を1つ用意しておく
2回の面接で崩れない一貫性第二次と第三次で同じことを聞かれたとき、答えの軸がそろうか志望動機と自己PRの骨組みを1枚のメモにまとめ、中央公民館と那珂市役所という別々の会場で同じ話ができる状態にしておく
書いた言葉と話す言葉がそろっていること申込フォームに書いた内容を、その場の言葉で説明できるかエントリー審査で意欲や熱意まで審査されることを前提に、提出した文章の控えを残し、面接の直前に必ず読み返す

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 市ホームページの採用に関するページを定期的に確認し、募集が公表されたら実施要項を保存する。申込には利用者登録と規格どおりの登録用写真が要るため、写真は早めに用意しておく
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 第一次試験のSPI3の形式に慣れておく。あわせて、申込フォームに書く文章を推敲し、控えを手元に残す
  5. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、市の人口・位置と茨城県全体の見通しから、志望分野に近い事実を2つか3つ、自分の言葉で説明できるようにする
  6. 声に出して練習する。集団討論を想定した練習と、同じ志望動機を別の相手に2度話す練習をセットで行う

優先順位に注意

ステップ4と5は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を那珂市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。面接が2回ある試験では、話の量よりも軸のぶれなさが効いてきます

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、那珂市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

那珂市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

那珂市役所の想定問答集を見る

さいごに

那珂市の事務職の採用試験は、申込フォームのエントリー審査からはじまり、集団討論、そして個別面接を2回と、同じ受験者を何度も見る形で組まれています。

取り繕った答えは、二度目、三度目で必ずほころびます。逆に言えば、何度聞かれても同じところに戻ってくる自分の理由を持っている人にとっては、これほど有利な構成もありません。

5万2千人が97.82km²に暮らし、7つの自治体に囲まれた市で、自分は誰のどんな困りごとに向き合いたいのか

そこまで言葉にできたら、中央公民館でも那珂市役所でも、同じ強さで話せるはずです。